大学等の学生支援プログラムにSNSを活用する
大学全入時代を迎え、学生の取り巻く環境の変化と多様な学生が増加するとともに、少子化・ニート・フリーター等様々な社会的課題生じている中で、学生支援の充実をはかることが重要な課題となっています。文部科学省は、平成19年度「新たな社会的ニーズに対応した学生支援プログラム」を公募し、7月2日に募集を締め切りました。8月下旬頃には、選定・結果公表される予定です。
本対象は、国公私立の大学、短期大学及び高等専門学校で選定予定件数60件程度のところ272件の申請がありました。そして272件の申請の中には、SNSを活用した学生のキャリア開発力や自立促進や修学等の支援に関する申請が4件ありました。
SNSを用いたキャリア開発力育成支援
(徳島大学)
SNSを活用した自立促進のための学生支援 (九州大学)
SNSを利用した通信制大学での修学支援 (星槎大学)
SNSを核とした学生力の育成支援 (大阪産業大学)
このSNSを活用した案件が選定されるか現時点ではわかりませんが、SNSで学生を支援していく取り組みは、今後増えてくるものと予想されます。
ここで事例や調査結果等の例をいくつかあげてみましょう。
2007年5月、立命館大学 大学院 国際関係研究科では、学生・教員のe-learningとコミュニケーションツールとして 教育機関向けSNS「マナバ」を導入しています。レジュメや報告、討論などをオンラインで行い、遠隔地の社会人学生等の修学支援を行っています。
また、学術出版社大手の「Thomson Learningの調査結果(5/7)」によると「文系大学職員の50%近くがSNSの教育的価値を認めているという」結果も出ています。
mixi等のSNSを使い、学生同士のコミュニケーションツールとして利用は、既に一般化してきていますが、SNSで学生のキャリア開発力や修学支援を行うという取り組みはまだ始まったばかりです。この4件の中からいくつの案件が採択され、そしてどのような効果をもたらすのか少し注目してみたいと思います。