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(中公新書・924円) ◇「機械論」から「現代の霊魂論」への科学思想 「恐らく、多くの読者は<動物機... (中公新書・924円) ◇「機械論」から「現代の霊魂論」への科学思想 「恐らく、多くの読者は<動物機械論>についてならどこかで聞いたことがあっても、本書の主題<動物霊魂論>などは、ほとんど知らなかっただろう」とある。その通り。私の場合、ほとんどどころかまったく知らずにきた。不勉強を恥じながらも、科学を学ぶ時に教えられるのは十七世紀のデカルトの機械論であり、霊魂については聞いたことがないと教育のせいにしている。 科学思想史の先生である著者も「昆虫はほとんど機械のようなもの、神様が創ったロボットのようなものなのだから『蝉(せみ)が死んだ』ではなく、『蝉が壊れた』と述べてもいいのだ」と学生に話していたという。しかし最近「蝉は実は<土の精>ではなかろうか。普段、人々に踏みしだかれているだけの土が、夏のごく短い間だけほんの一瞬、羽と声をもらい、楽しげに飛び回って、やがては元の土に戻っていく」と考えた
2012/11/11 リンク