こんにちは。UNITEDのベンチャーキャピタリストの丸山です。

アマゾン 国内での売上7300億円余」というニュースがあり、その中で
アメリカを中心に世界でネット通販を展開する「アマゾン」は、このほどアメリカの証券取引所に提出した年次報告書の中で、初めて日本での売り上げを明らかにしました。
とあったので、MarketHackあたりに解説記事がころがってないかなと思ったら案の定「アマゾンが日本をはじめとする米国外市場での売上高を初めて開示」って記事がったので、調べなくていいかなって思ったけど、せっかくなのでこの機会にAmazonのSEC Filingsの中で10-Kを読んでみたけど、いまいちピンとはこなず、ひとまず売上推移をグラフにしてみるとこんな感じAmazon売上推移
(単位:millionsってあるので百万ドルかなと)
で、それぞれの年ごとの成長率は
2009年→2010年 39.6%
2010年→2011年 40.6%
2011年→2012年 27.1%
となっているわけです。

日本とか英国やドイツの売上高についてはMarketHackの資料を見ていただくのがよいかなと思いますが、Amazonの売上構成推移でいうと売上構成
ってな具合になっており、日本、英国、ドイツはそれぞれAmazon全体の売上成長を下回ったため構成比としては低下しており、北米は成長率とほぼ同じくらいの拡大を続けていることがわかりますし、この4カ国以外で大きく伸びてるんだなってこともわかるわけです。

で、Note 10151ACCUMULATED (7)っていうシートをみると売上構成があったのでそれもグラフにしてみると品目別
こんな感じなんですが、それぞれ何を指しているかってことはまで読み取るのはもう少し読み込みが必要ですが、少なくともElectronics and other general merchandise
が成長を牽引していると見るのが正しいかなと。

ちなみに経済産業省が出している「平成23年度電子商取引に関する市場調査」によると日本のBtoC市場は
平成 23 年の日本国内の BtoC-EC(消費者向け電子商取引)市場規模は、8.5 兆円(前年比108.6%)まで拡大している。
ってあるので、AmazonJapanはこれをはるかに上回って成長し、市場拡大をけん引していることがわかるわけです。(MarketHackの分析で平成23年(2011年)は30.9%の成長をしていると記載があるわけですから)

市場の成長を上回る成長をしなければ存在感がなくなっていくだけ。ということを考えると、Amazonの世界的な売上成長をみると日本はおいていかれている感があり、一方で日本市場においてはAmazonの存在感は増しているっていうことが読み取れるなと。

最初の記事に戻って
国内のネット通販最大手の楽天がネット上で展開する仮想商店街の取扱高は、およそ1兆4000億円に上りますが、楽天自体の売り上げは、仮想商店街に出店した店からの手数料がメインであるため、去年、4430億円余りで、アマゾンが楽天を3000億円近く上回っています。
という指摘がありますが、両社はECという分野では同じですが、事業構造が違うのでこれをもってAmazon最強っていうのは分析があまいんじゃないかなと。

出品者や納入業者にとってうれしいことって、どれだけ販売力があるのかっていう点に尽きると思うわけで、そこからすると楽天は1.4兆円を販売する集客力を持っていて、Amazonは7,300億円を販売する集客力を持っていると比較するのが適切ではないかと思うわけです。

こういう分析をみるにつけ、発行済株式総数が違うのに日立の株価を東芝の株価が上回ったっていうようなことを思い出してしまうわけでございます。

ということでざっと10-Kを読んでみました。

では、また次回