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宮内悠介の新しい短篇集。八篇を収録する。 表題作「暗号の子」は、ひとつのコミュニティの勃興から没落... 宮内悠介の新しい短篇集。八篇を収録する。 表題作「暗号の子」は、ひとつのコミュニティの勃興から没落までを綴る。もともとはオンラインのASD(自閉スペクトラム症)の自助グループだった。ブロックチェーン技術を用いた分散型自律組織で、管理者も責任主体もなく、高度な匿名性が担保されている。メンバーのなかから、この空間でさまざまな社会制度のシミュレーションが提案され、機能拡張がはじまった。発行上限の決められたトークンを有志が買い(コミュニティに参加するだけならば購入せずとも良い)、それを通じて集団の意志を決定する仕組みだ。トークンの多寡に応じて影響力が決まる。このコミュニティはクリプトクリドゥスと名づけられた。 クリプトクリドゥスの基調は、政府や制度の束縛、人間関係のしがらみを嫌う完全自由主義だが、コミュニティそのものに犯罪性はない。しかし、参加者のひとりがコミュニティの外(現実の日常)で殺人を犯し
2024/12/18 リンク