阪急2800
これはまあ、その手の趣味の方でなければどうでも良い話ですが、鉄道マニアといっても各種あり、最近では「撮り鉄」とか「乗り鉄」などという言い方もあるようです。昔はそういう言い方はありませんでしたが、大まかに言えば実物をやる人と模型を作る人(もちろん、私も含めて両方の人間も多かったのですが)、実物の中でも私鉄、国鉄と分かれ、私鉄でも大手と中小、電化と非電化とか国鉄でも幹線とローカル線、電車とSLなど、分けていくときりがなくなります。
私の場合、基本的には私鉄が専門分野で写真を撮りながら模型も作るというところでした。これは確か昭和45(1970)年頃の写真で、場所も忘れましたが、阪急京都線の2800系特急。阪急の車は当時関西の私鉄の中でも一番品の良い車で、特に2800系は転換クロスシートを備え、内装は木目印刷の落ち着いた車内。東京から行った人間には、「こういう電車に特急料金なしで乗れるのか」ということ、感心することしきりでした。
それでも、よく見ると分かりますが窓が開いています。つまり非冷房車で、当時はどこの私鉄でもまだ冷房化率20%とか、そんな程度の時代でした。中学時代、クラブ(鉄研)の帰り、駅のホームでめったに来ない中央線の冷房車を暑い中長い間待っていたこともありました。
最近では時間もなくなり、写真を撮るといっても出張の合間に時間ができたときにちょっとという程度ですが、今はどんな中小私鉄でも電車がきれいになって、かえって面白みがなくなりました。あるいは青春時代に寝食を忘れて電車を追いかけ回した当時の思い出が一番強い印象に残っているのかもしれません。
タイムマシンに乗れるなら、あの当時に行ってまた写真を撮ってみたいのですが。
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