毎日新聞の腹立たしい社説(書いた奴は死ねばいいのに)

元ネタはこれだ。
「東京新聞の腹立たしい社説」
http://d.hatena.ne.jp/Arisan/20101023/p1

 だが冗談抜きで毎日の社説は東京と比べて酷すぎる。東京には腹が立たず、id:Arisan氏の記事を読んで「当事者や人権に敏感な人はそう思うんだろうなあ、俺、そうじゃないからそう言うとこ鈍感だなあ」と思った私だが、毎日の社説には殺意を覚えた。
 たぶん、東京の場合、「俺たちも差別撲滅に努力するけど朝鮮学校も努力が必要じゃね?」と言う「「俺たちの努力」が一応前面に出ている」スタイルなのに対し、毎日はそうじゃないからだろう。タイトルが差別心全開だ。

社説:朝鮮学校無償化 開かれた教育へ脱皮を
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/archive/news/20101106ddm005070128000c.html

もちろん「開かれた教育へ脱皮しろ」と説教されているのは朝鮮学校だ。ふざけるなよ、糞が。まず「差別して、ごめんなさい」と謝るべきだろうが。

これについてのid:motorunder氏のtwitterを紹介。
なお、産経と朝読毎の連係プレーという見方は正直したことがなかったので一つの見方として勉強になった(産経のデマを朝読毎はきっちり突っ込めよとはいつも思うが。この件に限らず、「南京事件否定論」とか「ID論」とかいろいろね。朝日なんか歴史教科書問題は朝日が騒ぐから悪いとかさんざん産経にデマ流されてるんだからもっと突っ込めよ)。

・ああ、随分と長くなったけど取りあえず言いたいことは吐き出したかな。一回ここら辺の考えはちゃんとまとめなきゃいけないとは思いつつ、今日の所はここまでにしとこ(ってもう日を越えてるか)。
・スタートラインが前進してるんだか後退してるんだかも分からない。だけどそれでも構わない。状況がネガティブなのは分かってる。だからって止まって下向いてるわけにもいかない。そんなことしてりゃボコボコにされるだけだ。あっち側も大概だがこっちだって粘り強さじゃ負けない。明日また歩いてく。
・それで「こっち側」としては、これが2010年の素敵でハッピーで楽園みたいで「住まわせてもらってるだけで有難い」日本の現状だと受け入れて、改めて疲れ切った足腰を立たせなきゃいけない。もう祖父母の時代から半世紀以上もずっと走り続けているんだけど。
・実に大した「勝利」だよ。産経脳な皆さんは歯噛みする必要はないぜ。お前らが対価に貰ったものの方が今後よっぽど使い出がある。
・今回の無償化を巡る運動で在日側が「勝ち取った」ものは何だろうか。ネガティブな言い方になるけれど、それは果てしない徒労感だったと思う。対して日本のマスコミは自分たちの「寛大さ」とそれを許す「過半数の世論」を手に入れて、権力はただ厄介事を振り払うようなぞんざいな措置しか執らなかった。
・「自分たちの問題」として考える姿勢を全く見せず、ただ全てを「在日側の問題」としてだけ語るマスコミ。必然的にこの根強い差別的状況に対する「日本人側」の責任は免罪されて、「在日側」に向けられる視線だけが厳しくなっていく。それを示したのが産経・FNNの合同調査による60%の反対意見だ。
・果てしない徒労感で目の前が真っ暗になりそうなところに今度は有難い大マスコミさま*1の追い打ちだ。「まあ俺たちも体面あるしー、ちょっと可哀想だとは思うからペン先の端っこで同情するくらいはいいけどさ、お前らもあんま調子のんなよー。産経の言うことだって一理あるかもよー」ってよ。
・今日でもう三度目の繰り返しになるけど、新世紀に入ってから10年経った今でさえ、朝鮮学校とその周りにいる在日コリアンは、自分たちについてその程度の、道端のいつでも踏みつぶせる蟻を見る程度の認識しか持たない権力に対してあらゆるリソースを動員して異議申し立てをしていかなくてはいけない。
・つまり朝鮮学校というのは「連中」にとってそういう存在なわけだ。ちょっとばかりの面倒を避けるために差別しても構わない存在なわけだ。そしてうるさく騒ぎ立てて来た上に、自分たちのルール上でも少々辻褄が合わなくなったら不承不承差別的な取り扱いを考え直す、その程度の存在なわけだ。
・そうだとしてみよう。民主党政権は自分たちが通した法案の性格上、無償化対象に朝鮮学校を入れざるを得ないのを分かっていて、ただ政局怖さにそれを延々と後回しにしていたと仮定してみよう。まさにそんな先延ばしをしたということが、しかもそれが許されたと言うことが問題の深刻さを物語っている。
・それ*2を見た審査員の、「これは日本では合法な団体なのか?」という日本の代表への質問に対する、「そうだ。」という答えに対して、会場がざわめいたとか。しりぬぐいも楽じゃないね。
・そして産経が恨みがましく言うように、「結局のところ民主党政権は朝鮮学校への無償化適用ありきの流れで動いていた」というのは本当かも知れない。と言うか無償化法案の中身と日本の法律と(産経脳には見えない)国際的常識に照らしてみたらそれ以外にやりようがないのだが。
・正直なところ、民主党政権が本気で朝鮮学校を無償化から除外しようとしていたかどうかは微妙な点もあると思う。少なくとも「政局」を見た日和見主義の判断が問題をここまで迷走させたという側面はある(まあこのイシューが「政局」になること自体が大問題だが)。
・mujigedari:このテレビの排除の構造は、在日朝鮮人だけじゃなく、性的少数者や障がい者もそうなんなけどね。差別問題はバラエティーとかスペシャルドラマとか24時間テレビとかに閉じ込められて、別枠扱いにされている。日常の場面には被差別者は存在しないことにされている。
・だけどもし今回の無償化適用の流れを「運動で勝ち取った権利」と言うなら、それはあまりにもおぞましい勝利じゃないだろうか。だってもし負けてた場合、日本政府は在特会並みの脳味噌でないと出てこないようなレイシズム丸出しの根拠に基づいた差別政策を実行してたかもしれないんだぜ。
・mujigedari:まあ、「大阪ラブ&ソウル」の評価はおいといて、ふだんテレビドラマに在日朝鮮人が一切描かれないってことがもっと大きな問題だし、排除そのものだと思うんだ。「渡る世間は鬼ばかり」に朝鮮人青年が登場して、結婚差別とか入居差別をめぐり岡倉家が大騒動、なんてのも、一度やってみたらいいんだよ。
・もちろん日本社会の全員がそうだなんて言いたいわけじゃない。解放後の在日コリアンがこの地で半世紀以上の時を生きていく間、いつも力を貸してくれるたくさんの日本人がいた。今回も本当にたくさんの人達が力を貸してくれた。それはいつだって忘れてない。
・これが結論だ。これが2010年の日本のマスコミが示した結論だ。「可哀想だから朝鮮人も仲間に入れてやろうぜ。まあ連中があんまりオイタしないっていう前提でだけどな」。今朝も言ったことだけど、もう新世紀に入って10年が経ってるんだぜ。素晴らしすぎるユートピアの風景に目が回りそうだ。
・そして11月に入って(!)やっとで無償化を適用する方向性がある程度明確な形で出てきた。早速産経がレイシズム丸出しのヘイトな社説を掲載した。そこに毎日がすかさず合いの手だ。「開かれた教育へ脱皮を」だってよ。ケツ蹴っ飛ばすぞクソ野郎が。
・民主党政権が即時適用以外の方法がない朝鮮学校の授業料無償化を、へっぴり腰と差別に対する鈍感さと事なかれ主義を盾に延々と引き伸ばしている間、全国の主要マスコミが取った態度がこれだった。
・各紙の記者が夜中に仲良く編集会議を開いてるとしか思えないこの仲良しこよしの交換社説の中に「日本人側の責任や能動性」を求める声はない。カケラもない。何度でも繰り返す。ただの一欠片だって自分たちの醜悪な差別性を見つめる視線はありゃしない。
・そして最後にこう付け加える。「だけど朝鮮人もあんまり調子に乗っちゃいけないぜ。俺たちだっていつも優しいわけじゃないんだから、きっちり尻尾振ってご機嫌取るよう心がけろよ、反日教育はちゃんと見てるぞ」ってな。実に有難いお言葉だぜファック野郎。
・実際その連携は胸糞が悪くなるほどに見事だ。産経が社説と一面を丸ごと使って朝鮮学校に対するヘイトを撒き散らす。すると朝毎読が実に恩着せがましい口ぶりでこうだ。「まあまあ大人になれよ、朝鮮人の態度は確かに問題だが、ここはこっちが日本人の度量を見せていっちょ仲間に入れてやろうぜ」
・こういう態度が産経の撒き散らすレイシズム丸出しの記事と実に巧妙な連係プレーを取っていることは指摘するまでもない。表面上は違うことを言っているようでいながら、朝毎読と産経はスペインのパスサッカー並みに鮮やかな共同歩調で朝鮮学校に対する差別感情を蔓延させた。
・さて、一段落したところで続きといこう。いわゆる「全国紙」が軒並み法案の趣旨から見た朝鮮学校の位置づけや国際人権条約といった論点をスルーしたことは、とりもなおさず「日本人である自分たち」が「朝鮮学校に対して」無償化を適用しなければならない「責任」から目を逸らしたことを意味している。
.watarloo:なんかね、日本人に対してなんにも問いかけてない話でしたね。>NHK「ラブ&ソウル」
・朝日も読売も毎日も、「朝鮮学校が高校に類する教育課程を満たしている」ことにも、「法案の趣旨から無償化が適用されるのが当然だ」ということにも、「無償化除外が国際人権条約違反の明白な差別であることが国際機関から指摘されている」ことにも殆ど触れなかったこと。これは重要だ。実に重要だ。
・現実はそのスタートラインのはるか斜め下だった。朝日も毎日も朝鮮学校が高校水準の教育課程を満たしている事も、無償化適用が当然だという筋道にも殆ど触れず、「朝鮮学校の反日的教育は問題だ」、「独裁体制との癒着という疑惑に対してオープンになる必要がある」だとよ。どこの産経脳だマジで。
・さて、話の続き。繰り返すけど中井の妄言が報道された瞬間に、朝日と毎日くらいは信濃毎日新聞の社説*3くらいの正論は述べるべきだった。その上で朝鮮学校側は、「朝鮮学校はこれまで日本社会に自分たちを知ってもらうための努力をたくさんしてきています」と返す。普通はそこがスタートラインだろう。
・全国紙のどれか一つでも「そもそも朝鮮学校を無償化から除外するという論理こそが常識外れのあり得ない差別なんだよ」ということを堂々と言ったか?否だ、もちろん否だ。最低でも朝日と毎日は(連中がリベラルという面の皮を被るなら)信濃毎日新聞の社説くらいのことは即座に表明するべきだった。
・実にクソ極まりない。朝日も読売も毎日も、朝鮮学校への無償化適用が法案の趣旨からも当然であれば「国際条約に照らしても」適用されるべきであることを正面切って論じなかった。そろいもそろって「可哀想だから無償化してあげようよ」と言わんばかりの論調。今思い出しても反吐が出る。
・その無償化適用に「原則賛成」というロジックこそが糞だった。どいつもこいつも朝鮮学校の教育や政治的立ち位置に(それこそ産経と変わらないレベルの)罵倒を散々投げつけた上で、「まあ教育の権利という点から言えば、朝鮮学校も無償化するのが筋であろう」と恩着せがましく付け加える社説の数々。
・けどもっと重いのは言うまでもなく朝日・読売・毎日をはじめとする「本物の」全国紙だ(産経とか所詮全国紙まがいですから)。あいつらの論調は軒並み糞でしかなかった。ただし朝日も読売も毎日も、当初から「原則として」無償化の適用に賛成という立場を取っていたことには注意しておきたい。
・まあ産経あたりは中井の発言関係なく何かしら文句を付けてきただろうが、それにしてもあの鳩山の日和り具合がなかったら、橋下の糞は意外と静かにしてたんじゃないかと思う(ヤツも周りを見て物を言うからな)。その意味でもこの無償化適用を巡るゴタゴタに関して鳩山の責任は重い。
・それこそ中井が馬鹿なこと*4を言ってきた時点で内々に一喝しておけば、ここまで問題がこじれることもなかったろうに、あの八方美人な伝書鳩*5がなまじっか公共の電波で「一定の理解を示す」なんてことをのたまったばかりに、一気に反対派が勢いづきやがった。
・そもそも今回の法案の趣旨を考えれば、朝鮮学校を適用対象に入れるのは当然すぎるくらい当然の流れであって、そこにイチャモンつけてきた中井なんか、本来なら相手にもされずに門前払いで終わり。ただその時の総理が鳩山というのが運が悪かった。*6
・さて、取りあえず朝鮮学校無償化適用の流れは何とか筋道がついたと思ってよさそうな感じになってきたんだけど、それにしても今回の一連の経緯を通して浮き彫りになった問題は深刻かつ重大だと思う。言うまでもないことだけど産経が撒き散らすヘイトクライムはその問題の一部でしかない。

id:mujige氏のtwitterも紹介。

朝鮮高校「無償化」適用まだ決まってません! 関係者が文科省に電話で確認した正式決定までのプロセスは次のとおり。 1)民主党合同政策調査会承認→2)文科省適用基準発表→3)学校側の申請受付→4)個別審査→5)文科大臣決定(「年末まで」−あいまいな表現)。現在は2)段階。まだ気を許せません。

八ッ場ダムの件と言い正式決定までドンだけ引き延ばせば気が済むんだよ、民主のバカ共は。
厄介事は先送りするスタイルが定着してるな。変な決定されても困るけど。
ま、国籍法改正の時、「偽装認知が増える」と騒いでたバカウヨ共と一緒で、この問題で騒いでるバカウヨ共も、無償化がタイムスケジュールに載れば、別の連中にとっての「重要な問題」に動いていくのだろう(今、国籍法で騒いでるバカウヨというのはほとんど見かけないと思う)。自分の過去の発言を振り返ることもなく。連中はそう言うふざけた奴らだと私は理解している。
私はどうかって?。私もタイムスケジュールに乗れば当事者には申し訳ないが多分このブログでは取り上げないだろう。私が許せないと思ったのは産経新聞に代表される「無償化除外論」という悪質なヘイトスピーチと、それを正当化するためのデマ垂れ流しであり、それを放置することによって日本の国際的イメージが破壊され、かつ日本が法治国家ではなくなっていくことであり、それ以上のものではないからである。

*1:毎日社説のこと

*2:在特会のビデオ

*3:「朝鮮学校・無償化は理にかなう」(http://www.shinmai.co.jp/news/20101026/KT101025ETI090004000022.htm)

*4:あいつは麻生政権が認めた北朝鮮女子サッカーチーム入国を撤回し、国内に入れるなと言い出すほどのアホだ。さすがに実現しなかったがそれはFIFAと国内サッカーファンが怖かったからであって、そうすることが政治的に有利だと思えば平気で実行したであろう。

*5:菅だからとにもかくにも朝鮮学校無償化問題はこうなったのであって鳩じゃ、まだ先送りだろう。鳩は偉そうに俺なら尖閣問題も解決できたって出来るわけないだろ、お前みたいな無能に。

*6:運が悪かったのは朝鮮学校だけではなく沖縄なんかもそうだろうが。