2012年02月07日
SBを辞めて教員を始めようとした矢先妊娠した姉は、現在ニー…もとい、時間に余裕のある身分であるため、最近は専ら朝から晩まで図書館で読書をする生活らしい(世帯収入が予定の半分になったため、お金がかからない暇つぶししかできない)。
読む本のテーマはやはり「子育て」が中心のようである。
姉は例によってそこで得た知識をいろいろ教えてくれるわけであるが、中でも一番「うわぁ・・・」と思ったエピソードと言えば「チョウチンアンコウの一種の習性」についてだ。もう「ああ、あの話か」と思った人もいるかもしれない。
◆ ◆ ◆
深海魚たるチョウチンアンコウの繁殖方法は極めて特殊なものだ。
結論から言うと、雄が雌と融合してしまうのだ。
アンコウの雄は雌の100分の1位しかないため、雌は雄に食いつかれてもなんともなく、場合によっては何匹もの雄をくっつけている雌もいる。
ナチュラル・ヒストリー誌
<その合理性>
・深海において、雄と雌がたまたま出会う確率は著しく低い。
・出会ったときに互いが繁殖期とは限らない。
・深海では、チョウチンアンコウの餌は多くない
↓
雄と雌が出会ったとき融合してしまうのが合理的。
一般的に、動物の雄は、自己の遺伝子を多く残すため複数の雌と交尾しようとする。しかし、深海でくらすチョウチンアンコウの雄は、一生のうちに雌に会えるかどうかもあやしく、まして2匹目に出会える可能性なんてほぼ0に等しい。そこで、雄は最初にであった雌と「生死を共にする」しかないわけである。
また、深海において餌はあまり多くないため、雄と雌で餌を取り合うのは共倒れの危険がある。そのため、卵を産まなければならない雌に餌(栄養)が集中するよう、雄には何も食わせなくすることは非常に合理的なのである・・・!昆虫の中には、雌が雄を捕食するという種がいるが、それと似たような考えといえよう。
このように考えると、とても合理的進化ということがわかる。
だがそれにしても融合という方式は、知れば知るほど驚きだ。
雄の口は、繁殖が可能になると「雌に食いつく」ことに特化する。それは「餌がとれる口」ではなくなるということであり、すなわち雌に出会わなければ飢え死にするしかないという意味でもある。何の罰ゲームだよこれ。
そして、雌と出会った雄は全力で食いつくとともに、「融合」を始める。
融合が進むと、雄は心臓も脳みそも無くなり、自我は崩壊し、雌の血管から栄養を供給されるただの精巣袋と化す。そして、雌が排卵したときに信号を受け取り、精子を出すというわけだ。そして、雌が死ぬ時雄も一緒に死ぬ。
・・・はっきり言っていいか?「うわぁ・・・」って。
雄の一生って一体・・・。
最初、学者は雌にくっついている雄を寄生虫の類かと思ったらしい。
だが、徐々にその繁殖システムが明らかになるにつれて、「うわぁ・・・」と一様に驚きを隠せなかったとか。
深海といえば地上で暮らす我々の「常識」が全く通用しない世界であり、いまだ殆ど何もわかっていない未知の領域である。チョウチンアンコウの繁殖システム(融合)にしたって、どうして拒絶反応が起こらないのか解明できていない。深海ヤバイ。
そんな深海を研究してる学者とか超偉い。頑張れ。
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この記事へのコメント
要するに、「全体のうちどれぐらいわかってるのかもわからない」状態かと
ネットで調べてます
本当にうわあって話ですよねえ
オスは本当にそれでいいんでしょうか?
なんかイヤですよねー。
http://ameblo.jp/oldworld/entry-10004965839.html
↑この記事の上から三番目のイラスト
川崎悟司さんはイラストの無断転載を禁止していますが許可は取られてますか?
許可を取られているのであれば誤解の無いようにリンクする等した方がいいと思います。