2022年 9月19日 セブンアカデミー下村先生の講演会に行ってきました!
その講演会の内容を講義の時間中に取ったメモを元に可能な限り記載しました。
自分が理解できたお話で速記したメモを元にした再現なので実際のお話した内容とはずれがあるかもしれません。おおまかにこういった内容でしたというレポートになります。
①
作曲家を目指した経緯
元々ゲーム、BGMが好きでした。お父さんがよく二時間ドラマ等を見ていて
BGMが好きでした。歌ものポップスよりゲームの方が好きでした。
作曲家になりたいと思っていましたが、そういった方面に行ける道はありませんでした。
なのでどうやって食べていけるかもわからなかったです。しかし、大学を卒業するときに求人がゲームBGMの作曲担当の求人が来ていてそれに応募し、念願の作曲家になりました。
大学で勉強した知識が活かせたのですか?うーん、まあそういうことにしましょうか笑
スペシャルゲスト 森下先生がご登壇
森下先生は下村先生が最初は一方的に知っていてこの人にキングダムハーツのピアノコレクションを弾いてもらいたいと思えるような人でした。巨人の星をショパンのメロディに載せて演奏するような面白い活動をニコニコ動画でされていて注目していました。
森下先生が下村先生のバースデーコンサート企画に招かれてピアノ演奏家五人で
演奏する企画に参加されて参加者の演奏者の方は直前に会場を押さえて練習してから行ったのですよというエピソードがありました。
そのピアノ会場は先生がコンクールに出場したときの(トッパン?)思い出の場所だったようです。
他先生が好きなアーティストとしてカティンさん?スミノハヤトさん?その人も同じ
ような匂いのする方でクラッシックからゲーム音楽を作られた方です、他スミノさん
ジェコブコリアさん?yotube 駅ピアニストキクチリョウタさんのお話等がありました。
② 初めてのゲーム音楽作曲 ストリートファイターBGM作曲
初めて作曲して世に出たのはストリートファイターのBGMです。
ネットもないテレビしかないのでインドのステージの曲等はその地域の情報が手に入りません。ものすごい限られた情報の中で作曲して作るしかありませんでした。なのでそのインドを想像して、またインドに関する記憶をたぐり寄せて作曲したのです。
スーパーファミコン時代は曲に使える音が非常に少なかったので表現が難しかったです。
でもスーパーファミコンはまだましでファミコン時代は3音しかないのでさらに作曲の難易度は高かったです。きっちりしないとスカスカになってしまいます。なのでドラゴンクエストを作曲された杉山先生はクラシックを熟練されていたのでできたのでしょう。
クラシックに精通していなければ3音だけで自分の表現したい世界を創るのは難しいのです。
アーケードの機械で実現される技術的なお話appach?2音2音というような
音楽を実現するための技術的なお話が数分(しっかり理解できなかったので割愛します)
森下さんがガイルを演奏される。
ガイルを演奏ちゅにに、少し切ないような曲調になりますが
Q そちらはどのようにして作られたのですか?
A ボコボコになってダメージを受けたガイルを想像して作りました。笑そうだったのですね、切ない曲ではなくやられてるところと笑
③ 聖剣伝説レジェンドオブマナ
司会の方が軽くLOMを紹介、オムニバス形式で3つのストーリからなる幻想的なゲームですと
紹介
下村先生『私はこの作品で初めてファンタジーらしファンタジーに携われるようになりました。
今まで私が担当してきたのは、どちらかいうと少し王道からそれているような個性的な作品が
多かったのですが、念願のRPGでしたよ!』
宝石泥棒編、珠魅より煌めきの都市が演奏される。
この曲を作曲されるにあたってオーダー等はあったのですか?
オーダーは楽器二つか三つぐらいで演奏できる切ない曲にしてほしいとの事でした。
こちらは内蔵音源を音を圧縮しなければいけなかったので本当はもっといい音なのに~っくやしい
~って思いました笑
④ Dearly be loved 誕生秘話
司会の平野さんから次の曲はタイトル名は言わないのでそのまま曲をお聞きくださいと言われ
る。(心の中で絶対この流れはキングダムハーツ、Dearly か Soraだろうと思う)
そして演奏される
Deary be loved 。やっぱり!!
キングダムハーツとは2002年のタイトルです。
Deary be loved は訳すと愛する人へ 大切な人へという曲です。
下村先生『この曲は、本当に一瞬でできたのです。』波とか海とかそういったイメージを元に作り
ました。なのでこの曲をどこかのイベント使ってもらえませんかとスクウェアに言ったのですが
生憎、この曲を使うイベント等はありませんでした。。
でも、この曲が独り歩きを始めました。キングダムハーツのディレクター野村さんから
今度の東京ゲームショウで発表するゲーム、キングダムハーツがあるけれどPVはあってもBGM
がないのでタイトル画面に合うBGMが必要ですというお話をいただき、そこから奇跡的に一度不
採用となって世に出ることがなかったDearly が起用されて復活したのです。
平野さん『Deary be loved はゲームができなる曲で、それというのはもうタイトル画面から動かず
ずっと聞いていたいような曲ですね』とコメントが入る。
ピアノソロキングダムハーツの話題になる。
こちらのピアノコレクションは超絶技巧のショパン等の立ち位置にいてほしいと思いました。
(ピアノだけで完結しているけれど豪華というような意味合い?)オーケストラが色々な色がある
多彩な色でできている ものだとしたらピアノは白と黒の二つの色しかなく色づいていません。
ですが、ピアノはその2色でも壮大な世界を創る力があります。
クラシックの道から積み上げられたオーケストラ表現する力がピアノコレクションはあります。
フォルテの力強さがあります。
モノトーンだからこそのイマジネーションでできる世界があるのです。
Deary Be loved は比較的他の曲よりは簡単に思えるでしょう?でもね、この曲をしっかり演奏する
のはディレイとか気を付けなければいけないから技術が必要なのですよ(だいたいそういうような
お話がありました。)
ファイナルファンタジー 15
こちらの作品は最初はヴェルサス13だったのがPS4の作品に移っていったのですよね。
こちらの作品、先にゲームショウで見せるPVができてその後曲の順だったので
PVで流された後でまるごとそのシーンカットされて曲もなくなってしまうような事も
ありました。
本当は作品⇒PVの順がいいのですが、開発者の都合でPV⇒作品になってしまうとそういうことも
あるのですよね。
アポカリプスノクティス のピアノソロの話題に移行する。
オーケストラのために作られたような曲ですがピアノソロでも壮大な曲にあるように編曲
しました。
ひるね姫
映画音楽です。お父さんと女子高生の家族を描いた作品です
企画の最後にこれは、平野さんがどうしてもこれを聞きたい!ということでお願いしたのです
が。。。2022年発売のあのリメイクされたあのゲーム!
ライブアライブよりメガロマニア!という事でメガロマニアを演奏いただき、
質問タイム 著作権とアレンジ、パート譜面作成について
一番最初の質問は自分
『私はたまに音楽会を企画することがあります。音楽家の友達と一緒に例えばDearly be loved
弾きたいよね~Working togetherがいいなとか話してじゃあ誰が何の楽器やろうかヴァイオリンさ
んの楽譜どなたか作れますか?という流れになることがあります。そういう時に問題になるのが著
作権とか同一性保持という考え方が問題になる時があります。
この曲は下村先生が作られた曲だから、楽譜の改変とかパート譜作成は先生の許可がないとだめな
んだよ~というお話から泣く泣く下村先生が大切にされているものだからそれも仕方ありませんよ
ねという事で諦めるというようなこともあります。そこで質問させてください。
先生は編曲やパート譜面作成等についてどうお考えですか?』
『いきなりディープな質問が来ましたね笑。。そうですね。私としてはあくまで私個人としては余程
おかしな改変、例えば私の曲を変な替え歌に変えてしまうとかそういったものでなければ演奏いた
だくのはうれしいと思っています。楽譜は演奏するためにあるのですから、色々な方に演奏いただ
きたいです。このゲーム会社が権利を持っている楽曲を一般の方が演奏して良いのかその辺りを整
理して考えなければいけないフェーズに業界自体が来ていると認識しています。なので今お話に上
がったようなヴァイオリンさんのパート譜面を作ってあげるとかその曲をそのまま楽しむための編
曲であれば問題ないと思います。
企画に関してはスクウェアエニックスの許諾があれば問題ないかと思っています。』
森下先生『こちらの考えは作れた作曲者の方によっても違いますよね、ドラゴンクエストの杉山
先生は販売されている楽譜しか認めないという考えの方もいますし、海外では法的な争いになって
しまった事例もあるので作曲者ごとによって違います。』
他数人質問されて計10人程度の質問がありました。
何人かのご質問あるなかで興味があったお話を抜粋
下村先生が作曲するときにしていること
私がどういう感じで曲を作っているのか・・・そうですね・・・
うーん特に何かしているわけではないのですが強いて言うならその曲の情景ごとの
心情に傾けてからを作っています。
よくコードの理論とかあるじゃないですか。こういう場面の時にこのコードを
使うと盛り上がるとか。そういった技術は私は使っておりません。
悲しい曲を作曲するときはもうものすごい悲しいような気持ちになってから
作っています。逆に戦闘曲とかはもう旗を振ってしまっているような気分になってから
作曲しています。
この部分のお話はすごい興味深いですね自分の中にある感性を最大まで使って
曲を創り出しているようでなるほど。。と思いました。
キングダムハーツのtwinke twinkle holidays の曲の紹介にも
夜子供たちが幸せな眠りについて夢を見てるところを想像して作りました
とか、lazy afternoon がだんだん夕暮れに近づき、夕ご飯が出てくる
暖かい家庭、夕暮れ時の町を想像して作りましたというような
そういった曲が生まれるエピソードも全て先生の感性からうまれるのだと
思い大変勉強になりました。
Deary be loved が一瞬で生まれて、でも採用されなったというエピソードから
日の目を見る経緯等もとても興味深かったです。
最後に先生が許可してくださった写真