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yokomizoの覚え書き

切手とSFと本が好きなおっさんのひとりごと。

「忠臣蔵」と日本人

2005-12-19 | é›‘記(旧)
 郵便学者・内藤陽介氏のブログに、大石内蔵助がテロリストだという記事が載っていました。なかなか鋭い洞察力で、しっかりしたご意見だと思って拝見しておりました。現代において、内藤さんのご意見は正論として納得するのですが、私にはどうしても腑に落ちない部分がありました。それは、なぜ今もって「忠臣蔵」が美談として語り継がれているかということです。
 内藤さんがおっしゃるように「忠臣蔵」は事実がねじ曲げられており、ある意味、実在人物の登場するフィクションです。毎年のように放送される大河ドラマや映画をみても、浅野は将来有望な好青年として、吉良は江戸城に巣喰う悪徳家老のように描かれていて、中には度が過ぎて笑ってしまうようなものもあります。当然、赤穂浪士は「正義」のヒーローとして描かれるわけです。しかし、赤穂浪士は全員が処罰されており、そのことからも法に背く憎むべき犯罪者であることに違いはありません。また、それは現代の日本の法律に照らし合わせても、赤穂浪士の「正義」など机上の空論でしかないと思います。
 私は「忠臣蔵」が未だ日本人に親しまれているのは、「主君に仕える」という武士道の根本的な部分と、「仇討ち」を理由はともあれ美談とする、当時の江戸庶民の精神感情に由来すると思っています。そして、それは変えようのない史実だと思うのです。日本人で大石内蔵助が嫌いだという人は少ないと思いますが、理由はこの辺にあるのではないでしょうか。
 
 実はそんな話を昨夜、嫁として大いに盛り上がりました。嫁は内藤さんのことを日本人のDNAが少ない人と言っていましたが、内藤さんが吉良一族の人だと知ると、内藤さんも日本人なんだねって言ってました。

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