■音楽業界の敵か味方か、スポティファイ上陸へ - 東洋経済Online(22.3.2014)
Spotify日本上陸は6月との報道。具体的なサービスインの時期が報道されたのはおそらく初めてではないでしょうか。とはいえ、水面下ではローンチ時期を設定しては延期するのを何度も繰り返してきたのでしょうから、今回も、実際は6月とならないかもしれません。 さて、ここでは、Spotify上陸による音楽業界への影響やビジネスモデルに関する議論ではなく、ユーザーにとってのSpotifyについて考えたいと思います。 具体的には、 (1)年に1、2枚はCDを買う人 (2)過去に買ってiPodに突っ込んだものだけで十分な人 (3)youtubeや(違法な)無料アプリでまかなえるからCDは買わない人たち ……そう少なくはなさそうな、こういったコア層以外のリスナーにとって、Spotifyはどういった点で魅力的で、どういう状態になったら、彼らがSpotifyを使い始めるのか、についてです。以下、特に裏付けがあるわけではありません。あくまでも私個人の雑感です。 (1)、(2)の人たちは、既に音楽の積極的消費や新規開拓にはあまり興味がなさそうです。わざわざ不慣れなSpotifyを使わなくても、手元にあるもので十分でしょうから。もしSpotifyに手を出すことがあれば、日本のスタンダードな音楽消費が「聞き放題」になった頃でしょうか。 (3)のyoutubeで聞くタイプの人たちは、「聞きたい音楽を探して聞く」行為に慣れていますから、無料版Spotifyでも同様の行為ができ、なおかつスマホでも利用可能であれば、流行に敏感な若い子たちを中心に利用者が増えるかもしれません。広告ありでも大して問題はないでしょう。youtubeでも広告はよく流れますし、私が実際に広告ありのSpotifyを使った時も煩わしさは感じませんでした。 音楽消費の方法はさまざまありますから、これ以外のタイプについてももちろん考える必要はあると思います。ただ、私が考えつく限り、こういったライト層に「Spotifyを使いたい」と思わせるには、(これは以前から言われていることでもありますが)無料版Spotifyで一体どこまでできるかが大きなポイントになるような気がします。しかも、デバイスはPCではなくスマホで。コア層を除けば、Spotifyの「認知」から「行動」により発展しやすいのは、スマホをメーンに使う若者だと思うからです。「手持ちの音楽で十分」という大人が大して興味を示さずとも、「音楽が無料で聞けるなら聞く」若者が使い始めれば、LINEと同じでじわじわと話題になって、大人も使い始めるという流れになるかもしれません。 ただ、もし無料版のSpotifyがある程度十分なサービス内容を備え、それでもリスナーが興味を持たないようであれば、その時はあらためて、音楽そのものに対する需要低下を危惧した方がいいのではないかと思います。
■Record industry revenues return to decline, mainly because of Japan - CMU Daily(19.3.2014)
「レコード産業は再びマイナス成長に、主に日本のせいで」というタイトルを見ると、日本人としては少なからずショックを受けるものですね。とはいえ、事実なので受け入れるしかありません。 2012年はレコード業界にとって収益増に沸いた年でした。と言っても0.2%増なのですが、10年以上も減少し続けたことを考えれば明るいニュースと言えます。続く2013年も、ノルウェー、スウェーデン、ドイツ、イギリスがプラス成長となったことから、さらなる成長が期待されました。 しかし、IFPI(国際レコード産業連盟)の発表によれば、2013年は全世界で3.9%減少し、再びマイナス成長へと転じました。なぜこれほどの下落になったのか? それは、16.7%もの収益源となった世界第2位の音楽大国・日本の影響が大きかったようです。実際、日本を除いた国で計算すると、その減少はたったの0.1%。数字だけみれば、「減少」よりは「ほぼ前年と同じ」と悪くはない結果に見えるだけに、この差は大きいですね。 では、日本のレコード産業復活のために打つべき手とは何か。残念ながら、私も有効なアイディアを持っているわけではありません。ただ、少なくとも、インパクト大の何かでV字を狙うよりは、地道な草の根運動の方が効果があるような気がします。おそらくそこをずっと怠ってきたからこそ、日本だけが軌道修正できずに取り残されたのではないでしょうか。
こんにちは。なんと2年ぶりの更新になります。1度やめたブログを再び動かすというのは、不思議な気分ですね。
何を思ったかもう1度、このブログを動かそうと思うに至り、今、キーボードをたたいています。ただ、正直、思い描くような運用ができるか分かりません。なので、誰に伝えることなく、まずは気ままに更新することから始めます。続けられないと思ったらそこでやめにするつもりです。ブログのメンテナンスも現時点ではちゃんとできていませんが、そこも「続けられる」と思った時点であらためて手を加えるつもりです。 桃の花と椿。春になりました。 前置きが長くなりましたが、リハビリがてら、今後のブログの方針などを書いておきます。 ■ブログの内容 ・これまで通り、イギリス・米国を中心とする音楽業界の気になるニュースをカバーする。 ・記事の長さは、以前よりは短く、軽くまとめる程度で。デジタル系の話題はあまり触れないかもしれません。 ・これまで通り、行ったライブのこと、ベジタリアンな生活もたまには書くかも。 ・更新頻度は多くないと思いますが、多ければ多いだけよし。最低でも月1を目安に。 ■管理人について イギリス・グラスゴーでポピュラー音楽学を学んでいた2008年にこのブログを開始。10年に帰国し、社会復帰する。その後も更新を続けるが、多忙を理由に12年にブログを休止し、公私とも音楽とほぼ無縁な生活を送る。14年、ブログ再開。 ■ブログ再開の理由 ・大学院での専攻や英語の勉強がてらこのブログを始めたのと同じように、自分の勉強のためにもう1度この場を活用したいと思ったから。 そもそも2年前にブログをやめたのは、転職活動に追われて余裕がなくなったからでした。趣味で始めたランニングにどっぷりはまり、そちらに興味関心を奪われたのも大きかったです。その後無事に転職し、仕事にもようやく慣れてきたころ、再び音楽と向き合う余裕が出てきました。文字を扱う職業柄か、「音楽についてもまた書いてみたい」という思いもふつふつとわき上がってきました。 このブログを始めた頃と違って、今はこのブログより何十倍も面白く、アップデートが頻繁で情報量も豊富な音楽ブログがいくつもあります。それに対して、拙ブログは相変わらずのマイペースを貫きたいと思っています。と言いつつも、読んでいただく方にとって勉強になる内容になるように頑張ります。
いつも拙ブログを読んでくださりありがとうございます。
私なりに色々と考えまして、ブログ「Green Sound from Glasgow」の更新を一旦停止することを決めました。 ブログに時間を割くのが難しくなってきたというのがその理由です。 本心を言うと、余裕ができたらまたブログを再開したいと思っています。 ただ、再開は当分先になりそうだし、それまでブログを長期間放置したくないので、ここで一度区切りをつけようと思います。 過去ログはこのまま残しておきます。 訪れる方の参考になれば幸いです。 またいつかブログを再開する時は、この過去ログを引き継ぎたいと思います。 ブログが止まっている間も、ツイッター(@anno69)では音楽ネタをぼちぼち呟いていきます。 また、個人的に連絡をとりたい方は、ツイッターのDMもしくは右カラムにあるメールアドレスまで。
今年1年を振り返ろうと考えた時、真っ先に頭に浮かんだのはこの写真でした。写真に写るのは、宮城県気仙沼市にあった父方の祖母宅跡地です。海沿いにほど近いこの地域では、祖母宅を含め、ほぼ全ての民家が津波で跡形もなく流されてしまいました(幸い、被災した親族は全員無事でした)。写真は、今年の4月に現地を訪れた際に撮影したものです。 横浜に住む私自身や家族には地震による直接的な被害はありませんでした。しかし、3月11日から今日までの日々は、常に震災がそこにある毎日でした。既に地震が“過去の出来事”になりつつある周囲とギャップを感じながらも、自分自身も実際被災しているわけではないという事実に、今も何とも言えない思いになります。ただ、何となく、この思いが昇華されることも一生ないような気はしていて、そうゆう意味で、2011年は私の中でものすごく決定的な1年だったのかなと感じている次第です。 ===== さて、マイペースに運営し、時にはほぼ休眠状態の拙ブログでしたが、本年も足を運んでくださりありがとうございました。 今年は、このブログやツイッターを通じて多くの出会いが生まれ、オンラインで生まれた繋がりがオフラインに流れていく1年でした。皆さんとオンライン/オフライン上でお話できてとても楽しかったです。毎年言っていますが、来年こそ、ブログの誤字脱字/誤訳をゼロに近づけるべく頑張ります!後、できればデジタル関係だけでなく、自分の本来の専門領域/学術的関心事項である、社会活動とポピュラー音楽の関係や、レジャーとしてのポピュラー音楽について考える機会を増やせればと思っています。 音楽以外のところでは、今年の三が日空けに始めたジョギングが、自分の人生を変えたと言っていいくらい大きな存在でした。生活も考え方も大きく変わったし、フィジカル的にもタフになれました。来年は3月にハーフ・マラソン初挑戦なので、きっちり完走して、年内にはフル完走を目指します! ===== <2012年の1枚> Bon Iver - Bon Iver 文句なしで今年のベスト・アルバム。是非聴いてみてください! |
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