しばらくNexus 7を放置していたのですが、久しぶりに使おうとしたら何をするにおいても重くて重くて投げ捨てたくなるくらいの酷さでした。購入した時は何の不満もなかったのにどうしてこうなってしまったのか。
ネットで調べてみるとAndroid4.4にダウングレード、初期化、キャッシュのクリア、アンチウィルスソフトのアンインストールなどの対処方法が書いてありましたが、そんなことやっても何の効果もありません。現に私のNexusはAndroid4.4の状態であまりに酷い重さでしたから。
Nexus 7 2012が以上に重くなる原因について
Nexus 7が重いのはCPUの能力が低いからではありません。購入した時を思い出してみればわかりますが、Nexus 7に搭載されているTegra 3は十分なパフォーマンスを有しています。
それは最新のAndroid5.1でも十分スムーズに駆動できる能力があります。
ではNexus 7を重くしている原因が何なのか明かにしてしまうと、ストレージI/O、データI/O速度の異常な低下です。Nexus 7に搭載されているeMMC(データ用ストレージ)の品質が低いため、また、後述するもう1つの原因によって長く使用していると明らかに速度が低下してしまいます。
これがベンチマークアプリ「AnTuTu」で計測した改善前のNexus 7です。
ストレージI/O、データベースI/Oの数値が異常に低いことがわかります。
そしてこれが今回紹介する方法で改善した私のNexus 7と標準のNexus 7(購入時)の比較です。今回の復活方法で標準状態のNexus 7をも上回る計測結果となりました。
Nexus 7を劇的に高速化するアプリ「Trimmer (fstrim)」
瀕死状態のNexus 7を救ってくれるアプリは「Trimmer (fstrim)」です。Root必須のアプリですが、無料で使用することが出来ます。
ダウンロード :
Trimmer (fstrim)この「
Trimmer (fstrim)」はワンタッチでTRIMコマンドを実行してくれるアプリです。そもそもTRIMとは何かというと、一言で言えばストレージ内の不要になったブロックを消去するというコマンドのことです。
本来このコマンドは標準状態のAndroidで実装されているものなのですが、実はNexus 7のストレージのドライバーにはバグが存在していて、このTRIMコマンドが実行できずにいました。
その後、Android4.1のバージョンアップ時にこの問題は修正されましたが、過去のセクタまでは修復されずそれが原因となってNexus 7の速度低下を引き起こしていたというわけです。
この「Trimmer (fstrim)」の使い方は簡単で、アプリを起動したら
Systemにはチェックを入れずこのまま「TRIM NOW」をタップするだけです。TRIM NOWをタップするとroot権限の許可否を求めるダイアログが表示されるので許可をして実行します。
TRIMコマンド自体は数秒ほどで終了します。
次に行うのはキャッシュのワイプです。Nexus 7をシャットダウンし、電源ボタンとボリュームマイナスボタンでboot画面を表示させ、ボリュームキーで移動、電源ボタンで決定し、リカバリーモードを選択します。
リカバリーモードに入ったら「
wipe cache partition」を選択して実行します。
間違ってもファクトリーリセットは選択しないようにしましょう。
TWRPなどのカスタムリカバリーをインストールしてあるならばWipe→Advanced wipe→Cacheを選択してワイプするだけなので簡単です。
以上の手順を踏み、再起動することでNexus 7が完全復活しているはずです。
すべての動作に引っ掛かりがなくなっていてプチフリーズすることも全くなくなります。まだ疑心暗鬼な人はAnTuTu等のベンチマークアプリで確かめてみると良いでしょう。
おまけ
基本的には上の手順でNexus 7の動作が劇的に改善するはずです。 が…
どうしても改善しない人、まだ改善したりない人は
1.ストレージを3GB以上開ける
2.Chromeのアンインストール
3.マルチユーザーアカウントの消去
4.開発者オプション→表示属性検査を有効にするにチェック→再起動(Android 5.0以上のみ)
これらを全て行った後にもう一度一番上の手順を行ってください。
これで確実に完全復活することでしょう。