サンフランシスコのモバイルゲーム会社に入って驚いたこと -リリースまで-

前回の日常編に続き、サンフランシスコにあるモバイルゲーム開発スタジオの業務編(2014-18)です。もう退社から2年も経つので、ずいぶん変わったことも多いと思いますがまあ記録として。どんな感じで働いているのかも知ってもらうと業務も伝わりやすくなる気がしますので、こちらで興味を持っていただければ日常編もぜひ。あくまでも僕がいたのはサンフランシスコにあった一スタジオで、それほど外注や他スタジオとのコラボもなかったので、どれくらい一般的なのかはぜんぜん知りませんのでご注意ください。
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業務全般で驚いたこと

 僕の職種はゲームデザイナーで、日本でいう企画職にあたります。売り切りのコンソールゲーム開発では納期までに面白いものをなるべく高いクオリティで作ることが正義なスタイルでしたが、ゲームが基本無料の運営型になると、ゲームデザインのゴールは「最高の15時間」ではなく、「遊んでくれる人が年単位で長期間続けてくれる種類の面白さがあって、どこかでお金を払いたくなるきっかけが生まれること」です。長いわ!またサービスインしてからプレイヤーの反応をみてバランス調整やゲームの建て増しも大前提です。要するに目指すところがまったくぜんぜん違うのでゲーム設計の根本から何もかも違うわけです。

 僕は日本のセガで入社して、北米セガスタジオ、北米バンダイナムコにいました。どちらも古くてまあまあ大きい会社です。モバイルは最後に少し開発しましたが、基本的に僕がいた部署はコンソール中心でした。なので、Free to Play(F2P)のモバイルゲームだけを開発するスタジオに入るとカルチャーショックの連続でした。むかーし日本からアメリカのゲーム開発に移ってカルチャーショックを受けまくったことがあって、この記事はその精神的続編でもあります。
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金で人を集める

 当時このスタジオは出したゲームが当たってお金がドーンと入ってきて、リクルーターがめっちゃ高い給料を餌にトップクラスのモバイルゲーム開発者に声かけまくっていました。あと、自分が紹介したシニアクラスの人が入社すれば基本日本円で100万円相当以上、Hot Jobとか呼ばれるその時々で急募な職種だったら150万円相当のボーナス*1があったので、優秀な人が優秀な人を呼ぶ現象が起きてました。友達のエンジニアとは、入社してボーナスでたら山分けしてやめて良いからうち入ってーって冗談でいってました。たぶん冗談だったと思います。

選良集いすぎ

 サンフランシスコでいい給料をだして伸び盛りの業界ということもあり、結果、ゲーム業界内外からすごい人たちが集まっていました。1を聞いて10まで知ればいいのか20まで知ればいいのか即座に理解して、ちょっとした努力でそこに到達してしまうか、あっさり他の人に任せるか決断できちゃうような人たちです。それぞれが、自分だけの成功の方程式をしっかり持っている人たちとでも言いましょうか、ゲーム開発とまったく関係ない方法論をがんがんゲーム開発に当てはめてくるのはとても新鮮でした。びっくりするような失敗もけっこうありましたが、成功の要件が最終的に満たされれば、僕にとっての失敗にみえることも、些細なこともしくはまったく問題ないことって態度が共通してたように思えます。

トップクラスのゲーム開発者と面接官として話が聞けた

 そんなすごい人たちを集める過程で、当たり前ですが面接が発生するわけです。そして一応リードゲームデザイナーなので僕も面接官をします。当時ヒットしていたモバイルゲームでは、ゲームデザイナーは一人か二人が普通で、あれオレ詐欺とかが発生する隙もそれほどなく、面接する人する人超ウルトラ濃い話ができてめちゃめちゃ幸せでした。売上トップクラスのモバイルゲームの開発者が来ようものなら、「あれって普通に考えたら○○ってルールにするところをあえて××にしてるのはなんで?」とか、コンソールから転職してきたばかりの僕にはゆるゆるGDCセッションの何倍も勉強になる話が聞けました。あれは本当に良かった。いや、僕に足りない部分を補ってもらうための採用だから会社に必要な話であって個人の興味を満たすためとかでは決してないですよ!(早口)

CEOとの開発会議がしょっちゅうある

 いやー、これがアツかった!もちろん負の面も(山のように)ありますよ。でも、人を雇う、IPホルダーを巻き込む必要がある仕様の決定、コスト高めのイベント仕様など、これまでなら数か月単位で時間がかかったであろう決定が、ミーティング中に即決されるのに震えました。だからといって別に気軽に決まるわけじゃなく、毎回プレッシャーは半端なくて、会議のヒリついた空気は今思い出しても胃が痛くなったりします。ですが、「会社のお金を動かしている人はこうやって説得するんだな」という実感を通じて、お金を稼いで人を集めてゲームを作る会社規模のコアループを理解できたのはいい経験でした。
 あとさすがに今はもう違うと思いますが、偉い人との会議はたいてい土日に何時間とかかけてやってました。平日はみんな通常のスケジュールあるから割り込みこませたくないってのもわかりますが、あれは良くなかったですね。

ディズニー(Marvel、超有名SF作品)、ハリーポッターなどとの巨大IPホルダーとの仕事

 当時のCEOは会社を効率よくスケールするためには、自社IPをあれこれするより、デカい版権の力を借りようという判断でした。当時のF2Pのビルダーに求められるクオリティを満たそうとするとどのみち突っ込む金額が大きくなるので、ヒットする確率を少しでも上げたいという話でもありました。セガバンナムでもソニックをはじめ名の知れた大きめなIPのゲームを作ってましたが、いやースケールが違った。巨大IPホルダーの話の通じるところ、通じないところを肌で感じられたのと、ヨーダがお出迎えしてくれる有名オフィスで観光ミーティングできたのは良かったです。でもまー正直あの面倒くさいやりとりはもうやりたくな(略)

フレームワーク」ありきの企画

 これは賛否両論あると思いますが、ゲームのシステムを0から考えるのは「車輪の再発明」だとして、その版権を活かせるのが間違いなさそうなベースにできるゲームのフレームワークを見つけるのとセットで初めて開発が始まる感じでした。日本での新規性のあるゲームシステムありきの開発、アメリカに来た当時の世界観先行の開発から、三回目のパラダイムシフト。例えば火垂るの墓とキャンクラ足せば大成功間違いなしみたいな感じですね。嘘です。



コンソールと小さいモバイルから中~大規模モバイル専門の開発に移って驚いた編

 ここから先、もう少し専門的な話になります。まあ小さいとはいえ、F2Pのゲームを0どころか-1くらいから始めてリリースして運営までやったので、まあ、それなりになんとかなるだろと高をくくって入社しました。想像と違ったのは、自分の僅かな経験など、すでに成功したタイトルをリリースし運営してきた彼らにとっては無に等しかったことです。むしろ僕の力が通じたのは、コンソール時代の大規模開発のリードの仕方と、後述する彼らがほとんど気にかけていなかったゲームデザイン手法でした。というわけで、必死にモバイルゲーム開発のノウハウを学びつつ、しっかりとゲームデザインし、それを大規模で開発する手法をチームに還元する生活が始まりました。

100万単位でダウンロード数があるモバイルゲームを開発&運営してる人がごろごろいる

 就職活動中は「F2PのモバイルゲームはとことんAccessibleにしてなるべくたくさんのお客さんを入れることと、Sustainableなシステムを構築して無理なく長くサービスが続けられるのがセットじゃないとだめなんですよ!」と涙ながらに面接で訴えていました。

 しかし、そんな僕の主張よりもっと実践的で深い部分まで、彼らの経験を元にかなりの部分がチェックリスト化されていました。石油王が遊んでも無限にお金を使う理由があるか、逆にまったくお金を使わない人がきちんと楽しめるか、何かしらの進捗を得るまでにnクリック以内か、1プレイが1分でも1時間でも成立するか、などなど、今思えば当たりまえすぎることばかりだったと思いますが、2012年くらいにコンソールからモバイルに方向転換してプログラマー2人、ゲームデザイナー僕1人、アート1人で小さいF2Pモバイルゲームを手探り状態で四苦八苦しながら開発していた僕は完全に井の中の蛙というか異世界系のMobでした。「お、お前俺たちが必死で覚えたことよりもずっと高度なことをどうやって!!??」「ん、普通に一番効率の良い作り方をしているだけだが?」

ゲームデザイナーがいない、仕様書がないことに驚く

 そんな感じで学びの連続であったわけですが、彼らが特化していたのは、サービスとしてのゲームを最短距離でリリースして最大の利益を出すやり方でした。具体的には、売れてるゲームで絵がショボいやつを見つけて、綺麗なガワ被せたらもっと売れるでしょ?って理屈で物事が進んでいて、そしてある程度の成功を収めていました。ところが、Supercellの『ヘイ・デイ (Hay Day)』 とか『クラッシュ・オブ・クラン (Clash of Clans)』くらいからゲームデザインの複雑さが増し、物事がそう単純にはいかなくなって、きちんとゲームがデザインできる人を探すようになってました。

 僕が入った時はちょうど転換期で、自分の前にはスタジオに1人しかゲームデザイナーという人がいなかったです*2。当然、仕事の概念も仕様書の概念も違っていて、「このゲームのここ(競合ゲームのスクリーンショットに矢印)を参考に実装してください」という書類もまかり通ってました。それが彼らにとって最も効率の良いやり方だったからですが、僕が2001年に入社したセガソニックチームでそれをやったら寒いギャグだと思われて完全に無視されて終わってたと思います。

F2Pのゲーム「しか」知らない人とゲームデザインについて話す難しさ

 僕が入った当時は、コンソールゲームはもちろん、買い切りのモバイルゲームですら作ったことがない人がたくさんいました。プロデューサー、プロダクトマネージャー、データアナリスやデータサイエンティストたちに至っては、半数以上がゲームの経験がありませんでした。そこで僕に必要になったのが、どうやって効率よく自分の作りたいものを伝えるかの戦略です。書類化をショートカットするための「あのゲームのあんな感じ」が通じる人がほとんどいなかったんですよ。

参考
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 企画段階で彼らに説明する際に一番役に立ったのは、客観的な正当性の提示でした。逆に言うと、根拠となるデータを提示しないと話が通じないことが多かったです。これは新鮮でした。参考になるよってゲームを同僚に見せるとまずApp Annieで順位や売り上げの推移を調べたり、自社で試したことがあるフィーチャーだったら、即Tableauを叩いて実装後KPIにどんな変化があったか確認したりとか、Coolさが何よりも大切な価値観だったコンソール時代とまったく違いました。やる意味や価値がデータで裏付けられていないと納得しないわけです。 www.appannie.com
www.tableau.com
また、データの示し方の奥深さも知ることができて良かったです。データサイエンティストとデータアナリストと(勝手に)タッグを組んで、自分の表現したい面白さを肯定するにはどのようなデータをどのように提示しないといけないかをたくさん学びました。

仕様書の段階で「どのデータをみれば面白さが測れるか」が必要

 前職では実装前にアイデアの面白さを数値化するという試みをしていました。
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www.4gamer.net

この会社では奇しくも別の意味で面白さを数値化する必要に迫られました。面白さの計測は、滞在時間だったり、課金率だったりいろいろですが、ユーザーが遊んだデータが見えるまでは完成と呼ばないくらいの勢いです。となると、仕様書にどうプレイヤーが楽しんだかを測るかが含まれていないと、きちんとフィーチャーが説明できないということになりますね。これが実装前に書かれていることで、仕様の意図がより明確になりますし、データアナリストチームがデータトラッカーを適切に埋め込むためにも必要なのです。

UI仕様の重要さ半端なかった

 前職ではUIも全部自分でやってたので仕様を書くというよりは描くことが多かったのですが、

ここでは、UI/UXデザイナーという専門職がありました。ということは、彼らがUXデザインしたりUIデザインしたりするために、僕が必要な要件を書かないといけないわけです。

 前職を引きずって中途半端にUIのサンプルを作ってめっちゃめちゃ嫌がられたりしましたが、結局落ち着いたのは、ユーザーが達成しないといけないゴール(欲しいものを買う、ユニットを移動する等)と、それをコミュニケートするために必要な要素をリスト化するところまでです。コミュニケートしたい情報を伝えれば、最適なナビゲーションとUIに翻訳してくれる人がいるなんて想像できませんでした。それも全部僕の仕事でしたから。

 自然とUI/UXデザイナーともがっつり組むことになるので、それまで謎に包まれていた彼らの仕事が深く知れたのは感動でした。一応それまでも、情報は最小限、必要なものは目につきやすく手で隠れない画面上部に、文字はなるべくアイコンで、とかまあかじった程度の知識はあったつもりでしたが、「情報を伝える」という手段が、文字にする、絵にする、以外に、色、動き、位置、大きさ、順番、枠などの組み合わせで無限の可能性があることを知りましたし、そこから最適な解を見つけられるのが本当にすごい。なにより、操作や情報を整理する際のConsistency(一貫性)に命を懸けるプロ意識が、僕がアクションゲームを開発していた時のボタン毎のアクションの感覚を統一するための努力を思い出させてくれました。

エコノミーデザイナーという職がある

 これも自分でやってたんですが、

 このスタジオでは専門職がありました。僕が作ったゲームシステムにどんな数字を入れて運用するかのシミュレーションをスプレッドシート上で作って、アイテムの生産(faucet = 蛇口と呼んでました)と消費(sink = 流し)をそれぞれどれくらい開け閉めするかのバランスをとりつつ、課金アイテムがどれくらい進捗を早めるか調整する人です。これは時間を基準に遊びのバランスを詰めていく自分の(古い)レベルデザインの考え方がまあまあ当てはまりましたが、遊びのコアループの他に富豪プレイをする人や、長時間プレイをする人のための無限にリソースを消費できるサブループを作っておく(Infinite Sinkと呼ばれてました)のがF2Pならではだと思いました。

ストーリー作るの無理ゲーすぎない?

 プレイヤーを惹きつけるためには、気になる展開にしないといけないわけですが、それと同時に完結することは許されていないわけです。最終的にストーリーのライターはGame of ThronesやWalking Deadなど、Cliff-hangerと呼ばれる先が気になる終わり方を多用しつつ数年にわたって長く続くつつテレビドラマの構造を参考にしました。原作のほうじゃないところがポイントですね。最初に舞台設定と大きな謎を用意して、大きなヤマを越えるたびにちょーっとずつ謎にかかわる部分が明らかになっていくわけです。で、リリース後はイベントがガスガス入ってくるわけですが、プレイヤーごとにどこまで進んでるか違うわけで、イベントの中でキャラクターが知ってるはずの内容が違うのにどう対処するかなどは日本のゲームをかなり参考にしました。

普通に仕様書を書いたら驚かれた

 というわけで、最終的に落ち着いた仕様書のフォーマットは、フィーチャー仕様(概要、目的、機能、KPI)+ 表計算(エコノミーデザイナーがいじる部分のデータストラクチャーを伝えるもの)+ UI仕様 + アート仕様(必要なアート素材の発注用) に落ち着きました。とにかくスピードが速い会社だったので、自分的には書類はかなり荒かったのですが、仕様書が美しく理にかなっていると社内で晒されたり、全体ミーティングでCEOから大々的に褒められたりしました。「お前、これエンジニアに後から聞かれる内容が全部書いてあるじゃないか!一体どうしたらこんなことができるっていうんだ!?」「ん、普通に仕様を書いただけだが……?」

終わりは始まりでしかない作り方

 いや別にかっこつけてるわけじゃなくてですね、冒頭でも言いましたが、それまでは「プレイヤーが遊んで楽しんで初めてゲームデザインは完結する」だったのが、「プレイヤーがどう楽しんだのかをデータで分析して、さらにそれを運営しながら維持できる、もしくは改善できて、初めてゲームデザインが完結する」ようになったんです。これも長いわ!
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 要するに僕がコンソールで知っていた「完成」はスタート地点でしかなくて、そこからプレイヤー数や離脱率、お金を払ってくれる率などを元に柔軟にゲームを変更していく気満々でリリースするわけです。とはいえ、すべてに対してフレキシブルに作るのは不可能なわけで、エンジニアと相談しながら臨機応変に作り方を確定していきました。

エンジニア「ここを希望通りにフレキシブルに作るとけっこうかかるから、とりあえず最短で作ってリリースして、後でイベントとかでも使いたいってなったらリファクタリングしよう。」
有能な僕「OK!(親指を立てながら)」

みたいな会話を良くしました。学んだのは一番大事なのは最短でプレイヤーがどう楽しんでいるかがわかることで、不確定要素に対してむやみにスコープを増やさないように気をつけるようになりました。Tech Debtと呼ばれる技術負債については当然トラックされていて、手が空いたり、そういうタスクが好きなエンジニアが常に取り掛かれるようにしてありました。「時間かけてきれいに作っても売れなきゃしょうがなくない?」っていう技術に理解がない勢(だいたい偉い人たち)からのプレッシャーが強かったですが、エンジニアリードが優秀で、根元の方にある本気でヤバい負債はちゃんとリリース前に直しましたし(偉い人をいい感じに説得しといて~みたいな相談もよく受けました)、その後もイベントの状況をみて影響が出ない負債を積極的に返すようにリソースを管理していました。

MVPを定義するのに1か月かけた

 さて、リリースが近づくとこれを決めます。MVPはMinimum Viable Productの略で、たぶんゲームじゃなくてアプリからきた言葉かと。プロジェクトごとに”Viable”(=実行可能な・リリース可能な)の定義が違うので一般化しづらいですが、コンソール出身の自分でも時間かけすぎじゃん?ってくらい慎重に決めてました。議論のポイントは「どこまで作ればユーザーのテスト結果が有意か」の見極めで、僕が在籍中3タイトルロンチしましたが、だいたい最初の導入部分と、1-2か月相当のコンテンツとそれに使うメカニクスがMVPと定義されたと記憶しています。

最初のセッションの準備に命をかける

 僕が直接みてたのはアベンジャーズのF2Pのビルダーゲームとハリーポッターのアドベンチャーでしたが、どちらもNUX(New User Experience)とかFTUE(First Time User Experience)とかFE(First Encounter)とかOn-boarding...もうなんでもいいんですけどそんな感じで呼ばれていた最初のセッションの構築にものすごい時間をかけていました。なんせ、F2Pで一番脱落率が高いのが最初のセッションなんで、細かくステップにわけてどこでユーザーが脱落(=離脱後n日戻ってこない)するか、その人たちの傾向はどんななのかをものすごく細かくみれるようにしていました。最初からベストが絞り切れていないところはABテスト前提でスクリプトを組んでましたし、膨大な数の質問をリスト化して、ユーザーのデータを待ち受けていたのを覚えています。

 意外だなと思ったのは、彼らがどこでユーザーがお金を払ってくれるかはあんまり気にしていなかったところです。どうやら過去の経験から、長く遊んでくれさえすればどこかでお金を払ってくれるという自信があるので、最初のセッションでどんなゲームルールでどんな魅力があるのかをいち早く伝えることにフォーカスするべきという確信があったようでした。関わったゲームはどれもストーリーでドライブするタイプの作りだったので、導入のシナリオはロンチまでに何度も何度も作り直して一番よくプレイヤーを掴めるものに研ぎ澄ましていました。

そんな感じで

 リリースに至るわけです。この後も3回にわけて段階的にソフトロンチするとか、コミュニティマネージャーがチームとほぼ対等な力を持つ運営の仕方とか、データアナリストチームが5人体制とか、ゲームのパフォーマンスを分析するミーティングのアツさとか、まあいろいろあるわけですが、長くなりすぎたのと"HADES"ってゲームと今さらですがようやく北米で発売された『十三機兵防衛圏』が面白すぎるのでいったんここで切ります。"Cyberpunk 2077”までの更新を目指します。質問などあればコメントかTwitterでどうぞです!

*1:3か月だか半年だか在籍するみたいな条件あり

*2:イベントやクエストのスクリプトを組むのはコンテンツデザイナー、バランスをとるためのパラメータを調整する人はエコノミーデザイナーと呼ばれて、ゲームの根幹やイベントの仕組みそのものをデザインするのがゲームデザイナーと区別されていた

サンフランシスコのモバイルゲーム会社に入って驚いたこと -日常編-

2014年前半から17年後半まで在籍した、F2Pの中でもビルダーと呼ばれるモバイルゲームに特化したTinyCo(現Jam City)というスタジオに在職中に印象に残ったことを書きます。入った時点で設立4年目くらいで40人いるかいないかくらいの規模だったのが、3年半後に辞める時には3倍に人増えてたようなスタジオなので、まあ、アメリカ西海岸ベイエリアのそういう会社ではそうなんだな、くらいに読んでくだされば幸いです。本当は退職のタイミングで公開しようと思ってたはずなんですが、なぜか下書きに入りっぱなしになっていて、id:shindannin さんの記事に触発されてついに公開に至りました。
shindannin.hatenadiary.com

驚いたこと全部書いてたらめちゃめちゃ長くなったので、日常編と業務編に分けました。

ちなみに、その会社への就職活動編はこちらです。もし興味があればぜひ。
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日常編

セガナムコから、設立4年目&モバイル専門という極端に違う環境に移ってカルチャーショックが多発しました。

毎晩オシャレ飯が出る

面接でオフィスに行ったとき、「げ、ヤバい。夕飯出てる。超クランチじゃん」って思ったら、案内してくれたオシャレ女子(社員)が、毎晩イケてるケータリングを頼んでるのーって教えてくれました。入社後わかりましたが、ほとんどの人たちはワイワイと楽しく夕飯を食べてすぐ帰ってました。つるまない人は自席で食べてすぐ帰ってました。美味しい美味しくないはさておき、ヒップでポップなご飯に詳しくなりました。

スナック・ドリンク・お酒が無料

ご飯の時、ビールやハードソーダを飲んでる人がわりといました。いわゆるシリコンバレーベイエリアのスタートアップのスタンダートというか、キッチンのあるエリアになんでも無料のスナックバーとドリンクバーがあるんですが、意識が高いのでドリンクの種類の半分は匂いがするだけの水か炭酸水で、スナックはジョリジョリしたエナジーバーと果物がほとんどでした。勝手な憶測ですが、今なら昆虫食がありそう。在職中、肉を焼く人は一人も見ませんでした。
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ランチは基本TOGO

オフィスの場所がフィナンシャル・ディストリクトというサンフランシスコの中でも企業ビルの多いところだったこともあり、レストランに入ろうものならランチ+飲み物で軽く30ドル飛びます。なので、若い子は弁当持参も多かったし、僕は基本的にフードトラックやテイクアウト専門店、ちょっと良くてフードコードでした。よく行ってたのは薄暗い地下のフードコートのベトナム料理屋(チキンPhoが11ドル)と、ファーストフードのメキシコ料理のChipotle(ブリトーボウルが約10ドル)でした。月一くらい時間に余裕があるときはラーメン屋で日本なら半額であろう一杯20ドルのラーメンを食べたりしてました。
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面白かったのがTOGOに特化して好きな店の持ち帰りメニューを好きな日に予約して並ばずに帰るサービスMeal Pal。どこでランチを買っても並ばずに買うのは難しい地域だったので、自分にとっては「並ばずに」っていうところがポイントでした。
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4時過ぎると酒を飲み始める

人がまあまあいて、僕のまわりの席全員飲みながら仕事をしていることもありました。飲むっていっても地ビールとかアルコール入ったリンゴソーダとかで、コイツ酔っぱらってる!みたいになってた人は見なかったので、ちゃんと節度を守っていたようです。まあ飲んでなくても酔っぱらってるような人はたくさんいましたけど。

30代半ばにして長老枠

新興のモバイルゲーム会社で、とにかくみんな若くて、特に若い子だと初めて遊んだゲーム機はPS2とか普通。「ソニックバトルPSO作ってたの!小学校の時あそんでた!」とか言われて77年生まれの僕は初めてエルフの気持ちを味わいました。あとはとにかく人の出入りが早い。僕がいたときは平均滞在時間2年なかったはず。これは業務にも大きく影響してました。

人事とITの専門家がいない(いなかった)

福利厚生は基本ZenefitsっていうHRの外部サービスが担当。IT系のことはQAの人か、優しいプログラマーが助けてくれるだけ。入ったときに支給された機材類には管理のためのバーコードとかそういうの一切なかったですが、さすがに規模が大きくなってきた2016年くらいからは管理用のステッカーは貼られるようになってました。
www.zenefits.com

オフィスは基本平机

2004年ごろ渡米したときは、ゲーム開発会社のオフィスといえば、薄暗くて高いパーテーションでしっかり区切られた個人のブースがもらえる(ていうかもらった)イメージだったけど、窓が大きくて机がばーっと並んでるだけの、真逆の感じ。でも、スタンディングデスクとか、腰に良い椅子とか、バランスボールとかのリクエストは誰でもすぐ対応してもらえてました。個人的には仕切りがないほうが普通に話しかけられて好きです。人の出入りが激しいのもあるし、プロジェクトの回転も早いのもあって、フロア内での場所移動は日常茶飯事なんで、前職と違ってあんまり机にものを置かなくなりました。写真は前職のオフィスより。
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WFH多いし普通

ていうかWFHって言葉を知らなくて、何この人たちメールでwhat the fuck連発してんの!?って驚いたら違いました。これはモバイルゲーム開発でアート除くほぼ全員ラップトップ+クラウド環境で仕事できたのも大きいかもしれませんが、電車遅延してて通勤の時間もったいないからとか、宅配便が届くからとか、医者にいくからとか、今日は集中したいからとか、ほんと気軽にWork From Homeしてました。ていうか集中したいからって何?具合が悪いからWFHってメールに書いた人たちは、具合が悪いなら働かないでちゃんと休んでっていわれてましたね。

すぐ体調不良で休む

風邪はもちろん、眠れなくて休む、花粉症がひどくて休む、首を寝違えて休む、食あたりで休む、歯が痛くて休む、原因不明だけど具合が悪いので3日休む、と親戚が死ぬ余地などまったくないほどポンポン休むのが良かったです。有給は、PTOとSick Leaveに別れてて、PTOは最終的に買い取ってもらえるしなるべくSick Leaveを使いたいのが人の性かなとも思いましたが、今思えばトータルで休みたいときにちょっとでも具合悪い時に休んでもらうほうが無理するより良かったのかなと思います。業務で困ったことがあった気もしますが、あんまり覚えてないし。

ていうか有給が無限になった

それが関係するかわかりませんが入って2年くらいたって導入されたのが、Unlitmited PTO。無限有給です。当時ベイエリアのテック企業で流行ってました。どうなるんだろうって心配しましたが、一応マネージャーの許可制になってることもあり1週間とか2週間くらいの休みはまんべんなくありましたが、やらなきゃいけないことができなくなるようなトラブルはなかったです。有給をためるって概念そのものがなくなるんで、休んだほうが良いのに休まない人が減って、なんかあれば休もーっと!ってプライベートを優先しやすくなるって意味で好きでした。

同性愛がかなりオープン

これは、若さと場所に由来するだけかもしれません。でも、このオフィスに来て本来あるべき環境はこれなんだと気づかされました。会社のパーティに同性の恋人つれてくるのはぜんぜん普通。6人編成で小さいチームを作ったときは僕以外全員同性愛者でした。この環境にいれば、差別をするとかそういう考えがそもそも生まれてこない気がします。かしこまったいわゆる「カミングアウト」ってのは一度も出会わず、会話の中で男性が「my boy friend」、女性が「my girl friend」っていってああそうなのねってなるケースと、SNSでつながったときに同性と恋人オーラが出ててわかるケースがほとんどでした。トランスジェンダーの方もいて日常で話しをする中で、性指向と性自認、そして性表現に生物学的な性別、さらに戸籍上の性別が組み合わさっていて単純にゲイやレズビアンとくくれないということも初めて実感できた気がします。それでも、だいぶ後でゲイだと知った同僚もいました。これだけオープンに感じたオフィスでもやっぱり「普通」には程遠い世の中なんだと思いますが、出会った若い世代の多くがごく自然にさまざまな性差にニュートラルなのは、ものすごい希望です。

ジム通う人と昼休みに運動する人が多い

オフィスがはいってるビルのジムに通う人も多かったけど、家の近くのジムに通う人も多かったです。あとすぐ走りにいったりローラースケートしに行ったりする。入社してすぐのころ向かいに座ってた人が昼休みにいきなり水着みたいな体のあちこちが露出した姿に変身するので内心いちいち驚いてました。

犬とか兎を連れてくる人がいる

とにかくミーティングに犬がいると最高に癒されるというのが発見でした。ギスギスしがちな仕様変更を話すミーティングもワンちゃんがあくびでもしてくれればすべてがうまくいく。タトゥーやピアスばりばりで怖いと思ってた人たちが動物を前にすると赤ちゃん言葉っぽくなってあにゃにゃーふにゃにゃーみたいな態度をするのが良かったです。ただ、強めのアレルギーを持った人が入社した瞬間まったく連れてこれなくなったのは、不思議なシビアさを感じたのを覚えてます。

面白い経歴の人いすぎ

これは業務編にも書きますが、いくつかゲームが当たってイケイケだったこともあり、優秀な人がごろごろいました。自分の部下がスタンフォードやらエール卒とか戸惑いしかなかったし、ゲーム業界外からも優秀な人たちがたくさん来てて、エンジニアだとGoogle, Facebookクラスの有名サービス出身が数名ずついて、アーティストだとルーカス、ピクサー、ドリームワークスみたいな大御所から来た人が1-3名とか。これで何が面白いかっていうと、使ってるサービスや好きな作品をどうやって作ったかの生の話が聞き放題ってことです。ちょう予算をかけたのに没になったゲームに入ってた遊ぶ人全員が絶賛したという幻の仕様から、有名映画なのにネット民も気づいていないイースターエッグやらが日常聞けるのはプライスレスな特権でした。

業務編に続く

というわけで、日常でよく覚えてることを書き連ねました。あとで思い出したら追記するかもです。次はコンソール中心かつ大きくて古い会社から、モバイルオンリー、小さくて新しい会社に移って業務で衝撃を受けたことをいろいろ書きます。
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レトロゲーム300本から作られた究極のゲーム”Multibowl”を遊んだ

ものすごく簡単に説明すると、「"Multibowl"とは、『メイド イン ワリオ』のマイクロゲームを本物のレトロゲームでやっちゃった非合法なめちゃめちゃ面白い対戦ゲーム」です。とりあえず作者的にオフィシャルで企業的にアンオフィシャルな動画をみてください。

http://www.foddy.net/wp/wp-content/uploads/2016/08/multibowl.gif

D

もうちょっと詳しく説明すると、90年代までのアーケードゲームと家庭用ゲームのうちMESSが統合された以降のMAMEで動くもので、かつ2人同時プレイがあるものが300本以上収録されてます。モードは2人対戦オンリー。開始するとランダムに1本選ばれて、タイトル、発売年、パブリッシャー、そしてルールが表示され、ゲームがスタートします。ルールに則って決着がつくか、30秒経過すると引き分けで次のゲームに移ります。これを10本先取するまで繰り返すのが"Multibowl"です。テクノロジーの進化はこういう風に使われてほしいって感動しました。ばーっとあげるとこんな感じ。

  • 知らないゲームのタイトルとか発売年とか知ってへーってなる
  • さらに知らないゲームを次々あそべる
  • 90年代のアーケードゲームの次にATARI2600のゲームがでてきたりギャップがおもしろい
  • 最長30秒でおわるので飽きない
  • 知ってるゲームがでてくると「あった!あった!」ってうれしい
  • まったく知らないゲームがいきなり始まるパニック感がたのしい
  • それでも強引に勝ち負けが決まってく不条理な展開が笑える
  • 10本先取で勝ち負けが決まるので一区切りのテンポもいい
  • 勝負がつくと、どこかのゲームの勝利時の適当なカットシーンが流れて適当に祝ってくれる
  • コントロールを知ってるだけで露骨に有利だったりするのでレトロゲー経験がちゃんと結果に反映する
  • 300本以上を網羅してるので勝つと総合王者感が味わえる
  • レースゲームの多さにおどろく
  • バレーボールゲームの多さにおどろく
  • ときどきほんとにヤバいやつがでてくる(スト2のリュウソニックが戦ってました)

いやー僕、小学生から高校生までゲーセンに通ってましたし、雑誌でいうとファミコン通信の創刊のころから読んでますし、そこそこレトロゲームに詳しいつもりでしたが、半分以上は知らないゲームでした。ていうか77年発売のゲームとか生まれた年だし。なんせ激しくイリーガルなんで、ゲームショウなどで彼が持ち込んだところでしか遊べないんですが、運よく遊ぶことができて、それがまた本当に素晴らしかったんでこうして書きとめた次第です。

ちなみに作者のBennett Foddyさんは、奇ゲー好きもしくは記憶力の高い方ならピンとくるかもしれない"QWOP"もつくってます。

http://www.foddy.net/wp/wp-content/uploads/2010/10/qwopss.jpg

QWOP (ウェブブラウザで遊べます)

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(より意味の分からない進化を遂げたiOS版)

参考リンク:

Multibowl – Foddy.net (作者による紹介ページ)

アメリカのCHIPOTLEでブリトーボウルを注文しよう

CHIPOTLE(チポトレ、チポーレ)とはアメリカ(と世界数国)に展開するメキシカンフードのチェーン店です。いちおうファーストフードというカテゴリで安く早く、そして珍しくヘルシー指向です。ちなみに僕が注文する「ブリトーボウル」はライムとパクチーの効いた白米に柔らかく香ばしい鶏肉、温野菜と冷たい野菜、それからいろんな味のタレがたくさんのっている食べ物です。いわばメキシコ丼です。日本人の舌にもあうと思います。

Chipotle Mexican Grill

サンフランシスコで働いている僕はここで最低でも週に1度は食事をします。早くて安くておいしいからです。しかし、初めてのこの店を訪れたときはそのオプションの多さと、矢継ぎばやに判断を迫る店員たちに非常に戸惑いました。いくつかチポトレの注文のしかた~みたいな記事を読みましたが、どれもオプションについていろいろ書いてあったり条件で分岐したりしてとても実用的ではありませんでした。なので、ここに僕のいつも頼むコンビネーションの「ブリトーボウル」を食べ始めるまでウォークスルー形式で記します。インドの外注から上がってくるバグレポかってくらいすべての手順を記します。コツはとにかく店員が聞いてくるのに合わせて返事をすることです。焦って先にいろいろ言っても後でまた聞かれるだけです。


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列に並びます。

途中メニューが置いてありますが、何が書いてあるかさっぱりわからず不安になるだけなので無視します。


店員から挨拶されます。

店員:「はわゆどぅーいんとぅでい」(調子はどうですか?)

あなた:「アイムファイン、サンキュー」(元気だよ、ありがとう)


料理の基本形態をきかれます。

店員:「わっきゃないげっふぉゆー?」(何をお作りしますか?)

あなた:「ボウル」(ボウルをもらおうか)


食べていくか持ち帰るか聞かれます。

店員:「ふぉーひあ、おぁとぅーごー?」(ここで食べますか?お持ち帰りですか?)

あなた:「フォーヒア」(ここで食べます)


米をきかれます。

店員:「ほわいとらいす?ぶらうんらいす?」(白いご飯をいれますか?玄米を入れますか?)

あなた:「ホワイトライス」(白いご飯をください)


豆をきかれますが米を増量します。

店員:「ぶらっくおあぴんとびーんず?」(黒い豆*1をいれますか?茶色い豆*2を入れますか?)

あなた:「ノービーンズ、キャナイハブサムモアライス、インステッド?」(豆はいらないので、ご飯をもっといれてください)


米を足してもらってる間に温野菜(玉ねぎとピーマン)をたのみます

あなた:「キャナイハブベジーズ、トゥー?」(野菜をのせてください)


肉の種類を聞かれます。

店員:「わっかいんどおぶみーと?」(お肉は何にします?)

あなた:「チキン」(鶏肉をおねがいします)


サルサをきかれます。マイルドといいつつ、トマトと玉ねぎのサイコロ切りなので完全に野菜枠です。辛いやつはうかつに頼むとマグマのごとくドバドバかけられて食べられなくなる危険性があるので、別の入れ物にいれてもらいます。

店員:「まいるどみでぃあむほっと?」(サルサは甘口、中辛、それとも辛口?)

あなた:「マイルドプリーズ、アンドホットサルサオンザサイド?」(甘口をかけて、辛口のは別にください)


その他トッピングをきかれます。別料金のワカモレ以外全部いきます。

店員:「さわーくりーむ?ちーず?」(サワークリームとかチーズいる?)

あなた:「サワークリーム、コーン、チーズアンドレタス」(サワークリームと、コーンと、チーズと、レタスをのせてください)


レジの人がトルティアチップスや飲み物をきいてきます。常人だったらこのボウルだけで食べきれるか怪しいです。店によってはカウンターにしかないので水用のカップをもらいます。

店員:「えにぃちっぷすおあどりんくす?」(チップとか飲み物はどうしますか?)

あなた:「ノーサンキュー、キャナイハブアワーラーカップ?」(いらないです、でも水用のカップをください)


金額をいわれます。10ドル札か20ドル札を渡します。(2017年9月現在、サンフランシスコの店では有料オプションなしのチキンボウルは9ドルでお釣りがきます。)

店員:「えいとだらーあんどXXXXせんつ」


レシートをどうするかきかれます。

店員:「どぅーゆーにーどざれしー?」(レシートいりますか?)

あなた:「ノー」(いらないです)


お釣りを受け取りながらスプーンももらいます。2017年9月現在、サンフランシスコのお店ではスプーンはカウンターでしかもらえなくなりました。

店員:「ひあずゆあちぇんじず」(はい、お釣りです)

あなた:「キャナイハブアスプーン?」(スプーンをくれますか?)


トレイに載せてもらってなかったらトレイを借ります。

あなた:「キャナイユーズトレイ?」


お礼をいって近くのドリンクバーに向かいます。

好きなだけペーパーナプキンをもらいます。

カップを置いて"Soda"と書かれた小さいノブを探して押します。

Smokedと書かれた煤けたラベルのタバスコを少々かけます。

席についたらホットサルサの蓋をあけて半分くらいかけます。

スプーンを刺して野菜の崩壊と闘いながらおいしく頂きます。

写真はおいしそうに見えませんがおいしいです。

f:id:IDA-10:20160912132758j:image


以上、一助になれば幸いです。これで基本ができたら、あとは白米をブラウンライスこと玄米にしてみたり、チキンじゃなくてステーキにしてみたり、あんまり美味しくない豆を足してみたり応用に進んでみると良いかと思います。

*1:たしかノンカロリー

*2:たしかベーコンで香りづけした煮豆

『ポケモンGO(Pokemon Go)』レベルあげ攻略メモ -収集・進化編-

注意:ここに書かれているのは2016年、7/20現在の情報です。アプリのアップデートやデータのアップデートに伴い仕様や数値などは変更になっている可能性があります。

ポケモンGOPokemon Goアメリカでのサービス開始以来、がっつりハマってます。開始直後の効率のいいXPの稼ぎ方をTwitterにメモしていたやつをまとめておきます。なんで開始直後が重要かっていうと、新規ポケモンをゲットした時にXPが6倍もらえるから+進化は好きなタイミングできるから(=好きなタイミングで新規ポケモンをゲットできる)+ついでに進化でゲットの5倍もらえるから+もらえるXPを30分間2倍にするアイテムがあるからです。当たり前ですけど、ゲームを続ければ続けるほど新規は狙いにくくなっていくので、序盤が重要なわけです。

レベルが上がると何ができる?

  • レベルアップ時にアイテムがもらえる
  • ポケストップからドロップするアイテムのランクがあがる(例:キズぐすりー>すごいキズぐすり)
  • ポケモンを強化できる回数の上限が増える
  • CPが強いポケモンが出現しやすくなる
  • 自慢できる
  • 自慢できる
  • 自慢できる
  • 自慢できる
  • 自慢できる

日本のサービスが同じ数値じゃない可能性もありますし、のんびり楽しみたい方も多いと思いますが、よろしかったらお役立てください。


補足:

公式の警告画面を模したファンアート貼っときますね。

https://cdnb3.artstation.com/p/assets/images/images/003/034/427/large/magda-proski-poke-all.jpgMagda Proski


補足:

ここでいってるしあわせのタマゴ2個とはレベル9とレベル10にあがったときに1つずつもらえるものです。無料で遊ぶならそれまでひたすら進化用のポケモンを集めて、レベルがあがりにくくなってくるレベル10で一気に進化というのがいいかも。新規ポケモンをなるべく捕まえないようにするプレイだとレベル10まで1日~3日程度かな(レベル10に必要なXP9000=新規10匹(6000)+通常30匹(3000)+ポケストップ20回(1000)の雑な計算)


補足:

重要なのは初捕獲ボーナスのためにしあわせのタマゴを使う前に進化させるのを我慢すること。もし進化系がスポーンしていまったら捕まえずに逃げておきたい。あとは進化のために進化1回につき1匹のポケモンを残しておくのを忘れがちなので注意。12こで進化できるポケモンのアメが120こあったら10体進化用のタネポケモンが必要。ちなみに進化のシステムは本家と違って、ポケモンをゲットするともらえるポケモンごとのアメを一定数集めて進化するようになっている。例えば、ポッポを捕まえるとポッポのアメが3つもらえて、そのアメを12こ集めてポッポに使うと進化できる。簡単にいうと、同じポケモンを複数捕まえると進化できる。


補足:

使っていなければレベル10になったときにルアーモジュールを2つもらっているはず。これを自分で使う。ポケストップの密度は地元をみてるかぎりかなりムラがある。ダウンタウンにいけば1ブロックに3つはざらだけど、少し車で田舎にいくと前方に一つも表示されない場所もあった。なので、たくさんあるところに行く機会が稀ならそれを予定に組み込んでおくのがいい。XPブースト中の30分で1回もまわせないか、密集地で20回まわすかではXPにして2000の差がでる。またルアーモジュールでポケモンがスポーンしやすいのも、新規ポケモンを狙う上では重要になる。


補足:

今一度手持ちポケモンを見直してもう少しで進化できるやつがいないか確かめておきたい。もう少しなら捕まえるまで粘るのもいい。進化は500x2で1000なので1体の差が大きいので。


補足:

もし使ってなければおこうが2つあるはずなのでここで使おう。ルアーモジュールとおこうを使っていると体感でわりとひっきりなしにポケモンがスポーンするので、時間を無駄にしないため、新規のポケモンもしくは強めのポケモンがでたらここまでに集めたラズのみとスーパーボールを惜しみなく使いたい。


補足:

ふかそうちはレベル10までに2個もらえる。タマゴからはわりと珍しいポケモンが孵る確率が高いので、孵化の200XPだけじゃなく新規ボーナスを狙う意味でも見返りが大きい。ちなみにタマゴは2Km, 5km, 10kmで孵るのがあって、言うまでもなく距離が大きいものほど良いポケモンが孵る確率が高い。


主要なXPソースメモ

その他豆知識

  • タマゴはアプリを開いていないと移動距離をカウントしない
  • 移動距離は時速10キロ以上だとカウントしない
  • じっとしててもポケモンは出現する(でも歩いたほうがでやすい気がする)
  • ポケモンをキャッチする画面ではARのON/OFFができる。ブースト中の30分でめいいっぱい捕まえるためにも、自分のやりやすい方を知っておきたい
  • ポケストップから複数出るアイテムは指でなぞれば速やかに回収できる。ひとつづつタップする必要はない。もっといえばなぞる必要すらない。アクティベートしたらxで消しても全部手に入る。
  • モンスターボールは、出現位置から好きなところにドラッグで移動できるので、あえて画面下部から遠くを狙う必要はない。ドラッグしてポケモンに重ねるようにしてスワイプしたほうが狙いやすい(と思う)。

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のサントラに隠されたストーリー

どーも、8月1日の公開日にサンフランシスコの映画館で観て以来聴きまくってる映画サントラであるところの"Awesome Mix Vol.1"ですが、Redditで興味深いファンの考察をみつけました。

映画を観たひとには言うまでもありませんが、この"Awesome Mix Vol.1"は劇中で主人公のお母さんが主人公であるピーターの少年時代にプレゼントした、自分でカセットテープにダビング(もしくはレコード・ラジオから録音)してつくったオリジナルのベスト盤なんですね。ちゃんとトータル時間も46分テープに収まるようになってます。

僕がもともとサントラのことを調べたのは曲順が映画の登場順と全然違うからでした。まあお母さんが作ったテープって設定だからってのはわかるんですが、でも何でこの順なのよと。で、ちょっと検索したら興味深いファンの考察が。

[Guardians of the Galaxy] Awesome Mix vol. 1 or How To Tell A Story Without Details : FanTheories

かいつまんでいうと、お母さんによる選曲と曲順は息子に直接語ることができなかったお父さんとの出会い、恋愛、出産、そして別れが語られているという指摘です。ちょーざっくり訳すとこんな感じ*1

出会い

最初の2曲、"Hooked on a Feeling"と"Go All The Way"は最初は肉体的な魅力に惹かれ合ったけど、すぐに一緒にいるべき存在だとお互い思うようになったことが語られてる。


関係の始まり

次の曲では、「彼」がついにメレディス(お母さん)に自分が人間でないことを告げる。そして、月を越えると歌う"Spirit in the Sky"や"Moonage Daydream"で描かれるように「彼」は彼女に宇宙を垣間見せたんじゃないかな。


恋に落ちて

続く2曲は、"Fooled Around and Fell in Love"と"I’m Not in Love"。これは前者がメレディスの気持ち、後者がメレディスからみた「彼」の気持ちを表してるんだと思う。彼女は最初こそちょっとしたデートだけなんて考えてたけど、すぐに「彼」に夢中になってしまった。でも、「彼」は地球人でないし、人間と恋に落ちるべきじゃないとストイックな態度だったんだ。きっと「彼」の言葉が足りないのも障害だったと思う。

そして「彼」とメレディスは喧嘩して仲直りをしたんだ。メレディスは「彼」がほのめかすだけではっきり言わなかった言葉をついに聞いたんじゃないかな。なぜなら「彼」もまた彼女を必要だったから。それはすごく嬉しいことで、だからアップビートな"I Want You Back"を選んだんだ。

"Come and Get Your Love"はただの幸せな期間ともとれるけど、これ以上愛することができないと歌われる存在は「彼」との間にピーター(主人公)が誕生したことを表してると思う。


別れ

"Cherry Bomb"ははっきりとトーンを変える曲。内容と曲調からして「彼」はどこからか呼ばれて、メレディスとピーターを連れて行けないとわかったんだ。彼女はすべてを失うような気持ちになって、そしてそれがどうしても止められないと知って世界に向けて怒りをぶちまけてる。

「彼」は何とか彼女をなだめて、お互いが分かれるしかない事実を受け入れた。だから、"Escape"ではどうしようもないこれからのことよりも、今持てる時間を大切にしようと歌われている。今は幸せだけど、別れが近いとわかっているんだ。

最後の曲は"O-O-H Child"。「彼」とメレディスの別れの時。「彼」は彼女とピーターの元に必ず戻ってきてまた家族で一緒に暮らすと約束したんだ。いつの日か、一緒に陽の、――それは「太陽」じゃないかもしれないけど――光の中を歩くと……。

ここでは引用しませんが、それぞれの歌詞を読んでいけば確かに合致するところ多数ですね。というわけで、ただ本編のストーリーにあわせた懐メロヒットパレードじゃないこういうの大好き!って話でした。くそー、これピコキャスの時に知ってれば0パーセント肯定派のみやおかさん(http://www.t-p.jp/miyaoka/)の肯定度を20%くらいにはできたのに!

第44回 『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』 200%肯定派と0%肯定派が語り合うネタバレトーク & 文豪メッセンジャー感動秘話 - @IDA_10 x @miyaokaのピコピコキャスト

これ読んで興味でた方はサントラになった曲を全曲貼ってあるid:TomoMachiさんのブログとトレーラーをどうぞ。

「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」のサントラが素晴らしすぎる - 映画評論家町山智浩アメリカ日記

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*1:あくまでも参考程度に。興味ある方はぜひリンクの原文をお読みください

IGDA Japan主催のGDC報告会2014に参加させて頂きました

4月の話です。Twitterで告知させてもらってましたが自分の就活と重なっていてこともあり、こちらで紹介するのをすっかりわすれてました。すみません。

えーと表題のとおりですがIGDA Japan主催のGDC報告会2014に、「GDC2014にみる古くて新しいゲームデザインの潮流」という題で参加させて頂きました。4月に。

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スライドはこちらになります。質問などございましたらメールなどでご連絡頂ければと思います。

http://www.slideshare.net/gameneversleeps/gdc2014