« つれないソブリン2012 | Main | 東電下暗し »

Saturday, January 14, 2012

新駅報道で「わかった」JR東日本と東京都の大人の事情

JR東日本が2013年度を目標に整備中の東北縦貫線ですが、完成後に田町車両センターを廃止して再開発されることは、かなり前からわかっていましたし、新駅建設も非公式に検討されてきたものですが、それが新年1月3日というタイミングでニュースになるということに驚きました。時系列でいうとここからのようです。

山手線、40年ぶりに新駅…品川―田町間 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞
その後他のメディアが後追いで報道し、相変わらずの横並び報道です。しかもニュースソースが不明確で、いわゆる「わかった」報道という奴です。この主語のない報道の形は、何らかの意図を持ったリークによるものであることが多く、またメディアの横並び報道は、誰かが口火を切ることを号砲とする記者クラブメディア特有の現象です。基本的には各メディアは事実を認識していて報じていなかっただけなんです。

そういう意味でこのニュースはとても気持ち悪いニュースです。しかも松も明けない正月3日というタイミングは、狙っていたとも取れるだけに、本当に不気味です。問題は誰が何の目的でリークしたかですが、実にバカバカしいほどあっさりと、その正体は割れました。

山手線に新駅「採算合う」、都知事ら歓迎の声 : 東京 : 首都圏 : 鉄道ニュース : 新おとな総研 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
いや石原知事は正直です^_^;。早い話が都は費用負担をしたくないけど、港区が負担するには大き過ぎるということで、暗にJR東日本に圧力をかけているのです。読売を尖兵にメディア各社はその尻馬に乗ってしまったんですね。結果JR東日本に世論の圧力が向くというシナリオです。

13年度に迫る東北縦貫線の完成を見越して、田町車両センター所属の211系がE233系3000番台での置き換えが始まっております。東北新幹線との二重高架区間前後の勾配登坂性能を言われますが、それならば国府津区や新前橋区の211系も対象になるはずですが、今のところ動きはないようですから、おそらく客用ドアの半自動スイッチがないことから、東北縦貫線ができれば尾久かどこかへ転属して東北線や高崎線でも運用されることを想定したものかと思います。残る211系に関しては上野以北と東京以南限定で運用することで当面存続させることは可能でしょう。

こうして着々と進む東北縦貫線の開業準備ですが、新駅設置で都とJRのさや当てが起きていることは間違いないでしょう。JRとしては新幹線、在来線を含め、民営化後に駅を新設する場合は地元負担が原則で、これはJR東日本に限らない話です。2006年には東海道新幹線の南びわ湖駅設置をめぐり滋賀県知事選で差し止めを訴えた新人の嘉田知事が当選しニュースになりました。駅設置は地元の利害が絡む問題であり、営利企業のJRは地元の意思に従うという意味で、民営化後の一般原則として踏まえるべきものと言えます。また実際に駅設置の費用負担をした各自治体の立場からいえば、東京都Iだけ特別扱いは容認できないでしょう。

その意味では都の費用負担をJRに押し付けるかのごとき姿勢には問題があります。というか最近の都の姿勢は問題だらけです。例えば東京スカイツリー開業で渋滞が予想されることから、業平橋―曳舟の役50mほどの区間の立体化に都は支出せず、墨田区の単独事業となりました。これには前段がありまして、元々東武鉄道が伊勢崎線の混雑緩和を目的に特特法事業として半蔵門線直通と業平橋駅の改良と併せて立体化を計画していたのですが、1995年を境に乗客が減少に転じ、計画を断念したことで立体化が宙に浮いたものです。元々右肩上がりを前提とした特特法の枠組みでは対応できなかったわけです。

皮肉なことにその結果宙に浮いた業平橋駅構内の敷地にスカイツリー誘致が実現したわけですが、その結果今度は踏切の渋滞が問題になるわけです。元々まちづくりのグランドデザインがない中での行き当たりばったりの結果ですが、東武鉄道を責めるわけにはいかないでしょう。行政が対応すべき問題です。

田町車両センター跡地再開発問題も同じ構図です。東京都や港区がまちづくりのグランドデザインを策定し、その中に新駅を組み込むのが筋で、営利企業であるJR東日本に負担を求める性格の問題ではありません。ま、特殊要因としては、この区間は丁度京浜東北北線行線が山手線を乗り越す部分でもあり、計画では現行東海道上り線側に線路を振り替えて再開発用地を捻出する形ですから、事業費が大きくなることがあり、どこまでを自治体で負担すべきかは確かに難しいところがあります。逆に言えば自治体側が駅の設置に深くコミットしないと、そもそも再開発用地捻出のための線路振り替え工事にも着手できないわけで、下手すれば田町車両センター跡地は広大な空き地と化す可能性もまります。

とはいうものの、世は既にオフィス不況の時代です。国の「国際戦略総合特区」に指定され、税制の優遇や外国人就労者の入獄審査軽減などの措置を取るとはいっても、その結果別のエリアのオフィスが余剰になるだけで、狙い通りの国際ビジネスセンターになれるかどうかもあやしIところです。例えば再開発が活発だった丸の内や日本橋地区では、結局増床部分のかなりの割合を商業施設に充てていて、それが百貨店の客を奪うなどしているのですから、何のための再開発だったのかというところです。

また品川に新幹線が停車しリニアの始発駅になり、京急で羽田空港とも繋がるなど立地の優位性を喧伝されてますが、その羽田の国際線発着枠が埋まっていない現状も見ておくべきでしょう。もちろん近距離国際線以外は早朝深夜中心で現状では使い勝手が悪いということもありますが、それでも成田の利用実績を前年割れに追い込む程度には利用されており、早朝深夜便などはむしろビジネスよりも観光利用が目立つところです。

余談ですが全日空の合弁によるエアアジアジャパンでLCCへの参入は、裏を返せば成田の発着枠が余って国に返すぐらいならばLCCで活用しようということであり、日本航空の合弁のジェットスタージャパンも同様です。つまり航空大手2社はLCC進出でしか事業継続の展望を得られなくなっているわけで、必然的にLCCの路線拡充は今後も進み、リニアの実現可能性は遠のくわけです。つまり品川はリニアの始発駅になれないわけです。

というか、そもそも未だに再開発頼みで経済を浮揚させられると考えているとすれば、恐ろしく頭悪い話です。当面欧州危機は続きますし、欧州の停滞はアジア景気も冷やします。在来型の夢のあとの豊かにはなれません。ハコモノを積み上げてもこの辺は大阪市の橋下市長にも共通しますが、いい加減途上国の開発独裁の真似事は打ち止めにしないと、財政力のある東京都といえども将来が心配です。田町が広大な空き地になるなら、いっそ防災拠点にでもすれば? 豊島園の何倍も役に立つと思うけど(笑)。

| |

« つれないソブリン2012 | Main | 東電下暗し »

経済・政治・国際」カテゴリの記事

鉄道」カテゴリの記事

航空」カテゴリの記事

JR」カテゴリの記事

大手私鉄」カテゴリの記事

地方公営交通」カテゴリの記事

都市間高速鉄道」カテゴリの記事

民営化」カテゴリの記事

都市交通」カテゴリの記事

Comments

成田や羽田の発着枠には余裕があるのですか?
よく海外の航空会社が順番待ちで新規参入できないという話を聞きますが、今はそうでもないのでしょうか?

Posted by: yamanotesen | Saturday, January 14, 2012 11:58 PM

成田も羽田も滑走路の整備と管制システムのリニューアルでかなり発着枠に余裕が出てきた事は確かです。

そして発着枠の追加分は順番待ちがあるが故に新規参入エアラインに優先割当されるルールで。日本の大手2社への配分は後回しになります。

それ故に大手2社は手持ちの発着枠を簡単に手放せない状況なんです。一度手放した発着枠は、後に必要になっても簡単には取り戻せないわけですから。

加えて日米航空協定で優先割当された太平洋線の発着枠に関しては、米社との便数バランスの問題もあって、簡単に撤退できないのです。

にも拘らず羽田で1往復の発着枠を確保したアメリカン航空は、元々太平洋線の実績がなく集客に苦戦し撤退しています。本来同じワンワールドに属する日本航空が頑張らなきゃいけないところですが、日本航空自身が経営再建中で、自社に割り当てられた2往復の発着便を優先的に集客している状況では、アライアンスの意味が見出せず、アメリカン航空自身が米破産法11条申請で破綻処理されるに至りました。羽田の国際線は必ずしも順風満帆ではありません。

Posted by: 走ルンです | Sunday, January 15, 2012 04:21 PM

以前から新駅構想が言われていたので、見出しだけ見て「これで田町電車区・品川客車区も終わり」と、趣味的な側面だけ思ってしまっていました。(10年以上前ですが、広報室に所属していた人間としては失格でした。)
「分かった」報道はいわゆるアドバルーンであることが多いので、仰るとおり東京都側の作為が働いた可能性は高いと思います。
リニアについて言うと、昔の新幹線か狭軌別線か、という議論を思い出させるところがありますが、一方で新幹線建設時には輸送力自体が一杯でした。いまはそこまでの需要はないのでは、と思います。
また、東京~名古屋あるいは大阪ぐらいの距離であれば、今の新幹線でスピード面では十分航空機に対抗できます。

Posted by: あかぐま | Tuesday, January 17, 2012 09:55 AM

コメントありがとうございます。趣味的には楽しみな部分もありますが、松も明けない正月3日のニュースとしては違和感を禁じ得ません。通常広報室も正月休暇中ですよね。

昨今鉄道絡みの政治の話題が多くて、趣味人としては「いい加減にしてくれ」というのが正直なところですが、逆に鉄道と政治の接近ぶりは戦前の政友会と民政党の我田引鉄合戦を髣髴させるものがあります。

またラジオ放送が始まって主要メディアの地位を失った戦前の新聞同様、現在の既存メディアはネットの脅威を感じてか、あらぬ方向へ向かっている気がします。食べログのヤラセ報道などステマ問題への過剰反応などは見苦しいですね。ヤラセはTVの方が元祖ですが-_-;。

Posted by: 走ルンです | Tuesday, January 17, 2012 09:58 PM

なるほど、都側リークなら納得いきます。

ちなみに211系は田町と高崎のみ所属で国府津にはおりません。
高崎車もE233系による置き換えが予定されており、いずれも115系の置き換えに転用されるようです(211系0・2000番台は半自動化改造するとか)

Posted by: はつね | Thursday, January 19, 2012 10:49 AM

LCCとリニアの話が良くわかりませんね。
現状新幹線とまともに対抗しているのはスカイマークの東京~神戸の区間くらいなもの(JR東海と西をまたぐ)で、ANAが納める格安航空会社ピーチも新幹線の路線を避けています。またLCCはおもに成田に集中しているわけです。

早い話が、現状の価格とサービスをもってしても勝ち目がないからやらないということです。拡充されるのは新幹線路線の競合を避けるだろうということです。
よってリニアの実現性が遠のくというのは全く理解できないんですよ。
また以前、人口減少を元にもリニアを否定しておりましたが労働人口と鉄道(新幹線含)との相関は全くありませんので。

Posted by: ナオ | Thursday, January 19, 2012 04:05 PM

コメントありがとうございます。

>はつねさん
E217系と勘違いしてました。ご指摘感謝です。新前橋車の置き換えや0・2000番台も半自動化も知りませんでした。重ねて感謝です。

>ナオさん
東京―大阪(伊丹・関空)間はJALやANAにとってもドル箱路線ですから、新幹線との競合を避けたというよりは、自社競合による共食いを避けたということでしょう。

また機材も人員も揃っていない中で、とりあえず収益が見込める路線から始めるのは当然のことで、今後機材と人員が揃ってきたときにどの路線に参入するかはわかりません。

ただ、ツアーバスが夜行列車を次々と廃止に追い込んでいるように、定着すれば新幹線が食われない保証はありません。

労働人口と鉄道の相関はないと断言できる根拠はわかりませんが、東海道新幹線に関しては、95年以降明らかに横ばいで、リニアも需要逼迫で輸送力増強とは言わなくなりました。

東海道新幹線のリニューアルのための長期運休に備えた代替輸送と、昨今は災害に備えた多重化と整備の理由が変化してます。JR東海自身が輸送力増強を言えなくなっており、需要面からはリニアの必要性は低下しているわけです。

Posted by: 走ルンです | Thursday, January 19, 2012 09:15 PM

昨年7月のエアアジアジャパン新設の会見では東京~大阪の路線参入をほのめかしていただけに、LCCが新幹線との競合を避けているとは思えませんね。潜在需要が旺盛で、フライト回数を稼げる東京~大阪のような短距離路線は折り返し時間のかからないLCCがもっとも優位性を発揮できますし、ビジネス客がある程度定着すれば客単価もある程度の水準を確保可能です。参入は時間の問題でしょう。

Posted by: DDT | Friday, January 20, 2012 03:54 AM

コメントありがとうございます。

仰るように短距離路線はLCCが中心になる可能性が高いですね。逆に長距離路線はLCCがビジネスモデルを確立できていない状況で、エアアジアも欧州路線から撤退を発表するなどしてますし、当面メガキャリアとの棲み分けが進みそうです。

となると新幹線買い取りローンが終わる2017年以降、浮いたキャッシュフローを値引きに使わざるを得なくなるとすれば、リニア建設費が消えてなくなりますね。

Posted by: 走ルンです | Friday, January 20, 2012 10:27 PM

色々突っ込みどころ満載なことで。

>東京―大阪(伊丹・関空)間はJALやANAにとってもドル箱路線ですから、新幹線との競合を避けたというよりは、自社競合による共食いを避けたということでしょう。

毎回ズレた回答するんですね。
私はLCCの話をしているんです。
話の流れからすると貴方が言っているのは、ドル箱路線に大手航空会社がいる以上LCCは来ないということになるんですよ?一度自分の文を見返したらどうですか?

>また機材も人員も揃っていない中で、とりあえず収益が見込める路線から始めるのは当然のことで、今後機材と人員が揃ってきたときにどの路線に参入するかはわかりません。

 現状スカイマークすらいないのに?あと、東海道新幹線も当然残るわけですけど、頭にいれているんでしょうね。
今も格安のぷらっとこだまのような商品もありますし、安く対抗することは十分可能ですよね?リニアが出来た時はそれこそ8000円くらいで出てきてもおかしくありませんね。
いったいどこの航空会社が対抗できるんですかね。しかも伊丹は4発機は使えないというハンデ付。
極めつけは、橋本さん大阪空港を潰したいんでしたね。


>ただ、ツアーバスが夜行列車を次々と廃止に追い込んでいるように、定着すれば新幹線が食われない保証はありません。
 こういう時は何が原因で廃止になったか細かく分析することが大切ですよ?速さ、価格、快適性、使いやすさのどれをとってもほかの交通機関に負けたから廃止になったのです。

貴方が言っているのは、将来的には東京~大阪に1000円くらいで飛べる飛行機がくる「かもしれない」からリニアなんか無駄だと言っているわけですね。実に稚拙ですね。


>労働人口と鉄道の相関はないと断言できる根拠はわかりませんが、東海道新幹線に関しては、95年以降明らかに横ばいで、リニアも需要逼迫で輸送力増強とは言わなくなりました。
IPSSの人口ピラミットと東海道新幹線の輸送をグラフにすればすぐ分かりますよ。疑うならご自身で作られては?
大事なのはGDPであるとだけ言っておきます。東海道新幹線の走る区間がどういう地域なのか分かれば、分かるはずですから。

>東海道新幹線のリニューアルのための長期運休に備えた代替輸送と、昨今は災害に備えた多重化と整備の理由が変化してます。JR東海自身が輸送力増強を言えなくなっており、需要面からはリニアの必要性は低下しているわけです。
 もともとそういってましたが?適当なこと言わないようにしてください。ただ優先順位的に災害や長期運休と言えば理解を得やすいから順番を変えて言っているだけです。

早い話がLCCに対して夢見すぎなんですよ、あなた方は。小・中距離国際線ならともかく国内線でLCCなんざ新幹線との競合を避けているのが、ここ何年も続いているのです。そういった過去の事例も見ないで適当なこと言わないでくださいね。傍から見て滑稽ですよ。

Posted by: ナオ | Saturday, January 21, 2012 12:19 AM

 日本はLCC元年を迎えたばかりですし、評価が定まるまでにはしばらく時間がかかるのはやむをえないと思いますが、ヨーロッパではLCCがレガシーキャリア、高速鉄道との競合が激しく、競合区間では運賃の値崩れが起きています。LCCは価格弾力性のない東海道新幹線にとっては明らかに脅威となります。成田や関空がベースになることから都心部へのアクセス面は弱くても、それを補える安さがLCCの強みです。東京~大阪でも一定の運行頻度を確保できれば、経費削減にいそしむ企業は出張にLCCを使うよう奨励するでしょうし、自腹で移動する個人旅行者にはいっそう歓迎されます。私の以前いた会社では東京~福岡、札幌は可能な限りスカイマークを使えとのお達しが出まして、従順な方はそれを守っていました。今後は「成田のアクセスが悪くない者はLCCを使え」と言い出すかもしれません。

 もちろん、LCCが東阪間に進出すればその影響は羽田~伊丹のレガシーキャリアにも及び、こちらは大型機材を中型に代えたり、便によっては値引きを拡大するかもしれません。いずれにせよ、乗客の移動コストが下がる分、既存キャリアは利益は圧迫され、新幹線も値引きしなければ乗客が減るという図式に引き込まれます。レガシーキャリアにとっては自ら出資した会社にシェアを奪われるというジレンマに陥りますが、他業種(投資ファンド)に利益を取られるよりは自らが一定の関与をした方がまだましという態度でしょう。一応、オーストラリアでは親会社のカンタスとジェットスターがうまく棲み分けができているということのようですが、果たして日本ではどうなることか。

Posted by: DDT | Saturday, January 21, 2012 02:59 AM

ナオさんの議論は、LCC=新規参入という前提での話ですね。

スカイマークはLCCと同様のビジネスモデルを用いながら、日本のバカげた規制や着陸料や燃料費の高さや、レガシーキャリアの嫌がらせなどなどで、LCCになり損ないました。それでも粘って生き残っている存在です。他の新規参入キャリアについては、元々の見通しの甘さもありますし、レガシーキャリアとのアライアンスで存続するなど、日本の閉鎖的な市場環境の特殊性が強いです。ですからLCCをスカイマークでベンチマークして「恐れるに足らず」と見れば間違えます。

で、欧米アジア共にLCCは低価格を武器に新規参入してきた存在ですが、日本の場合は大手2社が手がけるわけですから、そもそも前提が違います。とりあえず親会社のドル箱路線を外して参入するのはある意味当然です。

とはいえ未来永劫そうなるわけではなく、新規利用客を開拓できれば良いわけですから、本体への影響を見つつも参入は時間の問題かと思います。背景には短距離長距離を問わずトランスファーを前提とするハブ&スポーク型から point to point の直行便主体のシステムにエアラインが移行過程にあるということです。路線ごとに運賃水準が変わってくるのが標準になるということですね。

ですから現状を見て「新幹線は安泰」と思いたいのでしょうけど、今後の変化は予測不能なほど大きいと見る方が自然です。

加えて労働人口減少問題ですが、家計所得が減少すればGDPも下押しされるのは当たり前で、実際GDPの名目値は下がり続けています。それでも実質GDPで成長できているのは、主に要素価格均等化定理により高値安定だった日本の人件費や諸物価が世界標準に平準化され収斂されているからです。いわゆる「デフレ」のおかげで名目値ほど国民生活はダメージを受けずに済んでいるといえます。

逆に企業業績は名目値に左右されますから「デフレ何とかしろ」の大合唱になりますが、グローバル化の結果ですから何ともなりません。

今後高齢化の影響が三大都市圏にまで波及すれば、ビジネスによる都市間移動は減りこそすれ増える事はありませんから、良くて横ばいがせいぜいです。

Posted by: 走ルンです | Saturday, January 21, 2012 03:35 PM

>DDTさん
欧州とは直接比較できません。高速鉄道の距離に対して、時間がかかり過ぎています。
トーマスクックにも時刻表あるのでご覧いただければわかります。常に最高時速で走っていられないのですね。また日本と違って大都市圏に集中しすぎていないのです。だから空港へのアクセスもターミナル駅へのアクセスも大差ないのです。また集客しようとサービス拡充なども全くないのですから当たり前でしょう。

LCC元年とはいいますが、今現在でもローコストキャリアは数社存在しています。それでも新幹線を避けようとしているあたり、勝ち目の薄さを感じているのではないですか?
リニアが出来ていない状態で、すでにそのザマだということを認識してください。

もうちょっと勉強されたほうが宜しいのでは?新幹線側が全く対応しないという前提で、都合の悪いデータを無視して「こうかもしれない」「こうであってほしい」のオンパレードで小学生の妄想レベルで書かれてはお話にならないので。
IR情報とかちゃんと読んでいますかね。

>走ルンですさん
>スカイマークはLCCと同様のビジネスモデルを用いながら
ほら自分で認めている。燃料費用、着陸料の高さ、大手キャリアで虐げられている状況から何をどういう材料から飛躍的に向上できるのですか?具体的な手段が分からないのに脅威だけ煽るのは新聞記事だけで結構ですよ。

>ですから現状を見て「新幹線は安泰」と思いたいのでしょうけど
LCC万能理論の貴方がそれを言いますか。現状において、凄まじい壁があることを貴方自身がよく知っているはずですよね?リニア計画が途中で頓挫すると書いた理由も聞いてみたいものですね。飛行機側の対応は出来て、新幹線側が全く対応しないという前提なのでしょうか。

>加えて労働人口減少問題ですが、家計所得が減少すればGDPも下押しされるのは当たり 
 私は、労働人口の減少と新幹線の需要にはここ20年のデータを見ても全く相関がないので、あなたの人口減少=リニア無用という理論そのものが間違っていると言っているのです。ズレた回答しないでちゃんと認めなさいよ。

早い話が、何をどうやったら新幹線の収益を下げてリニアを頓挫させることが出来るのが具体的な手段と数字をもって論理的に説明してくださいよ。
数年前から、リニアに対して散々ボロクソ言ってましたが毎回結論ありきでしたよね。ブレないできちんと答えてほしいですね。

Posted by: ナオ | Monday, January 23, 2012 04:09 PM

見事に卑近な現象面だけしか見ないで、揚げ足取りはお盛んですね。

私がリニアに冷淡な理由は一貫しております。「建設費をファイナンスできない」これに尽きます。過去記事もかなり読み込まれているようですが、論旨はブレておりません。しかも繰り返し説明しておりますが。

労働人口と新幹線の関係ですが、過去20年で相関がないんじゃなくて、成長が止まった事が問題じゃないですか。労働人口の減少は今後数十年続くのであって、減少へ転じない保障はないです。逆にたった20年のデータだけで相関はないという議論は乱暴すぎますね。アホらしくて答える意味もないです。

Posted by: 走ルンです | Monday, January 23, 2012 10:16 PM

>走ルンですさん
いやぁ正直ここまで貴方がバカだとは予想してませんでしたよ。
あなたがやってるのは具体的なデータを出さずに、妄想しているだけ。おまけに過去のデータまで信用ならんと言う始末。私がデータを作れ、出せと言っても何も出さずじまい。企業のIR情報や国の記録すらどうせ見てないんでしょうな?

早い話が貴方が言っているのは、未来はどうなるか分からないから投資なんてバカらしいから止めましょうってことでしょ?日本を衰退させたどっかの国の回し者ですか?

>過去20年で相関がないんじゃなくて、成長が止まった事が問題じゃないですか
はい0点。良く読んでないなぁ。。
最初にGDPの成長が大事だと言ったでしょ。公共事業を減らしたその年から徐々にサラリーも減っているのは誰もが知ってます。でもそれは国に任せるしかないだから、ここで問うても仕方ないでしょう。

で、経済成長率-1%の状態から計算してますよJR東海は。その資料すら否定する(むしろ否定したいのか?)なら、なぜそうなのか、数字と客観的データをもって示せと言っているんですよ。

そうね、あなた風な言い方で言うならLCCを否定するなら『LCCみたいな安い乗り物は墜落して結局安値は危険という認識が出るかもしれないから止めた方がいいでしょう。』ってとこですか。

自分の意見が否定されて顔真っ赤でしょうが、落ち着きなさいよ。そもそも新駅報道のドサクサに紛れてリニアの話するとか笑っちゃいますね。

Posted by: ナオ | Tuesday, January 24, 2012 03:20 PM

人の推論にさんざんケチつけといて妄想呼ばわりですか。GDPに関しても、公共事業が減ったから縮んだわけじゃないですし、別に国にケチつけているわけじゃありません。私が指摘しているのは、95年以来東海道新幹線の利用が横ばいだという事実です。

GDPの名目値の低下も労働人口の減少も、全て政府統計に現れている広く知られた事実ですよね。その事実に基づいた推論をしているだけです。ですから私自身が何か非公開のデータを持っていて出し惜しみしているわけでも何でもないんで、「データ出せ」と言われても、「は?」としか言いようがないわけですね。公式にアクセス可能な政府統計と齟齬している部分があるならご教示願いたいです。

ナオさんの論では、政府が公共事業を減らしたからGDPが縮んだという見解のようですが、それは貴方の見解であって政府統計に現れた事実ではありませんよね。貴方の見解に反するから妄想だということですか。ただの言いがかりじゃないですか。笑っちゃいます。

Posted by: 走ルンです | Tuesday, January 24, 2012 08:48 PM

話変わりますが、品川〜田町の海側への移設はJRばかり報道されていますが、京急線はどうなるんですかね?
京急と山手線に挟まれていては再開発しにくいと思うんですが、なぜか京急の品川駅を海側に移設するという話は聞かないんですよね。
再開発に合わせて八ツ山橋付近の線形改良や2面4線化などができれば良いんですけどね。

Posted by: yamanotesen | Thursday, January 26, 2012 10:51 PM

>走ルンですさん
LCCによってリニアは建設費用が出せなくなる?

最初、大手航空会社が大阪を握っているとか言って
LCCは入れないとか言ってましたよね?私がスカイマークが入っていないことを言ったら。
んじゃ、大手がいる以上LCCが入ってこられないんじゃ、根本から論理が破綻しとりますよ。
揚げ足とかそういうレベルじゃないから。

リニアが出来た後にLCCが入ってきたら?
東海道新幹線使って安値にさせればいいだけ。
>資料をもっていない
>GDPに関しても、公共事業が減ったから縮んだわけじゃないですし、
はぁ・・・(ため息)
私言いましたよね?自分で調べ、自分で資料を作れと。
公共事業が減ってからサラリーが減った。そして、GDPの伸び率がどうなったのか、目の前の箱で一度自分で調べなさいな。あと、人口の増減と過去20年の鉄道(新幹線)の動向もね。各省庁の資料、東海のIR資料すら信用しないで希望的観測だけで「リニアは失敗する」なんて書くから妄想だって言ってるんですよ。そこんとこ理解してますか?

GDP上げる工夫だの人口の増加など、ここで問うても仕方ないのです。なぜか?それは国がやるべきことで、それ次第で変わってしまうからです。従って、過去のデータと今後のある程度の予測で事業をやるしかないわけです。

貴方が、日本はもう経済成長しない。または落ちていくというのであればそれは、LCCやらリニアどころの騒ぎではなく、もはや国家の滅亡ですよ。

Posted by: ナオ | Friday, January 27, 2012 12:24 AM

yamanotesenさん

京急線を海側に持っていくとなると泉岳寺へのルートも移設する必要が出てくるかもですから、
どうなんでしょうね?
八ツ山橋付近線形改良まで視野に入れるとなると、いっそ北品川~泉岳寺を地下化したら
良いかも。
・・・工事費いくらかかるんだろ?!

Posted by: blue sky | Friday, January 27, 2012 12:40 PM

>ナオさんへ
いつまで不毛な言いがかりを続けるつもりかわかりませんが、何が言いたいんですか。もはやほとんど意味不明ですが。

リニアは早くても2045年にならないと大阪には達しないんですよね。その間に日本の経済環境がどれだけ変わるのか、イマジネーションが働かないということだけはわかります。

そもそも公共事業とGDPの問題を持ち出したのはナオさんの方ですから、その根拠をお示しになるならともかく、私に資料を用意しろというのはおかしくありませんか。私の推論のここが現実と齟齬しているということを示すべきなのは貴方の方ですよ。

というわけで、根拠のある反論は大歓迎です。根拠をお示しください。

Posted by: 走ルンです | Friday, January 27, 2012 11:26 PM

別件なのでコメントを分けました。

京急に関しては現状のままですから、田町車両センター跡地の再開発地域を泉岳寺駅とJR新駅が挟み込む形の位置関係のようですね。

ということは、よく考えたらここの再開発で都営地下鉄も受益者になるわけで、ますます東京都の対応はインチキですね。

Posted by: 走ルンです | Friday, January 27, 2012 11:31 PM

都市開発事業の相場感から言いますと、新駅の設置費用は都市開発事業者の負担になると思います。
鉄道事業者としてのJR東日本は、新駅の設置費用を原因者である都市開発事業者に負担してもらうことになるでしょう。
仮に、跡地開発をJR東日本が直営でやるとすれば、それがJR東日本の都市開発部門になるということで、鉄道事業者のJR東日本と都市開発事業者のJR東日本の2者が存在してややこしくなりますが...

議論の焦点である、当該跡地における新駅に対する都や区の負担の考え方ですが、現在の跡地は準工業地域で容積率は400%となっています。これを商業地域の800%程度に変更してあげるから、その差益を活用して道路をはじめとする必要なインフラは自分で整備しなさい、というのが都や区のロジックだと思います。
ただし、駅は旧運輸省の領分なので、旧建設省(それも一番身分の低かった都市局)の領分である都市開発諸制度の中にどう位置づけるかはチエがいるようです。その証拠かどうか、東京都の「品川駅・田町駅周辺まちづくりガイドライン」にも、官邸の「特定都市再生緊急整備地域(案)及び地域整備方針(案)」にも、「新駅」という言葉は登場してこないです。

都も、上述の「品川駅・田町駅周辺まちづくりガイドライン」という形でグランドデザインを一応示してはいるのですが、中身を斜め読みすると「風の道」ばかりが目につき、開発内容はお任せしますからとにかく早く事業化して建設業や不動産業にお金を流してちょうだい、という本音が丸見えです。

Posted by: たらを | Monday, February 06, 2012 04:49 PM

コメントありがとうございます。なるほど、特区にそんなからくりがあろうとは、なかなか厄介な「大人の事情」です。

経済情勢を見れば、JR東日本が開発主体となることはリスクが高くて無理でしょう。またオフィスビルの需給をみると、大手デベロッパーも手を出しにくいですから、都や区が動かなければ結局更地のままになりそうですね。新駅もマボロシかも。

Posted by: 走ルンです | Monday, February 06, 2012 09:41 PM

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference 新駅報道で「わかった」JR東日本と東京都の大人の事情:

« つれないソブリン2012 | Main | 東電下暗し »