ユビキタス、Androidを1秒台起動する「QuickBoot」

　ユビキタスは、組み込み向けのLinux OS「Android」の高速起動を実現した「Ubiquitous QuickBoot Release1.0」を発売開始した。

ハイバネーション方式とクイックブートの動作原理の違い

　Androidの起動時間としては世界最速の1秒台を実現したという製品で、今回、開発者向けのQuickBoot SDK(ソフトウェア開発キット)を提供開始した。ハイバーネーション方式とは異なる独自の新技術により、システムの起動に必要なメモリ領域を優先的に不揮発性ストレージからRAMに復元することで、アプリケーション側で使用しているメモリ量に依存せず、数秒での瞬間起動が可能となるという。

　SDKには、システム状態を不揮発性ストレージに保存/復元する「QuickBootスナップショットスクリプト」、「QuickBootスナップショットドライバ」「QuickBoot BIOS」のほか、メモリブロックの優先復元を制御する「QuickBoot IRA」、「Kernel Patch」「ブートローダーサンプル」などが含まれる。開発者はSDKを用いることで、組込みシステムの起動時間を短縮することが可能という。

　SDKはARMのARMコアシリーズに対応したCPUが対象で、ARM9/11やCoretex-A8などのCPUを採用している機器での開発が可能になる。他のCPUについては、順次対応予定としている。

　SDKは、テレビやSTB、Blu-rayレコーダなどのデジタルAV機器や、カーナビなどの車載機器、スマートフォン、タブレット端末、デジタルカメラなどのデジタル機器向けに展開する。