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対談企画第2弾

クリムゾン ×  くまちょむ 前編

ゲーム業界を応援する漫画家とプロゲーマーの対談 第2弾!


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当ブログの新企画、クリムゾンと ゲストによる 対談企画スタート!
第2回として プロゲーマーの「くまちょむ氏」をお呼び致しました!




落ちモノゲーム「ぷよぷよ」の最強プレイヤーのゲーム経歴。
またプロゲーマーのゲーム大会での精神コントロール
そしてぷよぷよの緻密な攻防や、強くなる考え方
またゲーム業界に対する考えや、知られざるテレビ出演の裏話などなど。

パズルゲーム ぷよぷよに興味がある人はもちろん、ゲームに興味がある方は 是非 ご一読ください


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くまちょむ氏紹介
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落ちモノパズル「ぷよぷよ」最強プレ一ヤー
数々のぷよぷよの大会で優勝し、全国大会でも最多優勝回数を誇る。大会で優勝した回数は50を超える。
またぷよぷよ公式でプロのプレイヤーとして認められている。
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くまちょむ公式ページ http://www.kumachom.net/


ゲームとの出会い~

___ (インタビュアー:高橋コータ)
今日はプロゲーマーくまちょむ氏  蒼い世界の中心で原作者クリムゾン
おふたりにお越しいただきました。

クリムゾン氏
:私はTBSの某番組で初めてくまちょむさんをみたのですが、
初めて見たときはビックリしましたね。
私もぷよぷよを遊ぶのですが、普通にやっていたらやっぱり5~6連鎖止まりですから、
ほとんどムダなくあんなに10連鎖以上をやってのけるのには驚きました。

くまちょむ氏:ああ 出てましたね。

クリムゾン氏:あれはやっぱり考えて確実に組んでいるんですよね?

くまちょむ氏:1人用で大連鎖を組む場合はそうですね。
対戦の場合は状況に応じて組み方を変えていく感じです。

クリムゾン氏:そうですね、そのあたりはあとでゆっくり・・・。


_まずはくまちょむさんのゲームの出会いについてお伺いしたいと思います。
最初にプレイしたゲームなどは覚えていますか?

くまちょむ氏:最初のほうにプレイしたゲームで、特に印象に残っているのがマイクロキャビンのゲーム ですね。

クリムゾン氏:マイクロキャビンというとパソコンゲームですよね。

くまちょむ氏はい。その頃やっていたのは『サーク』シリーズです。
アクションRPGが好きで、他には日本ファルコムの『イース』シリーズとか。
当時は家にファミコンが無くて、そういうPCゲームをやっていましたね。


クリムゾン氏:私と同じです。(笑) PC-88とか98とか
  3.5インチとか5インチディスクとかの時代ですよね。

くまちょむ氏:そうです。PC98とかですね。
それでいつの間にか、気に入ったアクションRPGのゲームを2周3周と何度もやり込むようになっていました。


クリムゾン氏
:なるほど、やりこみは当時から凄かったんですね。

くまちょむ氏:先の展開わかってるから、優越感じゃないけどそこに面白さを感じていました。
 でもそれを5周とか6周もする頃にはさすがに飽きてしまって、それがきっかけでパズルゲームをやり込んでみようと思ったんです。
でもその頃、パズルゲーム自体がすごく苦手で…。


クリムゾン氏
:え? 意外ですね。

くまちょむ氏:アクションRPGは2周3周と何度もやりこむのが好きだったんです。


クリムゾン氏
:なるほど、やりこみは当時から凄かったんですね。

くまちょむ氏:パズルゲームはアクションRPGと違って毎回のように異なったゲーム進行になるので、ちょっと取っつきにくい所があったんです。

クリムゾン氏:その頃で、パズルで一番はじめにやり始めたと入ったらどのゲームになるのでしょうか?

くまちょむ氏:店頭に置いていないようなゲームタイトルか、もしくは初代ぷよぷよ。
うーん…もしかしたらテトリスかも?


クリムゾン氏
:ではぷよぷよを初めてやったのもPC版?

くまちょむ氏:PC版だったと思いますが、もしかするとアーケード版かもしれません。



_ゲームはずっと基本的にPCメインで遊んでこられたわけですね。
すると初めての家庭用ゲーム機は何になるのでしょうか?

くまちょむ氏:家庭用はしばらく立ってからファミコンを手に入れましたけど
でも家では時間制限とかあってあまり家庭用ゲームは遊んでいませんでしたね。
なので友達の家でやっていることが多かったですね。

クリムゾン氏:ではPCゲーム中心でゲームに入っていったわけですね

くまちょむ氏:はい。スーパーファミコンとかやっている時期もPCゲームは継続してやっていました。
 なんか当時はPCゲームにしかないゲームってあったじゃないですか。

クリムゾン氏:そうですね。

くまちょむ氏:それをやるのが すごく楽しかったんですよね。
グラフィックとかも家庭用と段違いでしたし、「アーケードよりもいいじゃん」みたいな感じでしたね。

クリムゾン氏:PCは買ってもらえたんですか?

くまちょむ氏:父がけっこうパソコンに詳しくて。それで色々とありました。

クリムゾン氏:それは恵まれた環境ですね。


__学生時代などにゲームの大会とかに出場されたり、そういうことはあったんですか?


くまちょむ氏:ある日、近くの本屋で雑誌を読んでいた時に、初代ぷよぷよで大規模な大会があった事を知りました。
その時、とにかく大会に出てみたいと思いましたね。
当時はインターネットが無かった時代で、ゲーム大会の情報を事前に知るのは子供である自分にとって至難の業だと思いました。
でもその頃はアーケード版のぷよぷよ通が稼動し始めていた事もあって、
もしかしたらゲームセンターに網を張っていれば大会情報が手に入るんじゃないかと思ったんです。
それで駅沿いを中心にゲームセンターを探しに探して、見つけたゲームセンターを定期的に渡り歩いて大会や対戦会の情報を仕入れました。


クリムゾン氏:ゲームセンターは東京のですか?

くまちょむ氏:名古屋ですね。

クリムゾン氏:当時のゲームセンターは格ゲーの対戦台はあったんですけど、パズルゲームの対戦台っていうのは珍しかったですよね。
名古屋のゲームセンターにもありましたか?

くまちょむ氏:ぷよぷよ通が稼動している一部の店ではそうなっていましたね。


クリムゾン氏
:それが当時珍しかったですよね。

くまちょむ氏:はい。ぷよぷよ通は4人対戦の台とかもありましたね。

クリムゾン氏:でっかい画面とかの奴もありましたよね。

くまちょむ氏:メガロ50という大画面の筐体ですね。


クリムゾン氏
:格ゲー全盛のゲームセンターで パズルゲームがひとり輝いていましたね。
ぷよぷよの偉業のおかげでその後も「ぱずるだま」とか「マジカルドロップ」の対戦台も
見かけるようになりました。

格闘ゲームに限らず 面白いフォーマットさえできればどんなジャンルのゲームでも
対人戦というのは流行るものなんだなと認識しましたね。



ぷよぷよについて

~くまちょむ氏と「ぷよぷよ」~


_一番はじめに参加した大会は覚えてますか?

くまちょむ氏:名古屋の大須っていう、今は分かりませんが当時は電気街と言われていた場所で開催された大会です。
会場は演芸場みたいな所だったと思います。


クリムゾン氏:演芸場ですか。


くまちょむ氏:たしか発売前のメガドライブのぷよ通ロムを使って公式大会の地区予選が行われたんです。_DSC9491
僕はその時は階段積みで5~6連鎖くらいの腕前だったこともあってか、
すぐ負けちゃったんですけど、その大会の決勝トーナメントでは7連鎖以上やっている人も居て、
「お、すごいな」と思うと同時に、ぷよぷよに対する上達の気持ちが一段と強くなりました。

その後、定期的に足を運んでいた内のとあるゲーセンの店内で、アーケード版の大会開催の張り紙を見つけて、
その時から猛練習して大会に出ました。

ちなみに大会当日はレバーのセッティングが2P側だけ8方向状態になっていたので、
落ちてくるぷよを操作する上で2P側が圧倒的に不利でした。
クジの番号が1ならずっと1P側に座れるというトーナメントの構成の中で自分は1を引いたために、
不利な条件が来なかった事も影響したと思いますが、優勝しました。



クリムゾン氏:それは凄いですね。

くまちょむ氏:その大会は幕張メッセで行われるセガAM杯っていう大会の地区予選だったんですけど、
その本選の決勝大会でも優勝してしまって…。


クリムゾン氏:いきなりの全国大会で優勝するとは…!

くまちょむ氏:当時14才だったんですけど、今思うと怖いモノ知らずでやってた感じですね。


クリムゾン氏:大会では大人相手に戦っていたわけですよね?
かなり戦略をねっていたのでは?

くまちょむ氏:その頃の自分は戦略とかを深く考える思考を持っていませんでした。
ただ当時、大連鎖を組める人が強いという認識が周りにあったんですけど、自分はそこに共感できなかったんですよ。
それは、状況とタイミングを計ることで3連鎖とか4連鎖でも充分に勝てることが分かっていたからです。

クリムゾン氏:初代ぷよぷよではなく 相殺とかアリの時代ですよね?それでも3~4連鎖でいけたんですね。

くまちょむ氏:初代ぷよぷよをやり込んだ経験から、相殺というシステムがあってもなくても、勝つために大事なのは連鎖の数じゃないと思っていました。
だから、大連鎖の撃ち合いになる前に決着させることをいつも考えながら練習して、大会に臨んでいました。


クリムゾン氏:なるほど。では当時くまちょむさんみたいなやり方をしていた人は余りいなかったんですか?

くまちょむ氏:そうかもしれません。ただ実際にそうしていたかは別として、「初代ぷよぷよ」をやり込んでいた人なら僕と同じような考えは持っていたはずです。




最強ぷよら~の思考

__では次にくまちょむさんが具体的にどのような思考でぷよぷよをやっているかとお聞きしたいと思います。

クリムゾン氏:例えば連鎖を組む時、形を全部覚えていて、それを当てはめていくものなんですかね?

くまちょむ氏:事前にこういうパターンがきたらこうする、というのをシミュレートしておいて、
実戦でそれを条件反射的に行うやり方があります。
都合の良いパターンだけではなくて、都合の悪いパターンも考察した上でやるのがポイントですね。
自分にとって都合の良いパターンしか見えていないと、都合の悪いパターンやイレギュラーな状況が来た時に思考が止まってしまいますから。
あとは極端な話、勝率を意識しながら対戦していると、どうしても手堅く勝とうとする方法を選ぶようになってしまうんですが、
そういう勝ち方ばかりしていてはダメなんですよ。

クリムゾン氏:というのは?

くまちょむ氏:例えば連鎖を安全に組み上げることを考えた場合、連鎖を組む過程で隙を無くしておじゃまぷよへの耐性も上げて組んでいくのが理想的だと思うんです。
でも毎回のようにその狙いで組んでいると、安全状態と危険状態の中間を作れなくなってしまうんです。
そうなると相手と読み合いをする機会が減る事になるし、読み合いのパターンが限定的にもなるので、ゲーム的に言うなら読み合いの経験値がなかなか入らないんですよ。

クリムゾン氏:なるほど。

くまちょむ氏:だから手堅く勝とうとするばかりではダメで、勝率が下がったとしてもそうやって読み合いの発生を促したほうが良いんです。
もちろんそれは手堅く勝ちすぎたから少し危険なこともやってみようとか、そういう気持ちの上での話じゃあないですよ(笑)。

クリムゾン氏:では相手の画面は見ているんですか?

くまちょむ氏:見てますね。

クリムゾン氏:どのくらいの割合で見てるんですか?

くまちょむ氏:それは時と場合によりますが、相手側を見なければいけない理由を作った時に見ている事が多い気がします。
ただなんとなく相手側を見ることもできなくはないですけど、何らかの理由を持っていたほうが見やすいですし、観察することも容易になる感じです。

クリムゾン氏:対戦パズルゲームのイメージで最初から強い組み方を一人で組んでいって
早いほうが勝ちというイメージが強かったのですが。そうじゃなくて読み合いの部分がかなりあるということなんですね。

くまちょむ氏:そうですね。読み合いで勝負が決まる場面はかなり多いです。
見れば全然形になってないけど、こっちに落としたらこういう形になって近い将来はこういう形になるだろう、
というのを推測したりもします。
さっきのはたぶん置きミスでそこから方針を変えたんだなとか、あの配置でなかなか攻撃してこないということは、連鎖を一度切り崩さないと繋ぎ直せないブラフの状態だ、とか。
感覚が冴えている時はそういう事も分かります。

クリムゾン氏:では他の対戦ゲームと同じかそれ以上の読み合いが発生しているということなんですね。

くまちょむ氏:観戦者の視点では分かりづらいと思うんですが、大体そんな感じです。

クリムゾン氏:そうなんですね。そういうことを考えてやられているわけですね。



ぷよぷよの大会について
_ぷよぷよシリーズをずっと続けて研究されているわけですが、
そのモチベーションを保つ方法とかってあるんですか?

くまちょむ氏:モチベーションの有無は関係なくやらなきゃいけない時があるので、
探求心や可能性の追求が継続の意思を支えています。

クリムゾン氏:新しいシリーズも出続けてますね。

くまちょむ氏:そうですね。新しいのも全部やってます。

クリムゾン氏:DS版の大会とかで新しいルールでやったりはしないのですか?

くまちょむ氏:ネットカフェなどに集まって大会が開かれることがあって、そういう所に参加することはあります。

クリムゾン氏:メーカー主催のもやってほしいですよね。

くまちょむ氏:はい。少し前に秋葉原でやってましたね。
それを開いたことによって、またやりたいと言ってました(メーカーさんが)。

クリムゾン氏:なるほど。是非やってほしいです。





大会での精神コントロール

クリムゾン氏:くまちょむさんは大会などで緊張したりはしないんですか?_DSC9496


くまちょむ氏:子供の頃に一万人規模の観衆がいる中でプレイした経験があったためか、なかなか緊張しないんです。
だから、自力で緊張感を出さなきゃいけないんです。

クリムゾン氏:それで色々力を引き出すと。

くまちょむ氏:大会とか、その当日に向けた特別な精神状態を育てることで、力を発揮させるようにする感じですね。
緊張感があれば気が引き締まるので、冴えている状態になりやすいんです。

クリムゾン氏:わざと緊張状態にもっていくということですね。

くまちょむ氏:そうじゃないと大会とかそういう特別な行事に参加している感じもしないし、つまらないじゃないですか。

クリムゾン氏:なるほど。




_ここまでぷよぷよをかなりやり込んできたくまちょむさんは、ぷよぷよの面白さってどこにあると思いますか?

くまちょむ氏:いろんな事だと思うんです。グラフィックがきれいだとか、キャラクターが生き生きしているとか。
もちろん対戦要素だとか。

クリムゾン氏:なるほど、ではその中でも一番好きなシリーズのぷよぷよってなんですか?

くまちょむ氏:対戦の要素が一番優れているのはぷよぷよ通だと思うんですけど、
自分は初代ぷよぷよをやり込んだことで、対戦ゲームに対する根本的な考えを身に付けたと思っているので、
一番好きなぷよぷよを挙げるとしたらやっぱり初代ぷよぷよですね。



_これからぷよぷよをやってみようという方の為にアドバイスなどあればお願い致します。

くまちょむ氏:初めてやる人だと、キャラクターから入るか、プレイヤーの動画を見て入るか、大きく分けるとそのどちらかだと思うんですね。

クリムゾン氏:そうですね。例えば今から始めて大会で勝てるくらいに強くなれる可能性とかってあるんですか?

くまちょむ氏:ありますよ。
今はネットもあるし動画もたくさんあって昔よりも情報量がありますから。

クリムゾン氏:やったことのない人でもプロに近づけると。

くまちょむ氏:ただ、情報や時間がたくさんある中でも、そこに制限を掛けて上達しようとする気持ちを持った方が良いと思うんですよ。
僕昔ゲームセンターでやっていた時に、18時以降は入店できないとか、使える金額が300円ぐらいとかそういう状態だったんですよね。
その時思ったのが、今あるこの制限さえなければもっと練習時間が取れるし、そうすれば今のペースとは比べものにならないぐらい早く上達できると思ったんです。
でも、今はそうは思わないんです。
制限のある状況があってそれを自覚していないと、時間や情報や金銭的な価値観が分からなくなってしまうんです。

クリムゾン氏
:それは同感です。では当時の制約があったからこそ効率的な考えが生まれたわけですね。

くまちょむ氏:そうだと思います。当時の状況と、当時ほどの制約がない今の状況を比べて考えると
今の学生の方とかで1日1~2時間しかできない状況にあるとすれば、それは上達に向けて好都合だと思います。

クリムゾン氏
:初心者の方が練習する時にはまず連鎖を組むことを考えた方が良いのでしょうか?
それとも別のことを考えた方が良いでしょう?

くまちょむ氏:とりあえず何日かやってみて、連鎖が安定してないなとか、今のはおじゃまぷよを降らされて分からなくなってしまったなとか、
上手くいくイメージを持ちながら、上手くいかなかったポイントを思い返すのが効果的だと思います。
とは言っても、どうしても上手くならないところはやっぱりあると思うので、そういう時にこそ他の人のプレイや動画を見るなりして答えを出していくのが良いと思うんです。
世の中にあふれている情報で全部を補完しようとすると、1~3年ぐらいの短いスパンでは技術的に凄く伸びると思うんですが、
5~10年先を踏まえるとそこらへんで考えられないようになってしまうでしょうし、自分の為にもならないと思うんですよ。

クリムゾン氏:自分で考えることを止めてはいけないということですね。

くまちょむ氏:そうやって上達していけば、その考え方が色々な所で生きてくると思うんです。

クリムゾン氏:なるほど。深いですね。



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次回はテレビ出演の裏話や、くまちょむ氏自身の話題を掘り下げます!【後編の更新は7/14を予定しています】
是非お楽しみに!


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