Entrance for Studies in Finance

Case Study on Komatsu コマツ

コマツ:日本でも有数の国際化した企業(売上高の8割が海外 とくに新興国の比率が高い点に特徴)代表的G20企業 G7だけでなく 中國韓国 ロシア ブラジルなどを相手にする企業 日本の建設機械トップ 2位に日立建機 建機世界トップは米キャタピラ。

世界的な資源安は建機メーカの業績を悪化させている。とりわけ新興国での鉱山機械が需要減。その中でコマツは国内工場(省エネ徹底 電力消費抑える 生産性改善)機械に監視端末をつけてコスト削減、在庫の一元管理に取り組んできた。もともと建機の稼働状況を監視するコムトラックス

2015-16 新興国の鉱山機械需要の低迷続く 

2015-16 減収減益続く 背景:資源価格の下落 建設機械稼働率低下(需要低迷は中国だけでなく それを受けたインドネシア 豪州にも) 補修在庫を抱えざるを得ない特性から 需要減退から巨額の在庫が表面化(コムトラックスのシステムはあったが需要急減の影響は免れなかった) こうした中2016年6月 米ジョイグローバル28.91億ドル(約3000億円)で買収決定(2015-2016補筆) 

鉱山にたいしても無人化技術の提供 無人運転など(2008鉱山向け超大型ダンプの無人運航システムの実用化 2013-14 整地掘削などの自動建機導入 2015 GPSに頼らない走行含めた無人化の実用化目指す)

採掘から物流までの最適化を提案することで運営コストの削減を提案する(ソリューションサービス 分析サービスを鉱山側に提供 あるいは建設現場:スマートコンストラクション 2015年2月サービス提供開始)とのこと。

中国減速後は 中国外(とくに先進国向け)へのシフトを急いでいる(これまでアジアの比率が高かったことが強みだったが)。もともとは日米欧など伝統市場以外の戦略市場を意識的に開拓してきたのでこれは一つの方向転換。
新興国における鉄道・高速道路などインフラ整備 鉱山開発の波に乗って急速に成長 利益を伸ばしてきた。しかし中国での需要回復(とくに鉱山機械)が遅れる中(インフラ投資や大型プロジェクト絡みは活発ともされる)(オーストラリアでは鉱山機械販売が14年後半回復の兆し)、先進国向けの需要の伸びと円安が業績の回復を助けている(201410下旬)。

運転資金の圧縮などで純現金収支(FCC)を高くして財務体質の改善を目指している。有利子負債から手元資金を差し引いた純有利子負債が、自己資本の何倍かを示すネットDEレシオを2016年3月期に0.3倍以下にする目標を掲げている。2014年6月末では0.36倍。そこで有利子負債6105億円を1000億円削減して目標を1年前倒しで達成が名に入ってきた(2014年)。背景には今期のFCCが1000億円程度の黒字となる見込みがある。財務体質の強化は、将来の投資余力を高めるためとのこと。

2008-2009年 国内が公共事業の縮小で需要が伸びないうえに米国欧州中東などでも需要が落ち込んだ。それを中国(08年度に世界最大の油圧ショベル市場になった その中国で2009年シェアトップがコマツ コマツは2009年4-6月に建機売る上げだかで日中逆転が起きている)など新興国の拡大する需要でカバーしたことで注目された。さらに資源開発に使う大型機の需要もあった。欧米市場の落ち込みは続いているものの、新興国と資源開発需要で稼ぐ建機メーカーは2007年のサブプライム危機さらに2008年9月の金融危機のあとも落ち込みが小さく済んで注目された。

2010年には2007年水準の8割程度に需要が回復。しかし新興国需要が全体の7割と1990年代と先進国・新興国の需要比率はまさに逆転した。
 コマツや日立建機では2012年3月期 海外売上高比率は8割を超えた。中国 インドネシア向けが伸びた。 コマツについては2011年3月期に売上高が2兆円を超えるかが注目された(2008年3月期に2兆円超える。2010年3月期には1.5兆円割れ)。インドネシアなど東南アジア向け、中南米が高水準。日本北米も回復。太陽電池の生産に使われるワイヤソーの中国向け受注が高水準。
 またコマツ(野路国夫社長)は、製造原価を変動費のみで単純計算するSVM管理と呼ばれる独自のコスト分析、コスト管理がかねて注目されている。変動費のみの方が各国の比較がたてやすい。減価償却、間接費など固定費を勘案しないで利幅をみるというもの。2002年に導入。  
 考え方としては、供給先はSVMの大きいところから。SVMが小さいときは、売値が低すぎる(値引き)か、あるいは変動費にむだがあるとする。SVMが増えても営業利益がでないときは、固定費の削減必要とみなすもの(後に詳述あり)。
 コマツの生産コスト対策を具体的にみると、工場では→ラインの集約、部品共通化、多能工化により効率化 カイゼン提案を活用。また基幹部品を国内生産維持(原材料の海外調達を高める一方 基幹部品の国内組み立て 生産研究開発の国内維持を続ける 品質と国内雇用の維持を掲げる)は、技術優位確保策だが為替変動リスクをうけやすい問題を抱えている。 実際には、その基幹部品を輸出して組み立ては需要地に近い海外でローコスト化も図っている。需要動向から先進国の工場を削減、新興国の工場を増やしている。さらに人件費(→残業 出張の抑制)、水道光熱費(→夜間電力の利用)など細かな対策もみられる。またほかの企業と同様に流通在庫を含め在庫削減も進めている。
 各工場では製造手法の統一で、品質の一定化。それを前提にしたグローバル生産体制を布いている。世界2位だが、中国(新車の販売が多く利益率高い)、東南アジア、インドの販売シェアでキャタピラを抜きトップに立っている(しかしキャタピラも猛追)。キャタピラに比べ、エンジンから最終組み立てまで一貫生産という特徴も知られる
 こうした生産コスト管理をみていると、それがコマツの強みだということも理解できる。企業の成功にはこうした生産コスト管理と、どこで何をどのように売るかという戦略的な面の両面が必要だということであろう。
 なおコマツ、日立とも販売した建機にGPS(全地球測位システム)をとりつけて、稼働時間、燃費量把握している。このシステムは販売金融管理にも使える(日立は顧客の支払いが遅れるとエンジンの始動を止めている)。なお建設機械の動向は神戸製鋼所(コベルコ建機)、川崎重工業(油圧制御バルブなど油圧機器など建機の主要部品 モーター ポンプ)、住友重機械工業などの業績にも反映する。川崎の部品は中国や韓国の建機メーカーにも使われている。 

近年の経営状況

2008-2010年 先進国での需要減退に対しては在庫削減
純現金収支改善を目指したほか生産拠点の統廃合も進め固定費の圧縮に努めた。
2011年3月期の営業利益2200億円 これは前期比3.3 中国での需要拡大の追い風受ける(中国ブーム) 中国 建設機械 34割増える 沿岸部から内陸部に都市化進み インフラ整備進む  鉄道 高速道路の大規模な整備進む 9割以上は現地生産 中国建機の首位(1位コマツ 2位韓国斗山 3位日立建機 4位韓国現代 5位コベルコ) 
 北米では油圧シャベル+鉱山開発用機械
 世界的需要拡大
営業利益の源泉 海外生産販売で1300億円 輸出で800億円 国内で100億円 国内はデフレで過当競争の消耗戦
123月期(201203見通し) 売上高11%増2兆500億円 営業利益26%増2820億円 2011以降 中国が減速 依然として高い営業利益
コマツの地域別売上構成(201303:201204見通し)
アジア19% 日本16 北米14 中南米12 中国11 オセアニア10 欧州その他12
2010-2013 中国景気の悪化で建設機械の販売が次第に悪化 中国景気の悪化を受けたそれだけ中国に食い込んでいた 2011春頃からは前年比マイナスに2012に入り一段と悪化 前年比半減 建機メーカー(コマツ 日立建機 コベルコ建機)のダウン
建機部品メーカー(油圧機器の川重、東芝機、KYB、不二越 運転席のプレス工 エンジンのいすず 三菱重工など)に影響が波及
KYB 油圧ショベルアーム部分のシリンダーで世界シェア4割
 建機部品メーカーは日本メーカーだけでなく中国の三一重工などにも納品 中国メーカーの減速の影響も受ける なお コマツは内製率高いとのこと
20133月期見通し(201301 連結営業利益前期10%減の2300億円 売上は3%減1兆9200億円
2012年 中国の減速続く(コマツの中国工場は稼働率3割に低下201204) 加えて インドネシアで鉱山機械需要減少 しかしコマツは建機の環境悪化にも関わらず 売り上げを微減でとどめ なお高い営業利益を上げた
確かに 営業利益は減少 売上も微減 しかし環境を考えれば この結果は見事かもしれない。コマツは販売価格引き上げで収益改善目指した 逆風にひるまず毎年値上げを実施した。その結果 高い利益率を維持 201204-06 売上高営業利益率12%(201303予想は13% 中期目標は20%) シャープが4500億円の最終赤字見通し(201211)に対し コマツの収益は安定

2013年 機種数を減らすことで開発費削減(環境規制対応上も必要)
2015年度までに主力栗津工場での製品数を2割削減 100機種程度にするとのこと(201301)
また老朽化した国内工場刷新で経営効率改善 固定費を下げる
 背景 建屋や設備の老朽化
2013-2015効率化投資に300-500億充てる 建屋新設 分散ラインの集約 部品外注化 物流改善 使用電力量削減 など 固定費ふやさず 販売管理費圧縮 生産固定費削減 その分を研究開発費へ 国内4工場の生産コスト3-4割減らす 稼働率低下による採算悪化に対応 生産効率改善へ エンジンなど基幹部品を国内で集約生産(全量生産) 国内生産の利益率維持目指す 主要部品は国内で生産(技術優位を保つ 副作用としての円高 とくに栃木の小山工場 エンジンや油圧機器を生産 小山工場の能力を
繰り返し拡大している マザー工場国内論

得意な手法:借金に頼らず経営効率高める財務の安定
 負債に頼らずROEを高める 1420%へ
2011年3月期 見込み
 総資産回転率0.9回→1.0 
 売上高純利益率6.8%→8.7
負債依存度は2.3倍のまま

コマツに次ぐ日立建機はコマツの4割ほどの規模。コマツと同様に売上高は伸び悩んでいるが、円安で採算が改善している。日立建機がコマツ同様に有利子負債の圧縮を優先させている(2013年度にはオーストラリアでの鉱山機械新工場建設を先送り 鉱山機械は同社売上の3割)。2014年3月末で3600億円の有利子負債を2017年3月末までに2000億円台に圧縮するとこと。ネットDEレシオが2014年3月末で0.8倍であるのを0.4倍以下にする。SCMの改革で現金を創出するとするが、具体的には生産リードタイムの短縮、原価低減活動のグローバル化。同社のFCFは2014年3月で556億円。2015年3月も同水準を目指すとのこと。

 販売金融の重要性 なお需要落ち込みを経験する中で、購入に代えてリスクの低いレンタルに切り替える動きが北米では強まった(およそ半分以上にまで比率上昇)。こうしたレンタル需要の掘り起こしや対応も重要になっている(コマツ-住商 レンタル期間中 品質を管理することで中古価格の維持を目指す)。他方で資源開発絡みの大型機械については、リースにより期間貸し、割賦販売など顧客ニーズに細かく対応する必要もあるようだ(日立建機―丸紅)。こうした販売金融重要性は割賦販売比率が高い中国でもみられる。個人事業主相手のため与信管理が重要とされる。 

建機の巨人キャタピラ-との比較 規模には差があるものの売上高営業利益率ではむしろ上回る 高い利益率が売り 13%強(201303見通し:201208)建機最大手のキャタピラ-と互角の売上高営業利益率の高さが注目されている。
キャタピラ-13.7%(2012予想:201208市場予想) キャタピラ-は中国の影響をうけにくいことから久しぶりにコマツを上回る コマツは値上げや原価率引き下げで利益率改善を狙う 2012 建機への環境が悪化するなか コマツは営業利益の減少を最小で食い止めたように見える。金融危機の経営環境悪化に耐えた経営手法に関心が集まっている。

キャタピラ-は売上高に占める海外比率が高い、米国を代表するグローバル企業の一つ。同じような位置づけの企業には、コカコーラ、IBM,GEなどがあるが、それらのなかでも海外売上高の伸び率は断トツであった。

キャタピラー(2013年12月)とコマツ(2014年3月)を比較すると売上高規模はキャタピラ-が2倍(ただし為替レートでこの比率は変わる)。自己資本利益率で前者が19.7% 後者が12.4%。しかし自己資本比率では24.6%と51.9%。つまりコマツは財務体質の強化を選び、キャタピラ-は自社株の取得による自己資本の圧縮を選んでいる。

建設機械の世界首位はキャタピラ(本社 イリノイ州ペオリア)
米国企業としては国際化 新興国にも進出。201112 売上は前期比41%増 自己資本利益率40%。資源価格高騰の恩恵受ける 通貨ドルの下落 金利負担低下の恩恵も。しかし最高益とは裏腹に米国工場従業員の昇給は凍結。3ケ月半におよぶスト生じる201204末から3ケ月半に及ぶスト。そして2012年2月には給与半減通告を拒否したカナダ工場を閉鎖。労働者に非情なやり方が目立つ。会社幹部は高額報酬。労働者は単に固定費として賃下げを迫る手口はいかにもアメリカ企業。背景には新興国市場失速があり、米国拠点の固定費引き下げは不可避との経営判断。2012 売上10%増5兆9287億円 営業利益20%増7715億円。売上の4割が北米 中国の比重は小さい(キャタピラのこと)
2012買収した中国の鉱山機械メーカーの減損処理実施(2012-10/12期)

中国をはじめ新興国の景気不安 による(石炭など資源価格の下落 2013年7月以降トン70ドル台の採算割れ そこに新興国通貨安)資源国の鉱山機械需要の減退(先送り)など かつての成長要因が逆回転している。(なお石炭の生産コストはトン当たり80ドル程度とされる。豪州炭の価格でみるとpeak2011年前半で120ドル超えていたが20148月には70ドルを割るまで低下している。 ← シェールガス革命)
鉱山機械は利益率高い稼ぎ頭 だがそこが売れなくなった。石炭価格の下落とインドネシア通貨ルピアの下落のため、期待していたインドネシアの鉱山機械需要伸びず(2014年4月)。正確な需要予測はコマツのお家芸のはずが予測しきれず。

コマツの遠隔監視システム コムトラックスで世界30万台以上をGPSで場所や稼働時間を把握・・・これが精度の高い需要予測のもととされていた。

従来の分析方法 採掘量 資源価格 機械の稼働時間の3つを点検するもの。為替動向や顧客がどの山を掘るかの選択が重要になる 顧客の採算ライン 廃車の計画・判断基準など情報を集める努力の欠如が需要予測を誤らせたという反省。

補給部品の販売は順調。過去の販売台数が生きる。

遠隔管理システム建設機械に情報端末付けて稼働状況(稼働時間 燃費など)を日々把握 このシステムは 機械之場所稼働状況がわかる(全地球測位システムGPS搭載
 オーナー側では経営管理に利用できる(リアルタイムで監視) 運転手の不正もわかる
 機動的な補修 顧客の与信管理にも利用できる
 コムトラックスは2001に搭載開始 営業からの日次の報告と合わせて需要予測にも利用 遠隔管理システムの標準搭載 2001から 2013年3月末で約70ケ国で30万台以上に搭載 →2013 本体だけでなく 部品の状態履歴を把握できる 新システム:コムトラックスパーツ導入へ 

建機本体が売れずともコマツは交換用部品でも稼いでいる 営業利益の3割程度
とくに稼働時間の長い鉱山機械 部品単価も高く 稼働期間中に本体と
同程度あるいは2倍の売上見込めるとのこと
建設機械摩耗激しく頻繁な保守点検が必要

鉱山用では消耗部品の供給事業を2009年ごろより強化 保守サービスで[利益を稼げる体制目指す 北米 ロシアが伸びる 金融引き締めの影響で中国では減収(2011年7月)

なお日立建機では建機にGPSを取り付け与信管理に利用していたが、日立製作所と共同して鉱山開発をクラウドで一元管理。鉱山機械の稼働や運行が効率的になるように遠隔操作して、時間あたり生産量を増やすシステムを開発中で2014年度中の実現を目指している(2014年1月)。日立建機は油圧ショベルに強いとされる。 

なおコマツについても、インドネシアの鉱山でGPSを用いて無人ダンプで運用するシステムを開発納入するとの報道があった(報道は2012年4月 納入予定は2015年)。運転手不足もあり、露天掘り鉱山の無人操業は広がっているようだ。

つぎのテーマは自動建機
→2013年6月 自動運転できるブルドーザーを北米で販売開始
 2013年内 自動運転できる油圧ショベル 欧州で販売開始
人手不足 高齢化など先進国事情に対応 次世代品としての自動建機
 測量機器のトプコンと共同開発 地面の凹凸を把握しながら土を削り整地できる
  → 放射線の除染現場で活躍
 事前の測量や運転要員は不要に
すでに2008に無人走行ダンプトラックを実用化
 2013年3月期研究開発費は前期比7%増の585億円(200)
 無人運転可能な次世代建機 低燃費技術 開発進める

シェールガス革命による石炭価格の下落+マネーの変調(20135月バーナンキによる金融緩和QE3縮小発言で新興国からマネー流出 新興国通貨切り下げ
石炭価格の下落とルピアの急落で狂う。ルピアは2013年夏から秋で対ドル2割下落 ドル建ての鉱山機械需要は減少へ。
日本での建機販売は伸びる。中国北米中南米など新興国で苦戦。

中国での販売が落ちる中(2012年から2013年)厳格な在庫管理でキャタピラより高い利益率保つ。コマツは2008年の金融危機の経験から在庫管理を徹底。当時代理店在庫ゼロ活動を展開。在庫が値下がりを生む悪循環を抑えた。反面 在庫に余裕があるとシェアは伸ばしやすい。シェアよりも利益率を優先する姿勢

コマツの考え方 売るものは世界単一モデル。新興国モデルは作らない。設計部品など世界共通。どの工場も世界対応とすることで個々の市場のブレを吸収する。クロスソーシング(相互供給)(北米の需要減→北米工場操業率ダウン タイ工場で増産:ユーロ安→英国工場から米国へ輸出)

判断の基準としてSVM(標準変動利ざや)管理制度がある。
SVM=売上高-(原材料+加工費+運送費+販売費など変動費)
SVMが大きい工場を活用
SVMが小さい 売値が低くなっているか 変動費にむだがある
SVMが伸びても営業利益がでない 固定費に削減余地
コスト高の原因が見えやすくなり対策がたてやすい

独自の採算管理手法 SVM(標準変動利ざや) 製造原価を変動費のみで単純算出 裁量性の高い間接費を原価に含めないことで
 課題を発見しやすいとのこと

コマツと中小企業との関係 理由のない値下げ要請はしない 注文のキャンセルは禁止をコマツは自らに課している
1990年代までは値下げ要請をしていた 2002年3月の最終赤字の経験 社員削減 持続成長のために社員取引先の力の結集を考えるように変化
互いに知恵をだして収穫を増やす。優先発注の代わりに優先供給求める
期間従業員の正社員化 全寮制の企業内学校

コマツの強みは 保守サービス デイーラーとの信頼関係
保守接客などアフターサービスで顧客との関係強化
顧客とともに改善する姿勢が好感につながっている

価格競争に巻き込まれない背景:盟主キャタピラの存在が大きい。米国流の経営はシェア第一ではない 利益を確保することを重視・・・topがシェアを追わないことで価格競争がおこりにくく市場が安定する そこでは選択と集中がうまく働く。
事例:GEが強い発電設備。IBMが主導するITサービス。米国メーカーが不在となったテレビ市場では価格競争が起きた。同様にDRAM市場でも価格競争が起きている。

シェールガス革命で石炭価格下落 インドネシアでの鉱山機械需要減速 期待は中国
201204-09 中国での建設機械売上がほぼ半減 これにインドネシアでの不振重なる
オーストラリア鉄鉱石向け 中南米銅向けは伸びる
201211の中国での販売は前年同月比4割減 中国景気の改善で復活期待
中国の建機需要は2010年をピークに急減した

なおコマツは1980年代 米2位メーカーと提携ドイツイタリア等で買収
ハイブリッド低燃費ショベル(価格は5割高)の販売を広げてきた

中国については現地会社トップを中国人に変える方針打ち出す(16社ある 2010年6月現在は 一人だけ 2012年までに実施 人材の現地化 国際化を進めている)

南米インドネシアで鉱山採掘用大型機械(油圧ショベル ブルドーザーなど)の需要 201304 16年3月期までの中期経営計画発表(売上営業利益率目標20%)

コマツの競合相手は 国内では日立建機 神戸製鋼所(コベルコ)など
日立建機売上構成(201303 日本以外74% アジア太平洋31% 米州15% 中国9% 欧州8% その他11%利益率高い鉱山機械で出遅れ・・・いろいろな側面でコマツより苦しい
日立建機2014年3月期営業利益830億円前後の見通し(201304)
売上高は8300億円前後の見通し(同上)
為替変動による押し上げ効果は200億円前後

中国の大手 三一重工業(サニー) 海外展開加速するも 中国が8-9割
三一集団(湖南省) しかし有力な競争相手
2011中国での油圧ショベル販売で首位に
(いすゞから車両の供給 川崎重工業から油圧機器 エンジンの供給受ける)
部品の多くを日本メーカーに依存
福島原発事故で放水作業用にコンクリートポンプ車を寄贈したことで有名になる
ポンプ車の高いところに送り込む技術では有数 すでに油圧ショベルで世界最大手
機械単体のコストが低い 日本大手に比べ2-3割ほど安い 頭金をなくすなど販売攻勢
→ 情報通信技術や低燃費技術では なお先進国勢と差がある

韓国の斗山インフラコアはさらに安値とも。フォークリフトではコマツは国内3位。

クボタは農業機械では世界最大手 農業機械需要は堅調で第二のコマツとして注目されている(中国メーカーとして第一トラクターなど)
農機メーカーとしてはあと伊関農機などがある。

This blog has written by Hiroshi FUKUMITSU. You may not copy, reproduce or post without obtaining the prior consent of the author. Original version appeared in June 5, 2009. It was corrected in July 26, 2016. 

KOMATSU REPORT 2016

KOMATSU Report 2015
コマツの2つの誤算東洋経済2015/05/13
KOMATSU 財務データ 過去5年
KOMTRAXの軌跡2013/03/11
2011年度Porter賞受賞2011/12

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