[Memo]猫の火葬

 新年早々、“めでたくもなし”な上、年末に老猫ブログから脱却宣言(←大袈裟)したばかりでこのタイトル。やはり正月の我が実家ではこの話題は避けられず、よく知ってる生きものが単なる物体になってしまったという個人的な感慨と、最近は出張火葬なるサービスがあるということを知ったささやかな驚きの記録です。


 「続きを読む」以下にはグロくはないとは思われますが、死体やら骨やらの画像があります。苦手な人はクリックしないでください。











 


 死んだ直後。二十歳の誕生日祝いに獣医さんがくれたフリースの敷物をかけたところ。




 鼻の周辺の黒い部分は元々白い毛が生えていたが、年を取ってハゲてピンク色の地肌が露出していた箇所。両親曰く、死んだ途端に見る見るどす黒くなったとのこと。

 参考:http://f.hatena.ne.jp/a2004/20050920121211




 とりあえず手近にあった段ボールに入れて安置。人間(祖母)の入ってる仏壇のある部屋に動物が一緒というのはいかがなものか、というむきもあろうかと思いますが、出張火葬に来てもらうまでの1日半の間、一日中寒くて腐敗を遅らせながら、かつ静かで収まりのいい場所というのがここぐらいしかなかったということで。にわか拵えの祭壇には好物だった茹でトウモロコシとカニかまぼことまぐろの切り身少々。



 段ボールの中には、ドライアイスとやはり生前の好物だったキャットフード(シニア用ウェットタイプ)。





 出張火葬車。一見、普通のトラックだが、中を開けると火葬のための機材がある。新しいサービスゆえ料金を巡るトラブルもあるらしいが、両親が頼んだ業者は単純な従量制。5kg未満の体重で、交通費込み、骨壺なし、セレモニーなしの最低料金1万2000円コースだったらしい。家のそばの駐車スペースに停まってもらい火葬の準備。

 
 以前飼っていた猫が死んだ時は、そのまま庭を深く掘って土葬。周囲も田んぼと畑で何の問題もなかった。が、20数年の月日が経つうちに、実家の周りは大きく変わってしまった。土葬で万一、迷惑をかけることになってはと火葬をすることにしたのだが、公共の火葬場ではまとめて焼かれてしまうので骨が戻ってこない。まぁ、ペットは人間とは違うので、公のサービスとしては衛生上の問題さえクリアできればよし、それ以上のことを求めるのなら民間に頼んでそれなりのお金を…というのは妥当ではあると思う。




 焼かれる直前。煙やススのほどんど出ない特殊な油を使うそうだが、段ボールは灰となって煙突から空にヒラヒラと舞いあがるらしいので、死体だけ取り出す。生花、トウモロコシ、まぐろの切り身、カニかまぼこなどいずれも「生モノ」はOK。キャットフードは「アルミパウチ袋」が燃えにくい素材なので1袋だけにとどめる。蓋が閉じられ、およそ1時間半で完全に骨だけになった。





 家にあった空き容器にぴったりと納まってしまったさくらの骨。出張火葬業者さん曰く、これだけ年取った猫で、こんなに白い骨が形として残るのは珍しいとのこと。(入れる順番の関係で、底の方に長くて大きいのが入っている。頭がい骨もノドぼとけの形もほぼそのまま)


 人間も同じなのだけれど、年を取れば自然と骨はもろくなるものなので、焼け跡はボロボロか、砂のように崩れてしまってることが多いのだそうで。また、動物は高齢となると投与する薬の質が強いものになりがちで、その影響で骨は黒ずんでいることが多いのだとか。確かに点滴は打っていたけれど、薬はほとんど飲まずに済んだ猫ではあった。


 一応、49日の後に桜の木の下に埋める予定らしい。穴は既に掘られていた。ざっと80cmぐらい。どう見ても骨となってしまった猫を埋めるには無駄に深すぎ。ついでに肥料を漉きこめるようにとか、色々なことを父が考え出して張り切りすぎた結果らしい。