非嫡出子相続分差別 最高裁大法廷判決へ
昨日7月10日、非嫡出子の相続分が嫡出子の2分の1とする民法の規定について、最高裁大法廷で弁論を開いて、9月にも大法廷判決が予定されている。非嫡出子の相続分2分の1規定が不合理な差別で憲法違反となる可能性が極めて高い。
法律婚の保護といっても、何らの責任のない非嫡出子が差別されることは、不合理な差別にほかならないと思う。最高裁は合憲が多数であったが、常に反対意見が続いてきた。遅きに失したが、やっと是正される見通しになった。
15年ほど前に、家庭裁判所での嫡出子と非嫡出子間の遺産分割調停(被相続人父親)に、嫡出子の代理人として関わった。財産も相当あり、嫡出子間でも特別受益などの争いがあり、調停成立まで長期となった事件だった。非嫡出子(女性)は本人のみで、代理人はついていなかった。
長女は「母は父が家庭外に子供をつくったことに、とても苦しんでいた。私は、母親の姿を見てきたので複雑だ。でも、苦しんだのは、あなた(非嫡出子)も同じね。」と述懐した。
長男も「悪いのは親父だった。みんな平等で遺産分割をしよう。」と同意して、嫡出子、非嫡出子が平等な遺産分割が成立した。
最後は、非嫡出子(女性)も泣いていた。
とても気持ちの良い調停だった。最後まで争う人もいれば、このように平等に分ける人もいる。
大法廷弁論のニュースを聞いて、あの事件を思い出した。
大法廷弁論のニュースを聞いて、あの事件を思い出した。
| 固定リンク
「憲法」カテゴリの記事
- 憲法記念日前の「憲法世論調査」の分析-自衛隊憲法明記に3分2が賛成(2018.04.29)
- 驚愕の幹部自衛官ー統合幕僚監部の三佐が国会議員に「国民の敵だ」と罵倒(2018.04.18)
- 自民党「改憲案 9条の2」を解釈する(2018.03.26)
- ヘイト本と出版の自由-出版労連シンポジウム(2016.08.06)
- 野党「安保法案をあらゆる手段をもって成立を阻止する」-「民主主義の本質と価値」(2015.09.14)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント