昨日取材のとき、
「藤田社長はほんとうに敵をつくらない人ですよね?」
と言って頂いた。しかし私はとっさに、
「いやいや、恨んでいる人も多いと思いますよ」
そう答えました。
ゼロから会社を作って9年め。
これまでの過程でも、いろんなことが起きました。
入社して本当に幸せなになった人もいれば、希望に燃えて
入社したのに思うようにいかず辞めた人もいます。
株価の上昇局面に投資し大きな利益を得た人もいれば、
逆に下落局面に大変な損失を負った人もいます。
当社との取引に大変満足してくれるお客様も、
逆にクレームになるようなケースも残念ながらあります。
若い会社を応援してくれる人もいれば、逆に苦々しく思う人
もいます。
提携している友好的な会社も、もちろん競合している会社も
あります。
事業と組織を拡大すればするほど、利害関係者は増える。
大きなことに挑戦すればするほど否が応にも敵は増えます。
もう覚悟しているけど、これから先も会社を拡大する過程で
それが起こると考えると、本当に辛い。
若い経営者がよく掲げる目標。
「関係者すべてが幸せになる会社を作りたい」
それは素晴らしい。もちろん我々もかくありたい。
がしかし、現実はそんなに甘くない。もっと辛く厳しい。
困難が待ち受ける事業への挑戦、断腸の思いの人事決断、
コストカットが必要な厳しい収益目標。
「みんなが幸せにならないならやりません」
そんな美談を言い訳にしていては、ベンチャーは何もできない。
何もしないでいると行き詰まり、それこそ株主や従業員を
不幸にしてしまう。
ベンチャー経営の良いところばかりを語っていてもいけない。
たまには辛い部分も伝えなくては。
・・と、急に思って書きました。