本稿の改訂版をnoteにアップしています。項目別に整理しているので見やすいです。下のリンクで最新版をご覧ください
https://note.com/cabanon/n/n379c454aad4f昨日の【雑誌原稿書き方基礎講座】で使ったKeynoteに書いていたことを改変・再編集してアップします。全111条。僕が個人的に積み重ねてきたノウハウです。ライターだけでなく編集者としての心得も混じっています。仕事をしてきた出版社が違えば、このノウハウも違うものになったでしょう。だからあくまでも私家版です。デザイナーや建築家やアーティストや工学研究者の取材記事執筆を前提にした話であることをご了承ください。
*アップデート情報
・全110条を全111条にしたり、第74条を追加して他を統合したりなど、こそこそ修正しているので、3/5にアップしたものとは少し変わっています(3/8記)
・95条の説明に奥義を追加しています。43条追加。41条を統合(3/12記)
・いくつかの項目を加筆しました。(2012年4/30記)
・追加一項目。(2012年5/26記)
001) いろいろ試したがやっぱり起承転結。
002) ツカミが大切。
003) 「結」は軽めに。最後に大事なことを書いても、雑誌の場合、読者が最後まで本文を読んでくれるとは限らない。
004) キーワードをつくろう。
005) 二項対立で考える。対立する概念を考え出して、二つを照らし合わせて論旨を展開すると、わかりやすい叙述となる。使いやすさのための効率化、コスト削減のための効率化。
006) 難解な文章のほとんどは、専門用語の多用と筆者の文章力の欠如のせい。
007) 難しいことはやさしく。世の中のたいていの難しく見えることの本質は、シンプルな原理でできている。数式が理解できないジャーナリストでも科学を伝えることができる。
008) センテンスは短く。長い文章は必ずどこかで切ることができる。
009) 音読して推敲を。文章のリズムやキレまで確かめられる。周りに迷惑のときは、頭の中で発音する黙音読。
010) リズムを学ぶには名文を書写しよう。コピペじゃ意味なし。キーボード打ったり、ペンを握って。
011) 体言止めはなるべく使わない。 (キャプションでは頻出可)
012) である調、ですます調。基本はどちらかを選ぶ。効果的に混在させる方法もあり。混在させるときはリズムを確かめて慎重に。
013) 接続詞は減らそう。最初に書いた接続詞をとってみても文意が通じる場合がある。
014) 主語、述語は常に意識すること。
015) 英語に訳しやすい文章を心がけると、文意が明快になる。
016) 「すごい」は使わないように。どうスゴイかを別の言葉で表現しよう。どうカワイイか、どうカッコイイか、どう美しいか、どうイケてるか、どうヤバイか。
017) ステレオタイプの言い回しはなるべく使わない。◎◎さんの今後に期待したい。体当たり演技でヌードを披露。
018) 「物は言いよう」の精神を忘れずに。
019) 繰り返し同じことを書かない。テレビは感動シーンを何度も流すが、雑誌は同じ文章は載せない、同じ写真は載せない。
020) 雑誌原稿ではなるべく同じ動詞を直近で繰り返さない。言った。語った/野菜をつくる。野菜を育てる/使う。使用する。用いる。
021) 「の」の連続は3つまで。美しい文章を目指すならMAX2つを心がける。ただし文章を長くするより、3つ「の」を続けたほうが収まりのいい場合がある。◎◎さんの元彼の従兄弟の紹介。
022) 長い文末表現はなるべく使わない。カワイクないはずはないであろう。表現しようとしているわけである。
023) 難読漢字にはルビ(ふりがな)をつけよう。
024) タイトルとキャプションだけを読んでも面白い記事にしよう。
025) 雑誌はノンリニア。小説や新書はリニア(線的な)メディア。雑誌は、タイトル、写真、本文、リード、キャプション、小見出しなどの要素が連携して読者を惹きつける多層構造をもつメディアであることを意識すること。
026) 読者のための入り口はたくさんつくる。タイトル、リード、小見出し、キャプション、イラスト、写真は読者を誘う入り口。雑誌の写真やイラストは、本文の説明のために存在するものではない。
027) 雑誌は身体的メディア。雑誌は単行本より、読み手に複雑な目の動きや手の動きを要求する。単行本や新書では目の動きは行ごとに折り返すものも一直線。手の動きも一方向に繰るだけ。雑誌は身体に近いメディアだという認識を。だから息つぎやリズムが大切になる。
028) タイトルの文体は雑誌の個性。
029) キャプション字数のMAXは80~120字。(僕の経験的感覚から出た数値ですが)
030) キャプションの内容はある程度本文と重なってもよい。
031) 長文には小見出しを。文章の途中からでも読めるようにするのが小見出し。文頭から読んでくれる読者にとっては、大切な休憩所。
032) 小見出しを入れるべき位置は、国語のテストの解答とは違う。内容の区切りのいい場所であるだけでなく、レイアウトや、各ブロックの文字量のバランスも考慮に入れる。
033) 小見出しは段落末に来ないように。
034) リードは本文を読んでもらうための宣伝文句。読みたくなる文章を。
035) 改行後の1~2字余りは、前の文章を削って送りこむ。
036) 句読点は読み手と書き手の体のリズムを合わす装置。読点の打ち方に正解なし。無闇な、打ちすぎは、リズムを、壊す。センテンスが長いのに読点を打たないと区切りがわからずリズムが生まれない。
037) 改行は息つぎ。改行がない文章は息苦しい。
038) 雑誌原稿では、行幅(1段の文字数)を考えて、改行を考える。行幅短めは多めに改行を。
039) 文末に「──」や「……」を使うと余韻が生まれる。藤沢周平の小説が参考になる。 しかし、使うのは1つの記事で1〜2回まで。
040) 口語表現を意識して使おう。使いすぎは避けること。親密さやライブ感の演出として効果的に使う。
041) とかとか書くな。「とか」「って」「(文末の)けど」「じゃない」「~だし、~だし」などは適度に。
042) 方言を使うときは慎重に。多くの場合、方言を全面的にそのまま書くのは好まれない。大阪弁でしゃべる建築家某氏。インタビュー原稿をチェックしてもらうと、原稿は標準語になって返ってくる。東京にいると忘れがちだが、「何々しちゃった」も首都圏の方言。多用は禁物。
043) 文末の(笑)は多用しない。(笑)と書かなくても文章で笑わすようにしよう。
044) ( )はなるべく使わないで表現しよう。使ったほうが読みやすい場合もあるが、頻出は禁物。記事の中に( )が増えると、流れが寸断され読みにくい文章になる。
ル・コルビュジエ(本名、シャルル=エドゥアール・ジャンヌレ)は20世紀フランスを代表する建築家(生まれはスイス)。→ ル・コルビュジエは20世紀フランスを代表する建築家。出身地はスイス。本名はシャルル=エドゥアール・ジャンヌレという。
045) 雑誌原稿は論文とは違う。
046) 注に頼るな。文末注にすると読者の読む流れを分断してしまう。注は引用先の記載などに留めたほうがいい。
047) 「思う」「感じた」「なのではないだろうか」「かもしれない」「でしょう」「ようだ」「みたいな感じ」といった断定を避ける表現の多用は厳禁。
048) 流行り言葉は賞味期限をよく考えて。紙メディアは残る。後で読むと気恥ずかしい思いをしないように。「フォーー!」「ちょいワルオヤジ」「だっちゅーの」
049) 「彼」「彼女」は使わない方向で。使いすぎは英語の直訳文のようになる。
050) 「とても」「非常に」「かなり」など強調の副詞も連続して使わないこと。 「とても多い」と「多い」ならば、後者の方が強い言い切り。「とても」「非常に」には主観が混じるからだ。裏づけデータを明記して「多い」と言い切るのが客観性のある強調。
051) 漢字の連続は、文章を重くする。そのためにひらく。「ひらく」とは平仮名にすること。
052) ひらく勇気を。漢字が書けるからって頭がいいわけじゃない。「する事」「の為」は基本ひらく。ひらくは散髪。文章の軽快に見せるための、グレイ部分の濃度調整。
053) 表記ルールをつくろう。漢字表記は統一しよう。数字の表記統一も考えておこう。下に、フリーペーパー『DAGODA』で使う表記ルールを掲載するのでご参考に。
054) アルファベット表記はカタカナ表記にしたほうが読みやすい。特に縦組みの場合はカタカナ表記で。
055) 縦組みでのアルファベット使用のルールを決める。たとえば4字以下の場合はアルファベットを縦に並べるなど。
056) 外来語のカタカナ表記では「・」(ナカグロ)をどう使うか決めておこう。なるべく使わない方向が一般的。ランチ・タイム→ランチタイム。どこに切れ目があるかわからない馴染みの薄い単語には「・」を入れる。グレースフルデグラデーション → グレースフル・デグラデーション
057) 「」と。の関係。出版社ごとに違う。僕の使い方は、段落内の文末は「……でした」。段落の最後(改行前)の文末では」のあとに「。」をつけない。「……でした。」を使う出版社もたまに見かける。
058) 「」内に「」を使うな。どこが区切りかわからなくなる。『』を使うのが一般的。“”や〈〉なども使うことあり。
059) 文学系はスキャナー 理工系はスキャナ。工学者の文章には語末の音引きが入らない。デザイン・アート系の雑誌なら音引きを入れたほうがいい。でも僕はコンピュータだけは音引きを入れていない。例外というのはどこにもあるものだ。
060) 外国語の正確な原音表記は無理。慣用的な表記を尊重しよう。ゴッホじゃないよ、オランダ語ではホッホだと言い出すと切りがない。
061) 経験的に言って、アート・デザイン系の雑誌は「つくる」を平仮名表記にしたほうがいい。
062) 表記ルールは全員遵守。しかし突っ込みはじめると矛盾点が必ず出るので、運用は柔軟に。
063) 相手が何を言ったかでなく、相手が何を言いたいかを常に考えよう。伝えたいことをうまく言葉にできない人は多い。相手が伝えたいことを汲みとれれば、文章をきれいに整理できる。
064) インタビュー、対談、座談会は、記録ではなく読み物として仕上げる。 最初に話した話が後半再び出てきたときは、2つをまとめても最初の話を後に持ってきて結合させても可。ある質問の答えが突出して長い場合、質問をつくったり「ふむふむ、納得です」という受けの言葉を挟んで、長いコメントを2つに分けるという裏技もあり。もちろん取材相手・座談会参加者に必ず原稿をチェックしてもらうこと。
065) 取材相手に原稿チェックしてもらうことが前提なら、わかりにくい表現は書き換えてOK。どこまで大胆に書き換えられるかがプロのライターと素人の違い。
066) 対談、座談会では参加者が別の参加者の発言に手を入れるのは厳禁。下手すると訴訟問題になる。自分のコメントのみチェックしてもらう。 流れを変えてしまうような直しは、相手の直したい意図を汲み、流れを変えないように書き直して再チェックしてもらう。「地の文方式」(097参照)の取材原稿なら、当人のコメントと事実関係をチェックしてもらうことはあっても、筆者の観点や意見を変えるような直しは応じる必要はない。むげに断るとトラブルのもとだから、電話で話し合おう。
067) 裏をとれ。
068) 偉い先生が語る言葉が真実とは限らない。
069) わかりやすい話をする人は要注意。論理的に破綻いるが、話術が巧みなだけの人がいる。
070) 知らない言葉は即調べよう。知らないことを知らないままにするな。調べるクセをつけよう。嘘も方便の「方便」って何? よく考えたら本当の意味を知らない言葉は意外と多い。
071) 人名など固有名詞の表記の揺れはグーグルで多数決。デヴィッド・ボウイかデイヴィッド・ボウイか。
072) Wikipediaを全面的に信用するな。でも、どんどん利用しよう。
073) ひと晩寝かそう。 朝、再度読んで完成。自分が最初の読者。編集者が第二の読者。
074) 「"直すな"オーラ」を発する原稿を心がけよう。編集者も取材された側も、最初は遠慮して赤字(修正)を入れる。しかし直しが増えはじめ、校正紙が赤く染まり出すと、赤という色のせいなのか、次第に暴力的な気持ちになり、最後にはあるブロックを丸ごと書き換えるといった事態にまでなる。ケアレスミス撲滅を心がけ、スキのない原稿を仕上げよう。
075) 紙媒体の間違いは一生残る。校正はじっくり念入りに。
076) 文字校正はなるべく多くの人で回し読みしよう。
077) 人名、団体名は何度もチェック。プロフィールの生年も要注意。僕はあるデザイナーを10歳年上にして恨まれた。女性なら死活問題。
078) 電話番号の校正は、必ず実際に電話すること。
079) ラフを描こう。文章はラフを頭に置いて書く。文字の量、写真の大きさ、位置関係を簡略に示すラフを描く能力は、編集者やライターの必須の能力。優秀な編集者は取材現場でサラサラとラフを描く。取材現場で仕上がりイメージをスタッフ全員で共有できるようにする。ラフについては
「フクヘン」のこの記事で。080) 取材で面白いと思ったことは全部書こう。ライターや編集者の資質は何を面白いと思えるかにかかっている。
081) 取材が終わったら同行の編集者とお茶しよう。インタビューのどこが面白かったかを編集者から聞き出すのは、ライターにとって第二の取材。編集者が面白いと思ったことを聞き出せば、雑誌の方向性に合わせることができる。
082) 取材は過剰に、定着はシンプルに。 10日かけて10分で読める原稿を。
083) 削って削って、最後にくだらんこと言える余裕を残そう。
084) 削りきったと思った原稿も、少し時間をおいて読めば100行(15〜20字詰めで)で内容は変えずに3行は減らせる。
085) エッセイは個人の主観を描く読み物、取材記事は客観性重視。客観的な事実の積み重ねで、自分の視点を伝えよう。
086) 「私」や「僕」を出すのは避けよう。私が主語の実体験の叙述は、読者との距離を縮めるための演出。
087) 客観性は脚で稼げ。
088) リサーチを重ねて断定を。裏付けのない断定、論理的でない断定は信頼を低下させる。
089) 引用先は明記せよ。
090) 読者は数字が大好き(価格、原価、発売日、売上、開発期間、ギャラ、クルマなら最高速度、など)ただし、クリエイターの取材の際は、数字を聞き出すタイミングに細心の注意を。オマエ数字のことしか訊かないなと思われないように。
091) 取材時の録音機は必ず2台用意する。
092) 時間的余裕のあるときは、一字一句録音起こし。僕は出来る限り自分で雑談まで録音起こしをしている。そのほうが相手の話のリズムや考え方が体に染みつくので、後から原稿を削ったり、あいまいな表現をわかりやすく変えたりしやすい。
093) ノート取材のほうが原稿執筆の時間はかからない。ノートに高速に発言を書き写す訓練を積むこと。
094) 録音機を使うと相手はしゃべりつづける。ノートだけだとたいてい相手は書き写すまで待ってくれる。
095) 話し手もしゃべりながら、うなずいている。そのリズムに合わせてうなずこう。 話し手の頭に合わせてうなずくと、話を聞いていなくても、話し手はちゃんと聞いていると思ってくれる。ここは原稿に使えないという話になったときは、うなずきながら次の展開を考える。録音しているときは、僕は相手の話の2割くらいは聞いていない。うなずくときに声を出さない訓練をすること。「うん」「ええ」「はい」と声を出していると、たまにタイミングの悪いところで「うん、そうです」と言ってしまい、聞いてないのがバレてしまう。もちろん面白い話のときは、声を出して頷こう。「いや〜、その話は面白いですね」と受けると、さらに話が深くなる。
096) 目を見るのは大切。ただしタイミングを考えて。日本人は折りをみてじっくり目を見る。欧米人はずっと目を見ていたほうがいい。
097)「地の文」か、「Q&A」か、「談」か。
筆者の文章の中に相手のコメントを「」に入れて構成するのが地の文方式。「地の文」方式はコンパクトに情報をまとめられる。多方面からコメントをとることもでき、読み物としての構成もしやすい。取材側の視点を明確に伝えたい場合に適する。
「Q&A」方式は簡単だが、文章が長くなる。臨場感が出る。
「談」方式は取材者になりきる。文章力・構成力の試金石。取材相手が何を伝えたいかをライターが明快に理解していないと書けない。筆者の視点は、どの部分を削り、どこを強調するかで表現できる。
098) アーティストやデザイナーはナイーブ。「引き出す」という姿勢に徹し、気持ちよくしゃべってもらったほうが面白い話が聞ける。他人の作品と比べられると、気分を害す人が多い。
099) 「でも」の連発にはご用心。相手が日本人の場合、話の受けに「でも、◎◎なんじゃないですか」と自分の意見を言い過ぎると、コイツはオレのことわかってないと思われて、とっておきの話が聞けなくなる。初対面のインタビューの冒頭では、取材相手はインタビュアーとの距離感をはかっている。「間合いの時間」での無計画な自己主張はしないほうが無難。反対意見をぶつけてみるのは、取材の後半、取材相手との距離が縮められたなと思ってからにしよう。
100) 取材相手が年輩の方の場合は、相手の話の腰を折らないように。脱線しても我慢して話を聞く。一通り聞いてから話を元に戻す。
101) 怒らせて引き出すという手段もあるが、本音を言わない政治家や後ろめたいことをやっている企業家向けのやりかた。アーティストやデザイナーや建築家の取材では、怒らせるとあとあと面倒なのでやらないほうがいい。
102) 取材のときは手みやげで好感度アップ。センスが問われる。特に相手が女性のときはじっくり選ぼう。手みやげは1500円から2500円くらいが通常。もちろん安くたって喜ばれる。
103) 相手の資料はしっかり読んでから取材に望もう。ただし1週間前に読んでも忘れる。前日や直前に集中的に読んだほうが効果的。
104) 取材時はおもむろに相手の著書や雑誌記事のコピーなどの資料をテーブルの上に並べよう。
105) 質問の内容は事前に考えておいたほうがいいが、インタビューが始まったら質問事項にとらわれないこと。流れが大切。ちなみに僕は、駆け出しの頃には質問を事前に考えたが、今はしない。考えていくのは取材時間が30分くらいのときと、相手が欧米人のとき。
106) 相手が何を伝えたがっているかを考えて話を聞く。雑談や脱線したような話にも、相手の伝えたい大切なことが潜んでいる場合がある。流れを読んで質問をその場で考えるのは、それを逃さないため。
107) 常にこの話は原稿に使えるだろうかを考えて相手の話を聞く。
108) 欧米人は質問に「答える」ことに慣れている。だから外人インタビューでは必ず質問を用意する。日本人は質問を「かわす」のに慣れている。したたかな日本の巨匠は質問を用意してもかわされて、しゃべりたいことだけしゃべって終わる場合が多い。
109) 沈黙を恐れるな。相手が沈黙しても慌てない。一回大きくうなずけば、相手は自然にしゃべり出す。
110) 取材先にお礼の言葉を添えて送本するまでが雑誌制作。
111) 人をつなげるのが編集者。
以上。
追加項目
1) 相手の話のどの部分を面白がるかで、取材相手の信頼関係が短時間で築けるか否かが決まってくる。「そこ面白がってくれるのか」「そこ分かってくれるか」と思ってもらえれば取材はスムースにいく。ライターの専門性が出てくるのもココ。ツボだと思うところは「ああ、それ面白いですね!」と表明して、突っ込んだ質問をすること。
2) ええ。そう。ですね。そうですね。いいえ。いえ。いえいえ。いやいや。うーん。うーむ。ふんふん。ふーむ。ふむ。質問を受けて、相手がどういう反応したかは、相手が発話したままを書くのでなく、肯定・納得・否定・反感・戸惑い・迷いの度合いを書き手が用意した言葉に翻訳した方がニュアンスが伝わる。駆け出しのライターだったころ、「ふむ」というのをうまく使う先輩ライターの名文を何度も読み直したものです。実際に「ふむ」と言ってなくても、「ふむふむ」という相づちが自然に聞こえるような流れを作るのがライターのお仕事。
3) 自分にしか聞けないインタビューにしたいのだったら、最も大切なことは、私はあなたのことを(あなたの仕事を)○×♪♯×○と思うけどときちんと表明して、それで、どうですか?と問いかけること。ただ最初からそれをやると、言いたいことの内容によっては、相手が萎縮する場合があるので、タイミングには十分注意すること。
4) ロングインタビューで何回かに分けて話を聞くときは、話を聞く場所を変えると効果的。最初は事務所。次は居酒屋、その次は自宅とか。
5) 「◎◎だけど〜」と人はよく言う。だが、たとえ書き起こした原稿の文末が「けど」「けれど」「けれども」でも、「が」と書き直したほうが、字数も減るしスムースに読める。「昨日は売り上げが良くなかったけれど、今日は持ち直している」→「昨日は売り上げが良くなかったが、今日は持ち直している」
6) 悩んで長時間をかけて書いた一節をばっさり削る勇気を持とう。
7) 他人の文章を内容は変えず全く違う文章に書き換える訓練をしよう。この努力をしないとコピペをつなぎ合わせた文章を平気で書いてしまうことになる。
論文のようにきちんと作品キャプションや参考文献を記述する場合は、下を参考にして下さい。(2015年5月26日追加)
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★『DAGODA』03号の表記ルール★(参考資料)
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あくまでローカルルールです。絶対的ルールではありません。04号でも少し変えました。
ちなみ『DAGODA』は横組みです。
句読点は「、」「。」
改行は、頭一字アキ。
文末の「?」「!」の後は1字アキ。
英数字は半角。 漢数字は原則的に使用しない(固有名詞を除く)
百人 → 100人、1,000人(千の単位でコンマを入れる)
万、億、兆は使用可。100万人 1億人。(ゼロの行進は読みづらい)
10箇所 10ヵ所 10ヶ所 → 10か所
単位は基本的には「kg」や「t」や「m」や「%」などアルファベット表記を使う。
一般に馴染みのない単位(ジュールとか)はカタカナを使用。
ウ濁音は固有名詞(人名、地名など)のみ使用。
ヴィデオ → ビデオ
ヴィニール → ビニール
ヴィジュアル → ビジュアル
クリエイティヴ → クリエイティブ
ベネチア → ヴェネチア
(ただしスペイン語にはVもBも同じ発音なので要注意)ヴァレンシア→バレンシア
【例外】 ウ濁音で特別感を意識的に演出したいときは使用可。ヴィンテージ。
【よく間違えること】 デヴュー → デビュー début(フランス語)
【副詞系】
大した → たいした
全く → まったく
凄く → すごく
極めて → きわめて
遙かに → はるかに
殆ど → ほとんど
余り → あまり (「食材が余る」など動詞の時は漢字)
一番軟弱 → いちばん軟弱 (漢字連続を避けるため。ただし「学校が一番」と名詞のときは漢字)
大分 → だいぶ
大方 → おおかた
正に → まさに
既に → すでに
敢えて → あえて
専ら → もっぱら
「非常に」は漢字
「決して」は漢字
「最も」は漢字
【接続詞】
従って → したがって
又 → また
更に → さらに
且つ → かつ
尚 → なお
或いは → あるいは
若しくは → もしくは
但し → ただし
却って → かえって
「一方では」は漢字
「実は」は漢字
「例えば」は漢字
【名詞の後の言葉など】
等 → など、ら
達 → たち (動物達 → 動物たち)
程 → ほど (100人程 → 100人ほど)
位 → くらい(100人位 → 100人くらい)
事 → こと (考えていた事 → 考えていたこと)
迄 → まで
儘 → まま
為 → ため (その為に → そのために)(学校が休みの為→学校が休みのため)
所 → ところ (考えている所です → 考えているところです 場所を示す時は漢字)
故 → ゆえ
奴 → やつ
共に → ともに (あなたと共に → あなたとともに)
様に → ように
於いて → おいて
依って →よって
テレビのテロップの影響か、「事」と漢字で書く人が最近とても多い。「そんな事」「難しい事」とか。しかし事はひらがなしたほうがやさしい文面になる。
あと「為」も漢字で書く人が多い。高校の小論文とか作文で難しいことを書いているように見せるためなのか。これもひらがながよい。
日本を始め、中国でも →日本をはじめ、中国でも (動詞として「始める」は漢字。動詞の後、たとえば「考えはじめる」はひらがな)
【当て字系】
流石 → さすが
沢山 → たくさん
所謂 → いわゆる
勿論 → もちろん
兎に角 → とにかく
美味しい → おいしい
奇麗 → きれい
可愛い → かわいい
上手い 旨い → うまい じょうずと読ませたいときの上手は漢字で。
格好いい → かっこいい、カッコイイ、カッコいい
「面白い」「素晴らしい」「素敵」「下手」は使用可。ひらいてもいいが、ただし記事内統一を。
ステキ、キレイ、カワイイ、オイシイ、ウマイなども使用可。記事内統一する必要なし。
【動詞など】
作る、造る、創る →つくる
と言えば → といえば
と言われている → といわれている
発話するという意味のときの「言う」は漢字。
「云う」は使用しない。
有ります → あります
在ります → あります
居る → いる
無い → ない (「存在がない」という意味を特別強調したい場合は「無い」でもOK)
有名人に成る → 有名人になる (成り立つは漢字)
かも知れない → かもしれない (knowという意の「知る」は漢字)
して下さい → してください
考えて頂く → 考えていただく
という訳である → というわけである。
し易い → しやすい
考えて行く → 考えていく(goの意味は漢字。「学校へ行く」)
がんばって欲しい → がんばってほしい(「お菓子が欲しい」は漢字)
描くことが出来る→描くことができる
料理が出来上がる or 料理ができあがる
出来る限り→できるかぎり
作品のでき→作品の出来 (名詞は漢字)
【そのほか】
此の → この
或る → ある
幾つかの → いくつかの
御紹介 御食事→ ご紹介 お食事
何故 → なぜ
何処 → どこ
只 → ただ
色々 → いろいろ
色んな → いろんな
元々 → もともと
の通り → のとおり (通る、動詞は漢字)
全て → すべて
様々な → さまざまな (朝日新聞では漢字だが、DAGODAは誌面に余裕があるのでひらく)
一人 → ひとり or 1人 (記事内で統一)
二人 → ふたり or 2人 (記事内で統一)
【記事内統一でOK。推奨は左側】
わかる or 分かる 「解る」「判る」は使わない。
いま or 今
○○のほうに or ○○の方に
文章をつなぐ接続詞的に使う「時」(Timeの意味での「時」は漢字)
○○したとき or ○○した時
「頃」は漢字。
「際」は漢字。
【送り仮名】
行う(←行なう)
表す(←表わす)
著す(←著わす)
現れる(←現われる)
断る(←断わる)
【名前_敬称】
・「◎◎さん」「◎◎氏」をどちらかにするか記事内で統一。
・批評性をもたせる文章では敬称を使わないが、記事の性格によって臨機応変に使い分ける。
・基本的には、故人には「さん」「氏」をつけないが、亡くなった時期が最近の場合は例外あり。
・外国人の姓名の間には「・」を。マイケル・ジャクソン キム・ヨナ つのだ☆ひろ(え!?)
・外国人の名には敬称をつけない。
・漢字3文字以内の名前の、姓と名の間に半角アキは必要なし。西 周→西周 周 恩来→周恩来(編集部によっては開けてますが、DAGODAでは半角の多用が文字組みを崩すので開けません)
【音引き】
英単語末尾erやorは原則的に音引きを使う。
スキャナー
センサー
モーター
イラストレーター
デザイナー
〈例外〉
コンピュータ
ty, phyで終わるものは原則的に音引き不要。
アイデンティティ、シティ、パーソナリティ、シンプリシティ、タイポグラフィ、フィロソフィ
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表記のルールはどんなルールでも突き詰めると必ず矛盾が出てきます。しかしルールというものは、安直に例外を認めるとルール全体が崩れていきます。基本は厳守。しかし、記事の性格によっては記事内の統一であれば例外を認めるという柔軟な運用も考えます。