キテレツ大百科 240話 クマダも参加?車と列車のスキー旅行 感想 | ウルトライダー010

キテレツ大百科 240話 クマダも参加?車と列車のスキー旅行 感想

DVDにて視聴

「クマダも参加?車と列車のスキー旅行」

~あらすじ~

山形の勉三さんの家に泊まり、スキー旅行を計画していたキテレツ達でしたが

車で行く方が早いか列車で行く方が早いかケンカになるブタゴリラとトンガリ。

すると勉三さんは「こんな事でケンカするよりもいっそゲームにして楽しむっすよ」と

車組と列車組の二手に分かれて、どちらが勉三さんの実家に早く着くか競争する事を提案。

キテレツ達はその提案に乗る事にします。

車で行くのは勉三さん・キテレツ・コロ助・ブタゴリラ。列車で行くのはトンガリとみよちゃん。となります。

出発当日、表野駅で列車に乗るトンガリ達。その時刻に合わせてキテレツ達の車も出発します。

新幹線に乗り換えたトンガリ達、「しまった。こっちを出発地点にすれば良かった」と嘆くトンガリに

「そんなに欲張っても仕方ないわよ。スピードよりも安全と確実さでしょ」とみよちゃん。

トンガリは「みよちゃんはどっちの味方なの?」と聞き、「どっちでもないわよ。

私はただあっちで楽しく遊べればいいだけだもん」と返すみよちゃん。

一方のキテレツ達、順調に高速道路を走っていましたが、

脂汗を流し、顔面蒼白のブタゴリラの様子がおかしいと

気付いたコロ助が「どうしたナリ?」とブタゴリラを揺らすと、「さ、触るな!」と

必死にトイレを我慢している様です。そんなブタゴリラを心配するキテレツ、

ブタゴリラは俺に構わず、少しでも先に進もうと言いますが、

勉三さんは「ガソリンもSAで入れなくちゃなんねぇし、タイヤにチェーンを巻かないと」と

言い、SAに立ち寄る事にします。

チェーンを巻き、高速から降りたキテレツ達の車。「もう着いたの?」とブタゴリラ。

しかし勉三さんは「いや、これから峠越えっす」と答えます。

しばらく山道を走らせていると、渋滞に掴まってしまうキテレツ達の車。

ノロノロ運転のキテレツ達の車、「峠を越えればもうすぐっす」と勉三さんは言いますが、

一人焦るブタゴリラ。

その頃のトンガリ達は山形駅に着き、迎えに来た勉三さん母と一緒にバスに乗り込みます。

勉三さん母は「家の最寄のバス停まで2時間くらいで、そこから徒歩で結構歩く」と話し、

「そんなにー!」と嘆くトンガリ。

キテレツ達の車の中ではずっと「キテレツ!何とかしろ」と叫び続けるブタゴリラの言葉に

勉三さんは道をUターンし、「抜け道を知ってる」と細い山道へと入って行きます。

キテレツ達の入っていた山道には「クマに注意」を書かれた看板がありましたが、

雪が積もっていた為、誰も気付きませんでした。

雪も止み、快適に進むキテレツ達の車でしたが、途端に道が険しくなり、

車体が大きく揺れながらも何とか進み続ける車。

一方のトンガリ達、やっとバス亭に着き、トンガリは走って家を目指します。

キテレツ達の乗った車は雪の山道の上り坂でハマッて進めなくなってしまい、

コロ助達が後ろから押して脱出しようと試みます。

しかし、コロ助が雪で足を滑らせ、転倒。すると車はコロ助のいなくなった左側から回転して

坂をクルクルと落ちていき、後ろから木にぶつかり、車は停止。

衝撃で木に積もっていた雪が落下し、車を覆ってしまいます。

驚き心配するキテレツ達、すると車から「いやぁスタントマンになった気分みたいっすねぇ」と

暢気な事を言いながら、笑顔で降りてきた勉三さん。キテレツ達はその場にずっこけます。

ついに立ち往生して動けなくなったキテレツ達、ブタゴリラは

「あいつ(トンガリ)にだけは勝負で負けて、バカにされるのは嫌だよー!」と叫びます。

その頃のトンガリ達は勉三さんの実家に到着していて、

トンガリは大笑いしながら「先に着いたー」と踊っていました。

そこに「クマダ」という男性が現れ、勉三さん母に何かを借りていきます。

夜になり、キテレツ達は焚き火をして食事中。冬山の夜道は危険という事で

今夜は車の中で寝て、夜が明けたら出発する事にします。

連れションをしようと焚き火から離れるブタゴリラとコロ助、すると二人は

近くに明かりを発見し、キテレツ達に家があると報告します。

勉三さんは一人で様子を見に行く事にします。

明かりを目指して山道を歩く勉三さん、着いた先は高圧電線の鉄塔で、

明かりはその管理小屋の窓から漏れていました。

扉を開ける勉三さん、部屋の中で眠る熊を発見し、「熊だー!」と叫び、逃げだします。

すると熊は勉三さんを追いかけ始めます。

焚き火の場所で待っていたブタゴリラ達の耳に「くまだー!」と勉三さんの叫びが聞こえ、

「やだな、先生みたいに呼んじゃって」とブタゴリラは声の方に歩いていくと、

勉三さんと一緒に熊もやって来て、慌てて死んだフリをする事に。

コロ助も死んだフリをし、キテレツは「違うよ、獣は火を怖がるんだ!」と

焚き火の木を持ち上げますが、熱くて持っていられず、放り捨てると慌てて死んだフリをします。

死んだフリを続けるキテレツ達、熊は焚き火にあたりながら寝始めました。

すると「コラッ!クマキチ!そんな所で寝てると凍えちまうぞ」と熊を怒鳴る男性が現れます。

その声を聞いて、目を覚ます熊。ブタゴリラは「おじさん誰?」と声をかけます。

「クマダコウキチってもんだが、あんたがたの方は?」と返すクマダ。

その後、管理小屋にて事情を聞いたクマダは「冬眠中のこいつ(熊)が寝ぼけて、

俺の名前の聞こえる方へ寄っていっちまったんだな」と話し、

「あぁ、熊だー!ってワスが叫んだから」と納得する勉三さん。

クマダは「最近は冬眠する場所もないらしくて、人里に下りて騒ぎになるよりはマシと思って

冬の間はここを貸してるんだよ」と熊が管理小屋にいた訳を説明します。

コロ助は「熊と二人暮らしナリか?」と質問、クマダは「おじさんは高圧電線を見回りに

来てるだけさ。大雪になりそうだったんでね」と答えます。

クマダは勉三さんを見て「あんたは狩野さんとこの息子さんかい?」と質問。

勉三さんが「ウチの母ちゃん知ってるんだすか?」と驚くと

「知ってるも何もあそこの婆ちゃんに便利だから“かんじき”を借りてるんだ」と話します。

勉三さんたちは電話を借り、実家に連絡。トンガリは涙を流して安堵します。

翌日、クマダさんの車に牽引され、やっと到着した勉三さんの車。

トンガリは「熊を見たい」と言い出し、コロ助は「おじさんに連れてってもらえば良いナリ」と言い、

喜ぶトンガリ。するとブタゴリラは「じゃあ、俺達はスキーに行くから別行動だな。

どっちが楽しいか勝負しようぜ」と返し、ずっこけるキテレツ達。

「そんなの勝負にならないでしょ!」と突っ込むトンガリ。

そんな様子を見ながら笑うキテレツ達、コロ助は「いくらやっても懲りない“クマ”ナリねぇ」と

呆れて笑うコロ助なのでした。


~感想~

今回はほとんど映ってるのがが車・列車で移動中という地味なお話なんですが、

その分、演出・脚本・演者が絶好調でかなり楽しめた一本でした。

画面には走ってる勉三さんの車だけが映っていて、

「勉三さん、寿司って言ってみて」「スス」「寿司!」「スス!スス…ありゃ?」という車内の会話とか

どう考えてもアドリブでしょ?と言いたくなるくらいの爆笑の掛け合いだったり、

車対列車対決に勝利したトンガリがお杉婆さんと踊り狂うシーンでの

トンガリの尋常じゃ無いくらいの喜び方といったどこまでアドリブなのか分からないくらいの

声優さんの圧倒的な演技を聞いたと思ったら、

演出でも勉三さんの車が発進すると同時にバックするシーンや

ブタゴリラの「新幹線の中で焦って走るんじゃねぇぞ」というセリフに対し、

皆が“列車の中で通路を暴走して扉にぶつかるトンガリ”を想像するシーン、

トイレを我慢するブタゴリラの苦悶の様子など

爆笑の連続のシーンを作り上げたかと思えば、

SAでトイレから出てきたブタゴリラが雪で滑って転ぶシーンや

熊が現れ、キテレツ達が死んだフリをしているところにクマダがやって来て、

「おじさん誰?」と質問するブタゴリラのシーンでブタゴリラの後ろの方、画面の隅で

目が覚めた熊がペロペロとじゃれてコロ助の顔を舐め、その様子を震えながら

キテレツが見てるという細かいシーンまで

しっかり作りこんでいて、どのシーン見てても笑顔になれます。

そして脚本も負けてなくて、熊を見つけた勉三さんが「熊だー!」と叫んだかと思えば、

その声を聞いて「何だよ、先生みたいな呼び方しないでよ」とブタゴリラが返事するといった

言葉遊びが上手く出来ていたり、

山形で勉三さんを待つ勉三さんの母とお杉婆さんの会話で

勉三さん母の「今は雪でも滑らないタイヤがあるから(車でも)大丈夫だべ」という言葉に

「(勉三さんが)大学さ入る時もそのタイヤがあれば滑らなかったのにのぉ」と返すといった

シャレの効いた会話も盛りだくさんでとても面白かったです。

冒頭、キテレツの「夏の頃から計画をたてていたスキー旅行は

出発前から遭難しそうだった」というナレーションが入って、ちょっと驚きました。

いつもはこんな演出ないので、ナレーションが一つあるだけで

雰囲気がガラリと変わりますね。

雪の山道で車がハマッて進めなくなってしまい、ついには回転しながら

下へ滑っていき、木にぶつかって止まるという普通なら大惨事のシーンで、

「スタントマンになったみたいっすねぇ」と笑いながら降りてきた勉三さんには笑いました。

こういうアニメならではの描写って好きです。

前回、ブタゴリラとトンガリはケンカしていましたが、またしてもケンカした二人。

しかし、ケンカする程仲が良いという言葉通り、ブタゴリラを泣いて心配するトンガリや

「意外と(トンガリが)一番心配してるかも」という勉三さんの言葉に

顔を赤くして照れるブタゴリラといった姿が印象に残りました。

ブタゴリラとキテレツの友情も素敵ですが、

ブタゴリラとトンガリのお互いを思う気持ちがひん曲がった友情ってのも良いもんですね。


今回のブタゴリラ言い間違い

「故郷に錦を飾る」を「故郷にニシキヘビを飾る」