崩壊する嘘と本当の境界線――「機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争」4話感想
戦場と日常の境界線が崩壊するように。
拍手返信:と~しきさん(もがいても越えられない壁――「かくしごと」5巻感想)
>言われてみれば疲れている人の多い5巻でした。ホテルでのパーティーがなくなるのもおもてなしする方が疲れるからに違いない!可久士先生が娘に救われているっていのも描かれていましたね。もし姫ちゃんがいなくなったら漫画家先生から絶望先生になってしまいそうです。
正に年末進行!でしたね。宴会ごとの縮小は色々と世知辛さを感じます、実際の所どうなんでしょう。可久士は実際、色々な部分で姫に救われてますよね。漫画家でも先生は先生なので、たしかに彼女がいないと絶望先生になってしまうかも。
機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争 第4話「河を渡って木立を抜けて」
©SOTSU・SUNRISE
機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争 第4話「河を渡って木立を抜けて」を視聴。連邦の秘密基地を捜索せよというのはアルを監視するための嘘の命令だったが、バーニィはアルを監視するどころか一緒に基地へ潜入してきてしまった。嘘を本当にした訳だが、境界線を渡るには危険が伴う。#ポケ戦 pic.twitter.com/YJPkixVQhe
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2018年1月6日
基地はスパイのチャーリーに安全に発見させる筈であり、バーニィは渡る必要のない危険な橋(境界線)を渡ったに過ぎない。シュタイナーはバーニィにアルを送るように指示し、また、死にたくなければ命令通り行動しろと忠告する。#ポケ戦 pic.twitter.com/c1FqFjYmI9
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が、バーニィは厳密にはその前も後も命令通りには行動していない。命令はアルの監視や送り届けだけだが、バーニィはそこでアルの幼馴染であるクリスと交流も持ってしまっているからだ。ジオン兵である彼が連邦軍陣であるクリスと交流する、その境界線の崩壊は必然的に危険なもの。#ポケ戦 pic.twitter.com/EdlV33UJLf
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そもそも、本来ならバーニィはコロニー潜入時の偽名を使って接するべきだった。それができなかったのは、クリスに殴られ気絶している間にアルが「バーニィ」と呼んでしまったからだ。#ポケ戦 pic.twitter.com/wDeOcaZPPV
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「次からはワイズマンじゃなくて、バーニィでいいです」「私もクリスと呼んで下さい」……2人とも真実の自分を明かしていないのに、名前が本名であるためにそこに真実の接近がある。バーニィの思いきった言葉は、わずかに2人の境界線を越えた。#ポケ戦 pic.twitter.com/Kbv0Vg3PgL
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クリスと呼んでいいと言われたにも関わらずバーニィは彼女の目の前では呼ばず、1人になってから呼び名を噛み締めて走り出す。甘酸っぱい……#ポケ戦 pic.twitter.com/iAayOyy6My
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学校でザクの落書きをしていたアルは、ジオンは敵だ応援するなんておかしいと級友たちからバカにされる。そんな彼を救ったのは意外にも普段は喧嘩相手のドロシーであり、敵味方の境界線が崩れるのだが――それは2人がデキてるのじゃないかとからかわれる危険にも繋がる。#ポケ戦 pic.twitter.com/zSrsdwtFyv
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まあドロシーはかわいいから仕方ないね。#ポケ戦 pic.twitter.com/L0iiO8FtcP
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そんな中で会話に上った連邦最強のMS「ガンダム」。それは多分に子供の戯言めいているが、実際に存在するものでバーニィに感心される。1話で連邦のMSの有無で嘘を言い合っていたのと裏腹に、今度はそこでの会話は真実を突く。#ポケ戦 pic.twitter.com/k9RLdIEqQM
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襲撃計画を進めるシュタイナーは、スパイにして旧友のチャーリーからサイクロプス隊は囮(奪取の命令は嘘)だと知らされ、気付いていると返す。嘘が嘘だと分かっていて従う彼の中で、境界線は崩壊している。#ポケ戦 pic.twitter.com/7fVFnF64Bc
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だから彼は禁煙をやめて煙草に火を点ける。「『滅びゆく者のために』か」と投げ捨てられ散るその火花は、彼らの運命を暗示するようだ。ミーシャがMSに持ち込むスキットルに酒を移すのも、後の描写を考えると彼の血がMSに半分移っていくようでもあるな。#ポケ戦 pic.twitter.com/zsS5citZH9
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あとガルシアの「隊の中で俺より階級が低いのはお前だけだ。威張れる相手がいなくなると困る、死ぬんじゃねえぞ」という見え見えの言葉も、表現としては嘘と本当の境界線が崩壊してますね。#ポケ戦 pic.twitter.com/n2fzJkYyIR
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バーニィはクリスが気になるのを言葉の端に乗せてしまい、彼女から連邦の情報を掴めないかと誤魔化すが、アルはバーニィの嘘を信じる少年だ。本当にそうしようとして、クリス経由で連邦の秘密基地になっている研究所の見学の約束を取り付けてしまう。#ポケ戦 pic.twitter.com/vRvxSgzEt0
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そこで研究を行っていたディック博士はメカニカルアームの研究者であり、軍事研究を疑うマスコミによって義肢とMSの構造には共通する技術があるのでは?とも指摘される。実際、機械をまるで人間の手足のようにしてしまう――嘘と本当の境界線を崩すのがMSでもある。#ポケ戦 pic.twitter.com/BuIfRHaPoU
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そう、MSとは嘘の人間だ。その性質は襲撃において存分に発揮される。ケンプファーがスラスターを吹かすのとバーニィの嘘(シドニー出身と自称したにも関わらず、今は夏の筈のそこを冬だなどと言う)に気付いた連邦兵の走る姿は続けざまに映される。#ポケ戦 pic.twitter.com/HohOuZVjYl
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武器に関してもバーニィが散弾銃を撃てばミーシャのMS・ケンプファーも散弾銃を撃ち、ガルシアがアレックスを爆破を試みた爆弾も円形――つまりケンプファーのチェーン・マインと同様のもので、そしてそれは撃破に至らない。#ポケ戦 pic.twitter.com/3INFshVbW3
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ガルシアが撃たれるのをアルが見たのは、アレックスを撮影した時と同じ小窓だ。あの嘘と本当を繋いだ場所。そして直後、ガルシアの自爆によってその壁という「境界線」は崩壊する。#ポケ戦 pic.twitter.com/ZjJiQGhHkk
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最後の突撃の前にガルシアが連邦のヘルメットではなくバンダナを縛り直し、そして撃たれてバンダナが解けていくところとか、「嘘と本当の境界線の崩壊」で考えるとなんというかもう……#ポケ戦 pic.twitter.com/u48n4oPZne
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ガルシアの自爆の爆風は、敵のいる中を突っ切るクリスにもこの場を離脱したいバーニィにも利する。町を守るための砲撃が学校を壊したのと逆説的に等しく、銃火は敵味方を区別しない。境界線は崩壊している。#ポケ戦 pic.twitter.com/2PwCuSEam6
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そして、MSを破壊できるだけのチェーン・マインの火力や敵は銃を持っていないという「本当」は、チョバム・アーマーや右腕のガトリング砲といった「嘘」によって粉砕される。ガトリング砲で撃たれるケンプファーの中のミーシャは描かれず、代わりにスキットルが踊る。#ポケ戦 pic.twitter.com/bE6VeADMxp
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戦いは終わっても、ガルシアが脱出用に仕掛けた爆薬はコロニーの壁を破壊し内と外の「境界線」を破壊する。霧の中、バーニィとアルとアレックスがまとめて映されるラストはその省庁だ。本来それらは一緒にいる筈がない(境界で分けられている)ものなのだから。#ポケ戦 pic.twitter.com/xpf3bJFpH3
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