【調査会NEWS1781】(27.2.8)
恥ずかしながら最近気付いたのですが、昭和52年(1977)11月10日付朝日新聞社会面トップの記事は「三鷹市役所の警備員 工作船で北朝鮮へ」というものでした。言うまでもなく久米裕さん拉致について書かれたものです。この記事自体は拉致との認識ではありませんが、拉致事件について書かれた記事としてはわかっている限り初めてのものです。非常に奥の深い中身で、おそらく活字になっていない相当な取材がされているものと感じられます。
事件当時、確かに久米さんについて警察では拉致というよりは自分で行ったという認識の方が強かったのでしょう。状況から考えるとそれも仕方ないかも知れません。ただ、この記事が出た5日後に起きた横田めぐみさん拉致事件のとき、新潟県警は大規模な捜索を行っていました。朝日の記事は当然読んでいたでしょう。北朝鮮による拉致という認識はなかったのでしょうか。10月には松本京子さん拉致事件もありました。このとき警察庁、あるいはそのさらに上がどう動いていたのかは検証されるべきだと思います。
また、久米さんの拉致についてもこの記事を読んであらためて見直しが必要と思いました。例えばここでAとされている李秋吉は「工作補助員」となっていますが、一方で「国内で北朝鮮工作員によって懐柔された」と書かれているということは、久米さんを「懐柔」した人間は別にいるということです。ずっとやってきたつもりでもまだまだ抜けているところがあると、あらためて反省しています。
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朝日新聞昭和52年11月10日付社会面トップ記事
三鷹市役所の警備員 工作船で北朝鮮へ
懐柔? 日本人では初 能登半島から密出国
東京都三鷹市役所の警備員(民間会社)が九月中旬、突然姿を消したため、警視庁公安部などで調べたところ、この警備員はすでに、石川県・能登半島から、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の工作船で密出国していた事実が九日明らかになった。この警備員は、国内で北朝鮮工作員によって懐柔されたらしく、送り出しに関係した工作補助員一人が、これまでに石川県警に逮捕されている。在日韓国人が工作されて北朝鮮に渡ったケースはこれまでにもあるが、日本人が懐柔されてわたった事実が明らかになったのは初めてで、公安当局は、強い衝撃を受けている。
工作補助員一人を逮捕
この警備員は保谷市内に住む久米豊さん(51)、公安当局や三鷹市役所などの調べでは久米さんはさる九月、「別れた女と復縁する」との理由で、十七日から二十二日まで六日間の有給休暇をとり、姿を消した。
久米さんの密出国がわかったのは、朝鮮慶尚北道慶山郡出身で、東京都田無市内に住む建設会社社長A(38)の逮捕から。公安当局の調べでは、Aは九月十九日、石川県鳳至郡能都町宇出津の海岸や同海岸近くの旅館で、不審な動きをみせた。能都署がAを任意同行して、外国人登録証の提示を求めたところ、拒んだため、外国人登録法違反(不提示)の現行犯で逮捕した。
同署が能登半島にきた目的についてAを追及したところ「相棒は海岸で旧に姿が見えなくなった」などと自供した。Aのいう「相棒」についてさらに事情を聴いたところこの「相棒」とは警備員の久米さんで、Aは久米さんを宇出津海岸の起きから北朝鮮の工作船に乗せたことを自供した。このためAは出入国管理令違反(密出国ほう助)の疑いで再逮捕された。また、同県警がAの自宅を同容疑で家宅捜索した結果、乱数表など工作員に必要なスパイの「七つ道具」が出てきたという。
公安当局は、久米さんがAとどういうふうに関係をもったのかはっきりつかんでいないが、Aが金貸しをしていたとの事実をつきとめており、金に困った久米さんが借りているうち、借金がふくれあがり、Aにとりこまれた、との疑いを強くしている。
警視庁や石川県警など公安等当局は、なぜ日本人を北朝鮮に送り出す必要があったのか、などについても、詳しく調べているが、久米さん自身を工作員として使おうとしたのか、あるいは久米さんの密出国がわからなければ、北朝鮮の工作員が久米さんになりすまし、わが国での情報工作や韓国への密入国も可能となるわけで、こうしたねらいから久米さんをあえて工作したのではないか、と推測している。また、Aの周辺には日本人を工作して北朝鮮へ送り出す非公然組織が存在しているとみて捜査を続けている。
三鷹市役所警備室の話では久米さんは三鷹職安の紹介で応募し、さる二月採用された。九月中旬姿を消すまで四日間有給休暇をとっただけで、半年間以上無遅刻、無欠席だったという。「保谷市から自転車で通ってくる反面、いつも約十三万円の月給では考えられないような身なりだったことが、いまにして思えばおかしかった」と同警備室の責任者はいう。九月十八日夜から十九日にかけて、久米さんは三鷹市役所警備室に「いま能登半島の温泉にいる。遊びにこいよ」などと電話をかけてよこしたが、それほど深刻そうではなかったという。久米さんは会社の内規で、九月末に解雇されている。
久米さんが勤めていた警備会社の話では、久米さんは入社のさい「父親は警察署長で、私はかつて静岡・伊東市役所にいたことがある」と話したという。しかし同社ではこうした話がほんとうかどうかは実際にチェックしていないという。これまで少なくとも二度結婚し、二度別れたといわれており、保谷市で一人暮らししていた。夏の暑いときでも長そでシャツ以外は着なかったといい、それは体の彫り物を気にしたためらしいとも言われていた。
Aはすでに釈放されて田無市にもどっているが、九日昼夜二回にわたり自宅を訪ねたところ、夜は奥さんと思われる女性が出てきて、何も聞かないうちに「いつ帰るかわかりません」といってドアを閉め、錠をかけていっさい取り合わない態度だった。
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▲現在「しおかぜ」放送時間と周波数は以下の通りです
夜 22:30〜23:30 5910kHz、5985kHz、6135kHz のいずれか
深夜 1:00〜2:00 5910kHz、5955kHz、6110kHz のいずれか
■調査会役員の参加する講演会(一般公開の拉致問題に関係するイベント)・メディア出演・寄稿・特定失踪者問題に関する報道(突発事案などで、変更される可能性もあります)等
★「正論」2月号
●代表荒木がシンポジウムのパネラーとして「自衛隊特殊部隊の元リーダーが語る拉致の解決策」の中で発言。
★「WiLL」2月号
●代表荒木が「北朝鮮に誠意は通じない」と題して寄稿
★チャンネル桜・防人の道「対北朝鮮ラジオ放送シンポジウム報告・特番「しおかぜコンサート」の意義」
●専務理事村尾が出演
●放送済み。下記のYouTubeでご覧になれます。
http://youtu.be/aylYH105Q2k
★2月26日(木)14:00 シンポジウム『拉致被害者救出と自衛隊(3)』邦人救出のシミュレーション-憲法改正と絡めた二つのシナリオを考える(予備役ブルーリボンの会主催)
●衆議院第1議員会館(国会議事堂前駅徒歩3分)
●代表荒木が参加
●問合せ:[email protected](事前申込制)
★3月15日(木)13:00 大澤孝司さんと再会を果たす会総会(同会主催)
●巻公民館(JR越後線巻駅8分 0256-72-3329)
●代表荒木が参加
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