赤いてるてる坊主

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ウルトラマンと円盤生物を愛するブニョグ

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第5話予告
恐るべき怪獣カネドラスの攻撃を前に

ゲンの苦悩は深まる
父亡きトオルへの愛か、カネドラスとの対決か
壮烈なる空中戦に迎え撃つMACの危機が迫る
急げレオ!地球の危機を護る者は誰だ!
さぁ、みんなで観よう!



ウルトラマンレオ第5話
『泣くな!おまえは男の子』
脚本:阿井文瓶 監督:東条昭平 特撮監督: ―
カネドラス 登場
放映日:1974(昭和49)/05/10


出演者 スタッフ

第4話:男と男の誓い






■悩めるトオル

スポーツセンターのメンバーは親子でピクニックに来ていた。
しかし、父を亡くしたばかりで母も既にいないトオルには苦痛でさえあった。

第1~4話までに設定の説明、レオ/ゲンの紹介、ダンの苦悩などを見せ、本作では父を亡くしたトオルのキャラクター描写に力が入ります。
ここまでがレオの物語を作る上で最重要なポイントと言えるでしょう。

第1~4話の脚本をメインライターの田口成光氏が担当、3話と4話に足りなかったトオルの描写を本作でサブの阿井文瓶氏が担当します。物語の序盤を第5話までかけて丁寧に構成しているなという印象です。
なお本作と次作も特撮監督のクレジットがありません。本編の東条昭平監督が兼任しているのか?

 

 

すっかり元気を無くしているトオルに対し、妹のカオルは意外と元気です。
(トオルの心情に重点を置きたかったのでカオルの描写は抑えたかったという理由もあるかも?)
カオルにはお兄ちゃん=トオルがいるので寂しさも幾らか紛れているのかも知れません。しかし、トオルくんは自身がお兄ちゃんなので甘えたり頼ったりする存在がいません。


百子はカオルの母に、ゲンはトオルの父になると声を掛けるが、怪獣出現の報せを受け出動することになったゲンはトオルを傷つけてしまった…。





■凶剣怪獣カネドラス

頭部の大きな角と腕の小さな翼のようなものが特徴的なカネドラス。
MAC対カネドラスの戦闘シーンには「深紅の若獅子」(M1T3)が流れます。基本的にはレオの戦闘シーンに流れる曲なので珍しい使用例ですが、このシーンにも合っていて盛り上がります。

カネドラスの必殺技は頭の角を飛ばす攻撃です。

 

アイスラッガーやん!

 

 

マッキー2号、3号を撃墜したカネドラスは空へ飛び去った。ゲンはトオルを気にかけたため合流が遅れ間に合わず。
本作は物語冒頭に怪獣が登場しながらレオが戦わないパターンの一発目に当たります。他のウルトラシリーズではさして珍しくはありませんが、初期のレオでは珍しいと言えます。

レオ初期の怪獣や星人は物語の構造上「ゲンが特訓して敵を倒す」という「乗り越えるべき障害」としての役割が強調されます。
姿形に如何にも凶悪そうな特徴(主に刃物)があったり、MACがヤラレ役を演じたり、レオが一度敗れることで、「強い敵」としての印象は十分残ります。
その反面、例えば怪獣が地面から出現するとか宇宙から飛来すると言ったお馴染みの演出が省かれてしまう事が多く、星人も言葉を喋ったり人間に化けたりもしないため、キャラクターとしての個性は薄くなりがちです。

正直物足りなさは否めませんが、没個性化してしまで役割に徹した彼らが愛しくも感じます。





■奇妙な特訓機械

ダンがゲンに言った
「トオルに対するお前の気持ちはよくわかる。しかしお前が遅れたために何百人ものトオルができたかもしれんのだ」
という台詞は重いです。
レオ初期は怪獣や星人が暴れると確実に死人が出るという事実を感じさせるシーンが多いです。


そして実際にカネドラスを見ていないゲンはカネドラスに見立てた機械相手に特訓を開始した。

「ダンが考案し、大村の作った奇妙な機械」とナレーションに言われてしまうほど本当に奇妙なもの。

 

それにしてもダンが考案しながらMACに作らせなかったのは何故か?ゲンが怪獣相手に特訓していると知られると怪しまれる?スポーツセンターの仲間に怪しまれてないのか?こんなものを作り上げてしまう大村は何者なのか?謎は尽きない…w


夜通し特訓に励むがトオルに何もしてやれないことが虚しいゲン、跳び箱の練習に身が入らないトオル。ゲンはトオルを救うことができるのか?
そんな折、月の裏側に姿を隠していたカネドラスが再び飛来してきた。





■カネドラス接近

大村さんと猛が生徒たちに避難を促すが、投げやりに跳び箱の練習を続けるトオルは逃げようとしない。特訓が完成していないゲンも残る。
特訓中、偶然にも大村が真剣白刃取りを披露!これがカネドラス攻略のヒントに…。

近くでカネドラスとMACが交戦する危険な状況で、「俺なんか怪獣に殺されてしまえばいい」と自暴自棄なトオルにゲンはビンタをする。

冒頭のいじけているシーンもですが、トオル役の新井つねひろ氏は目の演技が光ります。後のエピソードでも発揮されるので注目してみてください。


そこへトオルを心配したカオルが戻ってきた。カネドラスの炎からカオルを守るため夢思わず飛び出すトオル!「俺なんか怪獣に殺されてしまえ」と言っていた彼が怪獣から妹を守ろうとしている!
熱くて泣けるこの場面をBGM「M7」が彩ります。「深紅の若獅子」をローテンポにアレンジした曲です。レオは泣かせるBGMが充実しています。


車の中へ逃げ込んだトオルカオル兄妹にカネドラスが迫り、ゲンはレオに変身する!






■父の声

レオはカネドラスの攻撃から兄妹を庇い、耐え続ける。トオルの耳に父の声が聴こえてくる。

「トオルはお父さんの子だろう?ただそれだけかな?
カオルのお兄さんじゃなかったのかな?
お父さんがいなくて寂しいからといって
それを忘れてやしないか?
甘えたり、拗ねたりする前に、
カオルのお兄さんだってことを思い出してみるんだよ」


声優業もされていた二見忠男氏の語り掛けは情感があって味わい深いです。
BGM「M51」の優しい曲調が父の愛情を引き立ててくれます。





■空中真剣白刃取り!

トオルの声援を受け、立ち上がるレオ。反撃開始と同時にかかる主題歌が最高に盛り上げます!イントロの前半をカットした編集も見事!

レオはカネドラスの角を空中で真剣白刃取りして投げ返し、目に突き刺し、チョップを手刀にする必殺技「ハンドスライサー」でカネドラスを真っ二つ!
師匠であるセブンと同じような技を攻略したのは意味で師匠越えの第一歩かもしれません。

 

 

「ハンドスライサー」は打撃技ではレオキックの次に使用数が高く、痛め技にもトドメの一撃にも使える便利な技です。レオらしくて好き♪




■跳び箱

すっかり明るさを取り戻したトオル。ゲン、カオル、ダン、大村が見守る中、ついに跳び箱も克服!

この場面は和みますね。
お兄ちゃんはりきり過ぎちゃってごめんなさいと話す出来た妹のカオル、様子を見に来て声援まで送るダン、はしゃぐ大村、成功したトオルを抱きかかえるゲン。何もかもが微笑ましいです。

個人的に、本作のように締めにBGM「M50T2」を使用するパターンが好きです。平和で爽やかな余韻を残してくれます。





■その他メモ

・タイトルバックはBGM+効果音、「ウルトラマンレオ!」の掛け声はサブタイトル画面。
・冒頭「静かな湖畔」を歌う場面があるが、静かな湖畔のアレンジ曲(M60)が作られていたにも関わらず未使用に終わる。

・本作からゲンの道着が黒色に変わる。

・マッキーのコクピットから飛び出したトオルを追うゲンや大村を目視する赤石の主観カットをカメラ前にコクピットパーツを設置することで表現。
・レオがトオルカオル兄妹の隠れる車を庇う場面、本編シーンでは車の窓の向こうの赤い大きな布でレオが守っていることを表現。

・変身ポーズは両手をクロスして左拳を突き出すタイプ、掛け声は「レオーーーッ!」

・カネドラスの攻撃に耐えるレオの生々しい呻き声は本作と次回のみ使用された。

 


<第5話ゲスト>

梅田兄妹の父:二見忠男

<必殺技>
真剣白刃取り、ハンドスライサー

<MACメカ>
2号、3号

<MAC隊員>
黒田、青島、赤石、白川、桃井

<スポーツクラブ>
トオル、カオル、百子、猛、大村





 

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第4話予告

凶暴に暴れまわるツルク星人の前に

MACの攻撃はひとたまりも無かった

その頃、ゲンはツルク星人の二段攻撃を破るべく

滝を敵に見立て、三段攻撃をマスターしようと懸命になっていた

だが、流れ落ちる滝を切ることは可能であろうか?

頑張れゲン、頑張れレオ!さぁ、みんなで観よう

 

脚本:田口成光 監督:深沢清澄 特撮監督: ―
ツルク星人 登場
放映日:1974(昭和49)/05/03

出演者 スタッフ

第3話:涙よ さよなら・・・

 

 

 

 

■ウルトラセブン客演!?

 

ツルク星人に敗れたレオに代わり、マッキー3号で挑むダン。

 

BGMはウルトラセブンの「M7-2」(セブンの戦闘テーマ曲)

ここでこの選曲ですよ!ダンはレギュラーキャラですが、まるで客演したかのような熱さ!

 

星人の体に高圧電流を流させ、追い払うことに成功。

熟練の戦士の貫録を見せるダンは第3話を観てもわかる通り、ゲンより1枚も2枚も上手です。

 

だが、変身できない以上ダンは敵を倒すことはできない…。

 

 

 

 

■ダンの決意

 

夕焼けに佇むダン、MAC基地内で考え込むダン。

 

行方不明になってしまったゲンの身を案じるダンは表情にこそ出さないが辛そうです。

個人的な視聴感覚ですが、ダンが一人でいるシーンはセブンの時の朗らかだったり苦悩していたあのダンとして見ちゃうんですよね。

だからレオで苦悩するダンを観ると余計に痛々しく思えてしまって…。

 

ダンが「今度奴が現れたら私が死ぬ番だ」と悲壮な決意を固め、ゲンのことを回想し、BGM「星空のバラード」(メロオケ)が流れ、もうゲンは死んでしまったような空気です。

 

 

 

 

 

■ゲン生還

 

だが、ゲンは生きていた!

スポーツクラブの仲間たちがゲンを見つけ出していた。報せを受けたダンはゲンの部屋へ向かう。

 

部屋に駆け込むダンの一瞬の様子でゲンの無事を強く願っていた気持ちが伝わります。森次氏の名演技です。

 

しかし、ほっと息つく時間は無い。またいつ星人が出現するかわからない。ダンはすぐさまゲンを連れ出そうとする。

 

 

トオルくんたちから見たら鬼のような隊長ですが、視聴者はこれまでのダンの姿を観ているので彼の辛さ(表情には一切出さないが)も理解できます。

ここで前のシーンのゲンを想うダンや、前回の一人苦悩するダンが活きてくるのです。

 

そして、ゲンも覚悟を決め、ダンに従うのだった。

 

 

ダンが部屋に駆け込んだ瞬間からBGMはセブンの「M34」が流れます。

映像だけ観ると非情なダンと覚悟を決めるゲンにこの曲は合っていないような気がします。

しかし、優しい音色のこの曲が、険しい表情の裏でゲンの生還に安堵しているダンの心情を謳っているように僕には聴こえて目頭が熱くなります。

 

「M34」はセブン最終回でダンが自分はセブンであるとアンヌに告白するシーンに流れました。(そしてあの有名なシューマン「ピアノ協奏曲」へ繋がる)

同じ曲でも作品を跨ぐと使い方が全然違うのは面白いですね。

 

 

 

 

■滝を斬れ!

 

ダンはゲンに滝を斬る特訓を課す。

ゲンの「えっ!?」というリアクションに思わず笑ってしま無茶な特訓です。

 

 

この特訓は真夏氏のインタビューでほぼ毎回話題になりますが、まだ桜の咲き始めの時期に滝で一日中撮影していたようです。その過酷さは想像を絶するでしょう。

ちなみに森次氏絡みのシーンを先にまとめて撮影し、別の仕事もあった森次氏はさっさと帰ってしまったそうなw

 

ダンは何故こんな無茶な特訓を命じたのか、滝の流れを星人の素早い手刀攻撃に見立て、その攻撃を見極める動体視力や集中力を身に着けて欲しいという狙いがあったのかなと思います。

 

 

 

 

■ツルク星人対MAC

 

ゲンが特訓をしている最中、暴れる星人を足止めするべくMACは出動し、ダンも現場へ向かう。

 

「MACのマーチ」(真夏氏のボーカル無し、合唱団のみ)をBGMにMACが奮闘を見せます!

 

 

ダンは3号で、黒田と白川は2号を分離させ攻撃します。

ここでは住民たちを非難させながらマックガンで星人を攻撃する赤石が少し目立ちますね。

この後の戦いでは青島が3号で攻撃する姿も確認できます。

 

マッキーのスピードを倍にした効果か(少なくとも画面に映る限りでは)撃墜されていません。

隊員に犠牲者を出させないというダンの狙いは成功でした。

 

だが、やはりMACでは星人を倒すことができない。

 

 

 

 

■特訓、完成


滝を斬れないゲンは挫けそうになっていた。そこへやって来たダンがゲンを叱咤する。

「その顔は何だ!その目は何だ!その涙は何だ!」
「お前がやらずに誰がやる!お前の涙で奴が倒せるのか!この地球が救えるのか!」
「皆必死に生きているのに、挫ける自分を恥ずかしいとは思わんか」

 

 

ダンはトオル君と猛を救うためウルトラ念力を使ってしまい疲労困憊の体を押して魂の叫びを投げかける。ファンの間であまりに有名な台詞です。
第3話と本作でダンの想いを見せてからこの説教なので視聴者としては胸を打つものがあります。田口脚本の構成力が光りますね。
ゲンは勿論見ていませんが、想いは伝わっています。

 

ダンの台詞からBGM「M52T3」が流れます。1コーラスが終わると台詞の流れに合わせて「M51」へ切り替わります。「M52T3」と「M51」は同じフレーズの曲ですが前者はトランペットが、後者はピアノが主旋律を担います。

この切り替わりが実に自然に施されているので是非注目してほしいです。こうしたさり気ない音楽演出も場面の雰囲気づくりに貢献しています。

 

 

星人が再び出現した為、ダンはゲンに助言を残し現場へ向かう。叱って殴り飛ばすだけじゃないところがかっこいいですね。

しかし、ダンは星人に追い詰められピンチに陥る。
その時ゲンは滝を流れる花びらを目標に見立て滝を斬ることに成功!
これまでゲンの苦戦やダンの苦悩を散々見せられているのでカタルシスが段違いです。この興奮はレオ独特のもの!


さぁ、変身だ!
 

 

 

 

■流れ斬りの技

主題歌イントロが流れ颯爽と登場するレオのかっこ良さ!
星人の攻撃に惑わされることもなく圧倒的な強さを見せます。あの特訓の後では星人との戦いなど楽に感じそうですねw


そして特訓で編み出した必殺技「流れ斬りの技」でついに星人を倒した!

 

 

レオの素早い手刀で星人の両腕を斬り飛ばし、落下した腕の刀が突き刺さるという大技。レオ以外ではあまりお目にかからないアクロバティックな決まり手でした。





■勝利の余韻

事件は終わり、トオルカオル兄妹は百子さんが引き取ることになった。
ダンはゲンに労いの言葉をかける。

第2話もそうだったようにダンはゲンに厳しいだけでなく、成果をきちんと評価し労わります。
こういう姿を見るとやっぱりセブンのダンだな~と安心します。

 

 

第3,4話はダンが主役級でしたが、父を失ってしまったトオルくんの描写はやや控えめでした。次回はトオルくんがクローズアップされます。




■その他メモ

・タイトルバックは前回同様BGMのみ、「ウルトラマンレオ!」の掛け声はサブタイトル画面
・特訓シーンは神奈川県大井松田の「酒水の滝」
・変身ポーズは前回同様、両手をクロスして左拳を突き出すタイプ、掛け声は短く「レオ!」
・「MACのマーチ」使用は今回のみ
・OP主題歌は毎回2番が使用されているが、戦闘シーンには1番を使用


<必殺技>
流れ斬りの技
ウルトラ念力(ダン)

<MACメカ>
2号、2号分離A、B、3号、ロディ

<MAC隊員>
黒田、青島、赤石、白川、桃井

<スポーツクラブ>
トオル、カオル、百子、猛、大村

 

 

 

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第3話予告
東京では、夜毎人間が斬り殺される
怪奇な事件が続いていた
その中にはトオルカオル兄妹の父や
MACの鈴木隊員も含まれていた
恐るべき手刀を持ったツルク星人を倒すため
我らがヒーローウルトラマンレオが立ち上がった
さあ、みんなで観よう


脚本:田口成光 監督:深沢清澄 特撮監督: ―
ツルク星人 登場
放映日:1974(昭和49)/04/26


出演者 スタッフ

第2話:大沈没!日本列島最後の日


 

 

 


■梅田一家

第1話から登場しているカオルちゃんの兄・トオルくんとその父が登場します。(母は既に死別)
トオルくんはレオの一年を通して重要なキャラクターへと成長していきます。

 

 

お父さん役の二見忠男氏がいい味を出しています。
年齢が高めの割に落ち着きが無く頼りなさそうに見えますが、奥さんを亡くし苦労しながらも愛情たっぷりに育ててきたのだろうという雰囲気が伝わります。

雲梯をクリアしたトオルくんが「ご褒美にテレビが観られる」と話すくだりに時代を感じて微笑ましいですね。

ここで流れるBGM「M55」はフルートとのハープが美しく穏やかで僕の好きな曲の一つです。今回は梅田家の平凡でささやかな幸せを歌ってくれます。
冬木氏の音楽にはこういうクラシック系の日常曲に良曲が多く、その系統の曲を集めたプレイリストを作ると癒されるのでおススメです。

ちなみに「M55」からフルートを抜いた「M54」の方が使用頻度は高いです。


…ところが、そんな幸せな父と兄妹に悲劇が訪れます。





■斬り殺される一般人

歩いて帰宅する梅田一家は等身大の星人・ツルク星人に襲われ、トオルカオル兄妹の目前で父が斬殺される。
とてもウルトラシリーズとは思えないショッキングな展開です。

 

 

一般人が怪獣や星人に殺されるのは珍しくありませんが
「等身大の星人が」「刃物で」「真っ二つに斬り殺す」
という、例えば「巨大怪獣が溶解液で人間を溶かす」ような例と比べると、現実的でより恐怖を覚える描写になっています。おまけに斬られた死体が転がっているという力の入れよう。

 

ツルク星人は言葉を発しないため、作戦をベラベラ喋ったりすることもなく目的不明で通り魔的な怖さがあります。レオの顔の形をした宇宙金属を残して挑発しているので知性は一応ありそうです。

「通り魔的星人による殺人」は以降の回でも度々描かれ、レオ独特の「星人が身近にいるかもしれない」「いつ殺されてもおかしくない」という恐怖を感じさせてくれます。(他社の等身大ヒーロー作品の怪人に近い)

 


等身大ツルク星人
 

 

 


■斬り殺される隊員

トオルカオル兄妹を預かろうとしたMACの鈴木隊員までもがツルク星人に殺されてしまう。

 

 

過去のウルトラシリーズにも殉職者は出ましたが、正隊員の候補生だったり宇宙ステーションの隊員たちだったり、メインの隊員たちとは別部署の人々でした。
今回殺害された鈴木隊員はゲスト隊員ではありますが、レギュラー隊員たちと同じ隊員服を着ていることから恐らく同格と思われます。
言わば防衛隊の最前線の隊員が無残に殺されたようなもので、過去の殉職者たちより衝撃度が高いです。

これ以降もレギュラー以外の隊員が度々殺され、極めつけはMAC全滅という事態にまで発展します。
MACには「防衛隊の隊員でも死ぬことがある」と見せることで、レオの殺伐とした世界観の一端を担う役割もあるのです。





■ダンの活躍

本作ではダンが主役級にフィーチャーされます。

まずは暗闇で等身大ツルク星人との決戦。

ティンパのリズムとピアノの刻みが印象的な「M21」は暗い夜道と襲い来る星人の恐怖感にぴったりな音楽。

 

ダンは右足を負傷した状態であるにも関わらず、超能力を使うわけでもなく、杖による格闘で星人を追い払います。アクションは森次氏自身によるもの!

そればかりか、加勢に来たゲンを星人にやられる危険があるため一発でKOして戦わせないというおまけつき!

 

ゲンがあまりに情けなく笑ってしまうけれど、ダンはゲンより強い(セブンはレオより強い)というパワーバランスを明確に見せておく必要があったのでしょう。

でないと、ダンがゲンに特訓を課す説得力が生まれません。

 

 

 

 

■ダンの苦悩

 

「隊長としてのダン」は黒田にマッキー各機のスピードを倍にするよう指示する一方、「師匠としてのダン」はゲンを指導しつつ特訓させる。

 

ゲンへの指導は星人を倒させるためのもですが、黒田への指示は隊員に犠牲者を出さないためです。

ここに「ウルトラ戦士であり地球防衛隊の隊長ダン」の特殊性があります。

 

ウルトラセブンであるが故に星人の能力や実力と、地球の防衛力の差をはっきり認識できてしまう。

自分を信じる隊員たちをゲンの特訓完成までの時間稼ぎに使わざるを得ないダン…。

 

それに加え「変身できないウルトラ戦士」という更に特殊な事情もあります。

本来なら自分が戦わなければならないのに、戦士ですらないレオを戦わせてしまっている…。ダンにとってこれが何より辛いはずです。

 

 

溶けたウルトラアイとBGM「M33」がダンの苦悩を訴える

(「M33」は、セブン「M58」の再演奏曲。原曲はガッツ星人により十字架にかけられたセブンや、パンドンを倒したあとダンが倒れ込むシーン等に使用された。)

 

 

ダンの強さや苦悩は次回への布石となっていると言えるでしょう。次回は田口脚本の構成にも注目です。

 

 

 

 

■ツルク星人巨大化

 

ツルク星人は巨大化し、街を破壊し始める。

 

巨大ツルク星人

 

等身大と巨大化後で星人のデザイン造形が異なるのは他のウルトラシリーズではあまり見られませんが、レオでは定番となります。

着ぐるみを2着用意することで本編と特撮の撮影が同時進行が可能だったようです。

レオはエースやタロウと比べ明らかに予算が絞られているので予算面の影響が気になりますが、同時進行はメリットの方が大きかったという事なのかも知れません。

 

また、本作には特撮監督のクレジットがありません。

本編監督・深沢清澄氏の兼務なのか?

もし正確な情報をご存知の方いましたらご一報下さい。

 

 

 

 

 

■特訓、完成せず

 

星人の攻撃で戦闘機が撃墜されるのを見たゲン(墜落する戦闘機と目撃するゲンの合成が見事!)は、特訓が完成していないのに変身してしまう。

 

颯爽と登場するレオですが、当然苦戦します。

第1話のクライマックスで絶望感を演出したBGM「M24」がここでも盛り上げます。

 

星人の猛攻に成す術の無いレオが追い詰められていく様が実に痛々しいです。

 

・這いつくばりながら距離を取る

・力なく立ち上がる

・後退りしながら構える

・構えた腕が下がる

・星人に斬られる

・そのまま海へ倒れる

・海中へ沈んでゆく

 

第2話冒頭のレオもほぼ敗北状態でしたが、ダンのウルトラ念力で敵を追い払うことができたので、このツルク星人戦が初敗北になります。

そのためか敗北の描写も実に丁寧でショックも大きいです。

 

海とレオの胸を合成し、沈みゆくレオを表現

ダンの「レオ!」という叫びも入った象徴的なカット

 

 

更に、星人に破壊された街をカメラを動かしながら見せつけてラストカットとします。絶望感を煽る、煽る!

 

 

 

 

■その他メモ

 

・タイトルバックはBGMのみ、「ウルトラマンレオ!」の掛け声はサブタイトル画面と共に

・帰宅する梅田一家が歌うのはフィンガー5の「ダイヤル6700」

第23話でもカオルたちが歌う他、ウルトラマンタロウ第48話では挿入歌として使用された

・等身大ツルク星人の手刀はブラック指令の剣に流用

・大村さんは独身で飯の支度もできない

・猛は弟と二人暮らし

・マッキー1号は第1話と本作、僅か2回の登場

・変身ポーズは両手をクロスして左拳を突き出すタイプが初登場、掛け声は短く「レオ!」

 

 

<ゲスト>

梅田兄妹の父:二見忠男

鈴木隊員:鹿島信哉

 

<必殺技>
無し

<MACメカ>
マッキー1号、2号、3号、ロディ、カー、F-4EJファントムⅡ

<MAC隊員>
黒田、青島、赤石、白川、桃井、鈴木

<スポーツクラブ>
トオル、カオル、百子、猛、大村

 

 

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