一部メディアで9/19未明に三菱重工がサイバー攻撃を受け、外部から侵入を受けた恐れがあるとの報道がありました。ネット界隈の情報をまとめました。
※引き続き新しい情報を確認次第更新していきます。
概要
読売新聞が9/19の朝刊一面で三菱重工がサイバー攻撃を受け、外部から侵入を受けた恐れがあると報じました。夕方に入り、三菱重工からも攻撃の事実を認める公式の通知が出されました。
- 攻撃の経路
- 三菱重工へ送付された標的型メール(青山 繁晴氏、トレンドマイクロBlogの解説より)
- 差出人:内閣府実在の人物の名前、メールアドレスも該当人物のもの
- 添付ファイル名:原発のリスク整理(「例えば」と前置きがあるため一例の可能性もあり)
- 目的:原発を攻撃する方法を探るために行われた可能性がある。(神戸造船所で原発ストレステストが実施されていたことから)
- ※ 独立総合研究所やその代表である青山氏にも同様のメールが送付されているとのこと。
- 参考:誰でもサイバーテロリストになれる時代(WEDGE) 内閣府の人物を装って送付された標的型メールのサンプル掲載有り。
- 利用された脆弱性:CVE-2011-0611(Adobe Reader、Flash Playerの脆弱性)
- 漏えいした可能性のある情報
- ウィルスの感染が確認されたマシン 83台
- サーバー 45台
- 従業員が利用するPC 38台
- 情報漏えいに利用されたとして名前が挙げられているウィルス
報道によると合計8種類のウィルスを確認しているそうですが、下記ウィルスかどうかは不明です。引用元はITproとTMBlogより。
- 感染が確認された場所(11箇所)
- 本社(東京)
- 神戸造船所(神戸市)
- 長崎造船所(長崎市)
- 下関造船所(山口県下関市)
- 相模原製作所(相模原市) ※陸自の特殊車両生産
- 高砂製作所(兵庫県高砂市)
- 岩塚工場(名古屋市)
- 名古屋冷熱製作所(愛知県清須市)
- 横浜研究所(横浜市)
- 長崎研究所(長崎市)
- 名古屋誘導推進システム製作所(愛知県小牧市) ※ 航空自衛隊の誘導ミサイル制作
- ※防衛装備品関連の情報が収められたコンピューターが設置されていた場所(他にもある模様)
- 8月の標的型メール攻撃事案とは別に確認されているウィルス感染
- 2011年1月に年賀状タイプのメールに添付されたウィルス(参考)に、名古屋誘導推進システム製作所の従業員のマシン1台が感染。
- 2004年発生のAGOBOT、Gumbler、Spyeye、FakeAV等50種超のウィルス感染を確認。1台だけで28種のウィルス感染している端末も確認。
時系列まとめ
- 2011/4月頃
- 2011/08/11
- 三菱重工の社内監視システムがサーバーの異常検知。社内調査開始。
- 2011/08/22
- 2011/08/27
- 三菱重工よりセキュリティ会社に調査を依頼。
- 2011/09/19
- 2011/09/20
- 2011/09/21
- 2011/09/27
- 2011/09/29
- 2011/09/30
- 2011/10/03
- 2011/10/04
- 「防衛省が重要機密(装備品等)取引のある91社への問い合わせ結果、機密情報の流出は認められなかった」と報道
- 2011/10/07
- 2011/10/10
- 8月の標的型攻撃との関連性は不明ながら、複数の感染事案が発生していたことを確認。
- 2011/10/11
- 防衛省の定める「保護すべき情報」を格納するサーバーへ、ウィルス感染したサーバーからアクセスがあったことを確認。
- 2011/10/14
- 2011/10/18
- SJACからウィルス感染事案についてのお知らせが発表。
- 2011/10/24
- 調査を進めた結果、戦闘機、ヘリコプター等の情報が流出した可能性があると報道。三菱重工も情報が社外に流出した可能性があることを発表。
- 2011/11/09
- 三菱重工が続報として、防衛の「保護すべき情報」の流出は確認されなかったと発表。