産經新聞がまたしてもやってくれました!


「国立でむぱ研究室櫻分室」経由。

(前略)
 知的設計論とは、いのちやヒトの誕生に「知的な存在」がかかわったと考える理論で、十九世紀初頭から一部の科学者らが提唱してきた。

 近年、遺伝子研究をはじめとする分子生物学の目覚ましい進歩により、ヒトの細胞の構造が解き明かされてきた。その成果をふまえて、知的設計論者はダーウィンの進化論だけでは到底その複雑さを説明できないと主張している。
(後略)

いやまあ、こういう言説の背後に「誰」がいるのかだけを暴露してすむんならはなしは簡単なんですけどね>愛・蔵太さん。


一度ならばまだ一記者の暴走として切り捨てることもできようが、こりゃあもう産經新聞が社をあげてインテリジェント・デザイン説にコミットすることを決めた、と考えるべきなのだろうか。インテリジェント・デザイン説、および統一協会の関与については以下のエントリもご覧下さい。

産經新聞に科学部はないのか?
「インテリジェント・デザイン」続報

しかし今回の記事では、インテリジェント・デザイン説と宗教の関わりが明言されている(ただしその「宗教」というのがキリスト教(およびキリスト教系)ファンダメンタリズムであることは隠されている)のが前回の記事と違うところである。

科学と宗教は再び接近しつつある。近年の物理学や分子生物学の長足の進歩が、両者の再会を促すことになったのだ。

なんだそうだ。知らなかった! そういうはなしが『ネイチャー』にでも載ってるのかな?

ヒトのゲノム(全遺伝子情報)は、わずか四つの塩基で構成され、この塩基のペアが約三十億個連なっている。塩基の配列が偶然のものとするなら、私たち一人一人は、四の三十億乗分の一という奇跡的な確率で生まれてきたことになる。

人類はゼロから誕生したわけじゃないんで「四の三十億乗分の一」なんて計算に意味はありませんね。安心してください。勝手にハードルを高くしておいて「偶然では不可能だ」とするのが創造説の定番の論法です。