ソマリア海賊問題 真の被害者は?(東京新聞より) | 労働組合ってなにするところ?

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2008年3月から2011年3月まで、労働組合専従として活動しました。
現在は現場に戻って医療労働者の端くれとして働きつつ、労働組合の活動も行なっています。

あまり知られていない労働組合の真の姿(!?)を伝えていきたいと思います。

まず、お知らせから。
派遣村マニュアルが下記URLからダウンロードできます。


東京 春の派遣村アクション
派遣村実行委員会パンフレット「あたたかい春を迎えるためのマニュアル」

http://www.k5.dion.ne.jp/~hinky/hakenmura/hakenmura.pamphlet09haru.html


埼玉の「過労死・過労自殺110番」は、下記の日程で行なわれます。


過労死・過労自殺110番  埼玉

 2009年6月20日(土)午前10時~午後3時

 電話:048-862-0330(当日のみ)

 主催:埼玉過労死問題弁護団 働くもののいのちと健康を守る埼玉センター



「ユニオン」と「労働ニュース」アーカイブ様からの情報提供で、次のような相談活動もあります。


http://roufuku.org/node/47
札幌市 5/30 炊き出し,総合相談会


http://bund.jp/md/piCal/index.php?smode=Daily&action=View&event_id=0000004168&caldate=2009-5-17

5/30~5/31 第2回「派遣切り相談村・関西」  相談・炊き出し


http://www.tonichi.net/news.php?mode=view&id=28069&categoryid=1

31日に豊橋1日派遣村相談会
各種相談、食糧支援、外国語も対応

(豊橋市松葉2の松葉公園、市民センターカリオンビルにて)


http://sankei.jp.msn.com/region/shikoku/kochi/090528/kch0905280246001-n1.htm

6/6 四国生活保護支援電話相談



さて。海賊対処法案問題について2日連続でエントリーを書いてきましたが、本日の東京新聞に「ソマリア海賊問題 真の被害者は漁民」というタイトルの記事が掲載されていました。サイト上では前文しか読めなくなっていますので、重要な部分を書き出してご紹介したいと思います。引用部分は青で表記します。



核心:ソマリア海賊問題 真の被害者は漁民

軍艦におびえ、密漁外国船に悩み

東京新聞  2009年5月29日


http://www.tokyo-np.co.jp/article/kakushin/list/CK2009052902000086.html


 ソマリアを拠点とする海賊が横行し、日本や欧米各国などの海軍艦艇や航空機が被害の防止と海賊制圧のため活動するアデン湾とインド洋。国際的注目を集める海を、漁民はうつろな思いで見詰めている。暮らしの糧の海は、密漁船に荒らされ、利益の一部が武装勢力に流れて内戦をさらに悪化させる。「軍艦派遣に費やされる巨額の一部でも、ソマリアの漁業に出してくれれば」。漁民の声は国際社会に届くのか。 (ロンドン・星浩)


(ここから手打ちになります)


■絶望の海

 「軍艦が怖くて、とても五カイリ以上沖には出漁できない。沖合でロブスター漁の網も張れなくなった。近づくと(海賊と疑われて)放水され、下手をすれば沈没だ」

 ソマリア北東部のインド洋に面した港町バンデルベイラで漁業組合長を務めるアリ・ジャマさん(六二)は、本紙の電話取材にしわがれた声で訴えた。

 「おれたちの海で外国船が密漁をしているんだ。スペインやフランス、中国や韓国、台湾の漁船をよく目撃するよ。こっちの漁具を切ったり、ロブスターを横取りしたり。密漁船は武装していて、近づけは撃ってくる」

(中略)


■資金還流

 海岸線が三千キロ以上に及ぶソマリア。その沖のインド洋は、キハダやビンナガなどマグロ類が豊かだ。

 国連食糧農業機関(FAO)によると、〇六年にはソマリアの排他的経済水域(EEZ)で各漁期に約七百隻が操業。インド洋でのマグロ漁獲量の5-10%が、この海域で捕られていた。

 問題は漁業権だ。一九九一年の内戦勃発以来、ほぼ無政府状態に陥っているにもかかわらず、外国船の操業は続いた。各地の武装勢力が勝手に”地方政府”を名乗り、漁業権を売っていたからだ。

 国連のソマリア監視団によると、不法操業による損害は年九千万ドル(約八十七億円)に上り、過去十年間で数百万ドルもの資金が武装勢力に渡されたという。

 その構図は、年八千万ドルにも達する巨額の身代金の一部が武装勢力に還流する海賊行為と重なり合う。


■動き鈍く

 「ソマリアの人々が漁業や貿易で暮らせるようにしなくてはならない」。国連と欧州連合(EU)が四月二十三日にブリュッセルで開いたソマリア支援会議で、バローゾ欧州委員長は強調した。

 しかし、動きは鈍い。国連監視団は対ソマリア武器禁輸の徹底と同時に、ソマリア沖での外国船の操業禁止と漁獲物の取引禁止措置を取るよう〇五、〇六年の二回にわたり安保理に勧告していたが、放置されたままだ。

 ソマリアをめぐり、主要国は海賊の「被害者」として対策に乗り出している。だが、不法操業を看過し、ソマリア沖で捕れるマグロを享受しているのは、大消費国の日本を含む主要国なのだ。



重要な部分、と言いながらほとんどになってしまいました。


無政府状態になったからと言って、その地域に住む人たちの生活が一気になくなる訳ではありません。今のような状態になる前に、ソマリアに住む人たちの生活を守る対策を国際社会が成し得ていれば、海賊対処法も必要なかったのではないでしょうか。


日本は憲法の規制により、武力を海外で行使することはできない国です。ならば、海外で武力行使をするような必要が生じないように、紛争が武力衝突に発展する前に解決したり、紛争で追い詰められた人たちが武器を用いた犯罪に走ることを防止したりすることに尽力すべきではないでしょうか。


何か問題が起こった時、武力でそれを解決しようとすることは、必ずその相手を傷つけることであり、たとえそれを集団的に行なったとしても、自分たちが守られればそれでいいという”一国主義”に他なりません。武力に依らず、相手を傷つけずに問題を解決しようとすることこそ、国際社会の構成員として”名誉ある地位を占める”ことになるのだと思います。