今年の2月28日のことになりますが、東京で

ぶたやまかあさんの質問箱#2 ~STAP細胞ってなんだったんですか~ ‪#‎3331熱中教室‬

という催しものが開かれました。

 いわゆるパネルディスカッション、聴衆50人足らず程度の小規模なトークショーでした。アジェンダとスピーカーは以下の通りです。

...

1. そもそもSTAP細胞ってなんだったんですか?
詫摩雅子さん

2. それから不正問題ってなんだったんですか?
粥川準二さん

3. 結局STAP騒動ってなんだったんですか?
託摩雅子さん・粥川準二さん (ディスカッション)
(以上のほか”かっぱはかせ”氏もアドバイザーのような形で参加されていました。)


 第1部は、STAP細胞とは(もし実在したとしたらiPSなどと比較して)どのようなものだったのか?という解説から始まり、その実在性が科学的に否定されていく過程を時系列的に辿ってゆくもので、後に明らかになった事実関係も踏まえながら分かりやすく整理されていたものの、内容の興味深さゆえに予定の1時間15分では全然足りないと感じました。

 第2部は粥川さんがSTAP細胞捏造事件について研究倫理という観点から振り返るという趣旨で、これも特に研究不正が起きやすい(物理学分野などに比べて)と言われる生化学分野に関してSTAP事件という素材を基にした有意義なものでした。

 第3部は詫摩さん、粥川さんにかっぱはかせ氏も加わって総括的なディスカッションと質疑応答という構成でした。

 STAP細胞論文という歴史に残る捏造事件にテーマを絞ってこのような自由なディスカッションが公開で行われるのはとても意義深く、ありがたいことだと思います。


 ところで第1部の途中からなのですが、最前列右方の席に陣取っていた女性と、前から4列目あたり左方の禿頭に近い男性がスピーカーの話に口を挟むように何度か質問するようになりました。その内容は主として論文不正における若山先生の責任云々というものだったと記憶します。

 司会進行のぶたやまかあさんという人が、

質問タイムはあとの方で設けるので途中で質問するのはもうやめてほしい

という趣旨のことを言わないといけないくらい、進行に支障が出ていました


 女性は容姿や質問内容から上田眞実という自称ジャーナリストだろうとすぐに察しがつきました。禿頭は後に理研の記者会見のビデオを確認し、どこかの出版社の社員らしいことが分かりました。

 そして第2部の粥川氏のコーナーになるとまたもや二人は質問を挟むようになり、途中の休憩時にも上田氏と禿頭が演者席の粥川氏に詰め寄るようにして抗議していました

 その内容は私が聴き取れる限り第1部の質問とあまり変わらず、若山先生の責任云々かんぬんか、あるいは小保方さんが故意に捏造したということを一方的に臭わせるような話の進行だという抗議で、さかんに粥川氏に公正さがないと言い募っているようでした。

 再開後、粥川氏が論文不正との絡みでギフトオーサーシップの問題を論じ始めたところで上田氏が再び、

「なぜ笹井さんのことばかり責めて若山さんの責任について話さないのか、」
「不公正だ」

というような質問とも抗議ともつかない言いがかりをつけはじめました。

 しばらく押し問答が続いたのですが、聴衆の中からある人が手を挙げ、

みな忙しい中時間を割き、金を払って話を聴きにきている、テーマと関係ない話で時間を取らないでほしい

という趣旨の発言をし、会場のあちこちから拍手が挙がってやっと上田氏の抗議が止みました。


 その後、粥川氏が話を再開するとすぐ、最前列にいた上田氏は手荒に荷物を取りまとめると憤然とした様子で出て行きました。部屋の出口へ向かう途中で空いた席のパイプ椅子を脚にひっかけながらだったので、まさにガタガタと音を立てての退場でした。

 上田氏の行為はもしあのまま続いていたら威力業務妨害に該当してもおかしくなかったでしょう(禿頭は第2部の休憩後には姿を消していましたが)。科学的な事実に基づいてディスカッションに参加するという態度はまったく覗えず、ひたすら自説の主張を繰り返すのみだったのです。

 こういう集いはとても貴重な機会で、理研が捏造の責任者についてほとんどウヤムヤに近い形で終らせている現状において科学的啓発のためにももっとたくさん開かれればいいと思うのですが、ああいう小保方狂いともいえる人間が入り込んできて妨害を受けることも考えると、オープンな集いとしてどのように捌くべきか、課題もまた明らかになったと言えるでしょう。