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桜庭一樹が読む 「おれはもうほとんど、おれの天国を手に入れた」 イングランド北部の村を舞台に、二家... 桜庭一樹が読む 「おれはもうほとんど、おれの天国を手に入れた」 イングランド北部の村を舞台に、二家族の三世代にわたる奇々怪々な愛憎ドラマを描ききった本書は、知らぬ者のいない、伝説中の伝説の古典だ。 著者は一八一八年ヨークシャー生まれ。牧師一家の六人兄妹の五番目で、姉シャーロットも『ジェイン・エア』の作者として有名だ。病弱な一家で、二人の姉は子供の頃、母も若くして、亡くなった。エミリー自身もデビュー作たる本書が刊行された翌年、三十歳で病死。前後して兄と妹も急逝し、姉シャーロットだけが遺(のこ)された。 物語は重層的に展開する。嵐が丘にはまずアーンショー一家が住んでいたが、ある日アーンショー氏が、ぼろをまとう“ジプシーみたいな”孤児ヒースクリフを連れ帰ったことから、波乱の幕開けとなる。ヒースクリフは家の者たちに差別され虐(いじ)め抜かれ、氏の娘であるお転婆(てんば)な少女キャサリンと愛しあうも
2019/12/31 リンク