きな臭いニュースが、海の向こうから。

フェースブックがログオフ後のユーザーの活動を密かに追跡していたとして、集団訴訟が起こされています。businessweek.comが報じています(2011年10月1日午前0時23分投稿)。
サン・ホセの連邦裁判所の原告の訴えによると、FBは「クッキー」(“cookie”)ファイルをコンピューターにインストールしたユーザーに対し、ログオン中はIDの特定やFBアプリやウェブサイトでの相互交流を追跡するが、そうしたクッキーはログオフしたら削除されると保証していました。

ところが、そうではなかった。

フェースブックは9月26日、クッキーがログオフしたユーザーの活動を追跡していた事を認めていたそうです(30日の訴状による)。

「オーストラリアのテクノロジー・ブロガーが、同社が慣習としてログアウトしたメンバーをモニタリングしていると暴露して、初めて同社はこれを認めた。もっとも、ブロガーは1年前に被告に注意していたが」(“This admission came only after an Australian technology blogger exposed Facebook’s practice of monitoring members who have logged out, although he brought the problems to the defendant’s attention a year ago,”)。

9月29日には、10の公益団体がアメリカ連邦取引委員会(FTC)に対し、ログオフ後にインターネット・ユーザー活動を追跡していたフェースブックを捜査するよう要請しました。電子プライバシー情報センターと9団体が、フェースブックのティッカーやタイムラインという新しい特性が、簡単にアクセス可能なフォーマット上の個人情報と照らし合わせる事によって、プライバシーの危険が増しているのではないかとして、実態調査をFTCに求めているそうです。

今回の集団訴訟はアメリカ国内に住むフェースブックのユーザーの代理として、イリノイ州のエイキンス・デービスという人が起こしています。同氏は詳細が分かっていないダメージの究明と、盗聴を規制を謳う連邦法や、コンピューターの不正行為防止法の違反に当たるとして、こうした追跡を裁判所命令で止めさせるように求めているとの事です。

「こうした訴えにはメリットが無く、しっかりと我々は闘うだろう」(“We believe this complaint is without merit and we will fight it vigorously,”)とフェースブックの広報担当者はメールで声明を発表しています。

デービス氏の弁護士、デビッド・ストライト氏は「彼らが冒した過ちへの補償と再発防止を保証して貰う事が我々のゴールだ」(“our goal is to seek redress for the wrongs they have committed and to ensure it doesn’t happen again.”)としています。

カリフォルニア北地区(サン・ホセ)裁判所管轄で、訴訟番号は11-4834だそうです。

フェースブック側も引く気は無いようですね。ところで、気になる点が。オーストラリアのブロガーさんが1年前から気づいていたとの事ですが、これってひょっとしたら、その頃から世界中でやっていた可能性があるって意味に取れますよね? つまり、日本のユーザーも対象になっていた可能性がある訳で。

所管がどこになるか知りませんが(郵政省総務省なのかな)、一度調査する必要があるのではないでしょうか?

という訳で、今回はこれを付けておこう。

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