今際の国のアリスがオランダでTOP10入り
「Alice in Borderland」こと「今際の国のアリス」がオランダ及び各国のネトフリでトップ10ランキング入り。オランダまたはその他の西欧圏において、日本のドラマのランクインは恐らく初めてかと思われます。
日本のネトフリランクとこっちのネトフリランクはかなり違うことが多い。
韓ドラはこちらでイカゲームはTOP1でも、愛の不時着はランク入りしたことがない。
ましてや日本のものでオランダでランク入りしたものはポケモンぐらいしか記憶にない。
なぜかウェンズデーとハリー&メ―ガンのはざまにある。
さて、いきなりの今際の国のアリスのトップ10入り。しかもいきなりシーズン2から。
いったいなぜ?私が推測するに恐らく「イカゲーム」効果です。
BTSや韓ドラはこちらでも当たり前のものとなってきました。また韓ドラは大量にネトフリで見れます。
特に「愛の不時着」「サイコだけど大丈夫」などヒットメーカーのスタジオ・ドラゴンはネトフリの株も所有しているので、新作は日韓で公開の後こちらに来るのが定番になってます。
しかし何よりもオランダを含む欧米、および世界中を凌駕したのはやはり「イカゲーム」。
イカゲームのあとの韓ドラでTOP10入りしたものが「地獄が呼んでいる」「今私たちの学校は」など。
さてお気づきの通り、オランダでTOP10入りした韓ドラというのは、ロマン系でも歴史ものでもない。
血みどろでパニックでアクションでディストピア的なもの。あとカメラワークが斬新なもの。
大体こっちでもてはやされた日本映画も、三池崇史や北野武のヤクザもの。
なんだか武器もって大暴れするものがウケる。愛とか恋とかお涙頂戴とか感動ものとかウケない。
ロッテルダム国際映画祭で、オランダ人たちが日本映画を見てるのを端から見てると、日本人なら感動や悲しくて泣く場面で笑っている。
要するに日本物でも韓国物でも、こっちの人たちに精神文化はウケないです。ウケる人もいるだろうけど、あくまで一部だと思った方がいい。
でネトフリに話を戻しますと、イカゲームの後に「次のイカゲームはどれだ」みたいな感じで「地獄が呼んでいる」などがTOP10入りした。
しかし最近は韓ドラにイカゲームっぽいドラマがない。そこへ丁度「今際の国のアリスのシーズン2」が公開。
イカゲームの興奮を求めている層に大きくアピールしたようです。
私の周りのオランダ人たちも「Japanese squid game(日本版イカゲーム)」と言ってた。
はっきり言えば今際の国のアリスの方がイカゲームより先なんだけど、西洋人に何言っても無駄でしょう。
こちらでは、日本人・韓国人・中国人の区別がつく人は滅多にいません。
例えていえば日本人が、イギリス人とスコットランド人、パキスタン人とインド人、ケニア人とナイジェリア人の区別がつかないのと同じです。よく隣国人に間違えられて怒ってる日本人がいるけど、上の例で述べた通りです。そんなもんです。
まあ何はともあれ日本ドラマの初快挙は目出たいことです。
と言いつつ、ランクインしているシーズン2はまだ見てないのでこれから見るよ。
地獄が呼んでいる
公開日からほぼすぐに、オランダを含む世界各国でトップ10ランク入りした「地獄が呼んでいる」。
英題 Hellbound。原題 지옥。
イカゲーム効果だけではなく、監督が「新感染 ファイナル・エクスプレス」のヨン・サンホ監督だけに、期待度が世界中で高まったのも事実でしょう。新感染 ファイナル・エクスプレスはオランダで地上波で放送してたくらいだし。
で、期待が大きすぎる分いまいちだったらどうしよう、と思いつつ見始めたのですが、期待以上の作品でした。
とにかく毎回毎回先の読めない展開は、イカゲーム以上でしょう。そしてイカゲームより人間の醜さをがっつり描いていてもっと重い。
モンスターはあくまでもオマケ要素。要は「異常な状況下でむき出しになる人間の本性」が主流。その辺はイカゲームと共通している。
韓国を舞台にしてはいるが、人間の本質に迫る描写は世界中の人間に共通するものでしょう。
またSNSの恐ろしさや、思い込みを心の支えに暴走する人々など、現在世界中にはびこる問題を鋭く皮肉っている。
ちなみに不気味な教祖役のユ・アインの吹き替えは、ジョジョ5のミスタや刀剣乱舞の三日月宗近、うたプリのセシルでお馴染みの鳥海浩輔さん。ちょっと本人よりトーンが高いけど大熱演しています。
とにかくネトフリ会員の人、必見です。
てか、日本のドラマももっとどうにかならんのかねえ。
ネトフリでいえば、今のところ「全裸監督」と「デビルマン・クライベイビー」ぐらいしかインパクトがある作品がないぞ。