だったらもうエグザイルとか聴いてれば? | 我々少数派

だったらもうエグザイルとか聴いてれば?

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 私は現在、アート全般を全否定する立場である。
 このことは過去に繰り返し表明している。
 例えば……、
 「劇団あたまごなし総括」
 「美術作品二つ」
 ブログ記事・「僕たちはクラスメイトじゃねえよ」
 など。
 3年前に書いた演劇台本「アリババが四十人の盗賊」も全篇このモチーフで貫かれている。
 このうち「僕たちはクラスメイトじゃねえよ」から以下、少し引用しておく。

 私は演劇には(演劇にかぎらずアート一般に)まったく興味がなく、鴻上の芝居もまだ(今回のを含めて)2つしか観たことがないし、しかもいずれもナマではなくビデオで観たにすぎない。ビデオで観たって演劇を観たことにはならないのだが、ナマで観なければならない必然性をテント芝居以外で感じたことはないので、べつにヒケ目もない。前に少し触れた『焼肉ドラゴン』にしても今回の鴻上のにしても、なんでわざわざ膨大な練習時間などの手間ひまを必要とする演劇の形式に落とし込む必要があるのか、まったく分からない。たぶん「必要」なんかなく、単に趣味の問題で、私は趣味的なものには興味がない。演劇も音楽もその他のアート諸ジャンルも、私には趣味としか思われず、趣味のくせに偉そうである(自分たちがまるでセンスが良いかのように思い込んでいる)からムカついて、つい「反芸術」などと口走ってしまう。

 演劇にも音楽にも小説にもマンガにも、「いい作品」はいっぱいあるだろう。私にも、「好きな作品」はいっぱいある。しかしそれらはしょせん「趣味の問題」にすぎない。クロマニヨンズもエグザイルも、もはや私にとっては「たかだか趣味の問題」として等価である。本当に切実で必然的な表現は、現在では政治運動の世界にしか存在しない。すべてのアートは、再度いったん、政治に従属すべきである。というのは乱暴に結論だけ云っているだけで、詳しくは上記「アリババが四十人の盗賊」で、登場する「テロリスト」たちが論じているとおりが、私はこの現在の私の立場を「国家社会主義リアリズム芸術論」と半ば冗談で称している。

 と、ここまで本気で「アート全否定」を公言している私が、「劇団どくんご」の芝居だけは絶対に観に行くべきだと繰り返しこのブログやmixi日記で呼びかけてきた。
 諸君があるいは「面白い」「素晴らしい」と思い込んでいるだろうものも含めた現在のあらゆる「アート」を全否定している私が、「これだけは唯一例外だ」と云っているわけだ。
 たとえ私の「国家社会主義リアリズム」に賛同できないとしても、「アート全否定」の立場を公言する者が唯一例外的に大絶賛する演劇が、少なくとも「なにがしかのもの」であろうことは予想できるはずだ。ドクター中松や又吉イエスが絶賛しているわけではないのである。他ならぬ、この外山恒一が絶賛しているのである。このブログやmixi日記を頻繁にチェックしている諸君は少なくとも、私の「ハイセンス」ぶりを否定しはしないだろう。その外山恒一が絶賛しているのである。
 が、昨日一昨日の「劇団どくんご」飯能公演に足を運んでくれた「マイミク」は計わずか4人。それも首都圏在住の「マイミク」約250名全員に勧誘メッセージをわざわざ送信して、「私も現場にいるから。私と交流する目的で足を運んでくれたっていいから」とまで書き添えて、それで4人。
 もちろん当日のたった1日2日前にそんなこと云われても、しかも飯能なんて超郊外に来いと云われても、というのは云いわけにならない。なぜなら今回の「劇団どくんご」全国ツアーが始まったのは5月半ばである。このブログではその直前から繰り返しそのことに言及してきたし、全国各地を回るから必ず観に行くようにと呼びかけてきた。mixi日記でも、4月20日に最初の告知を出して以来、繰り返し同様の呼びかけをしてきた。その際たいてい、ツアー日程表にもリンクを張っていたはずだ。
 前回つまり3ヶ月前に「どくんご」の東京公演に合わせて上京した時、その時には直前の「ダメ押し」をしていなかったのだが、自主的に会場へ足を運んでくれた「マイミク」は3、4人。これはいかんと急遽オフ会を開催して、集まった数十人に「3ヶ月後にまた『どくんご』は首都圏に戻ってくるから必ず観に行ってくれ」と固く念を押しておいたのに、さらに直前に直接勧誘メッセージまで送ってやっと飯能に4人、どうやら明後日・明々後日の浦和にもやはりせいぜい4、5人というところのようだ。
 直前に急に呼びかけられても困る、と云うなら分かる。しかし実際には、何ヶ月も前から、繰り返し繰り返し呼びかけてきたのだ。直前の呼びかけは「ダメ押し」でおこなっているにすぎない。よっぽど特殊な職にでもついていないかぎり、数ヶ月先の予定を空けて、たかだか2、3千円の観劇料も準備できない、などということはまずあるまい。海外に住んでいるとか、今回は「どくんご」が行かない沖縄に住んでいるとかならまだしも。

 結局、「飢え」が足りないのだ。
 前々から口をすっぱくして云っている「九州に移住せよ」という呼びかけへの限りなく無反応にしても、結局そういうことだと私は判断している。
 まだ身の回りに、諸君をとりあえず満足させてくれるものがいっぱいあるのだろう。

 もっと深く絶望せよ。
 じゃなきゃもういっそ、エグザイルとか聴いてれば?


 以上、マジ絶望先生こと外山恒一のグチでした。