自己資金なしで住宅・マンションを買うとどうなるのか?
自己資金なしで住宅・マンションを買いたいという相談が増えています。ご本人からもそうですが、不動産会社や建築会社の営業マンからもあります。
結論から言うと、今買うことはできるけど後で大変なことになりますよというのが回答です。
そもそも自己資金なしと言うことは、今までの人生で貯蓄ができなかったということです。
今後貯蓄できる可能性も低いので、現状の家計状態で購入できたとしても、今後増加する支出(子供の教育費や生活費の負担増、増税、社会保険料の負担増など)に耐えられるはずがありません。
これを解消するには、
1.明らかに収入増が見込めること(単なる給料の増加程度ではなく、相続や贈与による財産の取得も含め)
2.明らかに支出が増えないことが見込めること(すでに子供が独立して、あとは自分の生活費だけとか。本当はこれも危険ですが。)
3.自己資金なしで借りるが、返済は大変楽な範囲に収まっている。
これ以外の方法はありません。
2は考えにくいので、あるとすると1です。
住宅ローンが払えなくなったときに、両親から支援がありそうというのは一番考えられる道ですが、今の親は自分のフトコロが厳しいのはご承知の通り。
あとは相続で財産を引き継ぐ可能性ですが、これも統計では相続を受けるのが平均年齢57歳と言われていますので、住宅ローンの返済も終盤に差し掛かっています。ここまで払うことができれば、もう問題はないでしょう。
1も2もダメなので、自己資金なしで住宅・マンションを買っても良い人は、3の年収の13%以下程度の年間返済額に収まる住宅ローンで購入できる人だけということになります。
そういう人は大抵の場合、今までの人生の中で貯蓄をしています。
結果、自己資金なしで購入できる人はほとんどいないということになります。
にもかかわらず、そういう希望者が増えているんですよね。将来危険だぁ・・・
不動産業者さんや建築業者さんは、せっかく自社の住宅・マンションに住んでいただくお客様なのですから、こういう人に購入を進めてはいけません。