戦争で儲かる人々

ブルックリンから世界のために: 暗いニュースリンクより引用。

アメリカ合衆国がテロとの戦争に費やした費用は、2006年7月の時点で4,370億ドル(約51兆7億1,600万円) 。貧困対策団体「Make Poverty History」によれば、地球上の貧困国家の借金総額は3,750億ドル。

例えば、米国内の軍事関連企業上位34社の経営者の1人あたりの平均報酬額は、9/11テロ以前には360万ドル(約4億2,331万円)だったのが、9/11テロ以降には720万ドル(8億4,664万円)に上昇している。これら軍事企業のCEO達34人が9/11テロから昨年までに懐に入れた報酬総額は9億8,400万ドル(約1,157億2,900万円)で、これはイラク国民100万人分の年収よりも多い金額ということだ。

『テロとの戦い』は既存の軍事産業を儲けさせただけでは収まらない。9/11テロ以前、米国政府から合衆国本土防衛業務を受注する企業は9社だった。それが2003年度には3,512社になり、現在では3万3,890社に膨れ上がったという。新市場の誕生である。2000年から現在までの6年間に、合衆国政府が本土防衛業務を外注した金額は1,300億ドル(約15兆2,925億8,600万円)、それが2015年には、年間費用として1,700億ドル(約20兆22億3100万円)を支出する計画であるという。(ここまで読んできた読者は、ハリケーン・カトリーナ大災害の被災地復興が進まないのはなぜ?と思われることだろう。ハリケーン災害対策もテロ対策も、同じ国土安全保障省の管轄下なのだが・・・。)

戦争は莫大な消費であり、軍事関連企業や復興事業請負業者はそれにより生まれる需要を満たすことで儲かります。*1
この至極明瞭な事実を受け入れられない人々が存在すること自体が奇妙なことに思えます。
クリントン政権が黒字化したアメリカの財政はブッシュ政権の対テロ戦争により空前の赤字化。
社会保障や社会資本整備は切り捨てられ被災地の復興も進みません。
対テロ戦争による国防費の急増はアメリカの多くの国民にとっては大きな損失でしょうが、それで儲かる人々は存在するわけで、ブッシュ政権は彼らの利益代表としては立派な仕事をしたといえるでしょう。
狂牛病肉の売り込みや弾道ミサイル防衛の推進など、ブッシュ政権の利益代表としての働きは見事なものです。当然のことながら庶民の利益代表ではありませんが。
民主主義国家であり圧倒的多数の国民は庶民だというのに、政界の主役は庶民の利益代表ではないという現実。それは日本にも共通する現実です。

*1:引用文は市場拡大に伴い新規参入する企業が登場していることも示しています