懐かしのBOSSのマルチエフェクター、ME-X。

20年近く前に購入した、少々変わったペダル一体型マルチエフェクター。

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「マルチ」といっても空間系エフェクターしか内蔵しておらず、歪みなどは自分好みのコンパクトをセットするようになっている。

セット出来るコンパクトは合計3個。

内臓エフェクターとの組み合わせをメモリーしておけるので、自分好みのコンパクトをマルチエフェクターに取り込んで使えるようなイメージ。

当時、「マルチは便利だけど、歪みは自分好みのコンパクトを使いたい」というユーザーが多かったため実現された。

現在でも「なるほど」と思えるような、斬新なコンセプトだと思う。

各コンパクトに電源供給出来るパワーサプライ、チューナーも内蔵し、エクスプレッションペダルによるパラメーターの動的変化にも対応している。

さらにMIDIアウトも装備しているため、ラック系エフェクターとも連携可能。

このME-Xを核に、プロ並みの壮大なシステムが構築可能だった。

本体のフタに取っ手が付いており、閉めるとエフェクトボードのように持ち運べる。

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コンパクトとの接続は単純にループとなっているため、他メーカーのものでも可能。

ただし、組込み部分のプラスチック成形が同社のコンパクトしかキレイにはまらないので、実質他社製品を組み込むのは難しい。

内蔵エフェクトは

  • イコライザー

  • ディレイ

  • ショートディレイ

  • コーラス/フランジャー/ピッチシフター

  • リバーブ

  • ノイズリダクション


モデリングのような付加機能はないものの、実用上必要なものは全て搭載している。

音の方は、いわゆる「BOSSの音」。

イコライザーは少々デジタル臭くて扱いづらいが、メインの空間系は十二分なクオリティ。

特別な感動はないものの、実用的で安心して使える。

現代でも十二分に使える音だと思う。





当時のBossマルチの最高峰。

とても魅力的なコンセプトを持ち、オンリーワンな製品だった。

しかし、当時で6万円近くする価格と、サイズ・重量が大きすぎ、商業的には失敗だったようだ。

短命で終わった商品なので、中古も滅多と見かけない。

しかし現代でも十二分に通用する製品なので、見かけたら検討するのも良いと思う。