以前、ワンダ・ランドフスカの弾くバッハの『半音階的幻想曲とフーガ』が凄い、と書いたことがあるが、その「凄さの秘密」が『レコード芸術』に書いてあった。
ランドフスカのチェンバロは黒塗りのピアノの構造にチェンバロの発音機構を取り入れたもので、
以前、ランドフスカのチェンバロを弾いたことがあるというベルリン芸術大学のチェンバロ科教授のメイヤーソン女史が、「指で強弱のコントロールが出せて、いろいろな(10以上の)ストップがあって(本来のチェンバロではありえない)すごく面白いのよ」と語っていた。チェンバロのサイボーグのような怪物で、とてもチェンバロとはいえない。
なるほど、そのような「サイボーグのような怪物」チェンバロなら、あのような「暴力的」な迫力が出せるわけだ。
俄然、ランドフスカの演奏に興味が湧いてきた。