朝鮮大学校に「犯罪者集団:在特会」(仮称)来襲す。

実況ルポをあげていたが、当日、私が何を見たのか、撮影動画を含めて改めて記述する。在特会の人間に対しては敬称は略させてもらいます。当たり前だ馬鹿。

前々日、どろさん(id:dondoko9876)からの情報で馬鹿集団が無関係な人々に迷惑をかけにいくという事を知る。日本人の面汚しをしにいくというのならば、その一部始終をきっちり見てやろうと決める。

<9:15頃>
自宅を出発する。ぐるぐるさん(id:gurugurian)も一緒に行ってくださるということだったのでちょと安心。(誰かと一緒じゃないと野次り返してモメて私自身が朝鮮大学校側に迷惑をかける恐れもあったので)現地で別のマイミクさんと会う予定もあり、心強くおもう。

<10:00頃>
国分寺駅に到着し乗り換え。しかしこの駅にある案内板がわかりづらくてかなり不安だった。なんとかしろよ。朝鮮大学校へ行くのは初めてである。
隣の席に男性二人連れ。「朝早く呼び出されてたまんねーよ」などといってる。その内容から在特会っぽいなーとおもったけど、靖国で見かけるようなアレげな感じではなく、清潔そうで悪くない印象であった。ああこういう人もいるんだ…とよくわからない感慨を抱く。

<10:15頃>
鷹の台に到着。駅前には在特会が大集合…と思いきやあんまり集まっていない。(少なくとも今年の靖国のときに感じた威圧感はなかった。)20人ぐらい?ドロンパ桜井誠と瀬戸ゼリー弘幸を確認。そして警官が彼らの脇にずらっと並んでいる。少し離れた正面付近には明らかに公安関係者とおもわれるヒトビト。微妙な緊張感の中、なんだ?といぶかしい顔をして彼らの間を小走りにすり抜ける一般人。ドロンパ桜井誠が警官に対して「逮捕すべきなのは朝鮮学校の人間だろ、間違えるな」と文句付けたりしている。「みなさん、ちゃんとブルーリボンを付けましょう!」とドロンパ桜井誠が周囲に促す。胸に輝くブルーリボン。いやーブルーリボン運動関係者は抗議すべきでしょう。こんな奴らの示威運動に利用されているんですから。

ぐるぐるさんと合流した俺ちゃんは少しはなれたところから彼らの様子をうかがっていた。オウムよろしく在特会のキモいデブが周囲を撮影している。公安関係者の中にはマスク+メガネ姿で防御している人もいて、主に在特会を撮影していた。

在特会の年齢層は上と下の乖離が割りと激しい。50代と20代だから平均すると30代みたいなわけのわからん分布。ちなみに電車で隣に座った二人連れはやはり在特会だった。参加者の性別はほぼ男性。女性は2名のみで、うち1名は子連れで参加してましたよオクタマ!なんていうかそれをみたときには「ものみの塔」(エホバの証人)を連想しちったよ。あの子供は…ちゃんと育って欲しいです反面教師として。(靖国でよく見るような)ガリとデブ、アキバ系ばっかりというようなこともない。女性の一人がなんだか場違いな成金的格好(セレブ風ってやつ?画像参照)をしていて激しくういている。江青を連想した。基本的にはダサいし病的な人もいるけど全体を通してみる限り一見してヤヴァいアレげな人は少ない、という感じ。

<10:30頃>

ドロンパ桜井誠がアジ演説を始める。「小平の皆さんに私は文句を言いたい、あなた方がきちんと反対しないからつけこまれているんですよ!たちあがれ!」などといっている。小平市民によって自警団が結成されたらまず真っ先にお前らが排除されるだろとおもうが、ここでもめても当初の目的を達成できないばかりなので、撮影に専念する。5〜6分馬鹿話をして、ご一行は警官隊をひきつれてご出発あそばされる。

駅から朝鮮大学校までは割と距離がある。途中に創価高校なんかがあるのだが、そこで在特会の中から「ナンミョーホーレンゲキョー」だの「池田氏ね」などという声が上がって、そのたびにゲラゲラ笑い声が起きる。「なにこれー?」「こわーい」と近所の人?と思しき原宿系女子が小声で話しながら通り過ぎる。イッパンジンから支持得られないって致命的なんじゃないの?「国民運動」とやらにしては。

ドロンパ桜井誠がバス停を指差しながら大声でイチイチ「ここがかの有名な白梅学園前ですよーみなさん!」「マンセー」などといっている。いちいちそれに笑い声が起きるんだけど、なにが面白いのかさっぱりわからん。年に数度の晴れ舞台だからコーフンするのもしょうがないのかもしれないけど、端からみると丸っきりの馬鹿かキチガイそのもの。まあそこまで断言するのもアレなので、民衆の支持を得るには程遠い姿、といいなおしておく。

<10:50分頃>
一足先に校門前に到着する。警官隊がずらっと並び、装甲車っぽい車両まである。学園関係者は数名、校門と警官隊の中間地点あたりにいた。あとは学園内部から様子を見守る人々。そこへ「マンセー」などと大騒ぎしながら在特会が闖入。「5人ずつ入れ」という警官隊に対して「一人ずつ入れろ、日本なんだから日本人がなにしようと勝手だ」というようなことをわめき、ドロンパ桜井誠と警官隊がもめ始める。




「ニューナンブで俺を撃て!!!朝鮮人に殺されるくらいなら日本人に殺される方がマシだ!」←ドロンパ畢生の名セリフは2/4で開陳されます。(流行らせたいな。)私は性格が非常に悪いので「おおやったれやったれ」と思ってしまった。お国のために是非お願いします。皇国の礎となってください。それはさておき、個人的には「仁義なき戦い 広島死闘篇」で大友勝利が放つ「おめこの汁で食うとるんで」と並ぶと思いますた。とにかく人として大切ななにかを欠落してないと言えない文句です。

でまあその他詳細は動画を見ていただきたいのだが、だいたいこういうのが延々30分にわたって続いた。ドロンパ桜井誠は「ここにいるのは犯罪者集団です!!」なんて叫んでたけど、まさに「自己紹介乙」。そもそも在特会側の参加者には(あえてこういう言い方をするけど)「前科者」だっているしねえ。あんまり自虐的になるなよ、と声をかけたくなりました。うそですが。

大学側の反応は、といえば、明らかに高校生と思しき若い男が真剣な顔でにらみながら撮影をしたりしたのを除くと在特会が「ここには野良犬がいないぞーお前らが食ったんだろー」「俺にも食わせろー」「焼肉食わせろー」などとコジキみたいなことをヌかすたびに「プゲラwww」と失笑気味な声が漏れるぐらいで、マジレスしてもらえない有様である。嗤われるだけで相手にすらされてない。(それは正しく当然な行為なんだけど、さすがに在特会を哀れにおもったぜ。「蒸着」が完了するぐらいの間だけど。)

でもって野次る代わりに撮影をしていたんだが、警官に「見てるやつがいるから続くんだ。あっちにいけ」と追い立てられる。私の横にいた朝鮮大学校関係者にも「わたしらが守ってやってるんだからあんたらはおとなしくしてろ、むこうにいけ」というようなことをいっていて、なんだか失礼すぎるじゃないかその対応は、と文句のひとつもいいたくなるが余計な火種をまいてもと引き下がる。

<11:30頃>
マイミクさんと無事合流。今回の出来事について「おもったより人数少ないですねー」「やつらは朝弱いんですねー」などとアレコレ話をする。10分ぐらいで話を切り上げあとは自由行動にして、私とぐるぐるさんは校内へ。

この日は地域交流のためのお祭りということもあって、文系展示物よりも、公演といった出し物や学生たちが運営する屋台が主だった。校庭に舞台が設置され、それを取り囲むように屋台がでている。太鼓演奏やテコンドーの演武、それから在特会?をネタにしたと思われる舞台劇、とか。この劇は戦隊ものっぽく、すべりまくりでイタタな内容だったが、「お前ら在日は権利ばっかり主張して納税してないじゃないか」などという敵役の台詞があったりして、別な意味で興味深かった。在特会への当てこすりというか、皮肉というか。「理解しあえないかもしれないけど理解しあいましょうよ」というまとめだったように思う。

なぜか某有名ロールが売っていたんだけど、社長?が朝鮮大学校の出身らしくそのご縁で販売してたようです。七輪とカルビや野菜の盛り合わせなんかをセットにして有料貸し出していた。マッコリもあったよ。地べたに座って焼肉を食しながら話す人々。「在日の人たちが主催するお花見にいったことがあるけど、こんな感じだったよ」とぐるぐるさん。エヴァ看板といい、学園祭のような和やかな雰囲気である。自分用土産として「今日しか売ってないんだよー」と売り子のおばちゃんが推していた「朝鮮大学校ロゴ入りルーズリーフ」を購入。

屋台で何を食べたらよいのかわからなかったけれども、「スープ系がいいよ」というアドバイスをもらい(他には「ムッ」というそば粉でつくった豆腐的なものや甘酒も美味いということだったけどなかったのでした。それにしてもどういうものなんだろうな「ムッ」って)、テールスープとチヂミを購入。テールスープは美味しかったが、チヂミはイマイチ。舞台近くのテーブルに腰を下ろしボーっと眺めていると隣に座った家族が「サイキン日本語ナライハジメマシタ」なんて話をしていた。どういう背景かよくわからなかったけど。基本的に周囲は朝鮮語7日本語3の割合で会話している。

それにしても女生徒が非常に可愛らしく、まさに花の顔、よい匂いが漂うような女子、また女子。ぐるぐるさんはいろんなところが伸びきっておられました。こんな穏やかな場に罵声を浴びせる連中のことを思うと、やつらと同じ日本人として詫びのひとつもいいたくなるというもの。

いい機会なので校内を見て回ることにする。朝鮮自然歴史博物館があったので、いってみる。1階が自然資料を展示しており、2階に歴史展示物を掲示しているようだ。よくある民俗博物館的なものを連想し、それは大枠で間違ってはいなかったのだが、自然物を展示している部屋にはいったら、まずでっかい金日成が人民を指導?している絵画がどーんとお出迎え。展示物は北朝鮮にはこんな生き物が住んでいるんだよ、という内容でした。朝鮮人参とか虎の剥製とかがずらっと並んでいる。ちなみに虎の剥製をみていたら隣の男女二人連れのうち男性のほうが「俺さー、ダブを薄めたのでこの虎を洗ったんだよー毛皮磨いたんだぜ」と話していた。ホントか?歴史展示物コーナーにいったときも同様に人民帽をかぶった金日成がどこかを説明しているシーンを描写した絵画がどーん。ああやっぱり。*1内容は古墳内部の壁画やらの紹介が主である。興味深いのは歴史展示物とはいっても近現代史がすっぽり抜け落ちていること。(しかし自然/歴史博物館ともに展示物の説明はほぼハングルで書いてあるのため読めない。そのため左記は年代等で判断した推測である。為念)ぐるぐるさんはポツリと「配慮しているんだろうな」とつぶやいた。

再び校庭に戻りうろうろしていると(「日韓学生しゃべり場」なんて張り紙が指定ある教室があった。「討論中」と書いてあるので、中をのぞくと、円に組まれた椅子に真剣な顔をした若い男女らが座ってなにかを話している様子だった)マイミクさんに遭遇。また少し話をする。「さっき終わったみたいですよ」といわれて一瞬なんのことかわからなかった。長いことグダグダやってたんだね在特会は。

彼はいわゆる「在日」の方で、てっきり出身者か関係者だと思って尋ねると「いやー違いますよ、こんな偏向教育」と笑っておられた。「同胞」からもそういう視点でみられているのか…と思った。(とはいえ、以前「在日」の知り合いから同じ言葉を聞いてたりするので驚いたわけではない。むしろ案の定とかそりゃそうだよな的な)

マイミクさんと別れて、校庭に座ってしばらく話をする。風が強くなってきていた。渦を巻くように吹き抜ける風のせいであおられたダンボールの直撃をくらう。掲げられた北朝鮮の国旗がポールに巻きついて、またはためく。それを見ながら考えた。

私はいままでいわゆる「在日」問題とはコミットしてなかった。きちんと勉強もしてなかった。言い訳がましいがずっと沖縄について調べていたので、頭も時間もあまりない私にとっては手が回りきれなかったということもあるが。「在日」の知人もいなかったこともあって、彼らの文化に触れることもなかった。(韓国映画をみていた韓国/朝鮮料理を食していたりはするが、それでは生の手触りを実感したとはいえないだろう)そういう意味ではこの日初めて「在日」の文化に直截接したのだが、こうして、こういう場にくると、「自分」のいる「世界」とは違う「世界」なのだと得心する。「世界」というよりも、むしろ「分野」、「文化」なのだろうけど。しかし、日本の中に「異文化」があるという、ただそれだけの話がなぜ「在特会」といった連中の憎しみを煽るのかが理解できない。もっともこういう問題は別に日本だけではなく、私の家族がブラジルで受けた「差別」*2などを思えば「人類」の抱える「宿痾」であることはよくわかるのだけれども。ある出来事によって「在日」問題を身近に考えるようになった私であるが、とはいえ、今回在特会の暴挙がなければここを訪れることはなかったように思う。(あったとしてももっと先だっただろう)そういう意味では在特会に「感謝」したい。最初で最後だが。

きっかけはこんなんだけど、朝鮮大学校を訪れたことはとてもよかったとおもっている。某有名ロールは美味かったしね。

<総括>
「右翼」を自称する私としては、「在特会」といったレイシストたちは自分たちが日本人であることを過剰にアピールして日本人の評判を不当に貶めている反日国賊集団ゆえ、許しがたい。断固としてぶん殴りたいが、ぐっとこらえて、奴らには怒りよりも「嗤う」ことをもって対処したい。朝鮮大学校側がそうしたように。「嗤っていた人たち」は、そうせざるをえなかったのだろうし、その「経緯」を思えば暗澹たる気持ちになるけれども、「彼ら」に敬意を払う意味でも、嗤うことを推奨したい。怒りやむなしさで言葉をなくしてしまったら、レイシストたちの思う壺なのだ。胆力で嗤え。私はこれからも嗤ってやるし、馬鹿にし続けてやるよ。まあそういう私のスタンスに対してたまにレイシストをレイシストだと指摘することは差別だと主張する輩がいるけれども、それなら私は差別主義者で結構です。ただし、断り書きをつけてほしいね。「差別主義者を差別する差別主義者」と。じゅげむじゅげむ。

*1:このあたりについては、イデオロギーというよりもある種の建前であるように今は感じている。

*2:人種の坩堝であるブラジルでは民族差別がないなんて話をたまにネット上でみかけるけど、とんでもない。かえって日系人のような新興勢力、少数民族はひどい差別を受けている。