なぜ日本は児童ポルノコミックを禁止しないのか? By James Fletcher

長山燕石氏の訳が読みやすいので誘導します。 => こちら
BBC記事に対するネラ・ノッパ氏の反論 => こっそりブログ




























日本のコミックやカートゥーン――マンガ、アニメとして知られる――は巨大な文化産業であり世界中に知られている。しかし性的に露骨なシナリオが特徴であることには衝撃を受ける人もいるだろう。なぜ日本はこのような代物を禁止しようと決定しないのか?

東京の日曜の午後、サンシャインクリエイションは宴もたけなわであった。数千の漫画ファン、ほとんどは男性だが、展示場に押し寄せる。長蛇の列を作り、長机に販売のために陳列されたマンガ雑誌を彼らは熟読する。妖精のような顔でくりくりした愛らしい眼をしたマンガのヒロインたちのポスターの多くは半裸かほとんど服を着ておらず、会場を無数の色で満たしている。

「この地区は性的創作を主に扱っている」とイベント主催者の一人であるHideが説明した。

私たちは上半身裸の少女ふたり(のポスター?)を展示するテーブルの前で足を止めた。私には十歳代前半か一桁代であるように見えた。そして、同人誌のなかで少女たちは明示的な性的行為に従事している。

他の長机でも似た傾向の同人誌を販売していた。英国やオーストラリアやカナダでは物議を醸すもの、おそらくは違法であると考えられた。しかし、ここでは大騒ぎするほどのことではない。

「誰もが児童虐待はよくないことだと知っています」Hideは言った。「けれどもそういった感情を持つことは自由であり、児童と性的な状況にあることを想像し楽しむことは禁止されていない」

彼の率直な言葉に私は驚いた。「ロリータコンプレックス」の略である「ロリコン」の世界を彼は紹介した。それは、少女を性的に露骨な脚本に当てはめることを特徴とするマンガの名称だ。近親相姦、強姦や他のタブーを含むことがあるけれど、Hideの趣味は高校生によるロマンスものだ。

「私は若い少女の性的創作が好きだ。ロリコンは私の多くの趣味のなかの一つにすぎない」と彼は言った。

すぐそこにいる妻が夫の趣味についてどう考えているかと思うか、私はHideに尋ねた。

「彼女はたぶん問題ないと思っているでしょう」と彼は答えた。「なぜなら、彼女は若い男子たちが性的にふれあう(マンガが?)好きだから」

このようなマンガは年40億円を売り上げる日本の巨大なマンガ産業のなかではごく一部である。しかし、多くの注目と論争を引きつけています。

2014年6月には、日本の国会は児童を性的虐待する実画像の所持を禁止する法律を通した。製造と頒布は1999年から違法だったが、日本はOECDのなかで唯一所持が禁止されていない国だった。

同時に「バーチャルな」性的画像――マンガ、アニメ、ゲームに登場する18歳未満のキャラクター――を違法にしようという呼びかけもあった。しかし議論の後には日本の国会は違法としないことを決定した。この決定は特に日本国外の児童保護キャンペーン呼びかけ人およびNGOの非難を招いた。

「バーチャルな」性的画像が違法とされなかったことを理解するためのの手がかりとして、Hideが私にはじめてあって数分間で自分の「趣味」について楽しげに話したことが挙げられる。

とても年若い子どもを対象とするマンガはいくらか社会的烙印を押されているようだが、未成年を対象とする性的な作品についてはかなり主流の人々の関心を惹いている。

日本の国会議員は多数のマンガファン――潜在的には数百万――を違法と見なすことに明らかに消極的だった。

Hideのようなファンは単に無害なファンタジーを楽しんでいるだけだと主張している。モデルとなる児童はいないし、演じる児童もいないと。彼は言う。「性的なテーマのマンガを作るうえで児童虐待は発生しない」

けれど、ファンタジーと現実の間に明確な境界線はありますか?

東京の秋葉原地区はマンガワールドの心のふるさとだ。ネオンサインが乱舞し大声でポップミュージックが流れて目と耳を圧倒する。複数階ある書店が軒を連ねて、ありとあらゆる種類のマンガを売っている。

18歳以上のみに立ち入りを制限されている成人コーナーでは小学生のレイプだとか10歳未満の未成年を性的対象とするマンがを見つけることは難しいことではありません。

「人々は性的に興奮したものにも、やがてそれらに慣れてしまう」あるアダルトストアの一角で働くTomoは言った。「だからいつも新しい者を探して若く未熟な女性に性的に興奮するのさ」

性的に露骨なマンガの制作過程では誰にも危害が加えられないとしても、常態化し、促進することで性的虐待のリスクを増すことにつながる可能性がある、と批評家は心配している。

ほんとうかどうかは分からない。研究も結論は出ていない。けれども日本の多くの、特に女性は、十分に関心を持っている。極端なポルノを見て見ぬふりをする社会の一部とみている。

若者の魅力を見つけるために日本にまで探しに行く必要はありません。若い少女のポップグループが大人の男性のファンの前で演奏する(のを思い浮かべてください)。そしてマンガに載る看板や広告には高校生のイメージがありふれている。

若い女性たちの人気作家であるLily――Sex in the CityやTokyo-Styleを代表作に持つ――Lilyは語る。高校時代、男性が彼女や友達にアプローチして靴下や下着に価を付けた高校時代について。

「そんなことはイヤだ。変態め」と彼女は言う。思春期のセクシュアリティの魅力は「強く独立した女性にうんざりしている男性が成し遂げたいことがすべてだった」彼女は主張する。

Lilyの両親の時代の家族モデル――父が金を稼ぎ母が家事を行う――は未だに強く日本を支配している。けれども日本経済の弱さが男性の理解を困難にしている。

「仕事で成功してない人は、ロリコンマンガのファンタジーに陥っているかもしれない」

「私は憎む。きわめて憎む。日本は変態を追い出して、たとえファンタジーだとしても児童を変態から救い出して欲しい」

しかし、政府が特定の空想、特定のファンタジーについて「よい」「適切だ」と規定し押しつけることに懐疑的な人もいる。

「ええ、(政府の規制を)批判するあらゆる理由があります」マンガ翻訳家であり言論の自由の擁護者である兼光ダニエル真は言う。「するかもしれないし考えるからという理由で警察に権力を与えるのならば、思考の検閲に他ならない」

ならば彼は若い子どもと、強姦や近親相姦のようなタブーを描くマンガ創作者の権利のために立ち上がるのだろうか?

「私には簡単にできることではない。けれども彼らの考え方や共有したいことを人々に伝える権利がある」彼は言う。「人権を侵害しない限り、ファンタジーな生活を送ることの何が間違っているんだい」

日本と性的虐待画像

日本は児童の性的虐待画像の製造と頒布をイギリスの21年後、1999年に禁止した。2013年にはアメリカ国務省が日本を「児童ポルノの生産と人身売買のための国際的拠点」と名指しした。日本警察は2013年に1644件の児童ポルノ犯罪を報告した。1999年に法律が成立して以降、毎年増え続けている。2014年6月、日本は児童性的虐待の実画像の所持を禁止した。適用まで一年間の猶予が与えられた。

秋葉原のマンガショップで、児童保護運動家の金尻カズナがマンガとコミックよりもはるかに大きな問題と考えているものを見せてくれた。メインストリートの階段を登るとDVDが詰まった部屋に行き着いた。

カズナは棚からDVDを一つ取り出した。彼女が言うには5歳の少女の、大人のポルノグラフィの模倣した露出度の高い水着を着て性的なものを連想させる姿勢をとった少女の実画像を特徴としていた。店にあるほかのDVDもみな実在する児童が演じている。

「子どもたちに対して申し訳ないと思う」金尻は告げた。

これらは「ジュニアアイドル」と呼ばれるDVDだ。1999年に児童ポルノの製造が禁止されたあとに人気になった。児童の性器を隠すことで法律を避けた。しかし、金尻は昨年6月に法律が強化された今となっては違法であると主張する。

「違法なことに手を染める人は適切に処罰されるべきである」彼女は言う。「(新たな)法律の下で完璧に違法である。だというのに警察は取り締まらない」

未成年を性的な状況で演じさせるマンガやアニメのコンテンツはショッキングで注目度抜群のものかもしれないが、私が話した金尻と他の活動家たちは今のところ実在児童を保護するための重要な戦いに集中していると語った。

けれども彼女は議論を引き起こしているマンガやアニメを禁止する望みを捨てていないと語った。

「私はそれらを根絶したい」彼女は言った。「日本で夏のオリンピックが開催される2020年までに、日本を倒錯した文化を持つと呼ばれない国に変えたい」

マンガの支援者が強く拒否しているが、オリンピックが近づくにつれて海外の目は日本に向き、「クールジャパン」というより「奇妙な日本」と見なしているマンガとアニメに強力な圧力をかけるだろう。

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