最近更新が滞っててごめんね.
今回はMαについて書いてみるよ.
俺みたいな文系からの分野変更者は特に気になる制度だよね.
JAISTに進学することを考え始めた当初から実際に入学してしばらくするまで,
俺はMαを申請して3年計画での修了を想定していたよ.
でも,結局俺はMαの申請をしなかったんだ.
理由も含めて,以下でMαについて少し述べるよ.
Mαの趣旨とJAISTの学事日程の実体は乖離していると思うんだ.
説明会での言及やJAISTのWebページに記載Mαの趣旨は以下のように書かれている.
分野変更者等で,基礎からじっくり学ぶことを希望する学生を対象に,最長3年間の計画的な履修を可能とする教育プログラム
αは標準のMの後ろにつくから,基礎からじっくり学ぶってのはαの機能ではないんだよね.
残念ながら,交換法則が働く世界じゃないので,Mとαの順番に意味があって,
実体としてのαは学費を払わずに最大1年在籍期間が延ばせるという意味しかない.
確かに,2年分の学費で最長3年間在籍できる制度だよ.
以前にも触れた気がするけど,
研究室の本配属希望は入学後2カ月で申請しなきゃならない.
「基礎からじっくり学びたい」のは大切だけど,
入学して2カ月の段階で自分が何で修論書くかのイメージは最低限描けていないと
研究室ライフは絶望的だと思うんだよね.
実運用としては,1-2期までの単位取得状況が厳しい人が逃げの一手として打つのが関の山な気がするんだ.
5月,本配属申請前の期間に行われるインタヴューで色々な教員に
「Mαについてどう思いますか?」
と訊いてみたんだけど,話していても,
「単位が危なくないなら申請する理由がない」
という認識の人が多かったね.
でも,参考までに非常に肯定的にMαをとらえていた教員も挙げておかなきゃいけないね.
M3,M4上等の某研究室の某教員は
「長い期間かけて研究したい!?いいと思うよ!」
って感じだったよ.
俺は,なんだかんだ言って
「期間を決めて問題解決に取り組み,結果を残す」のが修士研究の主題だと考えてて,
「自分が持たない能力を認識して獲得するのも問題解決のうち」だと思うから,
わざわざMαを申請して就学期間を引き延ばすに値するだけの理由を見いだせなかったんだ.
以上が,俺のMαを申請しなかった理由だよ.
叩くだけじゃなくて,代替案みたいなものも考えてみるよ.
俺が思うに,
Mαが謳う趣旨の「基礎からしっかり学びたい学生のための」ってのを重視するなら,
αMの順にして,αは「予備課程」的な位置づけで持ってくるべきだと思うんだよね.
つまり,
博士前期課程の入学前に,現状の「導入科目」でやってること:
UNIXの使い方;
TeXの使い方;
フーリエ変換程度までの基礎数学;
アルゴリズムとデータ構造;
基礎的なプログラミング演習;
グラフとオートマトン理論;
といった話題をやって,
最低限基幹科目の話についてこれる水準に持ち上げてやるようにするといいと思うんだ.
JAISTは国立の大学院大学なので制度的に難しい気もするけど,
研究生制度とか10月入学とかあるわけなんだしやろうと思えばできそうな気がするよね.
今回はこんなところ.