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2006年11月14日 (火)

地方中心商店街衰退、もうひとつの捉え方

このブログで「イオン高崎ショッピングセンター」や「けやきウォーク前橋」などショッピングセンター(SC)や前橋中心商店街などについて多く触れてきました。

戦後(「第二次世界大戦後」だよ。「湾岸戦争後」じゃないよ)60年以上が経過して、成長から成熟の時代に入り、個人消費が大きな転換点を迎えていることを痛感するからです。

中心市街地の問題は

①人口減少
②少子高齢化
③モノ消費の成熟化
④所得の伸び悩み
⑤国際化の進展

から重大な局面を迎えているように思います。語弊がありますが、最終段階を迎えつつあるように感じます。

Img_2964 今まで、地方中心商店街の衰退は、消費者サイド(需要者・買い手)の動向から分析するのが常道でした。

しかし、戦後60年の間に販売者サイド(供給者・売り手)にも大きな変化があり、それが中心商店街の衰退にも少なからぬ影響を与えたのではないか、という思いもぬぐえません。

この場合、販売者サイドは小売業者よりも、消費財を生産するメーカーや流通を担う問屋に重点をおいています。

端的に言えば、大量生産、大量消費のためには、旧来の中心商店街にある商店では、これに対応できなかったのではないか、ということです(まだ基調としては大量生産、大量消費、大量廃棄の時代です)。

また、メーカーの流通チャンネル政策に大きな変化がおきたことも、中心商店街の衰退に影響を与えたのではないだろうか、ということです。

Img_2965 とすれば、今迄多くの中心商店街活性化策が全国で施されてきましたが、さしたる成果がなかったのも当然かもしれない、と言うことまで考えてしまいます。

(消費者サイドからの分析で、中心商店街復活策として一番多かったのは、モータリゼーションの進展から駐車場を増やすといった交通アクセス改善策でした。

首都圏に比べたら、すでに十分すぎるくらいの駐車場が中心商店街には用意されていますが、それでも賑わいは取り戻せません。

一方、「前橋まつり」などには駐車場問題に関係なくあふれ返るほどの人出があります。その人手が商品の購入に直結するかは疑問ですが、こういった現象をどう説明すればいいのでしょう?

(ご関心の向きは、7月7日エントリーの「前橋七夕まつりやってます」や10月14日の「前橋まつりやってます」、10月15日の「狂熱の前橋まつり、終わりました」、11月4日の「前橋ちんどん祭り&前橋大酉祭り」をご覧下さい。)

メーカーの流通政策の変化と言う点に関して言えば、身近なところに「BAPE前橋店」という恰好の研究材料(失礼!)があります。

(このあいだ来日したギター弾きのエリック・クラプトンも「BAPEブランド大好き」と言っておりました。ご関心の向きは10月7日エントリーの「BUSY WORK SHOP maebashiに行列する人たち」や10月9日の「極秘ファイル どうもミスターNIGOは前橋出身らしい」、10月31日の「NIGO氏の店と前橋中心商店街」をご覧下さい。)

規模の小さな消費財メーカーは、SPA(製造直売)の形態で営業展開するところが多くなりました。

多くの和・洋菓子店が昔からこの形態を選択しています。

和・洋菓子店に限らず、食品メーカーがこの選択をするのは珍しくもなんとも無いですよね。アパレル・アクセサリーのファッション関係も。

中小の消費財メーカーにとって、利益率を重視するならSPAの形態は魅力的です。作っているメーカー以外は、原則としてその商品は扱えませんから、話題になり、ブランド化すれば、大儲けです。

しかし、「BAPE前橋店」の繁盛を見て、高崎で同じ店をやらせてくれといっても、それは無理でしょう。では対抗して、裏原宿系のブランドを扱おうと思っても、メーカーが卸してくれるかどうか疑問です。

つまりSPAで営業展開するメーカーの商品は、扱いたくても扱えない状況があります。

SPA(製造直売)を基本とするメーカーは、むやみやたらと地方商店に商品を卸すことは考えられません。ですから特徴のある商品の品揃えで、郊外型の大型店に対抗しようとしても、限界があったのではないかと考えています。

(裏原宿系ブランドでなく、まったく商品製作の異なるユニクロで対抗しようと思っても、同じような壁にぶち当たるでしょう)

大量生産大量消費の商品を売るのに不向きで、かつ特色ある商品が扱えないとどうなるか。それが現在の地方中心商店街の姿のような気がします。

経済のことですから、需要側、供給側相互作用の結果、中心商店街が衰退していくわけでしょう。もちろん生活者のライフスタイルの変化も絡んできます。

ただ、より供給者側の事情に焦点をあてて中心商店街衰退の原因を探り、その対策を練ることも必要だったのではないでしょうか?

(そんな思いから、8月7日エントリーの「明日は今日の続きだと思う経営者に、「明日」は来ない」、8月28日の「商業施設開発業者の発想が必要かもしれない」の記事を書きました)。   

                                                      

(写真は、上が11月5日日曜日の高崎市大手慈光通り、下が田町交差点。)

【群馬県前橋市から「BAPE」が入っていない軽井沢プリンスショッピングプラザが立地する軽井沢町までの直線距離≒26マイル≒42km】

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