水中スクーター
※以下は調査会NEWS 732号に書いたものです(写真は別)。
北朝鮮の工作員が上陸浸透に使うための水中スクーターは現在3台が発見されています。(1)福井県美浜町の海岸で平成2年10月に発見されたもの、(2)富山県黒部川河口で平成13年3月に発見されたもの、そして(3)同じ平成13年の12月に奄美沖でのいわゆる「九州南西海域における工作船事件」で沈没した工作船に搭載されていたものです。
ここではご参考まで、(1)と(2)についての資料を掲載します。見ていただければ分かるようにほとんど同型のものです。詳しい資料がありませんが(3)も同様です。
ちなみに、(1)は福井県警、(2)は富山県警が保管しており、(3)は引き上げられた工作船とともに、海上保安資料館横浜館に展示されています。調査会の展示で度々お見せしているのは(3)のレプリカ(1分の1模型)で、一昨年の北朝鮮人権週間イベントで借りようとしたところ、海上保安庁の許可が下りなかったため、調査会の曽田理事が一人で材料を調達し、溶接して作ってしまったものです(モーターを積めば北朝鮮に乗り込める、かどうかは分かりません)。
たまたま見つかったのがこれだけですから、おそらく日本の海岸線周辺を掘り返せば山ほど見つかるでしょう。年末年始の休みでお時間のある方はやってみたらいかがでしょうか。なお、これを使って上陸した工作員が物見遊山をして北朝鮮に帰った訳でないことは言うまでもありません。
(1)福井県美浜海岸で発見された水中スクーター
平成2(1990)年10月に福井県美浜町の松原海岸に工作子船などが漂着した、いわゆる「美浜事件」の折、付近の松林から発見されたもの。
塗色:緑色
塗料:アルキッド系樹脂塗料
材質:アルミニウム合金製
全長:150センチ
直径:27センチ
重量:69キロ
スクリュー:アルミニウム合金製・丸形プロペラ3枚・プロペラ直径26センチ
スイッチ:1個 外国製トグルスイッチ 起動及び変速用
モーター:水冷式(海水を利用) 「直発」を意味するハングル刻印の他、「430」「27.5V 36A」の刻印。
Oリング:アクリロニトルリブダジェンゴム2本、直径27センチ
バッテリー:陽極に銀、陰極に亜鉛、電解液に水酸化カリウムを用いた「酸化銀電池」と呼ばれるアルカリ蓄電池 縦6.6センチ×横9.8センチ×高さ13センチ 8個×2列=16個 製造刻印1988 1989 1990
(2)富山県黒部川河口で発見された水中スクーター
平成13(2001)年3月29日に通報。周辺の植生状況から判断して平成10(1998)年11月下旬頃から11(1999)年4月頃までの間に埋められたとみられている。
塗色:緑色
塗料:アルキッド系樹脂塗料
材質:アルミニウム合金製
全長:160センチ
直径:27センチ
重量:78キロ
スクリュー:アルミニウム合金製・三角プロペラ3枚・プロペラ直径26センチ
スイッチ:2個 日本製トグルスイッチ 起動及び変速用
モーター:空冷式 「直発」を意味するハングル刻印の他、「430」「27.5V 36A」の刻印。赤色ハングルで「危険」と表示
Oリング:アクリロニトルリブダジェンゴム2本、直径27センチ
バッテリー:陽極に銀、陰極に亜鉛、電解液に水酸化カリウムを用いた「酸化銀電池」と呼ばれるアルカリ蓄電池 縦6.7センチ×横9.9センチ×高さ13.5センチ9個×2列=18個 製造刻印1996
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