日米の大学教育現場におけるWeb2.0の活用事例から見えること
日米ともに大学の教育現場にWeb2.0の活用が始まっています。
「Web 2.0スタイルのツールが変革する大学の教育現場:スペシャルレポート - CNET Japan(8/9)」によると、米国の大学を中心にWeb 2.0の活用事例が紹介されています。ポイントをまとめてみると、
・ Web 2.0導入により知名度を高め、他の大学との差別化を図る
・ Web 2.0活用により討論や研究を促し、教室では研究テーマの議論を深める
・ Web 2.0運用により教育理論にはじまり大学の構造にいたるまで、あらゆるものが変遷期を迎える
その利用ツールの代表例が、RSSフィード、Wiki、ブログ、ポッドキャスト、Second Life等です。
さて、日本の大学の場合はどうでしょうか?いくつか事例をあげてみましょう。
Google
Appsを学生10万人向けに採用【日本大学】
日本大学では、「Google Apps Education Edition」を採用し、「Gmail」のほかスケジュール管理やワープロや表計算そしてメッセンジャー機能を採用しています。マイポータル化や授業変更等の情報を把握できるようになっているようです。
<関連記事>
日本大学がGoogle
Apps採用、学生10万人のコミュニケーション基盤に(ITmedia 4/3)
YouTubeを大学公式サイトに採用【明治学院大学】
明治学院大学は、6月6日、大学の公式サイト内にYouTube を利用した動画コーナー「MG Video」を開設し、大学紹介、講義、サークル活動など、大学で行われている情報を随時動画配信しています。
<関連記事>
YouTubeを利用して大学公式サイトを“Web2.0”仕様にする (ITmedia Alternative Blog
6/20)
SNSをeラーニングとして活用【立命館大学 大学院】
立命館大学 大学院 国際関係研究科では、5月、学生・教員のe-learningとコミュニケーションツールとして 教育機関向けSNS「マナバ」を導入しました。レジュメや報告、討論などをオンラインで行い、遠隔地の社会人学生等の修学支援を行っています。
<関連記事>
大学等の学生支援プログラムにSNSを活用する (ITmedia Alternative Blog
7/23)
Second Life(セカンドライフ)を大学講義に活用【慶応義塾大学】
慶応大学と電通は7月31日、電通が8月にセカンドライフ(Second Life)内に開設する仮想都市空間「バーチャル東京」内に、共同研究拠点「慶應義塾セカンドライフキャンパス」を設置すると発表しました。
<関連記事>
慶応大学がセカンドライフで日本初めての大学講義を公開へ
(ITmedia Alternative Blog 8/1)
Wikiを授業・試験情報の収集等に活用 【東京工業大学】
東京工業大学の授業・試験情報等を取り扱うWikiを導入し、現在では主に、東京工業大学大学院「計算工学専攻・集積システム専攻」の過去問の対策および解答を公開しています。
<関連サイト>
東京工業大学 Wiki
いくつかの事例を見てみると、米国の大学のほうが運用面で進んでいる印象ですが、日本の大学の教育現場においてもWeb2.0の活用が始まっていることがご理解いただけると思います。まだまだ話題先行の感は否ません。しかし、成功事例が出てくれば、若い世代が集まる大学においてのWeb2.0の活用は、エンタープライズ2.0と言われる企業での活用よりは早くブレークする可能性は高いと考えています。Web2.0を活用する大学機関と大学を卒業した新社会人が、企業のWeb2.0活用に火をつけるきっかけになっていくのかもしれません。