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ホ・タ・ル・イ・カ!!!
と、のっけから叫んでみたが、今日のテーマはホタルイカだ。そもそも、この富山旅行の目的自体が旬真っ盛りのホタルイカを思うさま喰らいつくすことだったと言えば、この記事を書く僕のテンションが上がっている理由も分かってもらえると思う。
なんせ僕らは、ホタルイカの為に、わざわざ富山から魚津まで足を延ばしたのだ。富山で食べるホタルイカだって、東京のものとは別物のような美味だったってことはこの記事でも書いた。そこを敢えて魚津くんだり(失礼!)まで出かけたのは、魚津にはホタルイカ尽くしの料理を楽しめる店があると聞いたからである。
その店は、魚津駅の目の前にある『海風亭』。ホテルの1階に併設された、見た目は極普通のレストランなのだが、これがもう実に凄かった。この日食べたホタルイカ料理は、しゃぶしゃぶ、踊り食い、天ぷら、竜宮そうめん、釜飯!これだけでも昇天ものの美味だったが、更に梅貝の刺身、肝、ゲンゲの竜田揚げ、ゲンゲ汁!料理の名前を連ねただけでも、「思い出しよだれ」が垂れてくるというものだ。
素材の良さは当然であって、化学調味料は使わず、水も米も油も自然素材にこだわるという姿勢が素晴らしい。加えて、富山・魚津の地酒、とりわけ純米系も揃っているのだから、竜宮城の浦島もかくやの幸せと言って良かろう。
↓魚津駅前のホテル・美浪館の1階に店はある。 ↓いわゆる普通のホテルレストランな見た目。
魚津の観光情報には必ず名を連ねる店だけに、観光客も多い(そもそも魚津の観光客自体は少ないが)。そいう客向けにはごっつお丼という海鮮丼を売りにしていて、一見客はほとんどそれを食べている。だが、春にこの店に行ったら、頼むべきは一にホタルイカ、二にホタルイカ、三四がなくて、五にホタルイカだ。
小上がりの個室に通された僕らは、まず地元魚津で北洋を醸す本江酒造の越中懐古・純米吟醸(520円)をもらい、ホタルイカのしゃぶしゃぶ(800円)を所望した。生でも食べられるピチピチのホタルイカをたっぷりの昆布でとった出汁にくぐらせて食べる。そんなの旨いに決まっているが、決まっている以上に旨かった。
↓越中懐古。これ以外にも魚津の地酒が揃う。
↓生でも食べられるホタルイカたち。
↓しゃぶしゃぶ。
↓いただきます!酢味噌もあるが、むしろいらないかも。
思わずもう一皿お代わりしてしまった、という結果から書くが、素晴らしかった。ホタルイカを何十秒湯掻くかで味が全然変わり、そのどれもがそれぞれ旨いものだから、一皿ではとても試し切れなかった。
湯掻き時間十秒の超レアはあっさりつるり。二十秒の半生では旨味がぴゅるぴゅる上昇。僕の一番の好みは三十秒で、見た目はほとんど普通のボイルと同じになるが、しっかり温まった身の中から旨味が倍増した濃厚なワタが弾けて広がるのが最高で、むさぼるように喰った。
↓お代わり!
↓最強の三十秒。
お次は、竜宮そうめん(800円)。なんとホタルイカの足だけを刺身にしたもので、独特のコリコリした食感が絶妙。足だけで食べる意味が歯と舌で理解できる。嬉しいことに、この店では身の部分も別途出てきて、これがまた美味。生のホタルイカ、最高!
↓竜宮そうめん。
↓足だけずらり。
目の前の海でホタルイカが獲れる魚津だけに、ここには刺身を超える新鮮なホタルイカ料理が存在する。ズバリ、ホタルイカの踊り食い(300円/匹)だ。海水を満たしたワイングラスの中で、ホタルイカが明滅している。うほー、ピチピチ、キレイ!これを喰うのか、うははははは。
箸で持つと、プルプル暴れる!!そのままガバッと口に放り込み、歯を合わせる。プチッと弾けるワタ。火を入れて旨味を増した年増女のようなワタとは異なり、透明感のある爽やかな旨味。どっちがいいというものでもなく、どっちも旨い。
↓まさかのホタルイカ踊り食い!!
尚、ホタルイカの踊り食いはもし寄生虫がいた場合ものすごく危険という情報を、さっきネットで調べて知った。食べて以来、一年強、僕も連れも至って健康だけれど、気になる人はお気をつけあれ。
因みに、このとき僕らが座った四人掛けの座敷席には、若いカップルが同席していた。ガイドブックを片手にごっつお丼を食べていた彼らは、そもそも昼から躊躇なく酒と肴をむさぼる僕らを訝しげな顔で見ていたのだが、このホタルイカinワイングラスを見て、ドン引き。言葉も少なく、早々に店を後にしていった。うーむ、デートっぽかったのに悪い事をしたな(笑)
・・・とまあ、そんなことを本気で思う訳もなく、ホタルイカの狂宴は続く。ホタルイカの天ぷら(800円)。天つゆいらずの美味。こんなの旨いに決まってるYO!
↓ホタルイカ天ぷら。
そしてとどめは、ホタルイカの釜飯(1000円)!ホタルイカがゴロゴロ入っているだけあって、調味料の味付けは実に控えめで、ホタルイカのダシとワタの旨味だけで食わせる食わせる!これだけで酒が何合か進む勢い。この種の「飲める飯」が僕は最高に大好きだ。
↓ホタルイカ釜飯!じゃん!
↓じゃじゃーん!!
「いやあ、旨かったね!」
「だな、魚津まで来た甲斐が十二分にあった!」
この言葉は、ホタルイカだけに向けられたものではない。この『海風亭』、ホタルイカの海の幸もしっかり美味しかった。例えば、梅貝の刺身(800円)、梅貝の肝(300円)。後者は味噌和えにしてあって、やや味は濃い目だったが、実によい酒の肴だった。
↓梅貝の刺身。
↓梅貝の肝
そして、ゲンゲ。かつて美味しんぼでも紹介されたというゲンゲの竜田揚げ(600円)は、カリッ→じゅんわり→とろーり。ゲンゲならではのゼラチン質の旨さをサクサクの衣が見事に封じ込んでいて、実に旨い。ゲンゲって、如何にも淡白そうな白身なのに、旨味はぴゅるぴゅるなんだよな。
↓ゲンゲの竜田揚げ。
更に、ゲンゲ汁(500円)が絶品。ちゅるぷるのゼラチン質が身と皮の間についていて、例えるなら柔らかい葛餅に包まれているかのよう。骨は多いが骨ごと食べられるし、味わいの綺麗さといったらびっくりだ。昨夜、『親爺』で食べたものより一段上品な感じで、狂乱のホタルイカ宴を見事に〆てくれた。
↓〆のゲンゲ汁。
↓ちゅるぷる!
本当にもう、幸せの一言。ここでしか食べられない美味。それでいて、値段は驚くほど安い。
四月に富山に行って、この店に行かない理由が見当たらない。
敢えて言うなら、富山以外でホタルイカを食べても満足できなくなる身体になってしまうことくらいだろう。
ということで、魚津ホタルイカの狂宴、是非一度お試しあれ!!
■今日のお店■
『海風亭』
電話:0765-22-7303
住所:富山県魚津市釈迦堂1-13-5 美浪館 1F
営業時間:11:30~14:00、17:00~21:00
定休日:日曜日
*2人で、9280円。これはお値打ちだと思う。
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