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Honey Lemon Water: Glass Mask Version

『ガラスの仮面』感想・妄想語りブログです。 *制作元とは一切関係がございません。

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妄想色々(未刊行部分との関連)


ここからは勝手な妄想です。いわゆる今後の展開予想! ってやつですね。オペラ『紅天女』を見たあとの状態でまとめ直したくなりました。※個人の意見全開ですので、ご了承ください。

49巻最後で、マヤは聖さんから紫のバラの人がいよいよ伊豆で対面してくれると聞いて期待に揺れております。となりますと、真澄さんがマヤと伊豆で会うためには、何はともあれ紫織さんとの件は決着をつけた方が良いですね。

ですから、50巻早々で一定の決着はつくはず。そうしないとさすがに話が進まない。49巻であれほど大活躍(!?)をしてくれた紫織さんですから、一気に正気に戻ってすんなり憑き物が落ちたようになるとはどうにも考えにくいです。とはいえ、別冊花とゆめに掲載されたときは、あっさり正気に戻って、またグダグダになりかけておりましたが……。2016年版のとても短い続きでは、今から真澄さんが紫織さんをどうにかしようというところで終わっておりました。ここで未刊行につながる流れになるのでしょうか。

それでも、ここまで来ましたら、力業でどうにかしないと、いい加減に試演開始にもっていけません。ちょっと派手に描きすぎでしたね。よほどホラー展開を書きたかったのでしょうか。

問題は、その後伊豆での紫のバラの人の正体を明かす日がやって来るのかどうか? ということです。まさかの未刊行「ホテルマリーン→事故!」展開はなしでお願いしたいです。事故展開は桜小路くんが代役をしてくれましたし、紫織さんも狂言自殺どころじゃないレベルになってしまってここでさらなる活躍は難しいと思われ……思いたいですし。

亜弓ちゃんは神秘路線で突っ走ればそれだけでも演技開眼! となるはずです。問題はマヤ。本当は、マヤの表現力をもっと洗練させる話にしていきたかったはずです。ただ、それだとあまりに表面的すぎて描きにくいのでしょう。その意味で、元々高度な表現力を持っている亜弓さんの方が明らかに有利です。無論、視力の低下、失明の危機という肉体的ハンデが試演まで無事持つのかどうかというところが焦点です。

マヤが亜弓をしのぐような演技面での閃きを得た瞬間がどこになるのか? 果たしてそれは何か? と言われるとこまるなあ……といったところでしょうか。

作者の先生が、プライベートな事情や3.11関連で紅天女を描くのが怖くなったと仰っておられましたが(様々なインタビューや『見えない力』(2018)などを読んだ印象)、そうした事情もあるのかもしれません。

落とし所としては、やっぱりマヤちゃんは真澄さんとの関係一つで決まりそうなので、そっち方面で持っていくのが楽だと思います。マヤに関しては、何かきっかけが一つでもあればあっという間に習得してしまえる才能があるので、演技術的な部分はあまり強調しない方が良いと思います。

ただ、未刊行もある程度知っているので分かるのですが、ここまでの大きな流れは、かなりの部分未刊行の内容を踏襲しております。

主な要素は以下の通りです。(42巻以降;時系列は順不同)
・真澄さんが一真に、マヤちゃんが阿古夜に(未刊行では黒沼先生が二人に演技をさせます)→47巻
・最後の紫のバラ(花とゆめ未刊行版の最後の辺りでブーイングが来たあれです)→46巻の紫織からの嫌がらせ場面に変更
・暴漢シーン・看護・おでこにマヤちゃんがキスする。→46巻
・真澄さん(夢?それとも現実?)証拠のハンカチ→46-47巻
・クルージングデート(未刊行では黒沼先生と水城さんがタッグを組んで計画しました)→46-47巻
・伊豆にご招待(かの名台詞「おやりなさいませ」by聖さんから、真澄さんが自分でマヤちゃんを誘うことに成功しました)→47巻
・亜弓さんの目の件、ハミルさんとの関係→44-49巻(ここはあまり変更がないです)
・紫織さんに紫のバラがばれる→44巻
・マヤと英介さんが仲良くなる(未刊行では梅の谷で再会します)→44巻のパフェおじさん誕生秘話
・都庁で稽古(未刊行では朝日公園での稽古も入っていましたが、割愛されています)→45巻
・紫織さんとの婚約破棄の申し出および紫織の自殺未遂(未刊行では狂言)→48巻
・紫のバラの人への台本上での告白→43巻最後の紫のバラにマヤがキスする場面に変更
・桜小路くんのアプローチ(未刊行ではどアップのキスシーンでした!)→42-49巻
・月影先生が視察に来る(花とゆめ未刊行分はここで終わっておりました)→43-44巻

未刊行は、細かい部分がまだ描かれていないところもあります。例えば、紅天女の打掛が届く話とか。(あれは是非入れてほしいものです)でも、未刊行の大半は様々な改変を経て結局のところ単行本に収まりました。

残るはマヤの演技開眼! だけです。なので最後の一押しが気になるところです。物語と合わせるならばマヤちゃんと真澄さんは悲恋展開に一度はならないとマヤの演技がひらめかないのでしょうか。 

ところで、未刊行ではこの辺りの部分が断片的で見えにくかったのですが、実は単行本では『紅天女』のお話とある程度重なっているように思われます。

例えばこんな感じで。
・一真と阿古夜の出会い→46巻暴漢シーン・看護・告白
・二人の両思い→47巻クルーズ船デート
・使命を思い出す(?)→48-49巻婚約破棄の申し出および紫織自殺未遂および結婚を改めて決めるところ
・引き離されて会えない二人→49巻の冷たい真澄さん

もし、49巻で上記のように『紅天女』の一場面と重ね合わせているということであれば、50巻で描くべきは「再会と葛藤、それから永遠の魂の結合」になります。これでマヤは一連の阿古夜の心の動きを全て掴むことになるはずです。ここまで来て初めてマヤは天女のリアリティを手に入れることができるはずで、これを通過しない状態で試演に向かうことはないと考えます。

ちなみに、これを伊豆で紫のバラの人との対面とも重ね合わせて力業でするのでしょうか。さすがにきついかな? と個人的には見ています。やっぱり紫のバラは最後まで引っ張りたいところです。

大昔の噂によると、ドラマスペシャル版ガラスの仮面でのラストは、ある程度原作に近いとか聞いたことがあります。万が一これが真実であれば、真澄さんは刃傷沙汰に巻き込まれて試演を見に行けない可能性が出てきます。ただ、もうこれ以上のメロドラマはいらないとは思います。演劇漫画に戻ってきて欲しい気がいたします。

50巻で無事試演にこぎ着けられさえすれば、51巻で試演を両バージョンやって、結果発表(さすがに早すぎ?)、それから52巻辺りでEpilogueというあたりでしょうか。

英介さんはラスボスなので、最後まで引っ張りそうですが、結局はマヤが鍵となるのでしょうし、私は楽観視しています。

昔ながらに妄想をひたすら書くという痛い行為に走ってしまいました。つらつらと書く作業は久しぶりで楽しかったです。作者の先生には是非長生きしていただいて、せめて50巻は出して欲しいなあと思います。




オペラ『紅天女』感想

というわけで、早速YouTubeで見たオペラの感想です。
シンプルに、良かったです。オペラというよりはどちらかというとミュージカルよりだった気はします。主題歌(?)「まこと千年~」の歌が結構耳に残りました。聞き心地がとても良かったです。

お話は41巻の内容ほぼそのままでした。ただ、最後の部分が今まで描かれていなかったので、そこが気になっておりました。

特に、一真が最後に言う、

「阿古夜、わしに憑け!」

という台詞がとても印象的でした。まさに神と仏の愛の究極ですね。

「取り憑く」という表現を使う辺り、見事にスピリチュアルに二人の愛が昇華されていく感じで、一真の愛の強さがこれでもかと伝わりました。

紅姫の登場場面も印象的で、マヤちゃんが演じているところが目に浮かぶようでした。
亜弓さんではなかったです、なぜか。

最後に一真が諸国を旅して回る場面がとても感動的で、思わず涙ぐみそうでした。結局阿古夜より、一真が主人公じゃないのか? と一瞬思ってしまったのは内緒です。

これを見て思ったのは、紅天女はやっぱりマヤちゃんなのだろうなと。綺麗さや神秘性では亜弓さんなのでしょうが、やっぱりこれは恋愛の物語で、その辺りのリアリティはマヤちゃんの方に軍配が上がりそうな気がしたのです。

となりますと、マヤと真澄さんの恋愛次第でマヤの演技が決まってしまいますので、試演前にある程度の決着をつける必要があるのだろうなとか。その前に紫織さんはある程度正気に戻らないと話が進まないよね……とか色々とつながりだした感じです。1年ほど前に見た美内すずえ先生のTwitterで、50巻とそれ以降についての構想を練っておられるようなことを読みました。

勝手な妄想は次の記事で。

色々ありまして。やっぱりまたまたジャンル変更?

めちゃくちゃご無沙汰ですが、恐らく誰も見ていないので好き勝手に書き散らかすことにします。

好きな軌跡シリーズも、折り返し地点に来ましたね。次は9月に発売の「創の軌跡」ということで。これはこれで楽しみですが、ゲームのレビューは思った以上に難しいなと、結局放置のままでした。

現在の興味は、当初から好きだった『ガラスの仮面』です。やっぱり回帰しました。

今までブログでは色々とネタを仕込んで参りましたが、やっぱり色々と語りたい! ということで、こちらに色々と書いていきたいと思います。それにしても、50巻はいつ出版されるのでしょうか。
気長に待ちたいと思います。

こちらはこっそりと設定に関する感想・妄想・やっぱりマヤちゃんと真澄さんのこととか、そうしたことをつらつらと書いていければ良いなと思っています。





閃の軌跡III ネタバレ感想

大変時間がかかりましたが、とりあえずクリア。長かった…。

色々分かったことがあって、終章以外は大変面白くプレイいたしました。
ただ、それ以上にショッキングな展開があったりして、もうどうしようかと。

おおいにネタバレしておりますので、苦手な方は回れ右でお願いします。

ついでにスクショのテスト。
アルティナおやつタイム

『閃の軌跡III』いよいよ明日発売! もうすぐ公式フラゲットの予感

いよいよ発売ですね。私は今回ファルコム通販にしましたので、発送メールが昨夜届き、荷物の追跡をしましたら、もう既に配達中とのこと! 本日午前中にはフラゲできそうな状況まで来ました。
とにかく楽しみすぎです。

プレイ前の最後の妄想ができるタイミングですので、書き逃げしておきます。

・ユウナちゃん=エステル、クルト君=ヨシュア(双剣使いだし)で、ヨシュエスの再来来る? ラッキースケベあるらしいと聞いておりますし。特にクルト君の反応を是非知りたいです。ユウナはエステル系ですし、アリサのような反応になるであろうことはわかるので…。
・ミュラーさんは中の人が登場確定なので、出てきますよね!? オリビエとまた共闘してほしい(希望)!
・リィン教官はまた不埒なことをするのか? ロイド二世?
・至宝がさすがに出るかと。火と水らしいのですが…。
・今回の聖獣は、やはり一角の獅子かなあと。あとはユニコーン。両者とも一角獣なのがポイント。
・暗躍者で唯一情報が抜けているらしい黒のアルベリヒは、オズボーン宰相か、リィン君自身、あるいはドライケルス大帝で予想しておきます。
・アガッティの再登場が嬉しすぎます。二人の進展も楽しみ!
・旧VII組は登場確定ですが、アリサとの仲は進展するのかな。一応正ヒロイン扱いのようですが…。
・とにかく一旦帝国編は終わるのでしょうか。クロスベル独立の話にも少しは進むと良いのですが。

とりあえず、こんなところでしょうか。

『軌跡』シリーズのブログにジャンル替えしました!

恐らく誰も読んでいないでしょうが、一応ご挨拶を。
大変、大変ご無沙汰いたしました。およそ3年ぶりのブログ復活となります。このブログ自体、実は10年前に始めていたのに先ほど気付きました。月日の経つのはとても早いですね。

『彩雲国』のあと、『レアリア』も2巻までは読み、その後、『骸骨を乞う』の改訂版も2種類とも読破したところで、その後の新刊は出ていない状態であり、自身の多忙もあってそろそろ閉じようかと思っておりました。

ところが、ずっと追いかけていた『軌跡』シリーズの最新作『閃の軌跡3』がいよいよ来週(9/28木曜)に発売とということ、『空の軌跡』で、思いっきりファンになってしまったミュラ-さん(=ミュラー・ヴァンダール中佐[*『閃の軌跡3』では中佐に出世しているらしい!!])の後の物語が読めるかもしれないということで、やはりここはおおいに語りたい! ということで、久しぶりに出てくることにしました。まあ、ミュラーさんの弟であるクルト君が物語ではメインの一人として登場するんですけどね。

さて、私は元々RPGが好きで、昨年にPS4を購入して以来、FF15・DQ11をプレイし、ファルコム作品も『東亰ザナドゥex+』・『イースVIII:ラクリモサ・オブ・ダーナ』をクリア済みまで来ました。『軌跡』シリーズは、PCソフトの時代からずっと追いかけており、かれこれ12-13年くらいになります。(もっと長期間追いかけている某演劇漫画はその間ずっと止まっている…! 恐ろしい子!)

『彩雲国』と同時進行で『軌跡』を追いかけていたのですが、特に『空の軌跡SC&the 3rd』&『碧の軌跡』で進展した(?)ミュラユリ(ミュラーさん&ユリア・シュバルツ准佐)推しになってしまって、二人の軌跡のその後をとても知りたいということと、ミュラーさんがオリビエの護衛ということもあって帝国編をとても楽しみにしておりました。

ですが、『閃の軌跡1/2』で描かれたエレボニア帝国は内戦前後で、ミュラー&オリビエの話はほとんど進まず。ヴァンダール家もノルドのゼクス中将の登場くらいしか描かれず、主人公のリィン・シュバルツァーとVII組メンバーのリア充トールズ士官学院生活&スーパーロボ大戦がメインでした。なので、ほんの少しだけ寂しさを感じておりました。(とはいえ、なんだかんだ言っても大いに楽しんでプレイしたのですが…!)

ところが、ここにきて、まさかのヴァンダール家の人物がメインメンバーの一人になり、物語でもそれなりに重要な位置を占めそうになるなんて! これは期待しても良いのかと色々情報を探りました。すると、まさかミュラーに弟が!なんて展開に驚きつつ、(『閃の軌跡』でもオリビエに弟妹が!と驚いたのですが)まさかヴァンダール家が皇帝守護の任を解かれてしまうなんて!とか、驚きの展開だらけで、気になることこの上ない状態です。

というわけで、とりあえず、まずはミュラーさんの弟であるクルト・ヴァンダール君を公式サイトから拾ってきたアイコンで載せておきましょう。

icon_sen3_03.jpg

に、似てない…! 最初、このイラストを見たときは、『閃の軌跡』に登場したVII組のユーシス・アルバレアと髪の色が違うだけじゃないかと思ってしまいました。

ちなみに、先週購入した『閃の軌跡マガジン』内に掲載された近藤社長のインタビューコメントによりますと、クルト君は、ミュラーさんとは異母兄弟であり、髪の色は母親譲りとのこと。お母様は後妻なのかな。一応、『イースVIII』附属の『閃の軌跡3』の小冊子には、クルトの母親の名前が「オリエ・ヴァンダール」とありましたので、ミュラーさんの母親とは離婚or死別ということなのでしょうかね。まさか、オリビエやユーシスみたいに、平民の妾の子などという展開はないと思いたいのですが。イラスト集に載っていたくらいですから、オリエさん自身が登場するのは確定みたいですし。ミュラーさんが既にアラサーなので、さすがにミュラーさんのお母さんが年の離れた弟というのは無理がありすぎ…と思っておりましたので、後妻設定ならば納得なのですが…。

それにしても、ここまで兄弟の年齢を離した(15歳差)のはなぜなのか。(後付け設定なのは十分承知の上で)

ここからは完全に私の妄想ですが、ヴァンダール家は元々「アルノールの守護者」と呼ばれ、皇室護衛の任にある武の名門で、恐らく「四大名門」に次ぐ家格の貴族…のはず。*実はこれまでヴァンダール家が「貴族」であると明言されたことは一度もないので、なんとも言えません。

にもかかわらず、皇位継承権を放棄した庶出のオリヴァルト皇子(=オリビエ)の護衛をミュラーさんがしていることに実は違和感を感じておりました。つまり、皇位継承権のない皇子になぜそこまでヴァンダール家が肩入れするのかな?と。『空の軌跡SC』の時から、ゼクス中将もオリビエに加担し、その結果ノルドに飛ばされてしまいましたし…。ミュラーさんがオリビエの弟妹であるセドリック皇太子とアルフィン皇女の護衛にならないことを決めた結果、クルト君が護衛になるべく生まれてきたのかな…と。年齢が同じですからね。しかも、兄弟の年齢差は、実はオリビエとミュラーがトールズに在籍していた時と重なります。これって単なる偶然で片付けるにはかなり不自然ですよね。

となりますと、ヴァンダール家は、かなり意図的に皇室の動きに合わせているのだと考えられます。そんなにうまく行くのかという問題はありますが、皇室と関わる家だからこそ、あり得るのでしょう。

さらに、特に『閃の軌跡II』で、なぜヴァンダール家は皇室の人々を護らなかったのか?という疑問がありました。シュバルツァー家(リィン&エリゼ)の方がしっかり護衛していたよ!というのもあって、ヴァンダール家が任を解かれるのも仕方ないと思っていたのですが、オリビエにはミュラーさんが付いていたのに…と思うとますます不思議なのです。ヴァンダール家当主(マテウス・ヴァンダールというらしい。恐らくミュラー&クルトの父親で、ゼクス中将の兄。「叔父上」ってミュラーさんが呼んでいましたからね)はなぜ皇帝一家を護衛しなかったのでしょうか。この辺りは描かれるのかしら?

で、その場合、ミュラーさんがオリビエについていくと決めたときに、ヴァンダール家として一種の覚悟を決めていた可能性があります。今回、オリビエの過去が語られるそうですので、その際に絶対ミュラーさんもご登場のはず! ということで、期待しておきましょう。二人はトールズ士官学院で一緒に過ごした仲(『閃の軌跡』の解説本だかイラスト集だかに書いてありました)ですし、『空の軌跡SC』でオリビエはゼクス中将に「8年前(『SC』時点)に貴方に武術を教わった…」と言っていましたから、恐らくゼクス中将はトールズで教鞭を執っていたのでしょうし。そうした時代のことが詳しく描かれる可能性がありますね。当時の制服とか、ナイトハルト教官(ミュラーとは同期だと本人が言っていましたね)の学生時代とかもみてみたい! きっと水練で相克法を使って競争していたのでしょうねえ。あと、オーレリア分校長とミュラーさんの修業時代も見てみたい!二人は同い年なのですよ。これ何かあったのかなあ。ミュラユリストとしては、少し気になるところです。

リーヴスにできる第II分校も、新生VII組(ユウナ・アルティナ)も、リィン教官も勿論楽しみなのですが、まずはクルト君を追いかけて、ヴァンダール家の掘り下げがなされるのをかなり楽しみにしています。ちゃんと道場もあるようですよ! 領地はあるのかな。クルト君は出身が帝都ヘイムダルになっていた(皇室護衛なのだから、これは納得)ので、独自の領地はないかもしれませんね。あるいは、帝都とそれ以外に道場とかあるのかもしれません。こうした設定部分も楽しみです。

ちなみに、ヴァンダール家の男性陣はみんな紳士的だと思います。PVで見ましたが、クルト君もいざというときはユウナに優しいですし、ゼクス中将もオーレリアと対峙したときの口調とか、ミュラーさんとユリアさんの会話とかから推測しても、やはり優しい。そういうところが貴族的であると言えるかもしれません。女性にとても礼儀正しいように思うのです。無論、クルトもミュラーもちょっぴりSの気があって、意地悪を言うところもありますけど…ユウナ相手とか、ジョゼット相手とか。

そういえば、兄弟二人ともオーブメントに「水」が入っている! ヴァンダール流は「護り」の剣とされていますし、水属性は納得ですね。

思った以上にとりとめもなく、まとまりもおちもなく、つらつらと思いの丈を書いてしまいました。整理は付かないのでこの辺で。




雪乃先生新シリーズ!? 出るようです。

またまたご無沙汰いたしております。
偶然Amazonを見ておりましたら、雪乃先生が今月末に新シリーズを新潮文庫で出されるとのこと! 情報は以下に。

レアリアI (新潮文庫)レアリアI (新潮文庫)
(2014/08/28)
雪乃 紗衣

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あらすじは下に。

この未来(さき)に待つのが、奈落の底で笑う、あなただとしても。帝国と王朝が長年争う世界。帝国の軍事を担う魔女家当主・オレンディアの元に育った少女・ミレディアは、幼い頃に森で拾われた身。彼女は森で出会った青年・アキのことをずっと想ってきた。が、その念願の再会は、やがて世界に悪夢をもたらした。今、17歳となったミレディアは魔女家名代として、仲間と帝都へ向かう。両国の休戦、次期帝国皇帝候補の後見、そして、愛する彼を殺すために。

ちょっぴり軍事ものっぽいファンタジーのようです。洋物チックでとても楽しみですね。魔女とか、帝国とか、RPGものっぽい物語と思われますがどうなのでしょう。結構好みのジャンルの予感……! です。また読了しましたら感想書きますね。表紙に<I> とありますから、完全に続き物ですね。とにかく気になります。悠舜みたいなキャラ出ますかね? 楽しみです!!

大変ご無沙汰しております。『かつくら』と『彩なす夢の終わり』読みました。

もうこちらに書くのが気がつけば2年以上! 放置しており、大変申し訳ありませんでした。訪問者もほぼいないことでしょうし、そろそろジャンルも変更しようかなと検討中です。

最近になってやっと精神的に余裕が出てきて、改めて『骸骨』を冷静に読み直すことができました。そして改めて彩雲国物語のキャラや世界観が好きだなあと認識できました。現在、少しずつ読み直しているところです。

また、随分前ですが、『かつくら』や『彩なす夢の終わり』も両方読みました。『かつくら』を読んだ中では、「中の人(声優さん)」つながりで悠舜のキャラ変更がなされたということで、少し驚きました。ただ、N○Kアニメで悠舜役をやっておられた神奈延年さんは私も声が好きでしたし、まあ納得かなあと思います。確か無双のキャラ(曹丕)ですよね。で、作者様が『三国志』にはまっておられたのは上の記事からでも明らかだったのですが、本というよりはゲーム由来だったのですね……。無論資料もかなり読み込んでおられたのもあるでしょうから、一概には言えないのですが……。私の妄想(特に『三国志』つながり)もあながち間違いではなかったんだなとわかって嬉しかったです。

私も多少無双はやったことがありましたので、あの声をきくと、確かにこれで黒悠舜の演技してほしいなあとは思いました。無双なら孔明/趙雲役の声優さんも好きだったんですけどね……。

無双と彩雲国のコラボですと、悠舜はやはり孔明で火計発動しまくりなのでしょうねえ。羽扇でビーム出すのか……とっても似合いそうですね。じゃあ凜さんも月英で、色々発明して夫を助けるんでしょうね。王様はやっぱり劉備か劉禅かってところですか。藍楸瑛や静蘭は誰が良いかなあ。色々妄想が出てきて楽しいです。

『彩なす~』内に収められた改稿版「怪盗ジャジャーンを追え」も読みました。ショックのあまり凜発明の大砲花火をぶっ放して、屋根飛ばすほど、悠舜がテロリスト状態になってましたね。家の屋根まで飛ばすほど奥さんに逃げられたくなかったのか……(ならもうちょっと家に帰ろうよとかいうのはなしなのでしょうか)。ただでさえ三行半騒動の直後っぽい時期設定でしたし、気持ちはわからないではありませんが……。

ところで、『骸骨』で楊修に対して悠舜が嫉妬していた原因がまさかここに書いてあるとは意外でした。単に凜に壊れた眼鏡を直してもらって調整中のところを、浮気現場と思い込んで踏み込んでいく悠舜、本当に必死だったですよ。

ただ、この期に及んで名言(?)もありましたね。曰く、

「世界が愛であふれたら、きっと馬鹿しかいないのです」(p.118)

たまにこんなことを口走ってしまうのが悠舜の悠舜らしいところで、単なる悪党ではやっぱり終われないキャラなのですよね。もちろん、コメディの中でだけ、そして過労で頭のねじがどこかに飛んで行っているとき限定ではありますが、それでも、なんだかんだ言って悠舜はロマンチストなのだろうなと思いました。そうでないと凜さんと結婚できなかったと思いますよ。それに、ちゃんと秋祭りの日に求婚していますし、よく考えると結構シチュエーション大事にする人でしたね。『黄昏~』でも『骸骨~』でも、夫婦の会話は月の見える晩に行われてますし。細かいところなのですが、結構月光描写と夫婦関係がリンクしていましたよ。

CDも聞きました。「生ける悠舜、呪いの棺桶を走らす」、もう最高に面白かったです。悠舜の巨悪ぶりがこれでもかとわかりましたし、黎深が可哀想なくらいでしたが、やっぱりこれくらいでもめげないのが黎深ですから、良いかな、とか思ったり(鬼だ……)。

大人版彩雲国は最初の3巻で終わりということで、かなり残念ですが、仕方ないですね。書き直しにはかなりのパワーが必要になるでしょうし、『骸骨~』執筆後は本当にお疲れだったと思いますので……。

それにしても、雪乃先生の新刊はいつ出るんでしょうね。似たようなキャラが出るなら是非買いますし、待っているのですが……。できたら洋物で、特にヴィクトリア朝もの辺りだと面白いと思うのですが……執事とか、メイドとか、貴族とか! パブリックスクールとか! 黎深みたいな俺様キャラとか、晏樹みたいなキャラとか、思いっきり似合いそうじゃないですか。悠舜はさしずめジキルとハイド!? やばいキャラですね。

等々、とりとめもなく書いてしまいました。

また気づいたことや書きたいことがあればつらつら書いていきたいと思います。彩雲国だけではなく、現在はまり中の日本ファルコムの「軌跡」シリーズについてもいずれ書きたいですね。いつになるかわかりませんが、折を見て書きますね。

*CommentList

彩雲国秘抄 「骸骨を乞う」 感想

一昨日購入し、時間がかかりましたが、何とか読了しました。読了後偶然体調を崩してしまい、すぐに感想が書けませんでした。

彩雲国秘抄  骸骨を乞う彩雲国秘抄 骸骨を乞う
(2012/03/27)
雪乃 紗衣

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正直、どこまで感想を書いたら良いのか分かりません。中々言葉にならないです。

*今回ばかりは読む人を選ぶ作品かもしれません。楽しい雰囲気を期待されていた方には正直言ってあまりの違いにショックを受けられる可能性が高いので、この辺りで回避していただけましたらと思います。どんな話であってもOK!な方のみ読んで下さいね。

とにかく、私個人にとっては少々重い内容の作品でした。

一言でまとめるなら、目次に登場した、劉輝と深く関わる人たちと秀麗の「最期」を描いた物語ということになります。「運命が出会う夜」だけ、初出の関係からか非常に明るいですが、それ以外は本当にシリアス展開です。彩雲国の裏歴史を描いた物語、とも言えるでしょう。少女小説ではまず書けない、大人の物語だとも言えるかもしれません。

さらには、劉輝の「喪失とその後」の物語とも言えるかもしれません。特に、悠舜・旺季・秀麗を失う前後の劉輝の物語とも。やっぱり「彩雲国物語」は劉輝と秀麗がいてこそ成り立つ物語だなとも感じました。

それぞれ単独でも読めますが、最初の短編から時系列で並んでいるので「連作短編集」という宣伝にあった言い方が一番正しく、最初から読み進めた方が色々見えてくると思います。その意味で言いますと、「運命が出会う夜」だけどうしても内容的に乖離が生じているのは仕方ないですね。さりとて、書物の一番最初に置くのも難しい……といったところで、やっぱり最後に割り切って楽しく読むという形でよかったのかもしれません。その方が救いがあるかもですし。

あと、この本の最後の言葉が悠舜のものなのが、個人的には心に残りました。実は、(結局感想は書きませんでしたが)マメレージの作品「生ける悠舜、呪いの棺桶を走らす」の方も最後は悠舜に関する言葉で締めくくられていたのです。もし本当にこれで最後の最後ということならば、最後は悠舜で締めくくられているという形になるので、そこが管理人にとってはなんとも感慨深いのでした。単なる形式上のことにすぎないのですが、ちょっとだけ特別扱いな感じがして、それが嬉しかったりします。

さて、それではひとつずつ、思いつくままに極力簡単な感想を。とはいえ、なんだかんだ言ってだらだら長文なのはお約束です。推敲の時間が取れないので相変わらず支離滅裂な日本語ですが、どうかご容赦を。さらに、相変わらず悠舜びいきの偏った感想ですので、その辺りもご理解の上でお願いします。あらすじは書きませんがネタバレ全開なので、未読の方はご注意を!あと、「運命が出会う夜」は既に感想を書いておりますので、ここでは割愛します。

*若干、読み間違いがあったため訂正しておきました。コメントいただいた皆様、お教えいただきましてありがとうございました。悠舜話ばかり再読しており、その他はほぼ一読のみで心も体も疲れ切ってしまったというのもありまして。好みが大変偏っており、理解が曖昧なまま書いてしまいました。あと、申し訳ありませんが現在多忙ゆえこれ以上修正の時間が取れない状況です。訂正事項はまだまだたくさんあると思いますが、どうかご了承下さい。(3/31)

・雪の骨―悠舜―

悠舜ファンの管理人としては、思った以上に早い悠舜の「最期」に胸が熱くなりました。本編だと悠舜は長生きしたのかな?という希望的観測だったのですが、やっぱりそれは少女小説だったからなのだなあと改めて感じました。やっぱり「仮病」も嘘だったか、と。とにかく、少女小説の枠組みでは決して描かれることがなかった本当の悠舜の人生が始めて分かりました。

悠舜らしいなあという場面がいっぱいで、私個人としては悲しいけれども非常に納得のいく結末でした。脚の状態と体調の真実も明らかになり、少年時代の事も全部分かりました。あと、凜さんへの激しい想いも。かなりドSな愛情だわ、とか思ったり。さらに、独占欲が強すぎて、権力使いそうになっている悠舜が面白いです。なぜかたまたま帰朝して凜さんと一緒に仕事してる楊修に嫉妬したり、三行半に屁理屈をこねていたりする悠舜がかわいかったですよ。

ちなみに、悠舜と凜の場面は彩雲国物語中で一番大人向け恋愛場面になりました。やっぱり少女小説ではないので、ここまで描けますよねって事で。まあ、たいしたことが全くないのはいつものことですが、とりあえず仲良しな二人が見られただけよしとしましょう。ただ、基本は切ない系ですけれども。何せ一度は別れかけたほどの二人ですからね。お互い色々ありましたし……。

それから、ちゃんと凜さんには下ろし髪姿見せていてほっとしました。あと、髪の毛の手入れを凜さんに許していたのも嬉しかったです。それくらいは許してあげて欲しかったので……。でないと何のために一緒になったんだろうとか思ってましたので。で、やっぱり猫のたとえでした。ふらっとどこかに行きたがりますからねえ。

さてさて、二人のお子さんの性別と名前は不明のままでした。でも、「燕青に似てしまうかも?」と悠舜が心配している辺り、恐らく男の子かな?と。欲を言えば、子供を抱き上げてる場面があればとても嬉しかったのですが。ただ、子供に向かって微笑んでる場面はあって、それなりに子供好きだったのが判明して嬉しかったです。

先代「鳳麟」(悠舜の曾祖母)から告げられたのは「片翼の鳥」という運命。一切の喪失とそれを引き替えにした出会い。旺季との出会いが悠舜を救い、でも旺季では悠舜の願いを叶えられないと分かったときの絶望。結局、悠舜の本当の主君が劉輝だったのは、劉輝のもつ裏の薄闇を悠舜が共有できたから。劉輝は無自覚だけれども、悠舜には分かった。そして最後の宝物が劉輝で埋まるのは、悠舜の本当の望みが自分が仕えるべき主君に出会うことであり、さらにその出会えた主君から死ぬまで一緒にいて欲しいと懇願されるほどに信頼されたから。献策をしても信じてもらえなくて殺されたり傷つけられてきた姫家の一族。なのにここまで信頼されたということは悠舜にとって本当に幸せなことだったのでしょう。

「骸骨を乞う」という退官の言葉は、作品中で悠舜・荀馨将軍・黒髪の宰相(=霄太師)の三名から出てきました。悠舜の場合は、最後まで退官は許されず、劉輝によって悠舜は「籠の鳥」状態(王宮内の祥景殿で療養)にされたまま、劉輝治世で唯一の尚書令としてこの世を去ります。私個人はやっぱり紅山か旺季の領地内にある庵で……と思っていましたが、そんなのは感傷に過ぎなくて、現実はこんなものかとも思ったりしました。ただ、あそこまで劉輝が悠舜のことを独占したいほどに信頼していたならば、悠舜としては本望だったのでは?とも思います。

そして、あれほど人生に執着を持たなかった悠舜が、本当に死ぬ間際で「もう少し生きていたかった」と思うようになったくだりで思わず泣きそうになりました。妻子と主君(=劉輝)を残してこの世を去るのはいくら死にたがりの悠舜でもさすがに心残りだったようです。全部一緒に連れて行きたいとまで悠舜が思うようになったのが本当に良かったです。ただ、そうしたことはやはり人生の最後にしか分からない境地なのだろうなというのもあって、しみじみと感慨を深くしたのでした。

いずれにしましても、色々大変な人生でしたが、それでも悠舜は短いながらも充実した人生を送れたのかな?という気がします。管理人としてはもう少しだけ、長生きして欲しかったなあと思います。ただ、物語の本当の筋はこちらの方が正しいとも思っています。ビーンズ文庫版の結末だと悠舜の仮病があまりに浮いた感じでしたから……。初読の際は一瞬、読まない方が良かったのかな?とも思ったのですが、ちゃんと結末がつくのも大事なんだなと改めて思ったのでした。

ただ、その後の物語でもずっと悠舜のことが言及され続けており、そう簡単に忘れ去られるような人じゃない!とわかったので、その意味では悠舜はずっと生きてるのかな?と感じてもいます。とにかく、私にとって悠舜という登場人物が本当に心に残る存在であったのは確かです。

それにしても残念だったのは、この短編には黎深や鳳珠たち悪夢組が全く出てこなかったことです。シリアス展開に彼らは不要って事だったのかなあと思うと少々心残りです。

・霜の躯(むくろ:旧字体の方です。)―旺季―

*大きな勘違いがあったため該当箇所のみ読み直して若干修正しました。

旺季の物語は、単なるその後だけではなくて、彼の人生そのものでした。璃桜が公子になったことで「鄭君十条」の最後の項目に該当したため政治の表舞台から遠ざかるを得なかった旺季が、悠舜の死後八年目にして振り返る、彼の人生そのものと最後の戦い。その最後の戦いは秀麗と山野のお婆さんを助けるため。死を覚悟してでも行かざるを得なくなった旺季。意外にも、それを注進に来たのが御史ブレイク直前のタンタンとは!!いやあ、タンタン、成長しましたね!ここで旺季&タンタンコンビが見られるとは思いもしませんでしたよ。新旧監察御史ということで、いい意味で引き継ぎができたかな?

秀麗を助ける際に旧来の方法しか使えなかった旺季。でもそれを使うことでしか助けられないこともわかっていたから、秀麗は否定できない。でも時代の違いを旺季がはっきりと認識したというのは、さすがに年老いたということなのでしょうか。ちなみに、ここで秀麗と旺季の最後の会話がありますが、秀麗はやっぱり自分の死期を悟っていたようですね。「長生きするの」と強がっていましたが、最後までその前向きさを持ち続けているのが秀麗らしいなと思います。ちなみに、今や「官吏殺し」の異名は清雅ではなくて秀麗につけられている模様です。そういえば、残念ながら清雅は結局登場せず……出世したかも不明です。

旺季の陰の腹心である獏に、きちんと向き合って引き際を与えてやるところは文官というよりはむしろ武将のようですね。獏も、旧世代ならではの身の引き方をしたと言えるのでしょう。

そして馬上では無敵の旺季が落馬しかけるところに彼の人生の終わりが強烈に示された気がしました。最後の晏樹との場面。あの繰り返し出てきた漢詩を口ずさみつつ、冬の最中に春を見ることもなく旺季は亡くなります。その後この陰謀に国試派が多く荷担していたことが判明して、結果葵皇毅が景柚梨と並んで宰相位につくという展開は意外でした。悠舜以外は尚書令にならなかったので、皇毅は右僕射になったということですね。*景柚梨が左僕射になったことは、悠舜話の秋の除目に出てきています。

細かいところですが、劉輝との関係も、第六妾妃との関係も、事件の真相も、劉輝の薄闇の部分も、すべて旺季にはお見通しでした。また、旺家一族の生き様、紅州州牧になった荀のお父さんの荀馨将軍との関係やら、悠舜介抱の話やら、紫装束を売り払った悠舜国試受験の事やら、経済面も含めて旺季がいかにお人好しで苦労性なのかもよく分かりました。そしてセン華王との関係および王の死の原因には旺季が絡んでいたという真実は衝撃的でした。とにかく、裏歴史では旺季が陰の主役と言っても過言ではないくらい、この話は中身が濃かったです。書き出せば本当にキリが無いので、この辺で止めておきます。

・北風の仮面―晏樹―

狐面をつけた晏樹の物語は、語り口からして晏樹の一人称で、他の短編とはひと味違うテイストになってます。(悠舜話にも出てましたが)晏樹と悠舜の出会い方があんなものだったとは!そして、最初からお互いのこと嫌いだったのね、と。あと、晏樹が悠舜の顔を「そこそこ」と表していたのでちょっと驚きでした。悠舜、やっぱりそこそこ顔良かったのね……と嬉しかったり(おい)。

華麗なる遍歴を重ねた10-20代。なんと晏樹は両刀だったのね。虜にされた前々紅家当主って……これはどうしようもないですね。あと、胡蝶との関係もようやく分かりました。黒蝶の意味も。

山野の変の一月に晏樹は朝廷を去り、陰謀に関しても何もせず(p. 402)、旺季のためにずっと看病し続けたのは、思った以上に健気だったなあと思います。

いずれにせよ、彼の一生は自分のために楽しく、でも旺季のために戦い続けたというもの。山野の変の直前に、悠舜の庵の支度をしてやったことといい、死後の処置といい、本当にずっと旺季一筋だったのが印象的でした。最後が消えるようにいなくなるのも、晏樹らしいなと。

・氷の心臓―劉輝―

ここはもう、涙なしでは読めませんでした。妊娠話はさすがに少女小説では書けないので、本編ではなくここに来るのは仕方ないですね。秀麗とのたった一年にも満たない結婚生活ですが、秀麗が劉輝と本当に幸せそうな日々を送っていたのが読めて良かったなあと思います。

それにしても劉輝の幼少期のトラウマがここまで引っ張られるとは。悠舜話から既に出てきていましたが、劉輝は実は自分の血が厭わしくて子供を愛せないかもと、悠舜と凜の子供を一度も抱き上げることもなかったという。そして、生まれてくる自分の子と引き替えに秀麗が亡くなることがあらかじめ分かっていたので、余計に悩んだといいますか。

結局娘を抱き上げられたのは秀麗の死後で、そこまで時間がかかったのは仕方ないとはいえ、せめて秀麗が亡くなるまでにあやしているのを見せてあげて欲しかったなあと思いました。ただ、そんな弱さが劉輝らしいともいえるので、年月を経るごとに少しずつ乗り越えてきたのかな、とも思います。劉輝にとって大切な三人の死を乗り越えて、やっと悠舜の遺言通り、「おそれずに前へ」進むことができるようになったのだとも言えるかもしれません。

秀麗に関しては、やっぱり悠舜と最後までパラレル関係だったなあとつくづく感じました。凜と劉輝がそれぞれの配偶者に対して喜んでしていることが「髪の毛を洗うこと」やら「髪の毛を梳ること」ですし、それをさせてもらえることで心を明け渡してくれているかのようだというところも同じ。さらに、それぞれ「野良猫」だの「なつかない猫」という比喩も共通した描写ですし(p.36, p. 454)、秀麗の「透明度が増して」きているところで悠舜を思い出してしまう璃桜の描写(p. 461)もありましたし。性格も似てるって絳攸に言われてますしね。頑固なところとか(p. 440)。二人がそれぞれ劉輝に遺した言葉は正反対のようでいながら同じじゃないかと劉輝が感じるところ(p. 438)にもパラレルが出てますし。……とまあ、何気ないところが全部重なっているのがポイントですね。

十年越しの恋愛と短期間の結婚生活も然り。その意味では、劉輝の好みって結構共通していたのでしょうね。頑固で、甘え下手だけど本当は愛を求めてる人たち。劉輝の表の部分も、裏の薄闇の部分も共有できる人たち。でも、こんな裏の部分って確かに少女小説らしくないですね。ここで始めて描けた本当の彩雲国物語、今後茶州編以降の文庫版修正では、このテイストで書き直してくれるともっといいのですが……と淡い期待を寄せておきたいと思います。

さて、秀麗が母親になって娘に言葉をかけるところ(p. 473)は本当に落涙ものでした。これはやはり経験者にならないと……という部分なのでしょうか。子供と死に別れるのはとても辛いですよね。残して逝かねばならないとわかっている場合は特に。随分と身に迫ってきました。最後まで春を待ち続けた秀麗ですが、次の春を見ることができなかったのはとても残念です。ただ、この物語の主要三人(悠舜・旺季・秀麗)はみな春を待たずに……というのが共通項になっていて、それが目次のタイトルにも繋がっていると言うことで。さらに言えば作者様のペンネームにもつながっていくという。さらに言えば、秀麗の娘の誕生は冬の最中で、確か作者様のお誕生日も1月でしたよね。こうした外部要因を解釈にどこまで絡めるべきなのかは何とも言えないのですが、色々な視点がありますよということだけは提示しておきたいなと。

あとは細かいところですが、絳攸が秀麗後宮入りと同じくして景柚梨の後を継いで宰相位に上ったということ、悠舜話で出てきた箱関連で、悠舜が絳攸宛に説教手紙をこっそり入れていたところが面白かったです。まさか絳攸も宰相になってまで悠舜に(手紙で)説教されるとは思ってなかったでしょうけどね。楸瑛は羽林軍大将軍になってました。恐らく左羽林軍だと思いますが、詳細は不明。静蘭もそこそこ出世しているようですが、官職は不明です。やっと、少しだけ成長できたのかな?とも思いますが、静蘭はやっぱり静蘭のままだったなと言うのが率直な感想です。あとは璃桜がとても素敵な青年になっていて、絳攸も自分より王佐の才がある!?と危機感を抱いている模様。確かに悠舜にも認められていましたから、璃桜もちょっとニヤニヤで、そこがちょっと面白かったです。全般的に璃桜がよく出てきたのですが、本当にいい青年になってきました。彼が宰相やっているところは是非読んでみたかったです。あと、第六妾妃と山野のお婆さんがこんな形でつながるとは!という意外性もあって中々面白かったです。これは是非お読みいただけましたらと思います。

・風花―仙―

結局、霄太師(紫仙)は見事に自分が存在していた痕跡をみんなの記憶から消して去って行きます。セン華王の死因を変えたのも彼。そして、結局何のために彼はいたのか?という疑問には、悠舜が正解を出していた模様。曰く、「その先を見てみたかったからじゃないですかね」ということらしいです。悠舜を迎えに来た三つ足の鴉は実は霄太師が変化したものでした。なぜ霄太師が悠舜の魂を迎えに?と思ったのですが、やはり答えを知られてしまったからなのかな?と。悠舜は全般的に「仙人っぽい」と言われてましたし、仙の考え方に近かったのかなということなのでしょうか。彩八仙はみんな性格が悪いってどこかに書いてましたしね。悪党の悠舜はその意味で親和性が高かったのでしょう。

そして、霄太師が最後に見たのは秀麗の葬儀の模様。劉輝が秀麗の死後ちゃんと娘を抱き上げていた場面はぐっときました。一切の喪失の先にあるのは、新たな命とそれを見守る父親としての王の姿。そして、霄太師を忘れないでいてくれた友(宋太傅)の姿。どんなに消し去ろうとしても、ちゃんと記憶に留めてくれる存在がいるから、何度も人間界に降りてきたくなるのかな?とか思ったりしました。それを見届けた後完全に記憶を消して去って行った紫仙。いつかまた見たいときに降臨するのでしょう。

ところで、最初タイトルを見たときは他の彩八仙のお話がちらとでも出てくるかと思っていましたが、全く言及なしだったのはちと残念でした。ただ、連作短編集の終わりとしては綺麗にまとまっていたと思います。

……といったところでしょうか。まだまだ言い足りないことが多いのですが、一旦ここで終わりにします。いずれにしましても、秀麗たちの物語については本当に終わりなので少々寂しいです。どこかで第二世代以降の物語など読みたいですね。知っているキャラが全く出てこないのもまた辛いですが……。

ただ、これで完全に終わりというわけではないようです。本にはさんでありましたが、ファンブックが9月に出る模様。予約制とのことなので、ちょっと考えておきます。まだまだ文庫版改訂も考えられますし、もう少し、楽しみたいですね。

いつも拍手やコメントありがとうございます。お返事できずに申し訳ないですが、いつもちゃんと読ませていただいておりますのでどうぞご安心下さい。新たな視点をいくつもお教えいただいて、勉強になります!今回の感想もあくまでも私見ですし、いろんな読み方があろうかと思いますので、また色々お聞かせいただけましたら嬉しいです。
*CommentList

彩雲国秘抄「骸骨を乞う」買いました!

タイトル通り、本日地元書店にて購入できました。

これから読むのですが、とりあえず目次を見ましたら…

「運命が出会う夜」が再録されている!


待ってて良かった……!

そして、その他のラインナップですが…ネタバレになりますので反転で。
これ見て買うかどうかお決めになるとよいかと思います。ではOKな人だけ見て下さいね。ただ、目次だけではどんな話なのかさっぱり分かりません。

<短編集目次>

・雪の骨―悠舜―
・霜の躯(むくろ:旧字体の方です。)―旺季―
・北風の仮面―晏樹―
・氷の心臓―劉輝―
・風花―仙―
・運命が出会う夜―悪夢の国試組―


<目次ここまで>

あと、ちらっとだけしか見てないのですが、「悠舜退官」と「李宰相」の文字が!!!もしかしなくても、その後の彩雲国ですよ!!と、とにかく今から読んできます!!!では。

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蜂蜜檸檬水

Author:蜂蜜檸檬水
 さらに3年のブランクを経て、『ガラスの仮面』についてのブログにジャンル替えです。好きなことをつらつらと書いていきたいです。
*いずれにしましても全部私見ですので話半分で。

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