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NPO法人POSSE(ポッセ) blog

【12/8(日)イベント】家事労働者過労死裁判の勝訴判決の意義と展望 ー家事・ケア労働者を差別する労基法改正と国際規制へー

【参加方法】

参加申込みは以下のURLからお願いします。

https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdsk3sP3shzeiTpKZmtWfQWV7rEgNH_30ShHpDtMozDvTu6WQ/viewform?usp=pp_url

また、電話やメールでの参加申込みも可能です。会場に直接来ていただいても大丈夫です。

TEL:03-6699-9375 メール:[email protected]

【イベント趣旨】

(今年9月の逆転勝訴判決の際の写真)

 1日24時間休憩を取れずに一人きりで利用者を見なければならない、自分の部屋がなく身の安全やプライバシーが守られない、利用者から「ばかやろう、出ていけ」などの暴言を浴びせられる...。

 2015年春、人権が守られない環境のもとで、個人宅に住み込みながら介護や家事を担っていた家事労働者Aさん(当時68歳・女性)が、1週間24時間拘束状態で働いた末に、心筋梗塞で倒れて亡くなりました。

 遺族は、Aさんの死について過労死認定を求め労働基準監督署に労災の申請をしました。しかし、現行の労働基準法116条2項では、「家事使用人」へは労基法・労災保険法が適用除外であるとして、国は労災を認めませんでした。

 遺族は、国を相手に労災認定を求めて2020年春に裁判をスタートしましたが、2022年秋、東京地裁にて遺族側の全面敗訴となる不当判決となりました。一方、遺族や家事労働者・ケア労働者、研究者、ジャーナリスト、弁護士、労働組合、NPOなどが協力し、オンライン署名や国への申し入れ、記者会見など、様々な方法で問題提起を続けました。その結果、2024年9月19日、東京高裁にて遺族側の逆転勝訴判決を勝ち取ることができました。また、2024年6月には、厚生労働省は労働基準法を改正し家事労働者へ労働基準法を適用する方針も示しました。

 今回の勝訴判決を踏まえ、今後私たちは家事労働者への労基法適用を求める法改正の実現や、家事労働者に基本的な労働権を適用することを定めた「家事労働者条約(ILO189号条約)」の批准などを求め、取り組みを発展させていきたいと考えています。

 本イベントでは、女性労働問題の専門家である竹信三恵子さん、裁判を担当する指宿昭一弁護士・明石順平弁護士、国に対して闘ってきた遺族、現役の家事労働者である土屋華奈子さん、支援をしてきたNPO/労働組合らが、これまでの取り組みやその意義などについて報告したうえで、今後の展望を検討していきます。

 ぜひ多くの皆様にご参加いただけたらと思います。

 

【イベント概要】

◾開催日時: 12月8日(日)13:30ー16:30

◾開催方法: 会場とオンラインの併用

◾開催場所: 初台区民会館(渋谷区初台 1-33-10)大集会場

交通:京王新線 初台駅 徒歩5分

◾参加費: 無料

◾プログラム(詳細は若干変更の可能性があります)
◯開会挨拶 佐藤学(NPO法人POSSE /総合サポートユニオン)

◯第一部 家事労働者過労死裁判の取り組みとその意義
① 家事労働者過労死裁判の概要と判決のポイント(指宿昭一さん、明石順平さん:弁護士)
② 家事労働者過労死裁判の勝訴の意義(竹信三恵子さん:和光大学名誉教授・ジャーナリスト)
③ 家事労働者の労働実態(土屋華奈子さん、現役家事労働者)
④ 裁判を闘ってきた遺族からの報告(過労死遺族Aさん)
⑤ 家事労働者過労死裁判の支援者からの報告(高橋優希さん、過労死遺族・POSSE メンバー)

◯第二部 家庭内ケア労働の差別をなくすために~パネルディスカッション&質疑応答
パネリスト
・指宿昭一さん、明石順平さん
・竹信三恵子さん
・土屋華奈子さん
・田所真理子ジェイ
モデレーター: 佐藤学(POSSE スタッフ)

◾登壇者プロフィール

・指宿昭一さん

弁護士。日本労働弁護団常任幹事・東京支部事務局元事務局長。 外国人技能実習生問題弁護士連絡会共同代表、外国人労働者弁護団代表。 労働事件・外国人事件に専門化した弁護士業務を行う。外国人研修生の労働者性を初めて認めた三和サービス事件地裁・高裁判決、精神疾患に罹患した労働者の解雇を無効とした日本ヒューレット・パッカード事件最高裁判決などで勝訴。近年は、外国人労働問題にとどまらず入管や難民の問題についても活動している。単著に『使い捨て外国人―人権なき移民国家、日本 』(朝陽会、2020年)。

 

・明石順平さん

弁護士。東京都立大学法学部卒業、法政大学法科大学院修了。主に労働事件、消費者被害事件を扱う。ブラック企業被害対策弁護団代表。著書に「アベノミクスによろしく」「データが語る日本財政の未来」「国家の統計破壊」「ツーカとゼーキン」(集英社インターナショナル新書)「人間使い捨て国家」「財政爆発」(角川新書)「キリギリスの年金」(朝日新書)共著「Q&A誰でもできるブラック企業対策」(集英社インターナショナル)など。

 

・竹信三恵子さん

東京生まれ。1976年、朝日新聞社に入社。水戸支局、東京本社経済部、シンガポール特派員、学芸部次長、編集委員兼論説委員(労働担当)などを経て2011年から和光大学現代人間学部教授・ジャーナリスト。2019年4月から現職。著書に「ルポ雇用劣化不況」(岩波新書 日本労働ペンクラブ賞)、「女性を活用する国、しない国」(岩波ブックレット)、「ミボージン日記」(岩波書店)、「ルポ賃金差別」(ちくま新書)、「しあわせに働ける社会へ」(岩波ジュニア新書)、「家事労働ハラスメント~生きづらさの根にあるもの」(岩波新書)など。2009年貧困ジャーナリズム大賞受賞。

 

・土屋華奈子さん

現役家事労働者。家事労働者過労死裁判に関して、「家事使用人」への労基法適用を求める厚労省への申し入れ時に、家事労働者の過酷な労働実態について報告をおこなうなど、前線で活動に取り組んでいる。

・過労死遺族Aさん

2015年、家事労働者として働いていたパートナーを過労死によって亡くす。過労死を認めさせるために労災申請をおこなったものの、「家事使用人」は労基法・労災保険法の適用除外であるとして、労災不支給の決定が下される。POSSE に相談ののち、2020年3月に国の決定を覆すために裁判を提起した。

 

・高橋優希(仮名)

15歳の時、父親の過労死を経験する。自分自身も職場でのパワハラや賃金不払いを経験し、悲惨な労働環境を変えたいと思い始める。22歳の時、原告として父が働いていた会社を提訴。父の過労死から10年経った2021年、高裁で会社と取締役1人の責任が認められた。現在は他の過労死遺族の支援に取り組んでいる。

高橋さんによる過去の記事はこちらから👇️

【特別公開】連載「父の過労死」第1回 過労死の責任から逃げた会社

【特別公開】連載「父の過労死」第2回 社会を変えていく人たち

 

・田所真理子ジェイ

NPO法人POSSE外国人労働サポートセンター学生スタッフ。マルチリンガルを活かし、国家戦略特区で働くフィリピン人家事労働者の大量雇い止め事件をはじめ、食品工場や介護などエッセンシャルな領域で働く外国人労働者の権利行使を支えている。昨年は、台湾の移民労働運動30周年シンポジウムに参加し、アジア各国の活動家とも交流。国際的な移民労働問題の解決を目指し、国境を越えた運動を広げていくために日々活動している。文化放送「大竹まことゴールデンラジオ」、JAM THE WORLD-UP CLOSE、フランス「リベラシオン」新聞、朝日新聞 GLOBEプラスなど、各種メディアにて外国人労働実態について発信している。

 

・佐藤学

2008年のリーマンショック時に起きた「派遣村」を契機に、NPO法人POSSEに学生ボランティアとしてかかわり始める。過労死やブラック企業問題に取り組み、2014年からは総合サポートユニオンの執行委員としても、エステ、私学などの業種別ユニオンの結成や労災事件に注力。2020年からは、セクシャルマイノリティの労働問題に取り組み始め、履歴書の性別欄廃止運動や職場のアウティング事件など差別をなくす実践を進める。家事労働者過労死裁判においては中心的に支援活動をおこなってきた。

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