中村元著 「龍樹」を読んでいます - その1 日本仏教の祖 ?
「天平の甍」にこんなことが書いてありました。
大乗仏教の理論の大きな柱であったもののひとつ「瑜伽唯識論」。
p13
「栄叡は美濃の人、氏族詳かならず、興福寺に住す。
機そう神叡にして論望当たりがたし、瑜伽唯識(ゆがゆいしき)を業となす。」
(瑜伽唯識:
瑜伽論=<心をととのえ主観と客観を一体にするとするもの>、
唯識論=<万法は心の所現なりとするもの>)
瑜伽論はヨーガ行者と関連があるようです。
こちらのサイトでは、このように書いてあります。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%91%9C%E4%BC%BD%E8%A1%8C%E5%94%AF%E8%AD%98%E5%AD%A6%E6%B4%BE
瑜伽行派は、インド大乗仏教史上、空を説く中観派とともに二大思潮を形成したが、
6-7世紀頃から中観派との間によく論争が行われるようになり、
一方、教学上の統合の動きもあった。後代にはインド一般には
「唯識派」と呼ばれた。
さて、ここにありますように、大乗仏教の二大思潮のひとつで
あったわけですが、では一方の「中観派」はどうなんでしょう。
こちらで「中観派」の解説をよみますと、
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E8%A6%B3%E6%B4%BE
「龍樹(りゅうじゅ、(sanskrit) naagaarjuna、150年 - 250年頃)の
『中論』の著作によって創始された。」
さて、この龍樹さんなんですけど、
「空」の理論体系を作った人ってことでも興味がありますし、
小乗仏教から大乗仏教、そしてこれが中国から日本へ渡って法然さんの
浄土宗や親鸞さんの浄土真宗にもつながって、浄土真宗では
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%BE%8D%E6%A8%B9
「日本では、八宗の祖師と称される。また真言宗では、真言八祖の
1人であり、浄土真宗の七高僧の第一祖とされ」
ているそうですので、この龍樹さんのことを調べてみたいと思うんです。
・・・それで、今から読み始めるのは この本です。
講談社学術文庫 「龍樹」 中村元著
459ページまであって結構分厚いので かなり時間がかかりそうです。
勿論中身も超難解らしいので・・・意味不明が続出しそうですけど。
目次をみると「中論」そのものの他にもいろいろと面白そうなことが
書いてあるので、楽しめそうです。
I. ナーガールジュナ(龍樹)の生涯
II. ナーガールジュナの思想
1.大乗仏教の思想
2.空観はニヒリズムか
3.論争の相手
4.空の論理
5.論争の意義
6.縁起
7.空の考察
8.否定の論理の実践
III. ナーガールジュナの著作
IV. ナーガールジュナ以後
長くなりそうなので、いくつかに大きく分割して 読み進めようと
思っています。
==その2に続く==
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