死刑廃止論者です

今まで明言したことはないが、私は死刑廃止論者です。まあ、私のブログを読んで下さっている方にはいまさらだと思うけど。

廃止論者になった理由はいくつもある。まず、大きな理由は冤罪に関する部分である。自白重視と代用監獄のセットが存在する以上、冤罪は他人事ではないと感じている。
正直、多くの人が重大犯罪の被害者になる可能性の方が冤罪の当事者となる可能性よりも高いとディフォルトで信じている*1としか思えない言動を取るのは判断が甘いのではないかとも思う。

次に厳罰化に対する疑問にもつながるし、廃止論とは直接関係ないのかもしれないが被害者遺族に対する問題だ。遺族のことを考えれば、死刑も当然だという立場には異論がある。
犯罪被害者やその遺族に対する補償や社会的なケアが不十分であるという主張はその通りだが、そのことが即加害者に対する厳罰化や死刑肯定に短絡するのは賛成できない。言葉は悪いが、代わりに加害者を厳しく罰してやったのだから、後の事は国に文句を言わずに自分でどうにかしろと言っているようにしか思えない。

あとこれは感情論だなと自覚はあるのだが、以前内閣府の世論調査で8割以上の人が死刑容認と答えた*2という報道を読んで日本では8割の人が理由さえあれば人殺しを容認するんだと思ったのも大きい。

なんで急にこんな事を書こうとしたのかというとgood2ndさんのエントリで

でも死刑制度は「正義の殺人」を肯定する制度であるわけですから、「正義があれば殺人は悪ではない」という観念を支えてしまう、
死刑の抑止効果が統計に表れないこと、執行数の増加と厳罰化 - good2nd

という文が私が以前から考えていたことを端的に表してくれていたので・・・

*1:信じているのではなく、最初から考慮に入っていないのかもしれないけど

*2:設問が不均等であり、この調査だけで語るのは危険だと思うが