今日の朝日新聞朝刊に、生成AIを組み合わせた検索エンジンからの出力のなかに引用元と比べると文章の3分の2近くが一致する例もあることが掲載されていました。
文化庁は、AIによる回答の生成には著作権法上の許諾が必要になるものがあるという見解を示しています。
「AIと著作権に関する考え方」の素案
https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/chosakuken/hoseido/r05_05/pdf/93980701_01.pdf
そこで、ためしにMicrosoft Bingに自社の
テキスト比較ツール「ちゃうちゃう」について教えてください
と、質問してみました。
※ ちゃうちゃう!は、1998年の初代(当時の製品名は「FindDifferences」)バージョンのリリース以降、2005年に「ちゃうちゃう!」として多言語に対応し、四半世紀にわたってインターネット上で提供しつづけてきたソフトウェアです。
特許事務所や翻訳会社のほか、中央官庁や国公立大学、病院、金融機関、IT企業など、多くの企業で活用していただいています。
回答: 「ちゃうちゃう!」は、2つのウィンドウ上のテキストを比較し、異なる部分(追加、変更、削除)を文字単位または単語単位で示すテキスト比較ソフトウェアです1。比較するテキストの改行位置が違っていても、人間が見比べるときと同じように比較できます1。 |
ちゃうちゃう!ウェブサイトのトップページにある文章と8割程度は同じように見えます(下の画像に入れました)。
追加分は、マニュアル&FAQですね・・・・。
ここまで一致していると、たしかに著作権法上の問題になる気がします。
※ 画像の左側がウェブサイト上の文章、右がBingの回答です。
灰色が一致、緑が削除、青が追加、赤は変更です。
ついでなので、ChatGPT(4.0)に対して同じ質問をしてみました。
回答: 「ちゃうちゃう!」はテキスト比較ツールであり、二つの文書や文字列を並べて比較し、異なる部分を明確に示す機能を持っています。このツールは、特にプログラムコード、契約書、文書ファイルなどの比較に役立ちます。以下は「ちゃうちゃう!」の特徴のいくつかです: |
こちらのほうが、まだ手が入っていますが、それでもかなり似ています。
さらに、ChatGPTにリライトをさせてみました。
原文はトップページの画像でサンプルに使っているものです。
2回、試しました。
原文: 「ちゃうちゃう!」は、2つのウィンドウ上の文字列(テキスト)を比較して、異なる部分を文字単位または単語単位で示すソフトウェアです。 |
リライト①: 「ちゃうちゃう!」があなたの文書作業を革命的に変えます。文字や単語の違いを瞬時にキャッチし、二つのテキスト間の微妙な差異も見逃しません。このパワフルなツールは、レイアウトの違いを超えて、まるで人間の目でチェックするかのように細やかな比較を実現。部分的な比較も可能で、特定の範囲だけに焦点を当てることもできます。 |
リライト②: 発見して、比較して、差を明らかにする―「ちゃうちゃう!」は、あなたのテキスト比較ニーズを完全に満たす革新的なソフトウェアです。このツールは、二つの文書を並べて比較し、最小の文字の違いから大きな文章の変更まで、あらゆる差異を素早く、正確に把握します。まるで人間の目で見るように、改行やレイアウトの違いに惑わされることなく、細部にわたり検証。選択した部分だけを比較するカスタム機能も搭載しており、あなたの作業をより効率的にします。 |
日本語として不自然な箇所がいくつかありますが、著作権法上の問題になり得るかといえば、これなら良いのではないかという気はしますね。
少なくとも、リライトをしないAIからの回答は、著作権法上の観点からはグレーなものがあり得るということがよくわかりました。
昨今、AIによるリライトや文書作成もさかんに言われていますが、二次利用の際には十分な注意が必要になりそうです。