【BBCが放送した伊藤詩織氏のドキュメンタリー「日本の秘められた恥」について(その2)】

この記事の中に「番組の取材に対し杉田議員は、伊藤氏には『女として落ち度があった』と語った。」と書かれており、ネット上では「セカンドレイパー」だとの批判が噴出していますが、これも[切り取り]です。

もし女性が、薬を飲まされて無理やり連れ込まれて強姦されたのであれば、私は「女として落ち度があった」とは全く思わないし、そんな犯罪者は本当に許せないと思います。

が、この点については伊藤詩織氏と山口敬之氏の主張が食い違っています。

まず、伊藤詩織氏は「デートドラッグ」なる薬を飲まされたと言っていますが、証拠は「私は普段からお酒に強く、酔って記憶を失ったことがない。だから、薬を飲まされたに違いない」という証言のみです。彼女はこの件の後すぐに病院に行っていますが、尿検査をしていません。もし尿検査を受け、薬物反応が出れば動かぬ証拠となったのでしょうが、今となっては調べようがありません。

一方、山口敬之氏は昔からの行きつけの店のカウンターで飲んでいて、多くの人の目もあり、薬を入れるのは不可能だったと語っており、その証言に基づいて検察は現場検証をしています。また、所謂「デートドラッグ」というものはインターネットでしか手に入らないということで、検察は、山口氏の持っているPCやモバイルなど全てを押収して調べたが、そういったドラッグを購入したことは一度もないことが確認しています。

更に「無理やり引きづりこまれた」と伊藤氏は証言していますが、ホテルの防犯カメラには自分で荷物を持って歩く姿が確認されています。

伊藤氏は翌朝山口氏を気遣う内容と共に「VISAのことについてどのような対応を検討してもらえますか?」というメールを送っています。


このように対立する二つの証言があり、それらを検証した結果、東京地検が不起訴としています。これに対し、東京第6検察審査会も「不起訴相当」とする議決を公表しました。客観的に見て、伊藤氏よりも山口氏の証言の方が信憑性が高いと司法が判断を下したことになります。

その結果を踏まえた上で、私は「これは強姦事件ではないと司法が判断した。女性にも落ち度があったと言わざるを得ない。」と発言しています。

もう一度、言います。私は性犯罪は許せないと思います。無理やり薬を飲まされたり、車に連れ込まれて強姦されるような事件はあってはならないし、犯人の刑罰はもっと重くするべきと考えています。

が、伊藤詩織氏のこの事件が、それらの理不尽な、被害者に全く落ち度がない強姦事件と同列に並べられていることに女性として怒りを感じます。「海外に日本の現状が誤って広がることをなんとか止めたい」インタビュアーの質問に応えながら、そればかり考えていましたが、そこはゴッソリ抜かして編集されたようで、とても残念に思います。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180629-44638987-bbc-int