yojikのlog

yojikのブログです

Twitterの短文の時代はおわり

一周して長文の時代が来るかもしれない!

というわけではてなブログを再開しようと思う

夫のちんぽが入らない

みくりさんは 自分のことを普通じゃないといったけど

僕からしたら今さらです。

とっくに知っていました。

大したことじゃありません。

世間の常識からすれば僕たちは最初から普通じゃなかった

今さらですよ

「逃げるは恥だが役に立つ」津崎平匡

いきなり関係無いドラマの台詞の引用ですが、まったく同じテーマをあつかった作品といえます(断言)

夫のちんぽが入らない

夫のちんぽが入らない

表題の理由で、少しだけ普通じゃない夫婦の20年を描いた私小説。

タイトルから連想されるような全編下ネタではなく、仕事に夫婦関係に親子関係、とにかく世間の普通に入っていけなかった夫婦の物語である。フックの強いタイトルだけど、読み終わるとそのものズバリ。

人は普通に生きなければならない(逆にある種の人々は普通に生きてはいけない)という「当たり前」は呪いになって人を傷つける。多様性を尊重し、自分の生き方を肯定することによって呪いを解いていかなければならない。作者は20年かけてその境地にたどり着く。ちんこが入らないぐらい大したことじゃありません。今さらですよ。

去年の逃げ恥にこの小説。呪いを解くことは昨今のエンタメの重要なテーマだと思う。

というテーマとは別に、そもそもストーリーと文章が面白いのです。夫との出会いはすごくロマンチックでムズキュンだし、大仁田のくだりとか最高すぎる(状況はシャレにならないのだけど)。

今年のベストセラーになるはずで、このままのタイトルでドラマ化とかしてほしいし、それによって放送禁止用語の常識をぶっ壊して欲しい。

追伸

タイトルの件について「いやいや病院行けよ!」というのはごもっともだと思う。。そこは目を瞑って読むんだ!!

オデッセイを観た

「でも、やるんだよ!」 サバイブするのに必要なのは、科学と根性とディスコミュージック!!

オデッセイを観た。近未来の設定、宇宙で一人ぼっちで生き残るという状況はゼログラビティと似ているけども、映画の雰囲気はかなり違う。

主人公は科学者(植物学者)出身の宇宙飛行士という設定だが、とにかくタフで前向き。火星に取り残されて救出される可能性があるのは4年後。基地にある食料は6人*1ヶ月分、地球への通信設備修復不能、ついでに聞ける音楽は船長が持ち込んだ70年代のディスコミュージックライブラリのみ、こんな状況でも主人公はへこたれない。生き残るために出来ることは全部する。

たとえば、こんな火星DASH村チャレンジを行う。

  • 救出まで生き残るには食料が必要
  • 火星の土でジャガイモを栽培する(ジャガイモは連作可能で栽培が容易、栄養価もそれなり)
    • ジャガイモを育てるための水を確報する必要あり(尿をリサイクルをするシステムだけでは足りない)
    • 着陸機に残っていた燃料のヒドラジンをイリジウムを触媒に窒素と水素に分離し、その水素を燃やして水をつくる*1

目標から課題を導き出し、その課題を具体的なタスクに分解して一つ一つこなしていく。失敗したら反省して次に活かす。

これは、地上に住む自分たちが普通に仕事なり勉強なり研究なりでおこなっていることと基本的には一緒だ。主人公のヒロイックな活躍ではなく、当たり前のことを前向きに着実にこなす姿に、なぜか感動してしまう。*2

これがこの映画の魅力だと思う。


もう一つ、この映画(と原作小説)には「科学技術は人の役に立つ」という前向きなメッセージが流れているのが良いと思った。主人公やNASA所属の科学者、技術者達が、持っている知識と能力をフルに使って問題を解決していく。この姿を見て科学や宇宙やSFに興味持つ人が増えると良いな、と思いました。

*1:ちなみにこの映画における火星探査の設定では着陸機と上昇機(MAV)は別々で、MAVは本隊が到達する前に到着予定地点に送り込むことになっている。燃料節約とリスク軽減目的だと思われるけど、これを把握してないと後半の展開が理解できないかもしれない

*2:ちなみにラストの行動は無謀すぎると思う。原作では案として台詞に出ただけらしい。まぁそこは映画らしい演出ということで